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何やら波乱の気配がしてまいりました
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※今回も短めです。すみません!
ヴァンダーウォール卿の執務室に入ると、すでにみんなが揃っていた。
パーシヴァルに促されて、用意されていた椅子に座る。
決して狭い部屋じゃないけれど、ともかく体の大きなヴァンダーウォール卿とソファにはお兄さんたちが並んでいるのだ。アデライン夫人と俺が必要以上に小さく感じる。
「サフィラス、体は大丈夫か?」
「無理はしなくてもいいんだぞ」
テオドールさんとカーティスさんが声をかけてくれる。
「二人の言う通りだ。不調を感じたら遠慮せずに言うように」
ヴァンダーウォール卿まで俺を気遣う言葉をかけてくれた。随分心配されちゃってるけど、やっぱりあの服だろうなぁ……あれはまぁ、着ていた俺もだけど、見ちゃった方も無傷じゃないだろう。
つい遠い目をしていれば、ピィと鋭い鳴き声が響いて逃避しかけていた俺の意識が呼び戻された。
執務机の側に用意された止まり木では、立派な風隼が羽を休めている。この風隼なら嵐の中でもびくともせずに飛びそうだ。ヴァンダーウォールでは隼までも逞しく育つんだな。
「何はともあれ、無事に戻ってきてくれて何よりだった」
「いえ、俺が捕まったせいでパーシヴァルにも怪我をさせてしまって、すみませんでした」
「なぁに、魔獣討伐に赴けば、あの程度の傷はかすり傷にもならないさ。なぁ、パーシヴァル!」
「はい」
カーティスさんの強引な『なぁ』にパーシヴァルは真面目な顔で頷く。きっとこんな調子で、パーシヴァルは幼いころから討伐に同行していたんだろうな。ベリサリオ家、強い。
俺ができる報告は大した内容ではなかったけど、シュテルンクルストの地下に結構な魔素が漂っていた事と、ファガーソン侯爵とウェリタスが、シュテルンクルストの王太子の事をいずれ大陸を統べる人物だと言っていた事を伝えた。もしかして戦争でも企んでいるんじゃないかと思ったけど、戦の準備らしき動きは今の所ないらしい。戦をするには莫大な金と人が動くから、どんなに秘密裏に動いていたとしてもなんとなくわかるものだ。
あのただならぬ魔素がどうにも気になりはするが、大陸云々についてはあいつらの妄想が逞しいだけかもしれないし。
「さて、シュテルンクルストからの報告だが、王太子の手の者が密かにお前たちの行方を追っているそうだ」
「うわぁ、諦めてないんだ……」
捕まるような失態は二度としないが、まさかその日のうちにヴァンダーウォールに戻っているとは思わないだろう。その辺に潜んでいると思っているうちは、俺たちを見つけることはできないだろうな。せいぜい頑張って探してくれ。
「それから、ペルフェクティオ家の長男がシュテルンクルストの騎士と魔法使いを伴い、おそらくはエト・ケトラに向かっている」
「え? ウェリタスが?」
しかもソルモンターナじゃなくて、隣国?
「二人の捜索か、それとも他に目的があってのことなのか。少なくとも、シュテルンクルスト側の人間を連れている。なんらかの指示を受けて動いていると考えて間違いないだろう」
ソルモンターナとシュテルンクルストの間にはエト・ケテラという小さな国がある。ソルモンターナに入るには、このヴァンダーウォールかそのエト・ケテラを通るしかないので、ウェリタスの正体を知っている人間がいるヴァンダーウォールを避けたと考えればそれほど不自然な動きではない。
もしかして、伯爵を亡命でもさせるつもりなんだろうか……あまり役には立たなそうな人材だけど、そこそこの魔法を使っていたから、賑やかしくらいにはなるのかもしれない。
元兄や元父母にはなんの情も湧いてこないが、アクィラには多少なりとも思うところがある。悪巧みに巻き込まれなければいいけど、母親がなんの守りにもならなそうだから、なんとか自力で危機を回避してほしい。
もう一つの可能性としては、妄想実現の第一歩として、シュテルンクルスト側がエト・ケテラになんらかの取引を持ちかけようとしているかだ。
エト・ケテラの王族はソルモンターナにもシュテルンクスルストにも、同じ距離感の付き合いをしているけど、基本的には安定と平和を掲げている国だ。おいそれと馬鹿げた妄想話に乗ることはないだろうが、あいつらはどんな卑怯な手を使ってくるかわからないからな。なにしろこの俺に薬を飲ませて、趣味の悪い格好までさせるような連中だ。俺はあの屈辱を絶対に忘れてやらないぞ。
ともかく。ウェリタスが何をしようと結構だが、杖と指輪は早々に取り戻さないといけないかも。旅先で勝手に杖を売り飛ばされたり、指輪を悪用されても厄介だ。
さっさと取り返してきちゃうかな~と思いながら、チラリと隣に座っているパーシヴァルに視線を向ける。
「どうした、サフィラス?」
……とりあえず、俺一人で取り返しに行くって選択肢はないよな。ちゃんとパーシヴァルには相談しよう。
「明日にでもエト・ケトラに行こうと思うんだけど」
「ウェリタスを追うのか?」
「うん。そろそろ杖と指輪を返してもらわないとね」
「行き先の心当たりがあるのか?」
パーシヴァルの疑問は最もだ。だけど、心配ご無用。なにしろウェリタスは俺の匂いがばっちりついた杖と指輪を持っている。きっとクー・シーがすぐに見つけてくれるはずだ。ついでに軽く締め上げてウェリタスの目的も聞き出そう。
「心当たりはないけど、俺にはクー・シーがいるから」
明日にでもエト・ケテラに向かおうと話していれば、力強い羽ばたきの音と共に1羽の風隼が窓辺に止まった。
「……ブルームフィールド公爵家の風隼か」
ヴァンダーウォール卿は、一目見てどこの所属の風隼かわかったみたいだ。すごいな。
テオドールさんが立ち上がって窓を開けると、風隼の足に止められている筒を外して中の書状をヴァンダーウォール卿に渡す。
小さく折り畳まれた書状を広げ素早く目を通したヴァンダーウォール卿は、眉間に深い皺を寄せた。どう見ても、いい知らせではなさそうだ。一体何が書いてあるんだ?
みんなの視線がヴァンダーウォール卿に集まる。
「王都を含め、各地で魔獣が溢れているそうだ」
「え? 魔獣が?」
「ソルモンターナだけではない、周辺国でも魔獣の大量発生が報告されているそうだ」
おいおい、ほんの一晩で風雲急を告げる展開になったぞ。それってもしや、クズ太子が大陸を統べるための布石じゃないだろうな?
「魔獣の森はどうなっている?」
「現在、変化の報告は上がっておりません」
「こちらもいつ何が起きるかわからぬ。魔獣の森周辺の村や街に警戒するよう伝えよ。老人、女子供の城への避難も認める。アデライン、受け入れの準備を頼む」
「かしこまりました」
アデライン夫人はスッと立ち上がると、執務室を出てゆく。
「領都に出入りしている商隊には、魔獣の大量発生が各地で起きている旨を告知せよ。領軍は装備を整え、いつでも魔獣を迎え打てる準備を」
「はい」
テオドールさんとカーティスさんも、アデライン夫人を追うように慌ただしく部屋を出ていった。前回の経験があるから、お兄さん達は自分たちがどう動くべきなのかわかっているんだ。
俺とパーシヴァルは視線を交わすと頷きあう。考えていることはまちがいなく同じ。
ひとまず、杖と指輪はあと回し。アウローラ達が心配だ。
「父上、俺とサフィラスは王都に向かいます」
「わかった。十分気をつけるように」
俺たちは久々にクレアーレの制服に身を包む。
やっぱり、着慣れているこの制服がしっくりくるな。ワンドホルダーにはトライコーンの杖の代わりに、以前愛用していたパロサントの杖を差す。かっこいい魔法使いには杖が必要だからね。
「よし、行こう!」
「ああ、」
転移の直前、パーシヴァルが俺の手をぎゅっと握る。
その力強さに決意のようなものを感じて、俺もパーシヴァルの手を握り返した。
ヴァンダーウォール卿の執務室に入ると、すでにみんなが揃っていた。
パーシヴァルに促されて、用意されていた椅子に座る。
決して狭い部屋じゃないけれど、ともかく体の大きなヴァンダーウォール卿とソファにはお兄さんたちが並んでいるのだ。アデライン夫人と俺が必要以上に小さく感じる。
「サフィラス、体は大丈夫か?」
「無理はしなくてもいいんだぞ」
テオドールさんとカーティスさんが声をかけてくれる。
「二人の言う通りだ。不調を感じたら遠慮せずに言うように」
ヴァンダーウォール卿まで俺を気遣う言葉をかけてくれた。随分心配されちゃってるけど、やっぱりあの服だろうなぁ……あれはまぁ、着ていた俺もだけど、見ちゃった方も無傷じゃないだろう。
つい遠い目をしていれば、ピィと鋭い鳴き声が響いて逃避しかけていた俺の意識が呼び戻された。
執務机の側に用意された止まり木では、立派な風隼が羽を休めている。この風隼なら嵐の中でもびくともせずに飛びそうだ。ヴァンダーウォールでは隼までも逞しく育つんだな。
「何はともあれ、無事に戻ってきてくれて何よりだった」
「いえ、俺が捕まったせいでパーシヴァルにも怪我をさせてしまって、すみませんでした」
「なぁに、魔獣討伐に赴けば、あの程度の傷はかすり傷にもならないさ。なぁ、パーシヴァル!」
「はい」
カーティスさんの強引な『なぁ』にパーシヴァルは真面目な顔で頷く。きっとこんな調子で、パーシヴァルは幼いころから討伐に同行していたんだろうな。ベリサリオ家、強い。
俺ができる報告は大した内容ではなかったけど、シュテルンクルストの地下に結構な魔素が漂っていた事と、ファガーソン侯爵とウェリタスが、シュテルンクルストの王太子の事をいずれ大陸を統べる人物だと言っていた事を伝えた。もしかして戦争でも企んでいるんじゃないかと思ったけど、戦の準備らしき動きは今の所ないらしい。戦をするには莫大な金と人が動くから、どんなに秘密裏に動いていたとしてもなんとなくわかるものだ。
あのただならぬ魔素がどうにも気になりはするが、大陸云々についてはあいつらの妄想が逞しいだけかもしれないし。
「さて、シュテルンクルストからの報告だが、王太子の手の者が密かにお前たちの行方を追っているそうだ」
「うわぁ、諦めてないんだ……」
捕まるような失態は二度としないが、まさかその日のうちにヴァンダーウォールに戻っているとは思わないだろう。その辺に潜んでいると思っているうちは、俺たちを見つけることはできないだろうな。せいぜい頑張って探してくれ。
「それから、ペルフェクティオ家の長男がシュテルンクルストの騎士と魔法使いを伴い、おそらくはエト・ケトラに向かっている」
「え? ウェリタスが?」
しかもソルモンターナじゃなくて、隣国?
「二人の捜索か、それとも他に目的があってのことなのか。少なくとも、シュテルンクルスト側の人間を連れている。なんらかの指示を受けて動いていると考えて間違いないだろう」
ソルモンターナとシュテルンクルストの間にはエト・ケテラという小さな国がある。ソルモンターナに入るには、このヴァンダーウォールかそのエト・ケテラを通るしかないので、ウェリタスの正体を知っている人間がいるヴァンダーウォールを避けたと考えればそれほど不自然な動きではない。
もしかして、伯爵を亡命でもさせるつもりなんだろうか……あまり役には立たなそうな人材だけど、そこそこの魔法を使っていたから、賑やかしくらいにはなるのかもしれない。
元兄や元父母にはなんの情も湧いてこないが、アクィラには多少なりとも思うところがある。悪巧みに巻き込まれなければいいけど、母親がなんの守りにもならなそうだから、なんとか自力で危機を回避してほしい。
もう一つの可能性としては、妄想実現の第一歩として、シュテルンクルスト側がエト・ケテラになんらかの取引を持ちかけようとしているかだ。
エト・ケテラの王族はソルモンターナにもシュテルンクスルストにも、同じ距離感の付き合いをしているけど、基本的には安定と平和を掲げている国だ。おいそれと馬鹿げた妄想話に乗ることはないだろうが、あいつらはどんな卑怯な手を使ってくるかわからないからな。なにしろこの俺に薬を飲ませて、趣味の悪い格好までさせるような連中だ。俺はあの屈辱を絶対に忘れてやらないぞ。
ともかく。ウェリタスが何をしようと結構だが、杖と指輪は早々に取り戻さないといけないかも。旅先で勝手に杖を売り飛ばされたり、指輪を悪用されても厄介だ。
さっさと取り返してきちゃうかな~と思いながら、チラリと隣に座っているパーシヴァルに視線を向ける。
「どうした、サフィラス?」
……とりあえず、俺一人で取り返しに行くって選択肢はないよな。ちゃんとパーシヴァルには相談しよう。
「明日にでもエト・ケトラに行こうと思うんだけど」
「ウェリタスを追うのか?」
「うん。そろそろ杖と指輪を返してもらわないとね」
「行き先の心当たりがあるのか?」
パーシヴァルの疑問は最もだ。だけど、心配ご無用。なにしろウェリタスは俺の匂いがばっちりついた杖と指輪を持っている。きっとクー・シーがすぐに見つけてくれるはずだ。ついでに軽く締め上げてウェリタスの目的も聞き出そう。
「心当たりはないけど、俺にはクー・シーがいるから」
明日にでもエト・ケテラに向かおうと話していれば、力強い羽ばたきの音と共に1羽の風隼が窓辺に止まった。
「……ブルームフィールド公爵家の風隼か」
ヴァンダーウォール卿は、一目見てどこの所属の風隼かわかったみたいだ。すごいな。
テオドールさんが立ち上がって窓を開けると、風隼の足に止められている筒を外して中の書状をヴァンダーウォール卿に渡す。
小さく折り畳まれた書状を広げ素早く目を通したヴァンダーウォール卿は、眉間に深い皺を寄せた。どう見ても、いい知らせではなさそうだ。一体何が書いてあるんだ?
みんなの視線がヴァンダーウォール卿に集まる。
「王都を含め、各地で魔獣が溢れているそうだ」
「え? 魔獣が?」
「ソルモンターナだけではない、周辺国でも魔獣の大量発生が報告されているそうだ」
おいおい、ほんの一晩で風雲急を告げる展開になったぞ。それってもしや、クズ太子が大陸を統べるための布石じゃないだろうな?
「魔獣の森はどうなっている?」
「現在、変化の報告は上がっておりません」
「こちらもいつ何が起きるかわからぬ。魔獣の森周辺の村や街に警戒するよう伝えよ。老人、女子供の城への避難も認める。アデライン、受け入れの準備を頼む」
「かしこまりました」
アデライン夫人はスッと立ち上がると、執務室を出てゆく。
「領都に出入りしている商隊には、魔獣の大量発生が各地で起きている旨を告知せよ。領軍は装備を整え、いつでも魔獣を迎え打てる準備を」
「はい」
テオドールさんとカーティスさんも、アデライン夫人を追うように慌ただしく部屋を出ていった。前回の経験があるから、お兄さん達は自分たちがどう動くべきなのかわかっているんだ。
俺とパーシヴァルは視線を交わすと頷きあう。考えていることはまちがいなく同じ。
ひとまず、杖と指輪はあと回し。アウローラ達が心配だ。
「父上、俺とサフィラスは王都に向かいます」
「わかった。十分気をつけるように」
俺たちは久々にクレアーレの制服に身を包む。
やっぱり、着慣れているこの制服がしっくりくるな。ワンドホルダーにはトライコーンの杖の代わりに、以前愛用していたパロサントの杖を差す。かっこいい魔法使いには杖が必要だからね。
「よし、行こう!」
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転移の直前、パーシヴァルが俺の手をぎゅっと握る。
その力強さに決意のようなものを感じて、俺もパーシヴァルの手を握り返した。
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