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第六章 バグる距離感
48.光と闇
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内心何でいるのと思ったけど、口に出さなかった俺を褒めてほしい。
今度はアウレリオルとオブディシアンの二人が俺の目の前に現れた。
「やはり来たか。待っていたぞ」
「ったく、その言い方だとハルがビビるだろ。もう少し優しい言い方はできないのかよ」
「……お二人とも、こんにちは」
なんで、こうも次々と巻き込まれるのか。俺はただ育成をしたいだけだってのに。
「ルカンは今自宅で反省するように伝えてある。ウルフから詳細は聞いているが、怪我はないようだな」
「おかげさまで。ラウディに助けてもらいました」
「へえー。ラウディのヤツがな。というか、ラウディはそこまでハルに気を許したんだな」
あ、無意識で愛称呼びをしてしまった。
オブディシアンにすぐに感づかれて突っ込まれる。アウレリオルはそのことには触れずに俺の方をじっと見つめてきた。
二人はどうして俺のことを待っていたのだろう? というか、対応が早すぎて驚くしかない。
「ウルフがすぐに知らせに来てくれたのだ。ルカンの言い分も聞いたが、念のためハルの言い分も聞く必要がある」
「コイツはそう言ってるが、ハルはどうせ巻き込まれたんだろ?」
「シアン、少し黙れ」
「はいはいっと」
生真面目なアウレリオルと自由なオブディシアン。相性は悪そうだな。
俺は腹を括ると、素直に自分視点の話をアウレリオルへ説明した。
アウレリオルはその間もずっと眉間に皺を寄せていたけど、俺の話を聞いて深く頷いた。
「成程。ウルフが言っていた話とも一致するな。今回はハルに非はなさそうだ」
「だから言ってるだろう。どうせルカンのヤツが突っ走っただけだって。アイツのカティへの肩入れっぷりはすさまじいからな。お前こそどうなんだよ?」
「カティは我に対しても茶の誘いや出かける誘いをしてくるのは確かだ」
「ほーら。やっぱりな。お前、自分の立場を弁えてるよな? 仮にも俺様たちを束ねてるっていう自覚があるなら、公平な立場で判断してもらわないとな」
オブディシアンはふざけた口調かと思っていたけど、最後の方は俺のことを考えて言ってくれてるってことだよな。
「そういう貴様こそ。ハルに随分肩入れしているように見えるが? 精霊とはどちらの精霊使いの卵にも公平に接すると言ったのはどの口だ」
「フン。この口だ。俺様はいいんだよ。お前とは立場が違うからな」
「我は貴様のような輩を取り締まるために、こうして皆の間に立って……」
この口論はいつ終わるんだ? これをずっと聞かされるのは困る。
はあ……参ったな。
「あの……お二人とも。俺が話せることは以上です。ウルフは俺をかばってくれたので、ウルフへのお咎めはなしでお願いします」
遠慮がちに口を挟むと、一旦口論は止まってくれた。
本当に疲れるんだよな、間に挟まれると。用が終わったのなら移動してほしい。
「ああ、分かっている。だが、主の暴走は自分の責任もあると言って主の側で見張っているようだ」
「ウルフ……さすが兄貴肌」
「兄貴? あー、確かにな。アイツはなかなか根性もあっていいな。カラスもいつも褒めてる」
オブディシアンが明るく笑うと、アウレリオルは盛大にため息を漏らす。
闇と光の名の通り、本当に対照的な二人なんだろうな。
「まあいい。ハルの言い分が聞けたので我は戻る。貴様は好きにしろ」
「お前に言われなくても好きにするさ」
アウレリオルは行ってしまったけど、オブディシアンはもしかしてこの場から離れないつもりか?
「あの……オブディシアン様?」
「ったく、俺様は表立って言うほどでもないからと思ってたってのに。ラウディのヤツまで許すなら話は別だ」
「……もしかして、愛称の話を蒸し返してます?」
俺が少し嫌そうに言うと、オブディシアンはニィっと意地悪そうに口端を吊り上げて笑って見せた。
うわー……また嫌な予感がする。精霊たちってノリで生きてるのか?
今度はアウレリオルとオブディシアンの二人が俺の目の前に現れた。
「やはり来たか。待っていたぞ」
「ったく、その言い方だとハルがビビるだろ。もう少し優しい言い方はできないのかよ」
「……お二人とも、こんにちは」
なんで、こうも次々と巻き込まれるのか。俺はただ育成をしたいだけだってのに。
「ルカンは今自宅で反省するように伝えてある。ウルフから詳細は聞いているが、怪我はないようだな」
「おかげさまで。ラウディに助けてもらいました」
「へえー。ラウディのヤツがな。というか、ラウディはそこまでハルに気を許したんだな」
あ、無意識で愛称呼びをしてしまった。
オブディシアンにすぐに感づかれて突っ込まれる。アウレリオルはそのことには触れずに俺の方をじっと見つめてきた。
二人はどうして俺のことを待っていたのだろう? というか、対応が早すぎて驚くしかない。
「ウルフがすぐに知らせに来てくれたのだ。ルカンの言い分も聞いたが、念のためハルの言い分も聞く必要がある」
「コイツはそう言ってるが、ハルはどうせ巻き込まれたんだろ?」
「シアン、少し黙れ」
「はいはいっと」
生真面目なアウレリオルと自由なオブディシアン。相性は悪そうだな。
俺は腹を括ると、素直に自分視点の話をアウレリオルへ説明した。
アウレリオルはその間もずっと眉間に皺を寄せていたけど、俺の話を聞いて深く頷いた。
「成程。ウルフが言っていた話とも一致するな。今回はハルに非はなさそうだ」
「だから言ってるだろう。どうせルカンのヤツが突っ走っただけだって。アイツのカティへの肩入れっぷりはすさまじいからな。お前こそどうなんだよ?」
「カティは我に対しても茶の誘いや出かける誘いをしてくるのは確かだ」
「ほーら。やっぱりな。お前、自分の立場を弁えてるよな? 仮にも俺様たちを束ねてるっていう自覚があるなら、公平な立場で判断してもらわないとな」
オブディシアンはふざけた口調かと思っていたけど、最後の方は俺のことを考えて言ってくれてるってことだよな。
「そういう貴様こそ。ハルに随分肩入れしているように見えるが? 精霊とはどちらの精霊使いの卵にも公平に接すると言ったのはどの口だ」
「フン。この口だ。俺様はいいんだよ。お前とは立場が違うからな」
「我は貴様のような輩を取り締まるために、こうして皆の間に立って……」
この口論はいつ終わるんだ? これをずっと聞かされるのは困る。
はあ……参ったな。
「あの……お二人とも。俺が話せることは以上です。ウルフは俺をかばってくれたので、ウルフへのお咎めはなしでお願いします」
遠慮がちに口を挟むと、一旦口論は止まってくれた。
本当に疲れるんだよな、間に挟まれると。用が終わったのなら移動してほしい。
「ああ、分かっている。だが、主の暴走は自分の責任もあると言って主の側で見張っているようだ」
「ウルフ……さすが兄貴肌」
「兄貴? あー、確かにな。アイツはなかなか根性もあっていいな。カラスもいつも褒めてる」
オブディシアンが明るく笑うと、アウレリオルは盛大にため息を漏らす。
闇と光の名の通り、本当に対照的な二人なんだろうな。
「まあいい。ハルの言い分が聞けたので我は戻る。貴様は好きにしろ」
「お前に言われなくても好きにするさ」
アウレリオルは行ってしまったけど、オブディシアンはもしかしてこの場から離れないつもりか?
「あの……オブディシアン様?」
「ったく、俺様は表立って言うほどでもないからと思ってたってのに。ラウディのヤツまで許すなら話は別だ」
「……もしかして、愛称の話を蒸し返してます?」
俺が少し嫌そうに言うと、オブディシアンはニィっと意地悪そうに口端を吊り上げて笑って見せた。
うわー……また嫌な予感がする。精霊たちってノリで生きてるのか?
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