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二ノ巻 接客業はお任せを 白菊
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小春は少し困った顔をしながら、首をかしげた。
「それで、あの、具体的に、どんなことを手伝ってくださるのでしょうか?」
「お客さんがどんな仕事をしてほしいかによりますが、うちには大工仕事が得意な猫又と、速達の飛脚をやっている猫又と、ここにいる白菊は、接客業を得意としております。おもに彼らにそれぞれの得意分野で仕事をしてもらっています」
「白菊は、白菊目当てのお客さんがいるほど、実は人気なのですにゃ」
胸を、「えっへん」と張る白菊。
「ほ、本当ですか!?」
「にゃ!?」
突然、小春は白菊の小さな両手を握った。いきなりのことで驚いた白菊は、しっぽをぶわっとふくらませた。
「接客仕事が得意というのなら、お願いです! どうか力をお貸しくださいませ!」
「お客さん、少し落ち着きなさいな」
お蘭はやんわりと、小春の手から白菊を解放させた。
「あ、はい。驚かせてすみません」
小春は申し訳なさそうに、二人に謝った。
「お客さんの様子からして、失礼だけどお店は繁盛していないのかい?」
「はい。お蘭さんのおっしゃる通り、今、うちの茶屋は人がほとんど、いえ、利用者がいないと言ってもいいくらい、人が来ません」
「どうしてだい? お客さんは美人画が描かれたことがあるだろう? お客さん目当てでくる人が、いるんじゃないのかい?」
「よく、わかりましたね……」
美人画とは、主に女性の美しさを強調して描いた絵で、浮世絵を中心に発達したものである。美しい女性であれば、一般人でも描かれることがあった。小春はかつて、その美人画が描かれたことがあった。それをお蘭は知っていたのだ。
「それで、あの、具体的に、どんなことを手伝ってくださるのでしょうか?」
「お客さんがどんな仕事をしてほしいかによりますが、うちには大工仕事が得意な猫又と、速達の飛脚をやっている猫又と、ここにいる白菊は、接客業を得意としております。おもに彼らにそれぞれの得意分野で仕事をしてもらっています」
「白菊は、白菊目当てのお客さんがいるほど、実は人気なのですにゃ」
胸を、「えっへん」と張る白菊。
「ほ、本当ですか!?」
「にゃ!?」
突然、小春は白菊の小さな両手を握った。いきなりのことで驚いた白菊は、しっぽをぶわっとふくらませた。
「接客仕事が得意というのなら、お願いです! どうか力をお貸しくださいませ!」
「お客さん、少し落ち着きなさいな」
お蘭はやんわりと、小春の手から白菊を解放させた。
「あ、はい。驚かせてすみません」
小春は申し訳なさそうに、二人に謝った。
「お客さんの様子からして、失礼だけどお店は繁盛していないのかい?」
「はい。お蘭さんのおっしゃる通り、今、うちの茶屋は人がほとんど、いえ、利用者がいないと言ってもいいくらい、人が来ません」
「どうしてだい? お客さんは美人画が描かれたことがあるだろう? お客さん目当てでくる人が、いるんじゃないのかい?」
「よく、わかりましたね……」
美人画とは、主に女性の美しさを強調して描いた絵で、浮世絵を中心に発達したものである。美しい女性であれば、一般人でも描かれることがあった。小春はかつて、その美人画が描かれたことがあった。それをお蘭は知っていたのだ。
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