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金田さんの提案
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何が理由の一つなんだか。結局のところ、そこしか行けなかっただけじゃないか。でも理由はどうあれ、なんか今は大学生活が充実しているみたいでちょっと羨ましく思う。ただこっちに来てしまったからには、羨ましいも何もあったもんじゃないが。
「そういえばそのカバンには何が入ってるの?」
「ノートパソコンやその他諸々です」
安食さんの問いに和也は迷うことなく答える。
「ちょうど家で非常持ち出し袋をどうしようか検討中だったんですよ。巾着タイプにするか、リュックにしようと思ってたんですけど、あんまり量が入らなくて、それで」
和也はそう言いながら緑のカバンを持ち上げた。
「こいつに入れてみたんです。いやあ、やっぱりこれだと結構入りますね」
「いやいや、普通はリュックで充分だと思うけど」
僕のつっこみに和也は照れ笑いをする。
「飲料水とか非常食、それに着替えを入れてるだけなんですけどね。それ以外にはライター、マッチ、ラップやティッシュ、タオルとか軽いものばっかりです。まあ嵩張るのはノートパソコンぐらいですかね」
「バッテリーとかはあるんですか?」
桂坂さんが訊く。
「うん。モバイルバッテリーはある。でもその充電が出来なかったら、いずれ無用の長物になってしまう運命だけど」
「とりあえずはしばらくはノーパソを使えるってことだね。ネットには繋げられないけど、何かの役には立つかもしれない」
金田さんの言葉で、僕もこの世界に来てからのことを思い出した。
「以前、ノートパソコンを持って来た人がいて、その人は計算とか画像分析とか色々活かしてたな。まあ、その時はソーラータイプのバッテリーがあったんで、使い勝手も良かったんだが」
「なるほどね。ソーラー充電か。確かにそれが出来るモバイルバッテリーがあれば、この世界でも電気製品を使えるかもしれないな」
「和也はそっちのほうも詳しいの?」
「いや。コンピュータに関してはそれなりに専門知識があるけど、電気そのものにはあんまり詳しくないな」
何はともあれ、自分の分だけでも食料とかを持ってきてくれれば、こちらは幾らかでも助かる。物に関しては以前の村のように、人が増えてくれば自然に物も充実してくるだろうから、さほど心配はしていない。
夕食後のミーティングではあらためて和也の紹介をしたあと、金田さんからまた善蔵さんがいた場所に行ってみようと思う、と提案があった。こちらで行方不明者が出た以上、善蔵さんたちのところにも何か変化があるかもしれない、運が良ければまた別の人が転移してきている可能性もあるかもしれない、というのが金子さんの言い分だった。
「そういえばそのカバンには何が入ってるの?」
「ノートパソコンやその他諸々です」
安食さんの問いに和也は迷うことなく答える。
「ちょうど家で非常持ち出し袋をどうしようか検討中だったんですよ。巾着タイプにするか、リュックにしようと思ってたんですけど、あんまり量が入らなくて、それで」
和也はそう言いながら緑のカバンを持ち上げた。
「こいつに入れてみたんです。いやあ、やっぱりこれだと結構入りますね」
「いやいや、普通はリュックで充分だと思うけど」
僕のつっこみに和也は照れ笑いをする。
「飲料水とか非常食、それに着替えを入れてるだけなんですけどね。それ以外にはライター、マッチ、ラップやティッシュ、タオルとか軽いものばっかりです。まあ嵩張るのはノートパソコンぐらいですかね」
「バッテリーとかはあるんですか?」
桂坂さんが訊く。
「うん。モバイルバッテリーはある。でもその充電が出来なかったら、いずれ無用の長物になってしまう運命だけど」
「とりあえずはしばらくはノーパソを使えるってことだね。ネットには繋げられないけど、何かの役には立つかもしれない」
金田さんの言葉で、僕もこの世界に来てからのことを思い出した。
「以前、ノートパソコンを持って来た人がいて、その人は計算とか画像分析とか色々活かしてたな。まあ、その時はソーラータイプのバッテリーがあったんで、使い勝手も良かったんだが」
「なるほどね。ソーラー充電か。確かにそれが出来るモバイルバッテリーがあれば、この世界でも電気製品を使えるかもしれないな」
「和也はそっちのほうも詳しいの?」
「いや。コンピュータに関してはそれなりに専門知識があるけど、電気そのものにはあんまり詳しくないな」
何はともあれ、自分の分だけでも食料とかを持ってきてくれれば、こちらは幾らかでも助かる。物に関しては以前の村のように、人が増えてくれば自然に物も充実してくるだろうから、さほど心配はしていない。
夕食後のミーティングではあらためて和也の紹介をしたあと、金田さんからまた善蔵さんがいた場所に行ってみようと思う、と提案があった。こちらで行方不明者が出た以上、善蔵さんたちのところにも何か変化があるかもしれない、運が良ければまた別の人が転移してきている可能性もあるかもしれない、というのが金子さんの言い分だった。
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