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怒れるパーシヴァル
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夕食時になってもサフィラスはカフェテリアに姿を見せない。
昼食は行けないとケット・シーからサフィラスの伝言を受け取っていた。それは昨日のハーヴァードの態度が原因である事は明らかだ。彼に悪意があるわけではないので、力尽くで追い払うわけにも行かなかったのだろう。
ケットシーには、昼になったら厨房で軽食を受け取ってサフィラスに届けてくれるように折り返し頼んだが、彼は俺の頼みも嫌がる事なく引き受けてくれたので、恐らく昼食はサフィラスに届いたはずだ。
それにしても、いつもよりは少ない昼食だったはずだ。そろそろ空腹を抱えたサフィラスが、カフェテリアに現れてもいいはずなんだが……
「……まさか、何かあったのか?」
あの、サフィラスの事だ。余程の事がなければ大丈夫だとは思うが、彼は時折驚くほど無防備になる。比類無き魔法を使いこなす故の大らかさなのか、それとも自身の容姿が周囲からどう見られているのか全く自覚が無いのか。残念な事にその両方なのだろうが……
どうにも嫌な予感が拭えず、サフィラスのクラスメイトを探し声をかけた。彼は屡々サフィラスと親しげに話しているので、クラスで何かを聞いているかもしれない。
「悪いが、少しいいか?」
「……確か、ベリサリオ、だったよな? いいけど、どうした?」
「サフィラスを見なかったか?」
「サフィラス? ああ、サフィラスなら夕時まで図書館に行ってるって言っていたけど……」
「そうか。ありがとう」
彼の友人にそう教えられ図書館に足を向けたが、学院の図書館は広い。上階の奥まった場所にいるのだとしたら、探すのは難しいだろう。けれど、昼に軽食しか食べていないサフィラスが、夕時になってもあの場所にいる事は考えにくい。それとも、何か興味を引く本を見つけて夢中になってしまったのか。
「パーシヴァル様!」
大きな声で名を呼ばれ、足を止める。振り返った先にいた小柄な彼は、つい最近までサフィラスに絡んでいた人物だ。大方、サフィラスが一緒ではないので声を掛けてきたのだろう。
「ボスワーズか……悪いが急いでいるんだ」
今は彼に構っている場合ではない。そのまま通り過ぎようとしたが、ボスワーズは俺の腕を掴んで引き留めた。上目使いに俺を見上げているが、気安く触られてあまりいい気分ではない。腕を掴んでいる手を強く振り払えば、何故かボスワーズは酷く驚いた表情を浮かべた。その顔をする意味が全く分からない。
「一体なんの用だ?」
「えっと、パーシヴァル様は、もしかしてサフィラスを探しています?」
如何にも何かを知っていると言わんばかりの口振りだ。
「……」
「僕見たんです、図書館でサフィラスを」
やはり図書館か。既に知っている情報に、無駄な時間は取られたくない。ボスワーズに構わずその場を離れようとすれば、なおも彼は俺を引き止めた。
「待ってください! 今は行かない方がいいと思いますよ、パーシヴァル様」
「……なぜ?」
「だって、僕見ちゃったんです」
サフィラスに言わせれば可愛い顔だそうだが、ボスワースはその可愛いらしい顔に意地の悪い笑みを浮かべている。
人の顔にはその人物の為人が現れるものだ。いくら可愛いと言われるような容姿をしていても、その心根が醜ければ外見の美しさや可愛らしさなど全く意味をなさない。
「サフィラスは、人気のない上階の書架で……男と、その、口づけを交わしていました。それから、彼はずっと図書館から出てこないんです……僕、以前に聞いた事があるんですよ。サフィラスは、元婚約者の侯爵令息と学院内で如何わしい行為に及んでいるって……宵闇の精霊なんて言われているけど、あの容姿で男を誑かして、誰とでもあんな事をしてるんですよ、きっと! 学院内でそんな事をしているなんて、穢らわしいったら……だから、パーシヴァル様は彼には関わらない方がいいと思います。あんなふしだらな人は、パーシヴァル様の側には相応しくありません!」
「……ボスワーズ、」
「僕の事は、ナイジェルとお呼びください、パーシヴァル様」
媚びるような眼差しを向けられて、俺は不快感に顔が歪む気がした。
「ボスワーズの話が事実であろうがなかろうが、他人の私的な事柄を誰彼構わず、大声で話すのは感心しないな。確かに学院内でそのような行為が本当に行われていたのだとしたら如何なものかと思うが。何よりも相手の名誉に関わることだ。誰の耳に入るか分からないような場所で、憚る事なく大声で話すなど、あまりにも下品だと思うが?」
「……げ、ひん、」
「社交の場でもその程度の会話しか出来ないようならば、良識ある貴族からは距離を置かれるだろうな」
ボスワーズは何を言われたのか分からないと言わんばかりの顔で立ち尽くしている。そんな彼は放っておいて図書館へ急ぐ。
「パ、パーシヴァル様!」
追い縋るように名を呼ばれたが、最早彼の呼びかけに答える義理も必要もない。何よりも、早くサフィラスを見つけなければ。今のボズワーズの話から察するに、少なくともなんらかの危機にサフィラスは見舞われていた。恐らくサフィラスに素気無く扱われたハーヴァードが、強引な手段に出たのだろう。サフィラスの事だ。上手く逃げただろうとは思うが……
だが、無事だったならなぜカフェテリアに現れない? 腹の底がひやりと冷えた。その考えに至った時、俺は走り出していた。
転移も防壁魔法も使えるが、何処か危機感の薄いところがあるサフィラスだ。魔法を使う前に意識を奪われてしまえば、サフィラスとて抵抗はできない。実際、そうやって誘拐されている。
どうか、無事でいてくれ。祈りながら図書館の前にたどり着けば、エントランス前の暗がりに、ハーヴァードが1人項垂れて座り込んでいた。しかし、サフィラスの姿は何処にも無い。
「ハーヴァード!」
「……ベリサリオ、」
のろのろと顔を上げたハーヴァードの顔に覇気は無い。一体何があった?
「サフィラスは何処だ?」
「分からない……突然消えてしまった」
それは、サフィラスが転移をして何処かに逃げなければならないような事を、ハーヴァードがやったと言う事だ。
「貴様、サフィラスに一体何をした?」
目の前が歪むような怒りを抑え込もうとすれば、問う声が意図せず声が低くなる。
「お、俺はただ、サフィラスに俺を見て貰いたかっただけだ……本気で、伴侶に迎えたいと思っているんだと……」
「……サフィラスの気持ちを無視してまでか?」
「お前に俺の気持ちがわかるものか! いつだってサフィラスの側にいるお前に! 俺だって、お前より先にサフィラスに出会っていれば……っ?!」
思わずハーヴァードの胸倉を掴み、引きずり立たせていた。出会いが何時であろうと、そんな事は関係ない。
「なら、問おう。貴様はサフィラスの気持ちが解っているのか? 解っていて、彼が逃げ出すような事をしたと言うのか?」
「そ、それは……」
ハーヴァードは俺から外した視線を彷徨わせる。自分の気持ちだけを一方的に押し付け、拒否されたからと傷ついた顔をされるのは不愉快だ。
元婚約者に襲われた経験のあるサフィラスにとって、ハーヴァードが取った行動はその時の嫌悪感や或いは恐怖を揺り起こすものだっただろう。だからこそ、何処か遠くに逃げ出した。
「確かに貴様の言う通り、機会は平等に与えられるべきなのだろう。だが、貴様のやり方は間違っている。誰に唆されたかは知らないが、サフィラスの尊厳を傷つけるようなことだけは決してするな!」
突き放すように手を離せば、ハーヴァードはどさりと尻餅をついた。本当は一発殴ってやりたくもあったが、これ以上騒ぎを大きくすればサフィラスにも余計な噂が立ってしまう。しかも、あのボスワーズがサフィラスの消えた後、何処で何を吹聴して回ったか分からない。ボスワーズの言葉は不愉快極まりなかったが、以前よりは味方の増えたサフィラスだ。下らない噂を鵜呑みにする者はそうそういないだろう。
それにしてもサフィラス、一体どこへ行った? 安全な所にいるのならいいんだが。早く戻ってきて、無事な姿を見せてくれ。
昼食は行けないとケット・シーからサフィラスの伝言を受け取っていた。それは昨日のハーヴァードの態度が原因である事は明らかだ。彼に悪意があるわけではないので、力尽くで追い払うわけにも行かなかったのだろう。
ケットシーには、昼になったら厨房で軽食を受け取ってサフィラスに届けてくれるように折り返し頼んだが、彼は俺の頼みも嫌がる事なく引き受けてくれたので、恐らく昼食はサフィラスに届いたはずだ。
それにしても、いつもよりは少ない昼食だったはずだ。そろそろ空腹を抱えたサフィラスが、カフェテリアに現れてもいいはずなんだが……
「……まさか、何かあったのか?」
あの、サフィラスの事だ。余程の事がなければ大丈夫だとは思うが、彼は時折驚くほど無防備になる。比類無き魔法を使いこなす故の大らかさなのか、それとも自身の容姿が周囲からどう見られているのか全く自覚が無いのか。残念な事にその両方なのだろうが……
どうにも嫌な予感が拭えず、サフィラスのクラスメイトを探し声をかけた。彼は屡々サフィラスと親しげに話しているので、クラスで何かを聞いているかもしれない。
「悪いが、少しいいか?」
「……確か、ベリサリオ、だったよな? いいけど、どうした?」
「サフィラスを見なかったか?」
「サフィラス? ああ、サフィラスなら夕時まで図書館に行ってるって言っていたけど……」
「そうか。ありがとう」
彼の友人にそう教えられ図書館に足を向けたが、学院の図書館は広い。上階の奥まった場所にいるのだとしたら、探すのは難しいだろう。けれど、昼に軽食しか食べていないサフィラスが、夕時になってもあの場所にいる事は考えにくい。それとも、何か興味を引く本を見つけて夢中になってしまったのか。
「パーシヴァル様!」
大きな声で名を呼ばれ、足を止める。振り返った先にいた小柄な彼は、つい最近までサフィラスに絡んでいた人物だ。大方、サフィラスが一緒ではないので声を掛けてきたのだろう。
「ボスワーズか……悪いが急いでいるんだ」
今は彼に構っている場合ではない。そのまま通り過ぎようとしたが、ボスワーズは俺の腕を掴んで引き留めた。上目使いに俺を見上げているが、気安く触られてあまりいい気分ではない。腕を掴んでいる手を強く振り払えば、何故かボスワーズは酷く驚いた表情を浮かべた。その顔をする意味が全く分からない。
「一体なんの用だ?」
「えっと、パーシヴァル様は、もしかしてサフィラスを探しています?」
如何にも何かを知っていると言わんばかりの口振りだ。
「……」
「僕見たんです、図書館でサフィラスを」
やはり図書館か。既に知っている情報に、無駄な時間は取られたくない。ボスワーズに構わずその場を離れようとすれば、なおも彼は俺を引き止めた。
「待ってください! 今は行かない方がいいと思いますよ、パーシヴァル様」
「……なぜ?」
「だって、僕見ちゃったんです」
サフィラスに言わせれば可愛い顔だそうだが、ボスワースはその可愛いらしい顔に意地の悪い笑みを浮かべている。
人の顔にはその人物の為人が現れるものだ。いくら可愛いと言われるような容姿をしていても、その心根が醜ければ外見の美しさや可愛らしさなど全く意味をなさない。
「サフィラスは、人気のない上階の書架で……男と、その、口づけを交わしていました。それから、彼はずっと図書館から出てこないんです……僕、以前に聞いた事があるんですよ。サフィラスは、元婚約者の侯爵令息と学院内で如何わしい行為に及んでいるって……宵闇の精霊なんて言われているけど、あの容姿で男を誑かして、誰とでもあんな事をしてるんですよ、きっと! 学院内でそんな事をしているなんて、穢らわしいったら……だから、パーシヴァル様は彼には関わらない方がいいと思います。あんなふしだらな人は、パーシヴァル様の側には相応しくありません!」
「……ボスワーズ、」
「僕の事は、ナイジェルとお呼びください、パーシヴァル様」
媚びるような眼差しを向けられて、俺は不快感に顔が歪む気がした。
「ボスワーズの話が事実であろうがなかろうが、他人の私的な事柄を誰彼構わず、大声で話すのは感心しないな。確かに学院内でそのような行為が本当に行われていたのだとしたら如何なものかと思うが。何よりも相手の名誉に関わることだ。誰の耳に入るか分からないような場所で、憚る事なく大声で話すなど、あまりにも下品だと思うが?」
「……げ、ひん、」
「社交の場でもその程度の会話しか出来ないようならば、良識ある貴族からは距離を置かれるだろうな」
ボスワーズは何を言われたのか分からないと言わんばかりの顔で立ち尽くしている。そんな彼は放っておいて図書館へ急ぐ。
「パ、パーシヴァル様!」
追い縋るように名を呼ばれたが、最早彼の呼びかけに答える義理も必要もない。何よりも、早くサフィラスを見つけなければ。今のボズワーズの話から察するに、少なくともなんらかの危機にサフィラスは見舞われていた。恐らくサフィラスに素気無く扱われたハーヴァードが、強引な手段に出たのだろう。サフィラスの事だ。上手く逃げただろうとは思うが……
だが、無事だったならなぜカフェテリアに現れない? 腹の底がひやりと冷えた。その考えに至った時、俺は走り出していた。
転移も防壁魔法も使えるが、何処か危機感の薄いところがあるサフィラスだ。魔法を使う前に意識を奪われてしまえば、サフィラスとて抵抗はできない。実際、そうやって誘拐されている。
どうか、無事でいてくれ。祈りながら図書館の前にたどり着けば、エントランス前の暗がりに、ハーヴァードが1人項垂れて座り込んでいた。しかし、サフィラスの姿は何処にも無い。
「ハーヴァード!」
「……ベリサリオ、」
のろのろと顔を上げたハーヴァードの顔に覇気は無い。一体何があった?
「サフィラスは何処だ?」
「分からない……突然消えてしまった」
それは、サフィラスが転移をして何処かに逃げなければならないような事を、ハーヴァードがやったと言う事だ。
「貴様、サフィラスに一体何をした?」
目の前が歪むような怒りを抑え込もうとすれば、問う声が意図せず声が低くなる。
「お、俺はただ、サフィラスに俺を見て貰いたかっただけだ……本気で、伴侶に迎えたいと思っているんだと……」
「……サフィラスの気持ちを無視してまでか?」
「お前に俺の気持ちがわかるものか! いつだってサフィラスの側にいるお前に! 俺だって、お前より先にサフィラスに出会っていれば……っ?!」
思わずハーヴァードの胸倉を掴み、引きずり立たせていた。出会いが何時であろうと、そんな事は関係ない。
「なら、問おう。貴様はサフィラスの気持ちが解っているのか? 解っていて、彼が逃げ出すような事をしたと言うのか?」
「そ、それは……」
ハーヴァードは俺から外した視線を彷徨わせる。自分の気持ちだけを一方的に押し付け、拒否されたからと傷ついた顔をされるのは不愉快だ。
元婚約者に襲われた経験のあるサフィラスにとって、ハーヴァードが取った行動はその時の嫌悪感や或いは恐怖を揺り起こすものだっただろう。だからこそ、何処か遠くに逃げ出した。
「確かに貴様の言う通り、機会は平等に与えられるべきなのだろう。だが、貴様のやり方は間違っている。誰に唆されたかは知らないが、サフィラスの尊厳を傷つけるようなことだけは決してするな!」
突き放すように手を離せば、ハーヴァードはどさりと尻餅をついた。本当は一発殴ってやりたくもあったが、これ以上騒ぎを大きくすればサフィラスにも余計な噂が立ってしまう。しかも、あのボスワーズがサフィラスの消えた後、何処で何を吹聴して回ったか分からない。ボスワーズの言葉は不愉快極まりなかったが、以前よりは味方の増えたサフィラスだ。下らない噂を鵜呑みにする者はそうそういないだろう。
それにしてもサフィラス、一体どこへ行った? 安全な所にいるのならいいんだが。早く戻ってきて、無事な姿を見せてくれ。
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