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幼なじみを探して

1話

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その言葉を聞いた瞬間、時間が止まったように感じた。目を見開き、固まる私に、おばさんが震えた声で続きを話す。


「__4日前から、姿が見えないの。部屋にもいなかったし、お友達にも電話したんだけど…もちろん、警察にも相談した。けど…」


その続きは、容易に想像出来た。


おばさんが涙を零しながら嗚咽を漏らす。私はお裾分けに持ってきた器をおいて、おばさんにハンカチを渡した。


「__ありがとう、シズクちゃん。最近はレイからシズクちゃんの話を聞いてなかったから、何だか嬉しい」


おばさんのその言葉に、チクリと胸が痛んだ。


「そんな、大袈裟ですよ。私も最近、レイとはあんまり会えてなかったので」


そう言って微笑むと、おばさんにお母さんから頼まれていたお裾分けを渡した。


「これは…?」

「母がお裾分けだそうです!私の方でもレイを探してみます」


私がそう言うと、おばさんは微笑んだ。


「ありがとう。なにか分かったら、連絡するわね」

「はい。よろしくお願いします」


私はおばさんにぺこりとお辞儀して、その場を去った。

***

_____動揺している心を落ち着けるために家の扉の前で深く深呼吸をし、レイが行きそうなところを瞼の裏に思い浮かべる。


「___…っ、ダメだ。いくら考えても思いつかない」


レイが子供の頃に行きそうなところは思い浮かんだけど、最近はどうか分からない。………いつから、レイと疎遠になってしまったのだろう。せめて、もう少し早くレイと話しておけば……そうすれば、こんなことにはならなかったかもしれないのに。




__大切な幼なじみである、レイ。

保育園の頃からずっと一緒で、休日はお兄ちゃんとレイと私の3人で遊ぶことが当たり前だった。喧嘩したことももちろんあるけど、お互い楽しくなくて、すぐに謝っていたのに。


「…ほんと、なんでだろうなぁ」


今まで何故、レイと話さなかったのかな。話していれば___。そんな思いが胸の中を占める。

罪悪感と、後悔。

幼い頃は、お兄ちゃんと同じくらいに大好きだった幼なじみ。それは今でも変わらない。……でも、お互いに何故か気まずくて言葉を交わすことが少なくなってしまっていた。高校に入ってからはその距離感にも慣れてしまい、高校の廊下ですれ違っても素知らぬふりをしていた。



___…私のせいなのかな。



ぐるぐると悪いことばかりを考え始め、ついにはそんな思考にまで至った。そう考えれば考えるほどに、胸の中の罪悪感と後悔が大きく膨れ上がっていく。


___私のせいで。

___私が話しかけなかったせいで。


酷い罪悪感と後悔に襲われ、いつの間にか涙が頬をつたっていた。


「レイ………必ず見つけだしてみせるからね__…!」


私はそう決心すると、頬をつたっていた涙を急いで拭い、玄関に続いている扉に手をかけた。




___とりあえず、ゲームのことでレイと繋がりがあったお兄ちゃんに相談してみた方がいいかもしれない。
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