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65.ずっとうとうと

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 僕は帰り道に寝ちゃってたから、ぼんやりとしか覚えてない。
 でも、寝てたってことは危ない魔物もいなかったんだと思う。
 オルお兄さんが僕のことを優しく抱えていてくれたから、安心して眠っちゃった。
 馬に揺られながら無事に小屋まで戻って、みんな疲れを取るために一回ぐっすり眠った。

 カステロッシへ戻る時も、僕はやっぱり眠くって起きてられなかった。
 今度は行きと同じようにラグお姉さんと一緒の馬だったけど、気づいたら寝ちゃってた。
 僕の身体も回復しなくっちゃって、いっしょうけんめいだったのかもしれない。

「フィロ、着いたぞ。まずは念のため身体に問題がないか、治療ができる者に見てもらったほうがいいだろう」
「んー……ラグお姉さん、ありがとう。」
 
 目をこすっていると、ラグお姉さんが僕のことを馬から下ろしてくれた。
 眠いだけで大丈夫だと思うんだけど、お城の回復魔法が使える人たちにもう大丈夫かどうか見てもらうことになった。

 +++
 
 お城のお部屋で見てもらったけど、特に問題がないって言われたから良かった。
 ポイのおかげですっかり治っちゃったみたい。

「では私は一旦これで失礼します」
「世話になったな。また共に戦える日が来るのを楽しみにしているぞ」

 僕のことを気にしてルイーツさんも側にいてくれたんだけど、王様への報告をしなくちゃいけないからここでお別れすることになった。
 
 ラグお姉さんがルイーツさんの肩をポンポンって叩いてお見送りしてる。
 僕も手を振ってお見送りしないと!

「ルイーツさん、ありがとうございました!」
「私は何も。全てはフィロさんと皆様のおかげです。おかげさまで陛下にも良いご報告ができそうです」
「報告は休んでから行けばいいわよね。このまま王様のところに直行する体力はないわ」

 僕たちみんなで頷く。
 途中で少し寝たけど、今はごろんと思いっきりベッドに寝っ転がりたい。
 ルイーツさんとお別れしてから、僕たちは宿屋に向かった。
 お城でもって言われたんだけど、お城の中ってやっぱり緊張しちゃうよねって話してて。
 ふかふかベッドはうれしいけど、今はみんなでごろーんってしたい。

「今日は酒でも飲んでぐっすり眠りたい気分だ。オルは付き合ってくれるだろう?」
「別に構わないが」
「その前にシャワー浴びなくっちゃ! なんかこげくさいのよ」
「僕も……」

 言いながらあくびが出てきちゃう。
 気づいたらみんなに見られてて、なんだか恥ずかしい。

「ピィー……」
「ポイも疲れたよね? 一緒に寝よう」
「ピピっ!」

 順番にシャワーへ入って、みんなでベッドの上に寝っ転がる。
 すぐに眠くなってきて、何を話してたのか分かんなくなっちゃった。
 
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