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やっぱりサフィラス無双 その2
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王都に入り込んだ魔獣は召喚獣たちにお任せしたし、クラウィスたちにはケット・シーとクー・シーが側にいるから大丈夫だろう。仲が悪いように見えて、この二人は案外息が合うんだ。
「それじゃ、次はガブリエルさんのところに行って、魔獣の出所をなんとかしてきます」
「すまないが、頼む。我が国の優秀な魔法使いたちを失うわけにはいかない。本来なら、学生の君たちに頼ることでは無いのだが……残念ながら、私にできることは少ない」
王太子殿下が、神妙な面持ちでいう。
第二王子を俺に押し付けようとした時は本気でどうかと思ったけど、こういう真面目で根が善人なところが憎めない。凡人というわけでもないので、将来はそれなりにいい君主になるだろうから俺としては協力は惜しまないつもりだ。何より、アウローラの夫になる予定のお方だからね。
「国の危機ですから。状況に応じて、できる者ができる事をやればいいと私は思っております」
適材適所ってことだ。それと、やりたくない奴は無理にやらなくてもいいとも思っている。とはいえ、上に立つ立場の人間はそうも言ってられないんだろうけど。
俺とパーシヴァルは再びユニサスの背に跨ると、王都の森を目指す。
森からは魔獣が群れになって溢れ出ていて、城郭の外は魔獣だらけで大変なことになってる。こんなんじゃ深淵に辿り着くのは無理だ。森の中で魔法師団が防壁魔法で魔獣の流れを防いでいるのが見えたけれど、あの状態じゃ行くことも戻ることもできない。魔力が切れたらあっという間に魔獣の群れに飲み込まれてしまう。
「先に深淵をなんとかしてこよう」
ここでいくら防いでも、元から止めないとキリがない。深淵の上まで飛ぶと、穴から魔獣と共に魔素が湧き上がっているのがわかった。
「うわぁ……一体、何を放り込んだらあんなに魔素が湧くんだ?」
「禍々しいな……」
パーシヴァルが呟く。
全くだ、上空にいたって皮膚がざわざわする。
「よし。とりあえず、焼こう」
久々にパロサントの杖を振って魔獣が湧く深淵に向けて炎を放てば、青白い炎は渦を巻きながら深淵の奥深くに向かっていく。
それにしても植物の杖ってこんなに軽かったんだな。俺の場合、杖はあくまでも格好をつけるため魔法具だから、どんな杖を使ったとしても基本的に魔力に影響はない。それでもトライコーンの杖は全く違った。魔法を使った時の爽快感が段違いなんだ。俺はもうあの杖無しにはいられないよ。やっぱり早いとこ取り返さないとな。
王都の魔獣を何とかしたら、すぐにでもウェリタスのところに行こう。クー・シーがいないのは痛いけど、オルトロスでも何とか見つけてくれるだろう。
そんな事を考えながら炎が深淵に飲み込まれていく様を見守っていれば、一瞬の間をおいて爆発音と共に猛烈な熱風が吹き上がった。
「うっ!」
熱風を避けるためにユニサスが急旋回すると、背後から伸ばされた力強い腕が俺の腰をしっかり支えてくれた。
「ありがとう!」
「いや、大したことじゃない」
パーシヴァルは裸馬の背でも、安定した姿勢で座っている。普通だったら振り落とされているところだ。俺とは鍛え方が全く違うな。
パーシヴァルの王子様みたいなところは相変わらずだけど、出会った頃よりもずっと身長が伸びて体つきも一層しっかりとしてきた。もちろん俺だって背は伸びてるぞ! 痩せっぽっちだった体にだって肉もついた!
深淵はしばらく轟々と炎と熱を吹き上げていたけれど、次第に火の勢いは弱まり遂には静かになった。上空から様子を伺っていたけど、新たに魔獣が這い出てくる気配はない。あの炎で魔素を吹き出していた何かは魔獣と一緒に燃えたか、あるいは炭となった魔獣の燃え滓と一緒に深淵の奥深くに落ちていっただろう。
これで、当分の間はこの深淵から魔獣が出てくることはないから安心だ。
あとは、その辺を彷徨いている魔獣の退治だ。あまり森を荒らさないように、小さいけれど威力のある竜巻をいくつも起こしてその辺に残っている魔獣を巻き上げる。以前ヴァンダーウォールでやったやり方と同じだ。魔獣はしばらく竜巻の中で回しておけば毛皮に傷の無い状態で始末がつくし、一箇所に集められるから後始末も簡単。
あとは、ガブリエルさんたちと合流して、残りの魔獣を片付けたら王都での騒ぎは一応終わりだな。俺たちは急いでガブリエルさん達のところに戻る。
「ガブリエルさーん! 魔獣を片付けるので、防壁をできるだけ強化してください!」
魔獣と奮闘しているガブリエルさんに上空から声をかける。
「サフィラス君!? わかったわ! みんな、ここが踏ん張りどころとだと思ってちょうだい! 防壁強化よ!」
俺の登場に驚いたガブリエルさんだけど、すぐに魔法使いたちに防壁魔法の強化を指示した。魔法使い達もそろそろ魔力の限界だろう。中には魔力切れで倒れている魔法使いもいる。
俺は防壁を強化されたことを確認すると、辺り一帯に容赦なく雷を落とす。魔法使いや冒険者に襲いかかっていた魔獣は、あっという間に倒れて動かなくなった。
上からだと攻撃範囲を定めやすくて楽だな。おかげで思ったより簡単に片付いちゃった。
俺が地上に降りてゆくと、魔法使い達がざわついた。王国の優秀な魔法使い達が束になっても退けられない魔獣の群れを、あっという間に倒したのがこんな子供で驚いているんだろう。
「二人ともよく来てくれたわね。貴方たちが来てくれなかったら、私たちは全滅していたでしょう。本当に感謝するわ……ところで今王都の中がどうなっているかわかるかしら? あちらとは全く連絡が取れていないのよ」
「王都の方は大丈夫ですよ。今頃、騎士団は倒れた魔獣の回収をしていると思います」
「……そうなのね……よかったわ」
ガブリエルさんが安堵の表情を浮かべる。
「王都は魔法師団と騎士団がいるから大丈夫だと思っていたんですけど、まさかこれほどの魔獣が溢れているとは思っていなかったです」
「そうなのよ。各地でも同じように魔獣が大量発生しているらしくて。ヴァンダーウォールは大丈夫なの?」
「はい。我領は今の所なんの異変もありません」
「それならよかったわ。魔獣の森の深淵は、ここの比ではないものね……それにしても、この状況。歴史書で読んだ厄災竜が現れた時とよく似ているのよね。なんだか、嫌な感じがするわ」
実は俺もガブリエルさんと同じような事を、シュテルンクルストを脱出する時にちょっぴり思っていた。
150年前、厄災竜が現れる直前からそこかしこの深淵で異様に魔素が湧き出して、魔獣が大量発生した。あの時の感覚を覚えていた俺は、シュテルンクルスト城の地下に漂っていた魔素に言いようのない気持ち悪さを感じたんだけど。でも厄災竜は火の山の釜に放り込まれて燃え尽きたって話だし、どう考えても復活のさせようがない。
大体、あんなもの復活させたところで、人如きが思うように操れるわけがないんだ。なにしろあれは厄災そのものなんだから。いくら自信過剰なシュテルンクルストの王太子でもそこまで驕ってはいないだろう。
せいぜい魔獣で他国の力を削いでおいて、その隙に侵略してやろうって程度のものだろう。ただ、ずいぶんとえげつない魔素の素を作り出したみたいだけど。あんなものをちょくちょく深淵に放り込まれたらたまらない。
なので、そんなくだらない企みは徹底的に邪魔をして潰してやる。俺は面白おかしく、平和に冒険できる世の中であって欲しいんだ。シュテルンクルストのような国が支配する大陸じゃ、楽しい冒険はできそうにないからね。
「ガブリエルさん。学院が魔獣対策の拠点になっているようなので、怪我や魔力切れで動けない魔法使いと冒険者は転移で学院に連れてゆきます」
考え込んでいるガブリエルさんに声をかける。
ガブリエルさんは指揮を取らなきゃならないだろうから、すぐには現場を離れられないだろう。それでも、限界まで頑張っていた部下や冒険者を早く休ませてあげたいと思っているはず。
「それはありがたいわ! ぜひお願いできるかしら」
「任せてください。パーシヴァル、手を貸してくれる?」
「勿論だ」
パーシヴァルに手伝ってもらい、魔力切れや怪我をしている人達を学院に運び、ついでに王都の森で後始末をしている魔法師団や冒険者たちに物資も届けていたので、それらのお使いを終えた頃にはすっかり日も傾いていた。
うわぁ、一番星が輝いてるぞ。
魔力は全く尽きないが、体力はすっからかん。くったくたでしかもお腹が減って力が出ない。
「大丈夫か、サフィラス」
「……あんまり大丈夫じゃない」
パーシヴァルがフラフラする俺の背中を支えてくれていなければ、倒れているところだ。
「サフィラス様、パーシヴァル様、大変お疲れ様でした。お食事をご用意しておりますので、どうぞカフェテリアへいらしてくださいませ」
「アウローラ嬢!」
十分休めたのだろう。すっかり顔色が良くなったアウローラが微笑みを湛えて俺たちを出迎えてくれた。
「お肉をたくさんご用意いたしましたのよ」
「……やった、肉だって! 早く行こうパーシヴァル!」
元気になるには肉が一番だよね!
俺はパーシヴァルの手をグイグイと引いて、カフェテリアに急いだ。
「それじゃ、次はガブリエルさんのところに行って、魔獣の出所をなんとかしてきます」
「すまないが、頼む。我が国の優秀な魔法使いたちを失うわけにはいかない。本来なら、学生の君たちに頼ることでは無いのだが……残念ながら、私にできることは少ない」
王太子殿下が、神妙な面持ちでいう。
第二王子を俺に押し付けようとした時は本気でどうかと思ったけど、こういう真面目で根が善人なところが憎めない。凡人というわけでもないので、将来はそれなりにいい君主になるだろうから俺としては協力は惜しまないつもりだ。何より、アウローラの夫になる予定のお方だからね。
「国の危機ですから。状況に応じて、できる者ができる事をやればいいと私は思っております」
適材適所ってことだ。それと、やりたくない奴は無理にやらなくてもいいとも思っている。とはいえ、上に立つ立場の人間はそうも言ってられないんだろうけど。
俺とパーシヴァルは再びユニサスの背に跨ると、王都の森を目指す。
森からは魔獣が群れになって溢れ出ていて、城郭の外は魔獣だらけで大変なことになってる。こんなんじゃ深淵に辿り着くのは無理だ。森の中で魔法師団が防壁魔法で魔獣の流れを防いでいるのが見えたけれど、あの状態じゃ行くことも戻ることもできない。魔力が切れたらあっという間に魔獣の群れに飲み込まれてしまう。
「先に深淵をなんとかしてこよう」
ここでいくら防いでも、元から止めないとキリがない。深淵の上まで飛ぶと、穴から魔獣と共に魔素が湧き上がっているのがわかった。
「うわぁ……一体、何を放り込んだらあんなに魔素が湧くんだ?」
「禍々しいな……」
パーシヴァルが呟く。
全くだ、上空にいたって皮膚がざわざわする。
「よし。とりあえず、焼こう」
久々にパロサントの杖を振って魔獣が湧く深淵に向けて炎を放てば、青白い炎は渦を巻きながら深淵の奥深くに向かっていく。
それにしても植物の杖ってこんなに軽かったんだな。俺の場合、杖はあくまでも格好をつけるため魔法具だから、どんな杖を使ったとしても基本的に魔力に影響はない。それでもトライコーンの杖は全く違った。魔法を使った時の爽快感が段違いなんだ。俺はもうあの杖無しにはいられないよ。やっぱり早いとこ取り返さないとな。
王都の魔獣を何とかしたら、すぐにでもウェリタスのところに行こう。クー・シーがいないのは痛いけど、オルトロスでも何とか見つけてくれるだろう。
そんな事を考えながら炎が深淵に飲み込まれていく様を見守っていれば、一瞬の間をおいて爆発音と共に猛烈な熱風が吹き上がった。
「うっ!」
熱風を避けるためにユニサスが急旋回すると、背後から伸ばされた力強い腕が俺の腰をしっかり支えてくれた。
「ありがとう!」
「いや、大したことじゃない」
パーシヴァルは裸馬の背でも、安定した姿勢で座っている。普通だったら振り落とされているところだ。俺とは鍛え方が全く違うな。
パーシヴァルの王子様みたいなところは相変わらずだけど、出会った頃よりもずっと身長が伸びて体つきも一層しっかりとしてきた。もちろん俺だって背は伸びてるぞ! 痩せっぽっちだった体にだって肉もついた!
深淵はしばらく轟々と炎と熱を吹き上げていたけれど、次第に火の勢いは弱まり遂には静かになった。上空から様子を伺っていたけど、新たに魔獣が這い出てくる気配はない。あの炎で魔素を吹き出していた何かは魔獣と一緒に燃えたか、あるいは炭となった魔獣の燃え滓と一緒に深淵の奥深くに落ちていっただろう。
これで、当分の間はこの深淵から魔獣が出てくることはないから安心だ。
あとは、その辺を彷徨いている魔獣の退治だ。あまり森を荒らさないように、小さいけれど威力のある竜巻をいくつも起こしてその辺に残っている魔獣を巻き上げる。以前ヴァンダーウォールでやったやり方と同じだ。魔獣はしばらく竜巻の中で回しておけば毛皮に傷の無い状態で始末がつくし、一箇所に集められるから後始末も簡単。
あとは、ガブリエルさんたちと合流して、残りの魔獣を片付けたら王都での騒ぎは一応終わりだな。俺たちは急いでガブリエルさん達のところに戻る。
「ガブリエルさーん! 魔獣を片付けるので、防壁をできるだけ強化してください!」
魔獣と奮闘しているガブリエルさんに上空から声をかける。
「サフィラス君!? わかったわ! みんな、ここが踏ん張りどころとだと思ってちょうだい! 防壁強化よ!」
俺の登場に驚いたガブリエルさんだけど、すぐに魔法使いたちに防壁魔法の強化を指示した。魔法使い達もそろそろ魔力の限界だろう。中には魔力切れで倒れている魔法使いもいる。
俺は防壁を強化されたことを確認すると、辺り一帯に容赦なく雷を落とす。魔法使いや冒険者に襲いかかっていた魔獣は、あっという間に倒れて動かなくなった。
上からだと攻撃範囲を定めやすくて楽だな。おかげで思ったより簡単に片付いちゃった。
俺が地上に降りてゆくと、魔法使い達がざわついた。王国の優秀な魔法使い達が束になっても退けられない魔獣の群れを、あっという間に倒したのがこんな子供で驚いているんだろう。
「二人ともよく来てくれたわね。貴方たちが来てくれなかったら、私たちは全滅していたでしょう。本当に感謝するわ……ところで今王都の中がどうなっているかわかるかしら? あちらとは全く連絡が取れていないのよ」
「王都の方は大丈夫ですよ。今頃、騎士団は倒れた魔獣の回収をしていると思います」
「……そうなのね……よかったわ」
ガブリエルさんが安堵の表情を浮かべる。
「王都は魔法師団と騎士団がいるから大丈夫だと思っていたんですけど、まさかこれほどの魔獣が溢れているとは思っていなかったです」
「そうなのよ。各地でも同じように魔獣が大量発生しているらしくて。ヴァンダーウォールは大丈夫なの?」
「はい。我領は今の所なんの異変もありません」
「それならよかったわ。魔獣の森の深淵は、ここの比ではないものね……それにしても、この状況。歴史書で読んだ厄災竜が現れた時とよく似ているのよね。なんだか、嫌な感じがするわ」
実は俺もガブリエルさんと同じような事を、シュテルンクルストを脱出する時にちょっぴり思っていた。
150年前、厄災竜が現れる直前からそこかしこの深淵で異様に魔素が湧き出して、魔獣が大量発生した。あの時の感覚を覚えていた俺は、シュテルンクルスト城の地下に漂っていた魔素に言いようのない気持ち悪さを感じたんだけど。でも厄災竜は火の山の釜に放り込まれて燃え尽きたって話だし、どう考えても復活のさせようがない。
大体、あんなもの復活させたところで、人如きが思うように操れるわけがないんだ。なにしろあれは厄災そのものなんだから。いくら自信過剰なシュテルンクルストの王太子でもそこまで驕ってはいないだろう。
せいぜい魔獣で他国の力を削いでおいて、その隙に侵略してやろうって程度のものだろう。ただ、ずいぶんとえげつない魔素の素を作り出したみたいだけど。あんなものをちょくちょく深淵に放り込まれたらたまらない。
なので、そんなくだらない企みは徹底的に邪魔をして潰してやる。俺は面白おかしく、平和に冒険できる世の中であって欲しいんだ。シュテルンクルストのような国が支配する大陸じゃ、楽しい冒険はできそうにないからね。
「ガブリエルさん。学院が魔獣対策の拠点になっているようなので、怪我や魔力切れで動けない魔法使いと冒険者は転移で学院に連れてゆきます」
考え込んでいるガブリエルさんに声をかける。
ガブリエルさんは指揮を取らなきゃならないだろうから、すぐには現場を離れられないだろう。それでも、限界まで頑張っていた部下や冒険者を早く休ませてあげたいと思っているはず。
「それはありがたいわ! ぜひお願いできるかしら」
「任せてください。パーシヴァル、手を貸してくれる?」
「勿論だ」
パーシヴァルに手伝ってもらい、魔力切れや怪我をしている人達を学院に運び、ついでに王都の森で後始末をしている魔法師団や冒険者たちに物資も届けていたので、それらのお使いを終えた頃にはすっかり日も傾いていた。
うわぁ、一番星が輝いてるぞ。
魔力は全く尽きないが、体力はすっからかん。くったくたでしかもお腹が減って力が出ない。
「大丈夫か、サフィラス」
「……あんまり大丈夫じゃない」
パーシヴァルがフラフラする俺の背中を支えてくれていなければ、倒れているところだ。
「サフィラス様、パーシヴァル様、大変お疲れ様でした。お食事をご用意しておりますので、どうぞカフェテリアへいらしてくださいませ」
「アウローラ嬢!」
十分休めたのだろう。すっかり顔色が良くなったアウローラが微笑みを湛えて俺たちを出迎えてくれた。
「お肉をたくさんご用意いたしましたのよ」
「……やった、肉だって! 早く行こうパーシヴァル!」
元気になるには肉が一番だよね!
俺はパーシヴァルの手をグイグイと引いて、カフェテリアに急いだ。
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