暁~双子の冒険者~

岡本梨紅

文字の大きさ
上 下
74 / 104
第五章 ユグルの森

17

しおりを挟む
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

婚約者に見殺しにされた愚かな傀儡令嬢、時を逆行する

蓮恭
恋愛
 父親が自分を呼ぶ声が聞こえたその刹那、熱いものが全身を巡ったような、そんな感覚に陥った令嬢レティシアは、短く唸って冷たい石造りの床へと平伏した。  視界は徐々に赤く染まり、せっかく身を挺して庇った侯爵も、次の瞬間にはリュシアンによって屠られるのを見た。 「リュシ……アン……さ、ま」  せめて愛するリュシアンへと手を伸ばそうとするが、無情にも嘲笑を浮かべた女騎士イリナによって叩き落とされる。 「安心して死になさい。愚かな傀儡令嬢レティシア。これから殿下の事は私がお支えするから心配いらなくてよ」  お願い、最後に一目だけ、リュシアンの表情が見たいとレティシアは願った。  けれどそれは自分を見下ろすイリナによって阻まれる。しかし自分がこうなってもリュシアンが駆け寄ってくる気配すらない事から、本当に嫌われていたのだと実感し、痛みと悲しみで次々に涙を零した。    両親から「愚かであれ、傀儡として役立て」と育てられた侯爵令嬢レティシアは、徐々に最愛の婚約者、皇太子リュシアンの愛を失っていく。  民の信頼を失いつつある帝国の改革のため立ち上がった皇太子は、女騎士イリナと共に謀反を起こした。  その時レティシアはイリナによって刺殺される。  悲しみに包まれたレティシアは何らかの力によって時を越え、まだリュシアンと仲が良かった幼い頃に逆行し、やり直しの機会を与えられる。  二度目の人生では傀儡令嬢であったレティシアがどのように生きていくのか?  婚約者リュシアンとの仲は?  二度目の人生で出会う人物達との交流でレティシアが得たものとは……? ※逆行、回帰、婚約破棄、悪役令嬢、やり直し、愛人、暴力的な描写、死産、シリアス、の要素があります。  ヒーローについて……読者様からの感想を見ていただくと分かる通り、完璧なヒーローをお求めの方にはかなりヤキモキさせてしまうと思います。  どこか人間味があって、空回りしたり、過ちも犯す、そんなヒーローを支えていく不憫で健気なヒロインを応援していただければ、作者としては嬉しい限りです。  必ずヒロインにとってハッピーエンドになるよう書き切る予定ですので、宜しければどうか最後までお付き合いくださいませ。      

王子は婚約破棄をし、令嬢は自害したそうです。

七辻ゆゆ
ファンタジー
「アリシア・レッドライア! おまえとの婚約を破棄する!」 公爵令嬢アリシアは王子の言葉に微笑んだ。「殿下、美しい夢をありがとうございました」そして己の胸にナイフを突き立てた。 血に染まったパーティ会場は、王子にとって一生忘れられない景色となった。冤罪によって婚約者を自害させた愚王として生きていくことになる。

異世界民泊始めました。~異世界からの旅行客を美味しいお店にご案内~

maa坊/中野雅博
ファンタジー
 藤間伸介は遺産として相続した祖母の大きな屋敷を持て余していた。  親戚が色々相続する中彼に残されたのは祖母の別宅、あまり整備されていない(というか廃墟)の屋敷が一つ。  まあ末の孫ならこれぐらいでも仕方ないと思うが完全に持て余していた。しかも祖母の遺言「売ってはならない」という厳命があり、簡単に手放すことも出来ずにいた。そんなある日、屋敷を掃除していた際に奥の裏口を叩く謎の音。出てみればコスプレをしているのか?というような耳の長いエルフがそこにいた。 「このお屋敷を民泊に役立てませんか?」  エルフは異世界から来たという。今は異世界は地球ブーム。各地にゲートを開き、宿泊施設を用意し観光するのがブームだという。その一つとしてかつて伸介の家が登録されていたという。渋る彼だが管理費も馬鹿にならず首を縦に振ることに。そこにやって来る様々な種族。果たして彼は無事彼らを宿泊させることができるのだろうか?

寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。

にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。 父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。 恋に浮かれて、剣を捨た。 コールと結婚をして初夜を迎えた。 リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。 ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。 結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。 混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。 もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと…… お読みいただき、ありがとうございます。 エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。 それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。

グーダラ王子の勘違い救国記~好き勝手にやっていたら世界を救っていたそうです~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
ある日、ティルナグ王国の自堕落王子として有名なエルクは国王である父から辺境へ追放を言い渡される。 その後、準備もせずに木の上で昼寝をしていると、あやまって木から落ちてしまう。 そして目を覚ますと……前世の記憶を蘇らせていた。 これは自堕落に過ごしていた第二王子が、記憶を甦らせたことによって、様々な勘違いをされていく物語である。 その勘違いは種族間の蟠りを消していき、人々を幸せにしていくのだった。

魔境に捨てられたけどめげずに生きていきます

ツバキ
ファンタジー
貴族の子供として産まれた主人公、五歳の時の魔力属性検査で魔力属性が無属性だと判明したそれを知った父親は主人公を魔境へ捨ててしまう どんどん更新していきます。 ちょっと、恨み描写などがあるので、R15にしました。

私この戦いが終わったら結婚するんだ〜何年も命懸けで働いて仕送りし続けて遂に戦争が終わって帰ってきたら婚約者と妹が不倫をしてて婚約破棄された〜

まつおいおり
恋愛
妹が嫌がったので代わりに戦場へと駆り出された私、イヴ・ペンドラゴン………何年も家族や婚約者に仕送りを続けて、やっと戦争が終わって家に帰ったら……妹と婚約者が男女の営みをしていた、開き直った婚約者と妹は主人公を散々煽り散らした後に婚約破棄をする…………彼女本人は気づいてなかったが、救国の英雄とまでなった主人公を裏切った二人に人権はなく、国が総出で二人を追い詰めていく……途中イヴに媚びてくるが………彼女が二人を許すことはない………。 一方、主人公は主人公で最初は王子様、次は獣人達、様々な男が彼女に好意を向けるが、鈍感な主人公は気付かない………最強女軍人の無自覚逆ハーレムドタバタラブコメディここに開幕。 バトル展開がある章は即ざまぁ編、人狼国編、ロイ争奪編、勇者来訪編です、一応人狼国編とロイ争奪大会編、勇者来訪編の最後はラブコメっぽいことします。 日常回やラブコメ展開多めな章は増援要請編、天使と悪魔編、ドM令嬢編、ロイ様とデート編、魔王襲来編、この章達は全編バトル無しなので、バトルが嫌な人はこっちの方から読んだ方がいいかもしれません。

惑星エラム 第四部 新世界編【ノーマル版】

ミスター愛妻
ファンタジー
【第四部 口上】  別の宇宙……ある恒星の第二番惑星。  息も絶え絶え、何とか決戦に勝利した黒の巫女さん、新たに世界の秩序を作ろうと、努力を重ねるが、やはりというか難問山積、人は思い通りに動かぬもの。  加速度的にハレムは拡大、いらぬ名前がどしどしとつく。  そんな中、再びエラムに血の雨が降る、速戦即決、大怪我を負うも何とか納めたはいいが、恐ろしいことに、さらにハレムが拡大する事態に。  ここまで来ると、女性というのに女難の相、それでも奮闘努力を重ねた結果、ついにエラムの平和が目前に。  あと一歩のヴィーナスさん、奮闘中。  * * * * * * * *  本作はミッドナイトノベルズ様に投稿していたものから、R18部分を削除、FC2様で公開しているものです。しかしそうはいってもR15は必要かもしれません。  一話あたり2000文字以内と短めになっています。  表紙はギュスターヴ・モローのアフロディテでパブリックドメインとなっているものです。  【改訂第二版】

処理中です...