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第八章 真のハッピーエンディングを目指して
82.ラウディとの約束
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カラスはあまり表情を変えないイメージだったけど、俺を見ながら口元だけ微笑してくれた。
「ああ、待っている。それと、オレにも気楽に接してもらって構わない」
「分かった。ありがとう、カラス。大切にするよ」
カラスからまさかの贈り物までもらっちゃって……本当にみんな優しいよな。
さすがの俺もちょっとうるっと来た。
カティじゃあるまいしと思ったけど、察したラウディが俺の頭をなでて慰めてくれる。
「これも全てハルさんのお人柄ですよぉー。あっしもみんなも、ハルさんのことを応援してますからねぇー」
「ありがとう、みんな。精霊使いの卵として最後まで頑張るよ」
下級精霊たちみんなに拍手されて恥ずかしい気持ちになりながら、俺は剣を置きに行くために一旦家へ戻ることにした。
+++
「ハルさんはこれからどうするつもりですかぁ? 勿論育成は続けられると思いますけどー……」
「やることは変わらない。最後まで育成を続けて、最終報告に臨む。そこでカティよりも良い評価をもらって……ただそこからが分からないんだよな」
「分からないって?」
家に戻ると、モグとラウディに質問される。
だけど、恋愛エンディングの選択肢は分かるけど俺の目指すエンディングにはそれだけでは足りない。
「俺がやっていたゲームだと、精霊様と仲良くしていると王様からエーテルヴェールへ残ってもいいっていうお許しがもらえるはずなんだ。だから、ラウディの側にはいられるはずなんだけど……」
俺が呟くと、ラウディは容赦なく俺を抱きしめてくる。
最近ずっとこんな感じだ。
俺が離れろと言わない限り、やたらとひっついてくる。
それに、誰かと話している場面をラウディに目撃されるとジトっと見られてしばらく抱きしめられたままキスの嵐だ。
ったく、誰だよラウディのキャラを考えたヤツは!
普段は素知らぬ顔をしてると見せかけて、好感度が高くなると執着度も増し増しすぎるだろ!
文句を言ってる気持ちはあるけど、俺はこの状況にどんどん慣らされてしまっている。
「ハルの選択を応援するけど……僕から離れることだけは許さない」
「こわっ! あのなぁ、そういう言い方をすると普通はドン引きするって。俺はラウディの気持ちも知ってるつもりだから、そこまでは思わないけど……ラウディを悲しませることはしないよ」
「ホントに?」
「ホントにホントだ」
安心させるように頭をポンポンと叩くと、漸く開放してくれた。
その間もモグは口に手を当てながらはわはわーって言ってるし。見られてるの、恥ずかしすぎる。
「モグー……お前も止めてくれよー。ラウディってこんなキャラだったっけ?」
「ラウディ様は一途なお方なんですよぉー。もう、ハルさんのことが大好きなんですねぇー。お顔が以前のようにキリっとカッコよくなられて……あっしは嬉しいです」
モグは涙ぐんでるし、結局モグのことも慰めることになった。
+++
俺は中間報告の後、また育成と手伝いの日々へ戻った。
ラウディは俺へ力を貸したそうだったけど、恵みの樹へ力を送るのは俺自身がやらなくてはいけないことだ。
だから、終わったあとに癒してくれるならとお願いしたら夜に家へ来てくれて俺自身に力を送ってくれるようになった。
ラウディの力って安らぎを与えてくれるから、身体に送り込まれると凄くホッとするんだよな。
俺はいつもうつ伏せにベッドへ寝転んだ状態で、ラウディが背中へ優しく手をかざすと暖かい力が送られてくる。
「ありがとう、ラウディ。今日もよく眠れそうだ」
「ハルが喜んでくれるなら、それでいい。それに……」
「ああ。もうすぐ最終報告のはずだ。明日か、明後日か……」
俺が呟くと、ラウディは何やら考え込んでから俺の耳元に唇を寄せた。
触れそうで触れない距離が、とてもくすぐったい。
「ハル……明日の夜、七色の木の下に来て」
「え、あの木は……」
「大丈夫。日が暮れたら僕も行く。待ってるから」
ラウディはそう言い残して、家から出て行った。
七色の木って……ラウディの一番のトラウマの場所なはずじゃなかったか?
真意は分からないけど、俺も行って確かめるしかない。
「ああ、待っている。それと、オレにも気楽に接してもらって構わない」
「分かった。ありがとう、カラス。大切にするよ」
カラスからまさかの贈り物までもらっちゃって……本当にみんな優しいよな。
さすがの俺もちょっとうるっと来た。
カティじゃあるまいしと思ったけど、察したラウディが俺の頭をなでて慰めてくれる。
「これも全てハルさんのお人柄ですよぉー。あっしもみんなも、ハルさんのことを応援してますからねぇー」
「ありがとう、みんな。精霊使いの卵として最後まで頑張るよ」
下級精霊たちみんなに拍手されて恥ずかしい気持ちになりながら、俺は剣を置きに行くために一旦家へ戻ることにした。
+++
「ハルさんはこれからどうするつもりですかぁ? 勿論育成は続けられると思いますけどー……」
「やることは変わらない。最後まで育成を続けて、最終報告に臨む。そこでカティよりも良い評価をもらって……ただそこからが分からないんだよな」
「分からないって?」
家に戻ると、モグとラウディに質問される。
だけど、恋愛エンディングの選択肢は分かるけど俺の目指すエンディングにはそれだけでは足りない。
「俺がやっていたゲームだと、精霊様と仲良くしていると王様からエーテルヴェールへ残ってもいいっていうお許しがもらえるはずなんだ。だから、ラウディの側にはいられるはずなんだけど……」
俺が呟くと、ラウディは容赦なく俺を抱きしめてくる。
最近ずっとこんな感じだ。
俺が離れろと言わない限り、やたらとひっついてくる。
それに、誰かと話している場面をラウディに目撃されるとジトっと見られてしばらく抱きしめられたままキスの嵐だ。
ったく、誰だよラウディのキャラを考えたヤツは!
普段は素知らぬ顔をしてると見せかけて、好感度が高くなると執着度も増し増しすぎるだろ!
文句を言ってる気持ちはあるけど、俺はこの状況にどんどん慣らされてしまっている。
「ハルの選択を応援するけど……僕から離れることだけは許さない」
「こわっ! あのなぁ、そういう言い方をすると普通はドン引きするって。俺はラウディの気持ちも知ってるつもりだから、そこまでは思わないけど……ラウディを悲しませることはしないよ」
「ホントに?」
「ホントにホントだ」
安心させるように頭をポンポンと叩くと、漸く開放してくれた。
その間もモグは口に手を当てながらはわはわーって言ってるし。見られてるの、恥ずかしすぎる。
「モグー……お前も止めてくれよー。ラウディってこんなキャラだったっけ?」
「ラウディ様は一途なお方なんですよぉー。もう、ハルさんのことが大好きなんですねぇー。お顔が以前のようにキリっとカッコよくなられて……あっしは嬉しいです」
モグは涙ぐんでるし、結局モグのことも慰めることになった。
+++
俺は中間報告の後、また育成と手伝いの日々へ戻った。
ラウディは俺へ力を貸したそうだったけど、恵みの樹へ力を送るのは俺自身がやらなくてはいけないことだ。
だから、終わったあとに癒してくれるならとお願いしたら夜に家へ来てくれて俺自身に力を送ってくれるようになった。
ラウディの力って安らぎを与えてくれるから、身体に送り込まれると凄くホッとするんだよな。
俺はいつもうつ伏せにベッドへ寝転んだ状態で、ラウディが背中へ優しく手をかざすと暖かい力が送られてくる。
「ありがとう、ラウディ。今日もよく眠れそうだ」
「ハルが喜んでくれるなら、それでいい。それに……」
「ああ。もうすぐ最終報告のはずだ。明日か、明後日か……」
俺が呟くと、ラウディは何やら考え込んでから俺の耳元に唇を寄せた。
触れそうで触れない距離が、とてもくすぐったい。
「ハル……明日の夜、七色の木の下に来て」
「え、あの木は……」
「大丈夫。日が暮れたら僕も行く。待ってるから」
ラウディはそう言い残して、家から出て行った。
七色の木って……ラウディの一番のトラウマの場所なはずじゃなかったか?
真意は分からないけど、俺も行って確かめるしかない。
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