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【26】離れがたい(アリシア視点)

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ヴェルーデに戻ってから、お菓子を味わう暇もない日々が続いている。
私は今、シャーリドで起こったさまざまなことを報告するために王宮に部屋を臨時に与えられている。移動時間が無いおかげでずいぶんラクをさせてもらえていた。

最初にシャーリドで拐かされた件について、陛下に報告をした。
事の顛末を説明していると、自分の迂闊さが浮き彫りになった。それを誰からも咎められることがなくても、自分の胸に苦いものが広がっている。
報告の場はマイラ様も同席で、私が見ていない場面をマイラ様が見ていたりその逆もあったりと、話しながらあの日の記憶が立体的になった。

監禁されていた地下にアルフレッド殿下とリカルド殿下が突入したことについては、不問に付すと陛下はおっしゃった。
お二人に謹慎などを与えたら、いろいろなことが滞ってしまうという単純な理由のような気がした。
アルフレッド殿下は、護衛騎士であるジャン様を含めて三人分の始末書を書かずに済んだのかもしれないのね。

そしてその報告から三日も開けずに、シャーリド視察の報告会も開かれた。

その場で陛下から、イクバル殿下と帝国のルチアナ皇女殿下の婚約の儀が延期となったと告げられた。新しい日程はまだ明らかになっていないそうだ。
密かに刑が執行されるのはもう少し先とのことだが、表向き第二王子ガズワーン殿下と第一側室サルワー妃の死は、お二人の住まう宮殿での流行り病によるものとするようだ。その理由ならば、二人の従者の何人かが消えても不自然ではない。
今はまだ二人を軟禁している状態で、ガズワーン殿下とサルワー妃の死は然るべき時期にもたらされるという。
そのため、シャーリドが喪に服す時間が対外的に必要となったということがあるようだ。
延期になって新たな日程で婚約の儀が無事に行われても、シャーリド一行が帝国内の国々を回っていくことは無くなるかもしれないとの陛下のお言葉だった。
そのようなことを華々しく行える国内情勢ではなさそうだと陛下は推察していらっしゃる。
ガズワーン殿下がフォートナム王国の元王太子殿下を使ったことで騒動はヴェルーデを含め三か国に跨り、シャーリド王が思ったよりも後始末は大変なようだ。

イクバル殿下は王からの文書を持ち、皇帝陛下に報告へ出向くという。
いくつかの部族をまとめた小国、さらにその小国を武力と財力で束ねたのがシャーリド王国という国の形であるが故に、物言う者たちも他国よりずっと多い。
元の小国の王族だった者たちは、シャーリド王家に何かあれば自分たちがいつでもとって代われると思っているのだ。

イクバル殿下の婚姻の儀が延期となったため、視察団の報告は宙に浮いた形になってしまった。延期となってももちろん準備は必要だが、今すぐ取り掛かることもなくなった。
ハワード公爵のご発声で、視察団はとりあえずの解散となった。

王宮に与えられた部屋に数日篭りまとめ上げた資料を、のろのろと片付けながら取り留めのないことを思う。
シャーリドの日々はほんの少し前のことなのに、作られた物語を聞かされたように輪郭が朧げになっていく。

私がシャーリド視察で得たのは、目の前にある光景は過去の小さな選択の集大成であり、不変なものではなく壊れやすいもの、そんなことだった。
どこかの時点で何かの選択が違えば、未来はすぐに変わってしまう。
積み重ねてきたものだって一瞬で消える。
そんな中で自分という小さな存在にできることは何なのかしら……。


シャーリドでイクバル殿下に案内された王妃殿下の庭に立ったとき、あまりの美しさに言葉も無かったが、同時に物哀しさも感じた。
絵画のように見事に造り込まれた庭は、刻一刻とその姿を変え続ける。
無数の小さな花は、昨日と今日で同じではない。
王妃殿下の手によって今日も昨日と変わりないように整えられていても、昨日の花とは違うのだ。萎れた花は地に落ちて、また新しい蕾がほころぶ。
そのほとんどは王妃殿下の目に留まることもなく、そうして代わり続ける。

王の手によって昨日と同じように整えられた今日の中で、無数の小さな民のうち、ある者は生を終え、また新しい命が生まれる。
全体像は変わりなく見えても、細部は絶えず動き変わりその変わっているひとつひとつに誰かが懸命に生きた証がひっそりとある。
そのことに目を向けなくてはいけないと感じた。

そんなシャーリドの王妃殿下の庭にアルフレッド殿下と共に立ち、殿下が真摯に謝罪をくださったことは私にとってとても大きなものだった。
いつかアルフレッド殿下は、その手でヴェルーデ王国という美しい庭を整えていくことになる。このままいけば私はそんな殿下をお支えしていく。
殿下が手掛けることになる美しい国は、誰かが懸命に生きているからこそということを忘れることなく、私もその美しい庭を懸命に整えていくお手伝いをしていきたい。

ぼんやりとした思考の流れが止まり、揃え直した資料や本などをメリッサに渡して公爵邸に持ち帰る荷物に入れてもらうよう頼んだ。
そして廊下に出たところで、アルフレッド殿下に声を掛けられた。

「アリシア、少し良いか。話したいことがあるんだ」

「ええ、大丈夫です」

「俺の部屋でもいいかな」

いや、あまり良くないのでは? 殿下のお部屋には、前に殿下のお見舞いということで通されたことがあるけれど……。
そう、あの時気づいたのよ。
おはようからおやすみまでを殿下が過ごしているお部屋の空気というものを、私ごときが吸い込んでいいものではないと。
できれば応接スペースを希望したい。
浅ましい視線で殿下が日常を送る部屋の中を見回す自分が、簡単に想像できてしまうので困るわ。

「わ、私は構いませんが……殿下のお部屋というのは……」

「心配することはないよ。安心安全な互いの従者たちもいる」

「……そうですね、ではお邪魔します」

アルフレッド殿下が、私がためらった理由を誤解なさっているけど訂正することもできなくて申し訳ない。



殿下の部屋でソファを勧められてしばらくすると、素敵なお茶のセットが置かれた。
カップの縁がお花のようにカットされていてとても可愛い。ティーポットの蓋のつまみがミツバチになっている。

「シャーリドの街で見つけたんだ。アリシアに贈るつもりだったが、ここに来てくれたときにアリシア専用として使うのもいいかと思って」

「とても可愛いですね」

私を見て微笑んだ殿下はその頬の緩み具合さえ美しく、カップの底に描かれている花を見つめることで目を逸らしてお茶を飲む。

「アリシア、シャーリド視察の報告会も一段落したことだし、一緒に出かけないか? 来週から学園に復学することが決まったようだから、その前にでも」

「どこかへ視察ですか?」

「いやいや、そういうことではなく、単にその……デートというか。ほら、二人で出かけたことがないだろう?」

デート!? 今、アルフレッド殿下はデートと言ったかしら……。

「……デート、ですか」

「そうだ。王宮の背後を守るように森があるだろう? そこに小さな湖があるんだ。そこまでの道は整備されていて馬で走りやすくなっている。アリシアのアルーブ種の馬でも、二十分ほどで到着するだろう。
湖に張り出したコテージがあって休めるようになっているんだ。
アリシアさえよければ、馬で行って湖を眺めてランチを一緒にどうだろう」

「湖の傍でのランチはとてもいいですね! サンドイッチなど持っていくのでしょうか」

「ああ、それはこちらで用意する。アリシアは着替えを一組持ってきてくれたらいい。
知っていると思うが、湖には女神像があって、そこでアリシアと……愛を誓いたいんだ」

「……まさか……着替えというのは、ヴェルネーレ様の……」

王宮の背後にある森の湖の女神像は、ヴェルーデの守護神『愛の女神様ヴェルネーレ』の像のことだ。
湖の中ほどの小さな島に像はあり、そこまでは細い道が作られている。
女神像の前で愛を誓い合った二人は永久の幸せを約束されるという。

ただしその年その年で女神像の前で『二人でする作業』が異なり、十二年で一巡する。
去年は『二人で湖の水を手で掬って飲む』という簡単な年だったので、愛を誓う恋人同士が多く訪れたというのだ。
一昨年は『湖の水を互いの肩に掛け合う』で、来年は『二人で湖の水で髪をすすぐ』だ。

そして今年は……『女神像から二人で湖を泳いで戻る』という、十二年で一番大変な年に当たっている。だから女神像で誓いたい恋人たちは、去年の内に訪れたのだ。
ただ、一番大変な『作業』だからこそ、それをやり遂げた二人の幸せは十二年の中で一番固く約束されるとも謂われており、わざわざその年を選ぶ者もいるという。

「アリシア、ひとつ聞くけど、君は泳げるのだろうか」

「泳げませんわ!」

思わず大きな声で即答してしまった。

「……そうだろうね。公爵令嬢が泳ぐ機会などそうそうないか」

「アルフレッド殿下は泳げるのですか?」

「ヴェルーデの王子は皆泳げる。まさにあの森の湖で、六歳になると毎年夏に数度の演習があるんだ。服のまま水に落とされたという想定で、普通の泳ぎと立ち泳ぎと潜りを覚えさせられる」

「まあ……。王子教育というものは大変なものなのですね。それはともかく、もしもヴェルネーレ様に愛を誓うのでしたら、そこはもう是非来年にいたしましょう。髪を濯ぐだけでいいのですもの」

「今年ではダメだろうか……。苛酷な年であることに、大きな意味があるように思えるんだ。俺がアリシアを抱えて泳ぎきる。そのための練習をしている。従者を抱えて泳ぐのは想像していたより難儀だったが、身体の大きい従者で慣れてしまえば上手くいくだろう」

殿下が従者を抱えて泳ぐ練習をなさっている?
……それはちょっと拝見したいわ。
苛酷な年であることに意味がある──アルフレッド殿下のおっしゃりたいことは解るような気がした。今年であることに意味を見出しているのであれば、私も覚悟を決めるべきなのね。

「……どうしても……泳ぐ流れなのですね?」

「湖だから流れはない。安心して一緒に泳いでほしい」

アルフレッド殿下はにっこりと、恐ろしいほどの美しい微笑で少しも安心できないことを言ったわ。
でも、シャーリド滞在中からずっと、殿下のお傍にいて何か不安になることはなかった。
いつも私のことを一番に真ん中に置いて考え、大切に思ってくださっていることが伝わってくる。──さすがに泳ごうと言われるとは予想外だったけれど。

「分かりました。覚悟を決めますわ」

「ありがとう。楽しいデートになりそうだ」

「デートという概念がアルフレッド殿下と私で少々異なるようですが、でも私も楽しみにしています。では、そろそろ部屋に戻りますね。
そうでした、戻ると言えば、王宮での報告会などがすべて終わりましたので、家に戻ることになりました。多くのご配慮ありがとうございました」

「……そうか、公爵家に戻ってしまうのか……。報告会では、思い出したくもないこともあっただろうに辛い思いをさせてしまった」

「いえ、国費で視察に出た以上、きちんと報告をするのは最低限のことですわ」

「シャーリドの一行が帝国を出てまっすぐ帰途に就くことになってしまえば、そうしたアリシアの努力が実を結ばないことになってしまいそうで、申し訳なく思う」

「殿下はまったく悪くありませんから、そのようなことをおっしゃらないでください。それに、シャーリドのご一行がヴェルーデを訪れることが無くなっても、シャーリドでの経験は私の人生の宝物になりますわ」

「そう言ってもらえると、本当にありがたいな……少しだけ、抱きしめることを許してもらえないか」

「え?」

「……またその『え?』が見られた。今日は良い日だ」

答えを待たず、アルフレッド殿下は私を抱きしめながら囁くように言う。
空気を抱き込むように、優しく、そっと包まれた。
ずっと、こうして殿下の腕の中に居たい、そんな風に考えてしまう。
私のことを守ろうとしてくださるアルフレッド殿下を、私もまたお守りしていきたい。

何かを頭のノートに書きつけようとしたのに、何も言葉が浮かばない。
アルフレッド殿下の胸の温かさを知ってしまった私は、離れたら誰より弱い人間になってしまうのではないかと、ただそれを怖く感じた。
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