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■第3章 少年期 魔法の迷宮編
✦第13話「少女の墓石」
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✦第13話「少女の墓石」
そこはあまりにも、俺が『基礎の魔術 第一巻 攻撃魔術編』を見つけた場所と酷似していた。
そして、そこには、誰もいなかった。
「なんダヨ~ ウィルソン!
何もいないんじゃんヨ~」
でも、中央にあったはずの台がなくなり、四角い木箱がポツンと置いてあった。
木箱、といっても縦三十センチ、横三十センチ程度の箱で、なかなかに大きい。
「グ~ ワン!
ワン! バウ!」
ゲレンゴはそんな木箱を威嚇する。
一体中に何が中にいるというのだろうか?
と思ったら、急に木箱が開く。
中には、赤色のまがまがしい雰囲気を纏った、臓器のようなものがポツンと置いてあった。
「これは?」
「どう見ても心臓だろ♪」
「何のですかっ?」
「迷宮の主の♫」
「「「え!?」」」
確かに、言われてみれば小刻みに振動している。
心臓か……
それなら、これを壊せば簡単に迷宮を攻略できるんじゃないか?
木箱の周りを見てみる。
もたれかかっている少女を発見。
「大丈夫?」
返事はない。
ゆすってみる。
冷たかった。
ま、まさか……死んでる?!
「ウィルソンさん
後ろですッ!」
「え? 何?」
後ろには何もいない。
おいおいヘンドラー、あんまり俺をからかうなよ。
「下だよ下♪」
ふと下を見る。
…………いた!
「女の子?
どうしてこんなところに」
木箱にもたれかかっていた少女と瓜二つな少女がそこに立っていた。
そして、その子のペットらしき黒猫が不思議そうに首を傾げつつ、こちらをジーっと眺めている。
少女は明らかに様子が変だった。
少女の顔には生気がなく、瞳にハイライトもなかった。
そして何より、半透明だった。
少女は『透明化』という全男子が喉から手が出るほど欲しい能力を手にしたらしい。
なんともうらやましいことだ。
まぁ、そんなわけもなく……。
「幽霊か♪
珍しいな~」
死んで、死にきれなくて、幽霊になっているらしい。
「さっき、この部屋に入ったのは君だよね?
なんでこんなところへ入ったの?」
「……」
「もしかして、この子 ……言葉がしゃべれないんじゃないのかダヨ?」
「とりあえず、この心臓とやらを、壊してみようか
それで、迷宮は攻略できそうだし」
「そうだな♪」
すると、少女が動き出す。
「この子、心臓をかばってるんダヨ」
「え!?」
「その心臓、その子の母親のものらしいぜ♪」
「なんで、そんなことが分かるんだ?」
「このペットの黒猫の心を読んだんだ♫」
「今まで、突っ込まなかったけど、ブラディって心読めるし、不死だし……。
ブラディってなんでそんな能力いっぱい持ってるんだ?」
「いや、俺、研究所から逃げ出す少しまえから記憶ないし、わからねぇよ♪
ま、記憶がないといっても、常識的な知識はあるんだが……
たぶん研究の結果そうなったんじゃないか♫」
「なるほど」
「じゃ とりあえず この黒猫がなんていったか話すぜ♪」
★ ★ ★
少女の名前はミラ。
黒猫の名前はミィ。
ミラはライト王国の片隅で施療院をやっている優しい父と強い母の間に生まれた。
施療院とは、一夜の宿として使ったり、病人を受け入れたり、物乞いたちを保護したりする施設のことである。
そのため当然、毎日十数人が訪れており、食料や薬が足りなくなることもしばしあった。
もちろん、国からの補助金はあったのだが、それだけでは足りなかった。
そんなこともあってか、ミラの両親は家を空けることが多く、寂しい思いをしていた。
「ミラちゃん、大丈夫かい?」
「うん!」
幸い老婆が気にかけてくれたり、施療院にいる人たちからアイドル的扱いを受けていたため、手持ち無沙汰にはならなかったが、それでも、寂しいという思いは変わらなかった。
数か月後。
ミラは四歳の誕生日を迎えた。
施療院に、あるプレゼントが届いた。
黒猫である。
娘を寂しがらせないために、両親は無理をして、黒猫をプレゼントしたのだ。
「ミィ ミィ~」
「うわぁ~
おかあさん おとうさん ありがとう!」
「それじゃあ、その子のお名前はどうしようか?」
「ミィ!
だってね――」
ミラは大層喜び、猫にミィと名付けた。
ミィと泣くからである。
なんとも安直な名前だ、と両親は笑った。
「おかあさん
おとうさん
なんか あの人 へんにみえる!」
「コラ
そんなこと言ってはいけません」
「そうだぞ」
そんな時、施療院に怪しげな人物がやってきた。
常にキョロキョロと、そしてニターと、不気味な笑顔を張り付けた中年。
ミィもシャー、と威嚇している。
「人を見た目で判断してはいけないよ」
両親はそう言った。
でも、ミラとミィは最後まで、不信感を捨てきれなかった。
数日後のとある夜。
その日は雨だった。
男は裏切った。
ミラの勘はあっていた。
元気になった、と立ち去ったその男が、仲間の盗賊を引き連れてきたのである。
強盗だ。そして、殺人をいとわないような連中だった。
盗賊は、施療院のお金を全部奪うだけでは飽き足らず、私たちを捕まえて売ろうとしたのだ。
「ミラっ!」
父は最初に犠牲になった。
ミラと母を守ろうとして……。
腹をバッサリだ。
父が作ってくれた隙を無駄にはできない。
私と母とミィは走った。
精いっぱい走った。
……でも。
母は足を、私は肩を、負傷した。
無事だったのはミィだけ。
もし、土砂崩れが起きていなければ絶望的であった。
ミラたちは、なんとか生き延びた。
傷口に雨が入り込んで激痛を感じながら。
「うぅ、お母さん
クラクラするし、肩が痛いよぉ」
ミラたちは巨大な木の根の元へ雨宿りをした。
ミラは力なく倒れた。出血による貧血だった。
「ミラ!」
「手をどけて
……大丈夫 大丈夫よ」
「ギゃッ」
「絶対に……助ける……
助かるから
だからしっかりして、ミラ
ママが付いてる」
「お お母さん」
しかし、体の小さい私にとって、肩の傷は致命傷であった。
母は自分の持ち得る最大限の処置を施したが、私の容態がよくなることは無かった。
「頑張って ミラ。
お願いだから……。
……大丈夫 大丈夫よ」
母は最後まで、ミラへ懸命に言葉をかけ続けた。
それがかなうこともなく、ミラは血を流して……
死んだ。
「……ミラ、今までさみしい思いをさせてごめんなさい
仕事を頑張るあまり、あなたのことを寂しがらせて……
本当に大切だったのは、家族の時間、だったのね」
母は娘の亡骸を抱きかかえ、その胸のなかで泣いた。
その時、頭の中に言葉が流れてきたのである。
情報として頭に文字が並んだ。
――こっちへ来なされ。余がそなたの娘を生き返らせてあげよう。
と。
背後の巨大な木の根から。
母とミィはミラの亡骸を抱えたまま、声が聞こえた方向へ向かった。
根の中には不思議な部屋が広がっていた。
真ん中には台座があって、本が置いてあった。
『基礎の魔術 第二巻 回復魔術編』著作 ウィリアム と書いてある
不思議な声はこう言う。
――それを頭へつければ、娘が生き返るであろう。
一瞬、左半身は男で右半身は女で頭には角が生えており、背中に天使と悪魔の翼両方を持った、歪な姿をした何かが見えた。
そして、その悪魔のささやきを、その女は信じてしまった。
本に取りつかれた女は本と声の主に洗脳され、体を奪われた。
そうして、本と根の能力、そして魔力によって、迷宮が出来上がったのである。
ミラの母は今も、迷宮の奥でさまよっているらしい。
気づくと、ミラは霊となっていた。
根が言っていることが本当だったのか……
ミラの気持ちが大きかったのか……
あるいはその両方だったのかは、だれにもわからない。
★ ★ ★
「そんなことがあったんダヨ!?
悲しすぎるんダヨ!」
「ミィ」
「幽霊の正体はミラってやつだったのか♫
合点がいったぜ
つまり、ミラの母親を無事助ければいいわけだな♪」
「なるほど。それじゃあ……
問題はどうやって、本を取り外し、洗脳を解くかだね」
「それに関しては問題ないってよ♪
黒猫によると、本は魔力で繋がっているが、剣で簡単に断ち切ることができるらしいんだ。
謎の声による洗脳もこの薬でどうにかできるらしいぜ」
黒猫はどこからか、薬を取り出す。
いっぺん、その体の中見てみたい。
「俺は、本を断ち切る役割だな」
「そうだ♪
じゃあ、役割分担をしようと思うんだぜ」
フォーメーションを考えることになった。
「まず俺は前衛だな♪
不死身のだからな~俺が守るぜ。
あと、ウィルソンが相手を断ち切るからなウィルソンも前衛だ♫」
「ボクとゲレンゴは中衛がいいと思うんダヨ。
バランス型だし、ボクは種族柄、少しの回復魔術なら使えるんダヨ」
「あの~
すみません。
……私は?」
「は?
どう考えても、後衛だろ?
お前逃げてバッカじゃん。
脳みそ詰まってんのか♪」
「は、はい~……」
「ホラ、いろんな道具渡すから、戦いの支援と指揮をしろ♫」
「わ、わかりましたッ!」
ブラディはごそごそと懐から、身をとりだす。
「ホラよ
火炎の実、水流の実、苗木の実だぜ♫
ぶつけると、いろんな効果が出る。
効果植物ってやつだな
五個ずつ十五個やるよ」
「へぇ~
初めて見ましたッ!
こんなものがあるんですねッ!
あッ!」
ヘンドラーは苗木の実を落とす。
地面にぶつかったかと思うと、急に小さな木が成長した。
「おい」
「す、すみません」
こう見ると、ヘンドラーは舎弟にしか見えないな。
ヘンドラーも、うっかり実を落とすとは、なかなかのドジらしい。
「次はねぇからな♫」
「じゃあ、このフォーメーションで、迷宮を攻略していこう!」
俺の言葉で、この部屋の先。
迷宮の奥へと進んでいく……。
そこはあまりにも、俺が『基礎の魔術 第一巻 攻撃魔術編』を見つけた場所と酷似していた。
そして、そこには、誰もいなかった。
「なんダヨ~ ウィルソン!
何もいないんじゃんヨ~」
でも、中央にあったはずの台がなくなり、四角い木箱がポツンと置いてあった。
木箱、といっても縦三十センチ、横三十センチ程度の箱で、なかなかに大きい。
「グ~ ワン!
ワン! バウ!」
ゲレンゴはそんな木箱を威嚇する。
一体中に何が中にいるというのだろうか?
と思ったら、急に木箱が開く。
中には、赤色のまがまがしい雰囲気を纏った、臓器のようなものがポツンと置いてあった。
「これは?」
「どう見ても心臓だろ♪」
「何のですかっ?」
「迷宮の主の♫」
「「「え!?」」」
確かに、言われてみれば小刻みに振動している。
心臓か……
それなら、これを壊せば簡単に迷宮を攻略できるんじゃないか?
木箱の周りを見てみる。
もたれかかっている少女を発見。
「大丈夫?」
返事はない。
ゆすってみる。
冷たかった。
ま、まさか……死んでる?!
「ウィルソンさん
後ろですッ!」
「え? 何?」
後ろには何もいない。
おいおいヘンドラー、あんまり俺をからかうなよ。
「下だよ下♪」
ふと下を見る。
…………いた!
「女の子?
どうしてこんなところに」
木箱にもたれかかっていた少女と瓜二つな少女がそこに立っていた。
そして、その子のペットらしき黒猫が不思議そうに首を傾げつつ、こちらをジーっと眺めている。
少女は明らかに様子が変だった。
少女の顔には生気がなく、瞳にハイライトもなかった。
そして何より、半透明だった。
少女は『透明化』という全男子が喉から手が出るほど欲しい能力を手にしたらしい。
なんともうらやましいことだ。
まぁ、そんなわけもなく……。
「幽霊か♪
珍しいな~」
死んで、死にきれなくて、幽霊になっているらしい。
「さっき、この部屋に入ったのは君だよね?
なんでこんなところへ入ったの?」
「……」
「もしかして、この子 ……言葉がしゃべれないんじゃないのかダヨ?」
「とりあえず、この心臓とやらを、壊してみようか
それで、迷宮は攻略できそうだし」
「そうだな♪」
すると、少女が動き出す。
「この子、心臓をかばってるんダヨ」
「え!?」
「その心臓、その子の母親のものらしいぜ♪」
「なんで、そんなことが分かるんだ?」
「このペットの黒猫の心を読んだんだ♫」
「今まで、突っ込まなかったけど、ブラディって心読めるし、不死だし……。
ブラディってなんでそんな能力いっぱい持ってるんだ?」
「いや、俺、研究所から逃げ出す少しまえから記憶ないし、わからねぇよ♪
ま、記憶がないといっても、常識的な知識はあるんだが……
たぶん研究の結果そうなったんじゃないか♫」
「なるほど」
「じゃ とりあえず この黒猫がなんていったか話すぜ♪」
★ ★ ★
少女の名前はミラ。
黒猫の名前はミィ。
ミラはライト王国の片隅で施療院をやっている優しい父と強い母の間に生まれた。
施療院とは、一夜の宿として使ったり、病人を受け入れたり、物乞いたちを保護したりする施設のことである。
そのため当然、毎日十数人が訪れており、食料や薬が足りなくなることもしばしあった。
もちろん、国からの補助金はあったのだが、それだけでは足りなかった。
そんなこともあってか、ミラの両親は家を空けることが多く、寂しい思いをしていた。
「ミラちゃん、大丈夫かい?」
「うん!」
幸い老婆が気にかけてくれたり、施療院にいる人たちからアイドル的扱いを受けていたため、手持ち無沙汰にはならなかったが、それでも、寂しいという思いは変わらなかった。
数か月後。
ミラは四歳の誕生日を迎えた。
施療院に、あるプレゼントが届いた。
黒猫である。
娘を寂しがらせないために、両親は無理をして、黒猫をプレゼントしたのだ。
「ミィ ミィ~」
「うわぁ~
おかあさん おとうさん ありがとう!」
「それじゃあ、その子のお名前はどうしようか?」
「ミィ!
だってね――」
ミラは大層喜び、猫にミィと名付けた。
ミィと泣くからである。
なんとも安直な名前だ、と両親は笑った。
「おかあさん
おとうさん
なんか あの人 へんにみえる!」
「コラ
そんなこと言ってはいけません」
「そうだぞ」
そんな時、施療院に怪しげな人物がやってきた。
常にキョロキョロと、そしてニターと、不気味な笑顔を張り付けた中年。
ミィもシャー、と威嚇している。
「人を見た目で判断してはいけないよ」
両親はそう言った。
でも、ミラとミィは最後まで、不信感を捨てきれなかった。
数日後のとある夜。
その日は雨だった。
男は裏切った。
ミラの勘はあっていた。
元気になった、と立ち去ったその男が、仲間の盗賊を引き連れてきたのである。
強盗だ。そして、殺人をいとわないような連中だった。
盗賊は、施療院のお金を全部奪うだけでは飽き足らず、私たちを捕まえて売ろうとしたのだ。
「ミラっ!」
父は最初に犠牲になった。
ミラと母を守ろうとして……。
腹をバッサリだ。
父が作ってくれた隙を無駄にはできない。
私と母とミィは走った。
精いっぱい走った。
……でも。
母は足を、私は肩を、負傷した。
無事だったのはミィだけ。
もし、土砂崩れが起きていなければ絶望的であった。
ミラたちは、なんとか生き延びた。
傷口に雨が入り込んで激痛を感じながら。
「うぅ、お母さん
クラクラするし、肩が痛いよぉ」
ミラたちは巨大な木の根の元へ雨宿りをした。
ミラは力なく倒れた。出血による貧血だった。
「ミラ!」
「手をどけて
……大丈夫 大丈夫よ」
「ギゃッ」
「絶対に……助ける……
助かるから
だからしっかりして、ミラ
ママが付いてる」
「お お母さん」
しかし、体の小さい私にとって、肩の傷は致命傷であった。
母は自分の持ち得る最大限の処置を施したが、私の容態がよくなることは無かった。
「頑張って ミラ。
お願いだから……。
……大丈夫 大丈夫よ」
母は最後まで、ミラへ懸命に言葉をかけ続けた。
それがかなうこともなく、ミラは血を流して……
死んだ。
「……ミラ、今までさみしい思いをさせてごめんなさい
仕事を頑張るあまり、あなたのことを寂しがらせて……
本当に大切だったのは、家族の時間、だったのね」
母は娘の亡骸を抱きかかえ、その胸のなかで泣いた。
その時、頭の中に言葉が流れてきたのである。
情報として頭に文字が並んだ。
――こっちへ来なされ。余がそなたの娘を生き返らせてあげよう。
と。
背後の巨大な木の根から。
母とミィはミラの亡骸を抱えたまま、声が聞こえた方向へ向かった。
根の中には不思議な部屋が広がっていた。
真ん中には台座があって、本が置いてあった。
『基礎の魔術 第二巻 回復魔術編』著作 ウィリアム と書いてある
不思議な声はこう言う。
――それを頭へつければ、娘が生き返るであろう。
一瞬、左半身は男で右半身は女で頭には角が生えており、背中に天使と悪魔の翼両方を持った、歪な姿をした何かが見えた。
そして、その悪魔のささやきを、その女は信じてしまった。
本に取りつかれた女は本と声の主に洗脳され、体を奪われた。
そうして、本と根の能力、そして魔力によって、迷宮が出来上がったのである。
ミラの母は今も、迷宮の奥でさまよっているらしい。
気づくと、ミラは霊となっていた。
根が言っていることが本当だったのか……
ミラの気持ちが大きかったのか……
あるいはその両方だったのかは、だれにもわからない。
★ ★ ★
「そんなことがあったんダヨ!?
悲しすぎるんダヨ!」
「ミィ」
「幽霊の正体はミラってやつだったのか♫
合点がいったぜ
つまり、ミラの母親を無事助ければいいわけだな♪」
「なるほど。それじゃあ……
問題はどうやって、本を取り外し、洗脳を解くかだね」
「それに関しては問題ないってよ♪
黒猫によると、本は魔力で繋がっているが、剣で簡単に断ち切ることができるらしいんだ。
謎の声による洗脳もこの薬でどうにかできるらしいぜ」
黒猫はどこからか、薬を取り出す。
いっぺん、その体の中見てみたい。
「俺は、本を断ち切る役割だな」
「そうだ♪
じゃあ、役割分担をしようと思うんだぜ」
フォーメーションを考えることになった。
「まず俺は前衛だな♪
不死身のだからな~俺が守るぜ。
あと、ウィルソンが相手を断ち切るからなウィルソンも前衛だ♫」
「ボクとゲレンゴは中衛がいいと思うんダヨ。
バランス型だし、ボクは種族柄、少しの回復魔術なら使えるんダヨ」
「あの~
すみません。
……私は?」
「は?
どう考えても、後衛だろ?
お前逃げてバッカじゃん。
脳みそ詰まってんのか♪」
「は、はい~……」
「ホラ、いろんな道具渡すから、戦いの支援と指揮をしろ♫」
「わ、わかりましたッ!」
ブラディはごそごそと懐から、身をとりだす。
「ホラよ
火炎の実、水流の実、苗木の実だぜ♫
ぶつけると、いろんな効果が出る。
効果植物ってやつだな
五個ずつ十五個やるよ」
「へぇ~
初めて見ましたッ!
こんなものがあるんですねッ!
あッ!」
ヘンドラーは苗木の実を落とす。
地面にぶつかったかと思うと、急に小さな木が成長した。
「おい」
「す、すみません」
こう見ると、ヘンドラーは舎弟にしか見えないな。
ヘンドラーも、うっかり実を落とすとは、なかなかのドジらしい。
「次はねぇからな♫」
「じゃあ、このフォーメーションで、迷宮を攻略していこう!」
俺の言葉で、この部屋の先。
迷宮の奥へと進んでいく……。
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