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第10環「白銀の懐中時計」
⑩-9 希望の闘争②
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アルブレヒトはかすれ声で、言葉を一つ一つ紡いでいった。それは酷く辛いものだった。
「暴走したレン、ティニアを止めるために、俺がレンを、ケーニヒスベルクを殺したんだ」
「なぜ、そんなことに……」
「レンはティニアという機械人形の躯体に入ってから、ティニアという記憶媒体によって記憶を消去され、ティニアの記憶と入れ替えられていた。別の身体に魂のコアを入れられていたんだ。見姿は全くの別人だったよ。その上病気にかかっていて、もう手の施しようがない状態だった。病気によって、暴走し狂っていったんだ。そして俺がレンを討った後に、あいつは守護獣の力を使って、黒龍の幻影に止めを刺し、消滅した」
「黒龍⁉ そんな遠い星、地球に黒龍がいたというのか!」
黒龍。それは未だ未知の存在。そして、反ニミアゼル教を掲げる犯罪集団と変らない奴らのことだ。
「じゃあ、お前が黒龍。反ニミアゼル教について真剣に調べていたのは、祖国のためじゃないのか……?」
「それは違う!」
アルブレヒトは思っていた以上に大きな声を上げてしまったため、慌てて口元に手を当てた。この仕草は、かつて姉のように慕っていた者の癖だ。
「悪い、大声出して……」
「いや、タウ族に比べれば小声だ」
「……とにかく、幼少期からレン・ケーニヒスベルクのことを思い出してはいたが、現実だとは思っていなかったんだ。俺はアンセ……、アンザインの王子だったからな。まさかセシュールの守護獣の夢を見ているなんて、ありえなかったんだ」
「僕は信じていただろ」
レオポルトはアルブレヒトの手を取った。力なく項垂れていたアルブレヒトだが、その手に力が込められているのを感じ、レオポルトを見据える。
「手紙に何度も書いてあった話のことだろ? 俺はずっと信じていたじゃないか」
アルブレヒトとレオポルトは長らく文通を行っていた。それは戦前にレオポルトが白鷺病で容態が悪化するまで続いていたのだ。レオポルトは一人称が変化したことにも気付かず、そのまま言葉を続ける。
「お前はケーニヒスベルクが好きだった。いや、今も好きだということだろう」
「…………」
「漸く分かった。お前がやたらケーニヒスベルクに拘り、ケーニヒスベルクに近づくためにこちらへ進軍してきたことも」
「そうだな……。マリアも言っていたが、父と初めて言い合いをしたんだ」
「アンセム、いや。アンザイン王とか?」
アルブレヒトは小さく頷いた。どこか遠い目をしたまま、再びクマのぬいぐるみを見つめたのだ。
「無益な侵略行為だと、叱責されていたよ」
「フェルドへ侵攻したんだ。それはそうだろう」
「……そうだな。父は大陸同盟締結に力を注いでいたのに、本当に…………」
「だが」
レオポルトがアルブレヒトの視界に入る。レオポルトはクマのぬいぐるみを抱きかかえると、縫い付けられた瞳を見つめた。ブルーサファイアとグリーンサファイアが埋め込まれた、宝石のようなぬいぐるみだ。そのオッドアイは、レオポルト自身を示している。
そのオッドアイで、レオポルトはアルブレヒトを見つめた。
「最終的に進軍に許可を出したのは、アンザイン王だ。そして、侵略や略奪行為を反省もせず、次はフェルド共和国へ略奪行為をしていたのはルゼリア王国だった。どの道、あのままではフェルド共和国が滅びていた」
「…………」
「アンザイン王は、解放しようとしたのではないのか? フェルド共和国を、ルゼリア王国から」
「……それは…………」
「抵抗されるとは思わなかったよな。平和を好むフェルド共和国らしいと言えば、らしいが……」
それは、解放戦争と言われるのではないだろうか。アルブレヒトは歯を食いしばり、親友の言葉に喜びを現わさないように頬を引き締めた。レオポルトが真実を察しているのであれば、ルクヴァもセシリアも知っているのだろう。
アルブレヒトは胸ポケットから白銀の懐中時計を取り出し、徐に抱き寄せた。傷だらけの銀時計だった。
「元々、ルゼリア王国の行いには賛成していなかった。もし、解放戦争と表立っていえば、フェルド共和国は二分してしまっただろう。抵抗された際に、それ以上お前らが何も言わなかったのは、彼らを思ってのことだった。違うか?」
「レオポルト……」
「父とセシリア殿はそれを知っていたのだな」
「…………」
レオポルトは笑みを浮かべると、クマのぬいぐるみを座らせてあった場所に座らせた。手縫いで縫われたクッションは、セシュールカラーの白と緑に包まれている。
「アルは立場上、何も言えないのなら仕方ない」
「……いや。俺は本当に、ケーニヒスベルクが自分の領土にあればいいのにと思っていたんだ。だから……」
「そんな理由で、あのアンザイン王が進軍を許すとでも思っているのか」
言葉は続く。
「お前の父親だろう? アルブレヒト王子」
「レオ…………。ありがとう、レオポルト王子」
「何、別に。さて、外が騒がしいな。見てこよう……。おい、どうしたんだ、何かあったのか?」
私室の前で待機していた兵が、慌ててレオポルトへ跪いた。
「申し上げます! 大巫女となったティトー様一行が、何者かに襲撃され、現在行方不明だと……」
静寂が、緊張が、セシュールを包み込んでしまった。いつも通り聳え立つのは、外に見える霊峰ケーニヒスベルクだけであった。
「何だって⁉」
「いつだ! いつの話だ‼」
「アル、抑えろ!」
詰め寄っていたアルブレヒトに、慌てて制止に入る。そこへ駆けてくるルクヴァ、そしてセシリアの姿が見える。アルブレヒトは懐中時計を胸ポケットへしまうと、二人に駆け寄った。
「聞いたか! おい、お前は持ち場に戻れ。いいな⁉」
「は、はい!」
兵士は慌てて駆けていく。その兵士を呆然と見つめていたレオポルトだったが、すぐにアルブレヒトがルクヴァに食って掛かった。
「黒龍、反ニミアゼル教の仕業か⁉ そうなんだな⁉」
「落ち着け、アルブレヒト!」
慌てて抑えようとするセシリアを、軽く腕の力で諫めてしまうアルブレヒト。気が動転しているのか、力が抑えられていない。
「わ、悪い。セシリアさん……」
その時、再び兵士が血相を変えて駆けこんでくる。
「申し上げます、ルクヴァ王!」
「どうした!」
「それが……。情報が錯綜しております。ルゼリア王都ノーブル・ルミヴェイルが、クーデターによって陥落寸前だと……‼」
「何⁉」
一瞬で、全てが異常事態に陥ったのだ。
「暴走したレン、ティニアを止めるために、俺がレンを、ケーニヒスベルクを殺したんだ」
「なぜ、そんなことに……」
「レンはティニアという機械人形の躯体に入ってから、ティニアという記憶媒体によって記憶を消去され、ティニアの記憶と入れ替えられていた。別の身体に魂のコアを入れられていたんだ。見姿は全くの別人だったよ。その上病気にかかっていて、もう手の施しようがない状態だった。病気によって、暴走し狂っていったんだ。そして俺がレンを討った後に、あいつは守護獣の力を使って、黒龍の幻影に止めを刺し、消滅した」
「黒龍⁉ そんな遠い星、地球に黒龍がいたというのか!」
黒龍。それは未だ未知の存在。そして、反ニミアゼル教を掲げる犯罪集団と変らない奴らのことだ。
「じゃあ、お前が黒龍。反ニミアゼル教について真剣に調べていたのは、祖国のためじゃないのか……?」
「それは違う!」
アルブレヒトは思っていた以上に大きな声を上げてしまったため、慌てて口元に手を当てた。この仕草は、かつて姉のように慕っていた者の癖だ。
「悪い、大声出して……」
「いや、タウ族に比べれば小声だ」
「……とにかく、幼少期からレン・ケーニヒスベルクのことを思い出してはいたが、現実だとは思っていなかったんだ。俺はアンセ……、アンザインの王子だったからな。まさかセシュールの守護獣の夢を見ているなんて、ありえなかったんだ」
「僕は信じていただろ」
レオポルトはアルブレヒトの手を取った。力なく項垂れていたアルブレヒトだが、その手に力が込められているのを感じ、レオポルトを見据える。
「手紙に何度も書いてあった話のことだろ? 俺はずっと信じていたじゃないか」
アルブレヒトとレオポルトは長らく文通を行っていた。それは戦前にレオポルトが白鷺病で容態が悪化するまで続いていたのだ。レオポルトは一人称が変化したことにも気付かず、そのまま言葉を続ける。
「お前はケーニヒスベルクが好きだった。いや、今も好きだということだろう」
「…………」
「漸く分かった。お前がやたらケーニヒスベルクに拘り、ケーニヒスベルクに近づくためにこちらへ進軍してきたことも」
「そうだな……。マリアも言っていたが、父と初めて言い合いをしたんだ」
「アンセム、いや。アンザイン王とか?」
アルブレヒトは小さく頷いた。どこか遠い目をしたまま、再びクマのぬいぐるみを見つめたのだ。
「無益な侵略行為だと、叱責されていたよ」
「フェルドへ侵攻したんだ。それはそうだろう」
「……そうだな。父は大陸同盟締結に力を注いでいたのに、本当に…………」
「だが」
レオポルトがアルブレヒトの視界に入る。レオポルトはクマのぬいぐるみを抱きかかえると、縫い付けられた瞳を見つめた。ブルーサファイアとグリーンサファイアが埋め込まれた、宝石のようなぬいぐるみだ。そのオッドアイは、レオポルト自身を示している。
そのオッドアイで、レオポルトはアルブレヒトを見つめた。
「最終的に進軍に許可を出したのは、アンザイン王だ。そして、侵略や略奪行為を反省もせず、次はフェルド共和国へ略奪行為をしていたのはルゼリア王国だった。どの道、あのままではフェルド共和国が滅びていた」
「…………」
「アンザイン王は、解放しようとしたのではないのか? フェルド共和国を、ルゼリア王国から」
「……それは…………」
「抵抗されるとは思わなかったよな。平和を好むフェルド共和国らしいと言えば、らしいが……」
それは、解放戦争と言われるのではないだろうか。アルブレヒトは歯を食いしばり、親友の言葉に喜びを現わさないように頬を引き締めた。レオポルトが真実を察しているのであれば、ルクヴァもセシリアも知っているのだろう。
アルブレヒトは胸ポケットから白銀の懐中時計を取り出し、徐に抱き寄せた。傷だらけの銀時計だった。
「元々、ルゼリア王国の行いには賛成していなかった。もし、解放戦争と表立っていえば、フェルド共和国は二分してしまっただろう。抵抗された際に、それ以上お前らが何も言わなかったのは、彼らを思ってのことだった。違うか?」
「レオポルト……」
「父とセシリア殿はそれを知っていたのだな」
「…………」
レオポルトは笑みを浮かべると、クマのぬいぐるみを座らせてあった場所に座らせた。手縫いで縫われたクッションは、セシュールカラーの白と緑に包まれている。
「アルは立場上、何も言えないのなら仕方ない」
「……いや。俺は本当に、ケーニヒスベルクが自分の領土にあればいいのにと思っていたんだ。だから……」
「そんな理由で、あのアンザイン王が進軍を許すとでも思っているのか」
言葉は続く。
「お前の父親だろう? アルブレヒト王子」
「レオ…………。ありがとう、レオポルト王子」
「何、別に。さて、外が騒がしいな。見てこよう……。おい、どうしたんだ、何かあったのか?」
私室の前で待機していた兵が、慌ててレオポルトへ跪いた。
「申し上げます! 大巫女となったティトー様一行が、何者かに襲撃され、現在行方不明だと……」
静寂が、緊張が、セシュールを包み込んでしまった。いつも通り聳え立つのは、外に見える霊峰ケーニヒスベルクだけであった。
「何だって⁉」
「いつだ! いつの話だ‼」
「アル、抑えろ!」
詰め寄っていたアルブレヒトに、慌てて制止に入る。そこへ駆けてくるルクヴァ、そしてセシリアの姿が見える。アルブレヒトは懐中時計を胸ポケットへしまうと、二人に駆け寄った。
「聞いたか! おい、お前は持ち場に戻れ。いいな⁉」
「は、はい!」
兵士は慌てて駆けていく。その兵士を呆然と見つめていたレオポルトだったが、すぐにアルブレヒトがルクヴァに食って掛かった。
「黒龍、反ニミアゼル教の仕業か⁉ そうなんだな⁉」
「落ち着け、アルブレヒト!」
慌てて抑えようとするセシリアを、軽く腕の力で諫めてしまうアルブレヒト。気が動転しているのか、力が抑えられていない。
「わ、悪い。セシリアさん……」
その時、再び兵士が血相を変えて駆けこんでくる。
「申し上げます、ルクヴァ王!」
「どうした!」
「それが……。情報が錯綜しております。ルゼリア王都ノーブル・ルミヴェイルが、クーデターによって陥落寸前だと……‼」
「何⁉」
一瞬で、全てが異常事態に陥ったのだ。
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