84 / 194
学園編 17歳
81 幸せなぬくもりに抱かれましょう
しおりを挟む
朝夕が涼しくなり、温かい布団が恋しくなる季節がやって来た。これから冬になるにつれて、ますますそのぬくもりから逃れられなくなる。その怠惰に誘う魔の手は、すぐそこまで迫っていた。
今日は休日であり、エリーナはクリスとともにドルトン商会を訪れていた。なんでも新商品の試作品を見て欲しいらしい。いつもならカイルとミシェルがローゼンディアナ家を訪れているため、珍しいと思いつつもエリーナは立派な建物へと入って行ったのだった。
いつも商談で使う洒落た部屋は応接用のソファーとテーブルに調度品があるだけの部屋だった。だが今日は、窓際にドンっと大きなベッドが置いてある。そしてその手前に立っていたミシェルが満面の笑みで新商品の名前を口にしたのだ。
「新商品はね『お嬢様の布団と枕』だよ」
「お嬢様の布団と枕?」
それを復唱したエリーナはベッドに近づいて、ふわふわと寝心地がよさそうな布団に目を落とす。そういえばベロニカからお土産としてもらった絹織物で布団を作ると言っていた気がする。
カイルとクリスは近くにあるソファーに座り、こちらの様子を伺いつつ他の商談を進めているらしい。ミシェルは得意げに胸を張って、試作品の説明をする。
「この布団はね、まずマットの部分を改良したんだ。高級な絹を使ったのはもちろん、今までのような綿だけではなくて、ひつじの毛や羽毛を混ぜたんだ。そうすることで硬すぎず、沈み過ぎない最高の寝心地を実現したんだよ」
「まぁ、すごい」
「それにかけ布団はこれから寒くなるでしょう? でも今までのは重くて寝苦しかった。そこで、全部羽毛にしてみたんだよ。しかも、何度も洗って乾かしてふわっふわにしたんだ」
ミシェルにかけ布団を渡され持ってみると、驚くほど軽い。しかも手触りもよく、じんわりと熱が広がっていく。
「すごく温かいし、軽いわ。これはよく眠れそう」
ミシェルの言葉に乗せられ、どんどん欲しくなってくる。この雲のような布団にいますぐ飛び込みたい。
「それだけじゃないんだよ! 何といっても今回の目玉はこの枕! 枕の良し悪しは睡眠の質を左右するんだ。だから、その人に合った高さと材質の枕にしないといけないんだよ。ということで、ちょっとエリーナ様の高さを図るからここに寝て」
ポンポンとベッドを叩かれ、エリーナは困惑してクリスに視線を向ける。人様の家で横になると言うのは恥ずかしい。
「計測だし、ベッドの寝心地も確認してほしいから気にせず寝転んだらいいよ」
「……じゃぁ、お言葉に甘えて」
靴はそのままでいいよと言われたので、肌触りのいいマットに寝かせてもらう。計測のためか線がたくさん入った枕に頭を乗せると、マットはほどよく沈み包み込まれているようだ。ついでにとミシェルは掛布団をかけてくれた。
「なにこの幸せな柔らかさと温かさ……すぐに眠れる自信があるわ」
これは敗北である。このせいで冬の寒い朝は起きられない自信ができた。
ミシェルは嬉しそうに微笑みながら、枕を見て計測結果をメモしていた。それをもとにエリーナに合う枕を作るのだ。
「枕も最高のものを作るから、楽しみにしていて」
楽しそうに笑うミシェルが怠惰に引き込む小悪魔に見えてきた。エリーナはお昼寝したい誘惑を振り払って起き上がる。さすがに人様のベッドで眠るわけにはいかない。
そしてカイルとクリスは他の試作品を見てくると部屋から出て行き、用事が終わったエリーナはミシェルとお茶をすることになった。お嬢様のプリンクッキーをつまみながら、ほっと一息つく。
するとそこにミャオと、小さな体がドアの隙間から滑り込んできた。
「あ、ルル。こっちに来たの?」
小走りでミシェルに駆け寄った子猫は、学園で見た時より一回り大きくなっていた。ミシェルの肩に飛び乗って、頬をペロペロと舐めている。くすぐったそうに笑うミシェルと子猫はいい絵になっていた。
「ほらルル~、お母さんが来たよ~」
そう言ってルルを両手で抱えて渡してくる。
「ちょっと、勝手に母親にしないでよね」
ルルを優しく受け取って、そっと撫でた。つぶらな瞳を向けられ、可愛さに頬ずりしたくなる。これがエリーという名前だったらと思うと、とんだ羞恥イベントだ。
「ルルは頭がよくて、人懐っこいんだよ」
「あら、商会のいい看板猫になるわね」
ルルはしばらくエリーナの膝の上で大人しくしていると、弾かれたように顔を上げて膝の上から降りた。ベッドに興味が惹かれたようで、その上に飛び乗って丸くなる。窓からは光も入っており、絶好のお昼寝スポットだ。
「ルルも布団を気にいったみたいよ」
「も~、エリーナ様のために作ったのに」
そう口を尖らせるが、嫌そうではない。ルルもそこが最高の寝心地だと分かったのだろう。
エリーナはくすりと笑って、ミシェルに顔を向ける。
「ミシェル、いつも素晴らしい商品を作ってくれてありがとう」
その裏にはカイルの涙ぐましい働きがあるが、まずはミシェルに感謝の気持ちを伝えた。エリーナの暮らしは、今までの悪役人生を踏まえても一番いい。
「エリーナ様のもの全てを僕が作るのが夢だからね」
「何その夢」
「だって、僕が作ったものを見たら、僕のことを思い出してくれるでしょ?」
そう片目を閉じて笑うミシェルを見て、エリーナは今までのミシェル作品を次々と思い出していった。本にランプ、美容用品にそして布団。贈り物はその物だけでなく、渡してくれた人の思い出と一緒になってそこにある。
つまり、エリーナの周りにはミシェルに関わるもので溢れているのだ。そう考えるとなんだか気恥ずかしくなってくる。
(一番厄介かもしれないわ)
知らぬうちに心の奥深くまで入り込まれているのかもしれない。これはルドルフ以上の策士かもしれないと、無邪気に笑うミシェルに一抹の恐れを抱いたエリーナだった。
~~~~~
おまけ
ミシェルの通販番組
「今ならなんと、この布団が2組セットでこのお値段! それだけじゃないんです。今から30分の間に申し込んでいただくと、なんと、プリン柄のシーツもついてお値段そのまま! お電話はこちらまで!」
今日は休日であり、エリーナはクリスとともにドルトン商会を訪れていた。なんでも新商品の試作品を見て欲しいらしい。いつもならカイルとミシェルがローゼンディアナ家を訪れているため、珍しいと思いつつもエリーナは立派な建物へと入って行ったのだった。
いつも商談で使う洒落た部屋は応接用のソファーとテーブルに調度品があるだけの部屋だった。だが今日は、窓際にドンっと大きなベッドが置いてある。そしてその手前に立っていたミシェルが満面の笑みで新商品の名前を口にしたのだ。
「新商品はね『お嬢様の布団と枕』だよ」
「お嬢様の布団と枕?」
それを復唱したエリーナはベッドに近づいて、ふわふわと寝心地がよさそうな布団に目を落とす。そういえばベロニカからお土産としてもらった絹織物で布団を作ると言っていた気がする。
カイルとクリスは近くにあるソファーに座り、こちらの様子を伺いつつ他の商談を進めているらしい。ミシェルは得意げに胸を張って、試作品の説明をする。
「この布団はね、まずマットの部分を改良したんだ。高級な絹を使ったのはもちろん、今までのような綿だけではなくて、ひつじの毛や羽毛を混ぜたんだ。そうすることで硬すぎず、沈み過ぎない最高の寝心地を実現したんだよ」
「まぁ、すごい」
「それにかけ布団はこれから寒くなるでしょう? でも今までのは重くて寝苦しかった。そこで、全部羽毛にしてみたんだよ。しかも、何度も洗って乾かしてふわっふわにしたんだ」
ミシェルにかけ布団を渡され持ってみると、驚くほど軽い。しかも手触りもよく、じんわりと熱が広がっていく。
「すごく温かいし、軽いわ。これはよく眠れそう」
ミシェルの言葉に乗せられ、どんどん欲しくなってくる。この雲のような布団にいますぐ飛び込みたい。
「それだけじゃないんだよ! 何といっても今回の目玉はこの枕! 枕の良し悪しは睡眠の質を左右するんだ。だから、その人に合った高さと材質の枕にしないといけないんだよ。ということで、ちょっとエリーナ様の高さを図るからここに寝て」
ポンポンとベッドを叩かれ、エリーナは困惑してクリスに視線を向ける。人様の家で横になると言うのは恥ずかしい。
「計測だし、ベッドの寝心地も確認してほしいから気にせず寝転んだらいいよ」
「……じゃぁ、お言葉に甘えて」
靴はそのままでいいよと言われたので、肌触りのいいマットに寝かせてもらう。計測のためか線がたくさん入った枕に頭を乗せると、マットはほどよく沈み包み込まれているようだ。ついでにとミシェルは掛布団をかけてくれた。
「なにこの幸せな柔らかさと温かさ……すぐに眠れる自信があるわ」
これは敗北である。このせいで冬の寒い朝は起きられない自信ができた。
ミシェルは嬉しそうに微笑みながら、枕を見て計測結果をメモしていた。それをもとにエリーナに合う枕を作るのだ。
「枕も最高のものを作るから、楽しみにしていて」
楽しそうに笑うミシェルが怠惰に引き込む小悪魔に見えてきた。エリーナはお昼寝したい誘惑を振り払って起き上がる。さすがに人様のベッドで眠るわけにはいかない。
そしてカイルとクリスは他の試作品を見てくると部屋から出て行き、用事が終わったエリーナはミシェルとお茶をすることになった。お嬢様のプリンクッキーをつまみながら、ほっと一息つく。
するとそこにミャオと、小さな体がドアの隙間から滑り込んできた。
「あ、ルル。こっちに来たの?」
小走りでミシェルに駆け寄った子猫は、学園で見た時より一回り大きくなっていた。ミシェルの肩に飛び乗って、頬をペロペロと舐めている。くすぐったそうに笑うミシェルと子猫はいい絵になっていた。
「ほらルル~、お母さんが来たよ~」
そう言ってルルを両手で抱えて渡してくる。
「ちょっと、勝手に母親にしないでよね」
ルルを優しく受け取って、そっと撫でた。つぶらな瞳を向けられ、可愛さに頬ずりしたくなる。これがエリーという名前だったらと思うと、とんだ羞恥イベントだ。
「ルルは頭がよくて、人懐っこいんだよ」
「あら、商会のいい看板猫になるわね」
ルルはしばらくエリーナの膝の上で大人しくしていると、弾かれたように顔を上げて膝の上から降りた。ベッドに興味が惹かれたようで、その上に飛び乗って丸くなる。窓からは光も入っており、絶好のお昼寝スポットだ。
「ルルも布団を気にいったみたいよ」
「も~、エリーナ様のために作ったのに」
そう口を尖らせるが、嫌そうではない。ルルもそこが最高の寝心地だと分かったのだろう。
エリーナはくすりと笑って、ミシェルに顔を向ける。
「ミシェル、いつも素晴らしい商品を作ってくれてありがとう」
その裏にはカイルの涙ぐましい働きがあるが、まずはミシェルに感謝の気持ちを伝えた。エリーナの暮らしは、今までの悪役人生を踏まえても一番いい。
「エリーナ様のもの全てを僕が作るのが夢だからね」
「何その夢」
「だって、僕が作ったものを見たら、僕のことを思い出してくれるでしょ?」
そう片目を閉じて笑うミシェルを見て、エリーナは今までのミシェル作品を次々と思い出していった。本にランプ、美容用品にそして布団。贈り物はその物だけでなく、渡してくれた人の思い出と一緒になってそこにある。
つまり、エリーナの周りにはミシェルに関わるもので溢れているのだ。そう考えるとなんだか気恥ずかしくなってくる。
(一番厄介かもしれないわ)
知らぬうちに心の奥深くまで入り込まれているのかもしれない。これはルドルフ以上の策士かもしれないと、無邪気に笑うミシェルに一抹の恐れを抱いたエリーナだった。
~~~~~
おまけ
ミシェルの通販番組
「今ならなんと、この布団が2組セットでこのお値段! それだけじゃないんです。今から30分の間に申し込んでいただくと、なんと、プリン柄のシーツもついてお値段そのまま! お電話はこちらまで!」
0
お気に入りに追加
756
あなたにおすすめの小説
不機嫌な悪役令嬢〜王子は最強の悪役令嬢を溺愛する?〜
晴行
恋愛
乙女ゲームの貴族令嬢リリアーナに転生したわたしは、大きな屋敷の小さな部屋の中で窓のそばに腰掛けてため息ばかり。
見目麗しく深窓の令嬢なんて噂されるほどには容姿が優れているらしいけど、わたしは知っている。
これは主人公であるアリシアの物語。
わたしはその当て馬にされるだけの、悪役令嬢リリアーナでしかない。
窓の外を眺めて、次の転生は鳥になりたいと真剣に考えているの。
「つまらないわ」
わたしはいつも不機嫌。
どんなに努力しても運命が変えられないのなら、わたしがこの世界に転生した意味がない。
あーあ、もうやめた。
なにか他のことをしよう。お料理とか、お裁縫とか、魔法がある世界だからそれを勉強してもいいわ。
このお屋敷にはなんでも揃っていますし、わたしには才能がありますもの。
仕方がないので、ゲームのストーリーが始まるまで悪役令嬢らしく不機嫌に日々を過ごしましょう。
__それもカイル王子に裏切られて婚約を破棄され、大きな屋敷も貴族の称号もすべてを失い終わりなのだけど。
頑張ったことが全部無駄になるなんて、ほんとうにつまらないわ。
の、はずだったのだけれど。
アリシアが現れても、王子は彼女に興味がない様子。
ストーリーがなかなか始まらない。
これじゃ二人の仲を引き裂く悪役令嬢になれないわ。
カイル王子、間違ってます。わたしはアリシアではないですよ。いつもツンとしている?
それは当たり前です。貴方こそなぜわたしの家にやってくるのですか?
わたしの料理が食べたい? そんなのアリシアに作らせればいいでしょう?
毎日つくれ? ふざけるな。
……カイル王子、そろそろ帰ってくれません?
婚約破棄された侯爵令嬢は、元婚約者の側妃にされる前に悪役令嬢推しの美形従者に隣国へ連れ去られます
葵 遥菜
恋愛
アナベル・ハワード侯爵令嬢は婚約者のイーサン王太子殿下を心から慕い、彼の伴侶になるための勉強にできる限りの時間を費やしていた。二人の仲は順調で、結婚の日取りも決まっていた。
しかし、王立学園に入学したのち、イーサン王太子は真実の愛を見つけたようだった。
お相手はエリーナ・カートレット男爵令嬢。
二人は相思相愛のようなので、アナベルは将来王妃となったのち、彼女が側妃として召し上げられることになるだろうと覚悟した。
「悪役令嬢、アナベル・ハワード! あなたにイーサン様は渡さない――!」
アナベルはエリーナから「悪」だと断じられたことで、自分の存在が二人の邪魔であることを再認識し、エリーナが王妃になる道はないのかと探り始める――。
「エリーナ様を王妃に据えるにはどうしたらいいのかしらね、エリオット?」
「一つだけ方法がございます。それをお教えする代わりに、私と約束をしてください」
「どんな約束でも守るわ」
「もし……万が一、王太子殿下がアナベル様との『婚約を破棄する』とおっしゃったら、私と一緒に隣国ガルディニアへ逃げてください」
これは、悪役令嬢を溺愛する従者が合法的に推しを手に入れる物語である。
※タイトル通りのご都合主義なお話です。
※他サイトにも投稿しています。
そして乙女ゲームは始まらなかった
お好み焼き
恋愛
気付いたら9歳の悪役令嬢に転生してました。前世でプレイした乙女ゲームの悪役キャラです。悪役令嬢なのでなにか悪さをしないといけないのでしょうか?しかし私には誰かをいじめる趣味も性癖もありません。むしろ苦しんでいる人を見ると胸が重くなります。
一体私は何をしたらいいのでしょうか?
転生者はチートな悪役令嬢になりました〜私を死なせた貴方を許しません〜
みおな
恋愛
私が転生したのは、乙女ゲームの世界でした。何ですか?このライトノベル的な展開は。
しかも、転生先の悪役令嬢は公爵家の婚約者に冤罪をかけられて、処刑されてるじゃないですか。
冗談は顔だけにして下さい。元々、好きでもなかった婚約者に、何で殺されなきゃならないんですか!
わかりました。私が転生したのは、この悪役令嬢を「救う」ためなんですね?
それなら、ついでに公爵家との婚約も回避しましょう。おまけで貴方にも仕返しさせていただきますね?
もしもし、王子様が困ってますけど?〜泣き虫な悪役令嬢は強気なヒロインと張り合えないので代わりに王子様が罠を仕掛けます〜
矢口愛留
恋愛
公爵令嬢エミリア・ブラウンは、突然前世の記憶を思い出す。
この世界は前世で読んだ小説の世界で、泣き虫の日本人だった私はエミリアに転生していたのだ。
小説によるとエミリアは悪役令嬢で、婚約者である王太子ラインハルトをヒロインのプリシラに奪われて嫉妬し、悪行の限りを尽くした挙句に断罪される運命なのである。
だが、記憶が蘇ったことで、エミリアは悪役令嬢らしからぬ泣き虫っぷりを発揮し、周囲を翻弄する。
どうしてもヒロインを排斥できないエミリアに代わって、実はエミリアを溺愛していた王子と、その側近がヒロインに罠を仕掛けていく。
それに気づかず小説通りに王子を籠絡しようとするヒロインと、その涙で全てをかき乱してしまう悪役令嬢と、間に挟まれる王子様の学園生活、その意外な結末とは――?
*異世界ものということで、文化や文明度の設定が緩めですがご容赦下さい。
*「小説家になろう」様、「カクヨム」様にも掲載しています。
【完結】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。
見ず知らずの(たぶん)乙女ゲーに(おそらく)悪役令嬢として転生したので(とりあえず)破滅回避をめざします!
すな子
恋愛
ステラフィッサ王国公爵家令嬢ルクレツィア・ガラッシアが、前世の記憶を思い出したのは5歳のとき。
現代ニホンの枯れ果てたアラサーOLから、異世界の高位貴族の令嬢として天使の容貌を持って生まれ変わった自分は、昨今流行りの(?)「乙女ゲーム」の「悪役令嬢」に「転生」したのだと確信したものの、前世であれほどプレイした乙女ゲームのどんな設定にも、今の自分もその環境も、思い当たるものがなにひとつない!
それでもいつか訪れるはずの「破滅」を「回避」するために、前世の記憶を総動員、乙女ゲームや転生悪役令嬢がざまぁする物語からあらゆる事態を想定し、今世は幸せに生きようと奮闘するお話。
───エンディミオン様、あなたいったい、どこのどなたなんですの?
********
できるだけストレスフリーに読めるようご都合展開を陽気に突き進んでおりますので予めご了承くださいませ。
また、【閑話】には死ネタが含まれますので、苦手な方はご注意ください。
☆「小説家になろう」様にも常羽名義で投稿しております。
貴族としては欠陥品悪役令嬢はその世界が乙女ゲームの世界だと気づいていない
白雲八鈴
恋愛
(ショートショートから一話目も含め、加筆しております)
「ヴィネーラエリス・ザッフィーロ公爵令嬢!貴様との婚約は破棄とする!」
私の名前が呼ばれ婚約破棄を言い渡されました。
····あの?そもそもキラキラ王子の婚約者は私ではありませんわ。
しかし、キラキラ王子の後ろに隠れてるピンクの髪の少女は、目が痛くなるほどショッキングピンクですわね。
もしかして、なんたら男爵令嬢と言うのはその少女の事を言っています?私、会ったこともない人のことを言われても困りますわ。
*n番煎じの悪役令嬢モノです?
*誤字脱字はいつもどおりです。見直してはいるものの、すみません。
*不快感を感じられた読者様はそのまま閉じていただくことをお勧めします。
加筆によりR15指定をさせていただきます。
*2022/06/07.大幅に加筆しました。
一話目も加筆をしております。
ですので、一話の文字数がまばらにになっております。
*小説家になろう様で
2022/06/01日間総合13位、日間恋愛異世界転生1位の評価をいただきました。色々あり、その経緯で大幅加筆になっております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる