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☆雄みの受けちゃん話(航海士×海賊船長)

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 今日は記念すべき凱旋日。
 洞窟を利用した海賊のアジトで、大宴会が繰り広げられていた。
 酒樽に座ったならず者たちは、木の机に並べられたごちそうと酒を自由に食べながらある者は歌い踊りそれぞれ楽しんでいる。

「あの提督の顔と来たらよ、犬畜生以下だったよなァ?」
「ガハハ! 奴らの積み荷は根こそぎ奪ってやったし、いいこと尽くめだ。なあ、船長?」
「酒の肴にするにゃあ、丁度いいが。どうせならキレイな顔を肴に飲みたいもんだ」

 船長と言われた男は体躯も良く、来ている服は筋肉ではち切れんばかりだ。
 長い黒髪を一つに結わった髭面が、ニィと楽し気に笑んで一気に酒を煽っていく。

「金があるのに女がねぇのだけがなぁ」
「あの提督、クソ真面目野郎だしどうせ童貞だろ」

 下品な話で盛り上がる中、船長は隅の方で静かに飲む男へ視線を向ける。
 黙々と酒と肉を摘まんでいるが、男には誰も絡もうとしない。
 短く整えられた茶髪に、少々神経質そうな細目。
 船長のような大男ではないが、それなりに腕っぷしは強そうな身体つきだ。

「相変わらず愛想がねぇなお前は」
「別に。アンタが煩いだけだ」

 船長は自然とその男の側へ寄り、顎で洞窟の奥を指し示すと男も歪んだ笑みを見せて立ち上がる。
 楽しそうな場から、松明の灯りを頼みに奥へ進んでいくと船長の部屋へ辿り着いた。

「船長、飲みすぎだろ。酒臭い」
「うるせぇな。今、俺は最高に気分がイイんだよ。今日もお前の航海術を受けたくってなぁ」
「ハッ。アンタ最高に狂ってる」

 話しながら、船長は着ていた服を地面へ捨てていく。
 筋骨隆々とした上半身は刀傷や火傷の痕で傷だらけだ。
 机を背に軽く寄りかかると、船長は腕組みして男を見下ろす。

「さて、今日はどこの海域の説明をしてくれるんだ?」
「どこって……まずは必ず二つ島がある場所だろ?」

 不愛想だったはずの航海士は、手にした鉄製の細い差し棒で船長の熱い胸板を叩く。
 船長は楽し気に棒の行方を見つめていた。
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