異世界転移物語

月夜

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畑仕事

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「まあ、でも毎日増えていけば、明日以降どこかで別の家も使い始めなければならないのは間違いないから、そろそろその辺の準備も始めたほうがいいかもな」

スカウトさんの言葉に、料子さんが答えた。

「じゃあ、明日は隣の家の掃除をするわ。あ、次に使うのは隣の家でいいかしら?」

「ああ。それでいい。俺も今日はそっちの家の点検、修理をするつもりだ」

「私はどうしたらいい?」

    桂坂さんが訊いた。僕は農家さんと動くし、釣りキチさんは湖で釣りだから、桂坂さんだけフリーなのだ。

「そうだな……。料子さんのほうは一人でやれるか?」

    スカウトさんは、問いかけながら料子さんのほうを見た。

「そうね……二人いれば助かるけど……」

「なら、明日は優子ちゃんは料子さんと動いてくれ」

「はい、分かりました」

    明日の動きも決まったところで、僕らはそれぞれ思い思いに眠りについた。

    翌朝、目が覚めると、もう家の中には農家さんの姿はなかった。どこへ行ったのだろう、と思っていたら、外に出てみれば、早速朝から鎌で草刈りをしている農家さんを見つけた。

「おはようございます」

「おお、おはようさん」

「早いですね」

「うにゃ。これが普通だべ」

    今は6時半ぐらいだろうか。僕には、まだまだ早朝という感覚であるが、農家はやっぱり朝が早いんだろうな。

「いつもは何時くらいに起きてるんですか?」

「4時くらいだべ」

    4時と言えば、まだ真っ暗ではないか。いや、そんな時間に起きたことがないので
本当は知らないけど。

「なら、一緒にやるべ。健太っつったかのお。その格好でいいんか?  汚れるべ」

「あ、はい」

    服の着替えなどあるはずもないが、まああとで水ででも洗濯すればいいや、と考えて了承の返事をした。

「まずは草刈りからじゃ。草刈り機があればいいが、無いんで鎌でやるしかないからの。ちと大変じゃぞ」

「はい」

    それから僕は、農家さんに草刈りのコツを学びながら、午前中刈った草を運んだり、土を柔らかくするために水を撒いたりした。運ぶ作業では一輪車があると、色々役に立つのが分かった。

    慣れない作業ばかりで、午前が終わる頃にはぐったり疲れきってしまった。その割には、農家さんの役に立てた実感はない。これからの道のりは厳しそうだ。

    さすがに農家さんは、だてに長年農業をやってはいない。午前中、よく動いていたにもかかわらず、全然疲れたそぶりを見せないのだ。たぶん本当に疲れていないのだろう。僕が脆弱なだけかも知れない,
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