134 / 466
第五章 漸くモノにした魔塔主と少し素直になれた弟子
131.待っていた言葉
しおりを挟む
レイヴンの前髪を掻き上げて様子を見るが、何故かギュッと目が閉じられている。
意識飛んでるか? そこまでじゃなさそうだったんだが。
「レイ? ……おい、レイ?」
「はぁっ、はぁっ……ん、……」
グッタリとベッドに横たわったまま息を逃すばかりで反応がない。
仕方なく自身を引き抜いてレイヴンの瞼に唇を落とすと、固く閉じられていた瞳が少しだけ反応して俺を映した。
「……っつい、あっ、ついから……離し、て?」
「そりゃぁ、ヤることヤったら熱いよなぁ。でもほら、余韻ってヤツが……」
「……いらない。もう、疲れた。喉、痛い……」
「お前なぁ……終わった途端に素に戻るなよ……」
横たわったまま何故か不機嫌そうなレイヴンを残し、仕方なく水を取りにいく。
水差しごと持ってくると、レイヴンの身体を起こして水を飲ませようとコップを近づける。
「ン……はぁ……」
「で、涼しくなったか?」
「……少し、は。もう、テオに付き合うの、疲れる……」
「年寄り臭ぇな、ったく」
レイヴンの口調は不貞腐れているが水で喉を潤してもその顔は火照ったままで、情事の後が色濃く残っている。
俺がじっと見つめていることに気付くと、何? と首を傾げる。
「これだけ乱れてんのに、まぁだ素直にならないのかよ。所有印もたくさんついてるってのに。別にエロエロじゃなくてもいいけどよ、こう、もうちょっと可愛げある態度とか……」
「……何ですか、それ……いつも、跡つけないでって、言ってるのに。絶対に、付けるのは誰でしょうね?」
レイヴンも静かに俺を見つめてから息を吐き出し、諦めたように胸に顔を預けてくる。
暫く俺の胸の鼓動を聞くように寄りかかってじっとしていたが、急にポツリと言葉を紡ぎ出す。
「意地悪だし、すぐ触ってくるし、やめてって言ってもやめてくれないけど。それでもテオじゃないと……嫌だから――」
視線を合わせて、最後の一言を何とか絞り出そうとするレイヴンを、茶化さずに静かに見つめる。
「……貴方を、愛して、ます。テオ……」
その一言で耳まで赤くしているレイヴンの頬に手を当てた。
また随分と情熱的な告白じゃねぇか。
嬉しいねぇ。
今、俺も素直に嬉しそうな顔してんだろうな。
言ってから困惑しているレイヴンに顔を寄せる。
こう言わせるのにここまで苦労したのは初めてだな。
それだけに俺への気持ちがこもっているのが分かるし、レイヴンにとっちゃ自分の気持ちを見つめて、認めるまでが長かっっただろうから、大きな一歩だよな。
フ、と、口元が緩むのが分かる。
ホント、可愛いヤツだ。
意識飛んでるか? そこまでじゃなさそうだったんだが。
「レイ? ……おい、レイ?」
「はぁっ、はぁっ……ん、……」
グッタリとベッドに横たわったまま息を逃すばかりで反応がない。
仕方なく自身を引き抜いてレイヴンの瞼に唇を落とすと、固く閉じられていた瞳が少しだけ反応して俺を映した。
「……っつい、あっ、ついから……離し、て?」
「そりゃぁ、ヤることヤったら熱いよなぁ。でもほら、余韻ってヤツが……」
「……いらない。もう、疲れた。喉、痛い……」
「お前なぁ……終わった途端に素に戻るなよ……」
横たわったまま何故か不機嫌そうなレイヴンを残し、仕方なく水を取りにいく。
水差しごと持ってくると、レイヴンの身体を起こして水を飲ませようとコップを近づける。
「ン……はぁ……」
「で、涼しくなったか?」
「……少し、は。もう、テオに付き合うの、疲れる……」
「年寄り臭ぇな、ったく」
レイヴンの口調は不貞腐れているが水で喉を潤してもその顔は火照ったままで、情事の後が色濃く残っている。
俺がじっと見つめていることに気付くと、何? と首を傾げる。
「これだけ乱れてんのに、まぁだ素直にならないのかよ。所有印もたくさんついてるってのに。別にエロエロじゃなくてもいいけどよ、こう、もうちょっと可愛げある態度とか……」
「……何ですか、それ……いつも、跡つけないでって、言ってるのに。絶対に、付けるのは誰でしょうね?」
レイヴンも静かに俺を見つめてから息を吐き出し、諦めたように胸に顔を預けてくる。
暫く俺の胸の鼓動を聞くように寄りかかってじっとしていたが、急にポツリと言葉を紡ぎ出す。
「意地悪だし、すぐ触ってくるし、やめてって言ってもやめてくれないけど。それでもテオじゃないと……嫌だから――」
視線を合わせて、最後の一言を何とか絞り出そうとするレイヴンを、茶化さずに静かに見つめる。
「……貴方を、愛して、ます。テオ……」
その一言で耳まで赤くしているレイヴンの頬に手を当てた。
また随分と情熱的な告白じゃねぇか。
嬉しいねぇ。
今、俺も素直に嬉しそうな顔してんだろうな。
言ってから困惑しているレイヴンに顔を寄せる。
こう言わせるのにここまで苦労したのは初めてだな。
それだけに俺への気持ちがこもっているのが分かるし、レイヴンにとっちゃ自分の気持ちを見つめて、認めるまでが長かっっただろうから、大きな一歩だよな。
フ、と、口元が緩むのが分かる。
ホント、可愛いヤツだ。
0
お気に入りに追加
107
あなたにおすすめの小説
新しいパパは超美人??~母と息子の雌堕ち記録~
焼き芋さん
BL
ママが連れてきたパパは超美人でした。
美しい声、引き締まったボディ、スラリと伸びた美しいおみ足。
スタイルも良くママよりも綺麗…でもそんなパパには太くて立派なおちんちんが付いていました。
これは…そんなパパに快楽地獄に堕とされた母と息子の物語…
※DLsite様でCG集販売の予定あり
壁穴奴隷No.19 麻袋の男
猫丸
BL
壁穴奴隷シリーズ・第二弾、壁穴奴隷No.19の男の話。
麻袋で顔を隠して働いていた壁穴奴隷19番、レオが誘拐されてしまった。彼の正体は、実は新王国の第二王子。変態的な性癖を持つ王子を連れ去った犯人の目的は?
シンプルにドS(攻)✕ドM(受※ちょっとビッチ気味)の組合せ。
前編・後編+後日談の全3話
SM系で鞭多めです。ハッピーエンド。
※壁穴奴隷シリーズのNo.18で使えなかった特殊性癖を含む内容です。地雷のある方はキーワードを確認してからお読みください。
※No.18の話と世界観(設定)は一緒で、一部にNo.18の登場人物がでてきますが、No.19からお読みいただいても問題ありません。
小さい頃、近所のお兄さんに赤ちゃんみたいに甘えた事がきっかけで性癖が歪んでしまって困ってる
海野
BL
小さい頃、妹の誕生で赤ちゃん返りをした事のある雄介少年。少年も大人になり青年になった。しかし一般男性の性の興味とは外れ、幼児プレイにしかときめかなくなってしまった。あの時お世話になった「近所のお兄さん」は結婚してしまったし、彼ももう赤ちゃんになれる程可愛い背格好では無い。そんなある日、職場で「お兄さん」に似た雰囲気の人を見つける。いつしか目で追う様になった彼は次第にその人を妄想の材料に使うようになる。ある日の残業中、眠ってしまった雄介は、起こしに来た人物に寝ぼけてママと言って抱きついてしまい…?
3人の弟に逆らえない
ポメ
BL
優秀な3つ子に調教される兄の話です。
主人公:高校2年生の瑠璃
長男の嵐は活発な性格で運動神経抜群のワイルド男子。
次男の健二は大人しい性格で勉学が得意の清楚系王子。
三男の翔斗は無口だが機械に強く、研究オタクっぽい。黒髪で少し地味だがメガネを取ると意外とかっこいい?
3人とも高身長でルックスが良いと学校ではモテまくっている。
しかし、同時に超がつくブラコンとも言われているとか?
そんな3つ子に溺愛される瑠璃の話。
調教・お仕置き・近親相姦が苦手な方はご注意くださいm(_ _)m
童貞が建設会社に就職したらメスにされちゃった
なる
BL
主人公の高梨優(男)は18歳で高校卒業後、小さな建設会社に就職した。しかし、そこはおじさんばかりの職場だった。
ストレスや性欲が溜まったおじさん達は、優にエッチな視線を浴びせ…
食事届いたけど配達員のほうを食べました
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
なぜ自転車に乗る人はピチピチのエロい服を着ているのか?
そう思っていたところに、食事を届けにきたデリバリー配達員の男子大学生がピチピチのサイクルウェアを着ていた。イケメンな上に筋肉質でエロかったので、追加料金を払って、メシではなく彼を食べることにした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる