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第二章 様子見の魔塔主と距離を置く弟子
41.再びの魔獣討伐
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次の日、アレーシュ王国の主な職に着くものたちが集まり、王を中心とした魔獣討伐のための対策会議が始まった。
面倒だが、魔塔と騎士団も例外なく出席だ。
レイヴンは特に前回の討伐を指揮した者の一人として出席が義務付けられていたし、騎士団も団長のディートリッヒ、それと副団長たちも顔を揃えてむさ苦しいもんだ。
面倒臭い口だけの文官も含めたらかなりの人数だ。
最近魔獣が出没することが増えてきて、国としても放っておけない問題になってきたんだろう。
「以前討伐した魔獣の生き残りと報告を受けたが、間違いないか?」
威厳を帯びた声色で話しているのがこの国を治める国王、エルミュートス三世だ。
一代前の王は国の統治よりも権力を振りかざし肉欲に溺れる自堕落なヤツで、正直国を腐らせていた元凶だった。
そこで王族の血筋の中でも文武両道の力を正当に身に着けたエル、つまり、今の陛下が俺とディーにこの国を変えようと持ちかけてきた。
勿論俺たちだけじゃなくて、優秀な文官や腐っていない貴族たちも味方につけてな。
見事前王を引きずり下ろして、自分がその座に着いたってとこだ。
俺たちとも五歳しか歳も変わらねぇし、国王って言うには若造にも見えるがここ数年で乱れた法を少しずつ改正して、この国の平和と安らぎを導いた若き賢王、と民たちから慕われている。
まぁ……腹黒で食えねぇがな。
王族なんてそんなもんだ。
「はい、間違いありません。以前討伐したのが魔獣の雄だったのですが、どうやら番だったようで。現在西の森に現れたとの報告を受けております」
「レイヴン、前回の魔獣は獣型だったな?」
「はい。ブラックウルフです。ウルフと言えど、通常よりも大型だったため、前回も討伐に成功はしたものの、幾人かの負傷者が出ております」
前回の討伐のことを改めて思い出しながら淡々と事実だけを述べているレイヴンだが、よく見ると顔色も良くねぇ。
負傷者を出したことをまだ引きずっているのが丸分かりだ。
俺が目線で気にするなとレイヴンを横目で見ると、気付いたレイヴンも目線で、大丈夫、と返してくる。
こういう時も甘えていいと思うんだが、しっかりとしたいという思いも尊重してやらねぇといけないか。
レイヴンは出自の知れない自分がこの国で役職についているということも、ずっと気にしているからな。
できるヤツだということを、こういう場では見せつけた方がいい。
面倒だが、魔塔と騎士団も例外なく出席だ。
レイヴンは特に前回の討伐を指揮した者の一人として出席が義務付けられていたし、騎士団も団長のディートリッヒ、それと副団長たちも顔を揃えてむさ苦しいもんだ。
面倒臭い口だけの文官も含めたらかなりの人数だ。
最近魔獣が出没することが増えてきて、国としても放っておけない問題になってきたんだろう。
「以前討伐した魔獣の生き残りと報告を受けたが、間違いないか?」
威厳を帯びた声色で話しているのがこの国を治める国王、エルミュートス三世だ。
一代前の王は国の統治よりも権力を振りかざし肉欲に溺れる自堕落なヤツで、正直国を腐らせていた元凶だった。
そこで王族の血筋の中でも文武両道の力を正当に身に着けたエル、つまり、今の陛下が俺とディーにこの国を変えようと持ちかけてきた。
勿論俺たちだけじゃなくて、優秀な文官や腐っていない貴族たちも味方につけてな。
見事前王を引きずり下ろして、自分がその座に着いたってとこだ。
俺たちとも五歳しか歳も変わらねぇし、国王って言うには若造にも見えるがここ数年で乱れた法を少しずつ改正して、この国の平和と安らぎを導いた若き賢王、と民たちから慕われている。
まぁ……腹黒で食えねぇがな。
王族なんてそんなもんだ。
「はい、間違いありません。以前討伐したのが魔獣の雄だったのですが、どうやら番だったようで。現在西の森に現れたとの報告を受けております」
「レイヴン、前回の魔獣は獣型だったな?」
「はい。ブラックウルフです。ウルフと言えど、通常よりも大型だったため、前回も討伐に成功はしたものの、幾人かの負傷者が出ております」
前回の討伐のことを改めて思い出しながら淡々と事実だけを述べているレイヴンだが、よく見ると顔色も良くねぇ。
負傷者を出したことをまだ引きずっているのが丸分かりだ。
俺が目線で気にするなとレイヴンを横目で見ると、気付いたレイヴンも目線で、大丈夫、と返してくる。
こういう時も甘えていいと思うんだが、しっかりとしたいという思いも尊重してやらねぇといけないか。
レイヴンは出自の知れない自分がこの国で役職についているということも、ずっと気にしているからな。
できるヤツだということを、こういう場では見せつけた方がいい。
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