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思わぬ再会
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午後になり、僕は金田さんと一緒に、誰か新しい人が来ないかを見に行った。すると、運が良いことに、また新しい来訪者に会うことが出来た。出現シーンは、以前の集落近くの「場」のシーンとほぼ同じだった。白い靄が現れ、それが消えたあと、人間が姿を顕す……。
「あれ? ここは一体……?」
過去に散々聞き飽きたセリフがまたも繰り返される。まるでデジャブを見ているようだ。
「あ、君。はじめまして。俺は金田という者だ。こっちは田所君」
「はあ……」
彼は訝しそうに僕らを見た。その若者は、銀縁の細い眼鏡をかけ、あまり高級そうでないラフな服装の私服を着込んでいた。見た感じでは僕と同世代の若者に思える。大学生だろうか。
「あのね。こんなこと言うと信じられないかも知れないが、君は現代日本からこの異世界に転移したんだ」
「転移? 異世界? ちょっと待ってください。それは本当に? 僕を騙そうとしてるんじゃないですか?」
クエスチョンマークの嵐なのは当然か。何もわからないまま、いきなりこんなところに来ればそりゃ誰だってこうなる。
「嘘か本当かはいずれ分かると思うが、とりあえず俺たちと一緒についてきてもらいたい。あ、誘拐しようってわけじゃないから安心してくれ」
「いきなりそんなことを言われても」
青年はなかなか動こうとしない。よく見ると彼の近くには緑色のバッグが転がっている。草の色に紛れて今まで気がつかなかったが、おそらく一緒に送られてきたものだろう。
「そういえば、君の名前聞いてなかったね。まずはそっからだね」
僕は動かない彼に痺れを切らして、方向性を変えた質問をした。
「僕は巻和也といいます。沖縄に住んでいる大学生です」
「巻……」
僕はなぜか自然と繰り返してその名をつぶやいていた。その名はどこかで聞いたことがあるような……。
「あっ! もしかしてお前、和也か!」
「いきなりなんですか。そうですよ。さっき巻和也って自己紹介したじゃないですか!」
「僕だよ、僕。小学校が一緒だった健太だよ!」
「えっ、あ、あーーー!」
「お前、和也だろ? 日野小で僕と仲良しだった」
「ああ、お前、健太か! そういえば田所って苗字だったな。まさか、こんなところで会うなんてすごい偶然だな……。ところでお前、今何してんだよ?」
「僕も大学生……だったけど、今は……。ああ、説明が長くなるからそれは後でな」
劇的とまではいかないが、感動の再会ではあった。この巻和也は日野小学校で一番の親友だった奴だ。だが、五年生の時に和也はどこかへ転校してしまった。それ以来、今まで交流はなかった。
「あれ? ここは一体……?」
過去に散々聞き飽きたセリフがまたも繰り返される。まるでデジャブを見ているようだ。
「あ、君。はじめまして。俺は金田という者だ。こっちは田所君」
「はあ……」
彼は訝しそうに僕らを見た。その若者は、銀縁の細い眼鏡をかけ、あまり高級そうでないラフな服装の私服を着込んでいた。見た感じでは僕と同世代の若者に思える。大学生だろうか。
「あのね。こんなこと言うと信じられないかも知れないが、君は現代日本からこの異世界に転移したんだ」
「転移? 異世界? ちょっと待ってください。それは本当に? 僕を騙そうとしてるんじゃないですか?」
クエスチョンマークの嵐なのは当然か。何もわからないまま、いきなりこんなところに来ればそりゃ誰だってこうなる。
「嘘か本当かはいずれ分かると思うが、とりあえず俺たちと一緒についてきてもらいたい。あ、誘拐しようってわけじゃないから安心してくれ」
「いきなりそんなことを言われても」
青年はなかなか動こうとしない。よく見ると彼の近くには緑色のバッグが転がっている。草の色に紛れて今まで気がつかなかったが、おそらく一緒に送られてきたものだろう。
「そういえば、君の名前聞いてなかったね。まずはそっからだね」
僕は動かない彼に痺れを切らして、方向性を変えた質問をした。
「僕は巻和也といいます。沖縄に住んでいる大学生です」
「巻……」
僕はなぜか自然と繰り返してその名をつぶやいていた。その名はどこかで聞いたことがあるような……。
「あっ! もしかしてお前、和也か!」
「いきなりなんですか。そうですよ。さっき巻和也って自己紹介したじゃないですか!」
「僕だよ、僕。小学校が一緒だった健太だよ!」
「えっ、あ、あーーー!」
「お前、和也だろ? 日野小で僕と仲良しだった」
「ああ、お前、健太か! そういえば田所って苗字だったな。まさか、こんなところで会うなんてすごい偶然だな……。ところでお前、今何してんだよ?」
「僕も大学生……だったけど、今は……。ああ、説明が長くなるからそれは後でな」
劇的とまではいかないが、感動の再会ではあった。この巻和也は日野小学校で一番の親友だった奴だ。だが、五年生の時に和也はどこかへ転校してしまった。それ以来、今まで交流はなかった。
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