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真島千尋は、招待された結婚式に着ていくドレスの用意をしていた。
「うーん。どうしよう。どれがいいかな……」
クローゼットの中から、何枚かの露出が少ないドレスを取り出し、ベッドに並べる。
「なんかもの足りない。小さめのネックレスとか、付けようかな。でも、どこにしまったっけ……」
千尋は引き出しを開ける。
「あっ」
だが引き出しの中に入っていたのは、アクセサリーケースではなく、一冊のアルバムだった。
「これ、ここに入れてあったんだ」
千尋は懐かしそうに、それを手に取る。そして、そっと開いた。
真っ先に目に飛び込んで来たのは、一枚の写真。
「懐かしいなぁ……」
そこには高校の制服に身を包んだ自分と、二つ上の幼馴染、九条颯人と、彼の恋人の松岡由美が、入学式の看板の前で、笑顔で並んで写っていた。
「この二人のおかげで、今の私があるんだよね」
千尋は写真を撫でながら目をつぶり、過去へと思いを巡らせた。
あれは千尋が15歳の冬から春にかけておきた、小さいけれど、彼女にとってはとても大きな心が成長した出来事だった。
「うーん。どうしよう。どれがいいかな……」
クローゼットの中から、何枚かの露出が少ないドレスを取り出し、ベッドに並べる。
「なんかもの足りない。小さめのネックレスとか、付けようかな。でも、どこにしまったっけ……」
千尋は引き出しを開ける。
「あっ」
だが引き出しの中に入っていたのは、アクセサリーケースではなく、一冊のアルバムだった。
「これ、ここに入れてあったんだ」
千尋は懐かしそうに、それを手に取る。そして、そっと開いた。
真っ先に目に飛び込んで来たのは、一枚の写真。
「懐かしいなぁ……」
そこには高校の制服に身を包んだ自分と、二つ上の幼馴染、九条颯人と、彼の恋人の松岡由美が、入学式の看板の前で、笑顔で並んで写っていた。
「この二人のおかげで、今の私があるんだよね」
千尋は写真を撫でながら目をつぶり、過去へと思いを巡らせた。
あれは千尋が15歳の冬から春にかけておきた、小さいけれど、彼女にとってはとても大きな心が成長した出来事だった。
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