上 下
108 / 108
第3章 シュルトーリア

街へ

しおりを挟む
タルトが初めて魔法を発動させてから3日。昨日はタルトも狩りについて行って最低限戦えるようになったことをガルドが確認したので街に戻ることにした。

「街に戻ったらタルトの従魔登録と溜まってる魔物の解体を依頼して、あと色々買い出しに行かないとな。みんなのおかげで肉には困らないけど野菜とかパン、調味料なんかは買っておかないと。」
「(結構、やることがたくさんありますね。)」

ロアに跨って街まで走る道中街でやることを確認しているとロアが声をかけてきた。

「長いこと引きこもってたからな。」

今外に出てるのはバラム、ガルド、ロア、ダブといつものメンバーにタルトが加わっている。それ以外のオーク達はディメンジョンルームで待機だ。

ロアの背にはタルト、俺、ガルドの順で乗せてもらっている。タルトがまだ子供だからこれで移動できているが大人になったらさすがに難しいかもしれない。ダブが乗るのは確実にアウトなのでロアに速度を抑えてもらってダブはバラムを肩に乗せてロアと一緒に走ってもらっている。

「これは移動の足の確保か移動中一緒にいるメンバーの再考が必要かな。移動用の魔物がテイムできればいいけどダブが乗れるような魔物となるとな……。」

課題が山積みだと頭を悩ませている間に街まで戻ってきた。

門でギルドカードと従魔帳を見せ、記載がないタルトについては新しく仲間した従魔だからこれから登録しに行くと説明しておく。

無事門を通り抜けるとまっすぐギルドへと向かう。

ギルドに入るとすでに朝にピークを過ぎているおかげか中は空いてい、カウンターにファナさんの姿があった。

「ファナさん、お久しぶりです。」
「あら、タカシさん。お久しぶりですね。ずっと姿を見ませんでしたけどどうしてたんですか?」
「ちょっと森に籠ってまして。今日は新しい従魔の登録と森に籠ってる間に狩った物の解体を依頼しにきました。」

そういうとファナさんの顔がわずかに引きつった。

「じ、従魔の登録ですか?また大量にテイムしてきたんですか?」
「いえ、今日はこの子だけです。」

そういって俺の後ろに隠れていたタルトの頭に手を添えて前に出てくるように促した。そうするとファナさんはあからさまにほっとしたように息を吐いた。

「そうですか。まだ子供ですね。従魔の子供ですか。」
「え、えぇ、そうです。」

さすがに自分の子だとはいえず、従魔のガルドの子供には違いないので肯定の返事を返しておく。

「それでは登録しますのでギルドカードと従魔帳をお願いします。」
「はい、これですね。それとこの子の種族ですがハイ・オークです。」
「ハイ・オークです?タカシさんの従魔にハイ・オークはいないはずですが?」
「そうなんですよね。突然変異かなにかだと思います。」
「そうですか。まぁ従魔の親やその上の世代の種族はどうかわからないですし、先祖返りの線もありますしね。」

そう言われて初めて俺との子供だからではなく単に先祖返りの線に思い至った。

「あぁ、そう言われるとその可能性もありますね。」
「種族については一応鑑定させてもらいますね。」
「はい、お願いします。」

鑑定を行い、従魔帳に問題なくタルトのことが追記された。

「解体はいつも通りあちらのカウンターでお願いします。」
「わかりました。」
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(78件)

ユック
2022.12.16 ユック

おかえりなさい!戻ってきてくれて嬉しいです!

解除
しおん
2022.12.14 しおん

はじめまして。
コメント失礼します!
以前から読ませて頂いていて、また続きが読めて嬉しいです。
再開ありがとうございます^ ^
お身体に気をつけてこれからも無理なく頑張って下さい。
楽しみにしています。

解除
spica
2022.12.13 spica

更新ありがとうございます!!!めちゃめちゃ嬉しいです!!!
これからも作者様のペースで執筆していただければ嬉しいです!

解除

あなたにおすすめの小説

俺は成人してるんだが!?~長命種たちが赤子扱いしてくるが本当に勘弁してほしい~

アイミノ
BL
ブラック企業に務める社畜である鹿野は、ある日突然異世界転移してしまう。転移した先は森のなか、食べる物もなく空腹で途方に暮れているところをエルフの青年に助けられる。 これは長命種ばかりの異世界で、主人公が行く先々「まだ赤子じゃないか!」と言われるのがお決まりになる、少し変わった異世界物語です。 ※BLですがR指定のエッチなシーンはありません、ただ主人公が過剰なくらい可愛がられ、尚且つ主人公や他の登場人物にもカップリングが含まれるため、念の為R15としました。 初投稿ですので至らぬ点が多かったら申し訳ないです。 投稿頻度は亀並です。

束縛系の騎士団長は、部下の僕を束縛する

天災
BL
 イケメン騎士団長の束縛…

強制結婚させられた相手がすきすぎる

よる
BL
※妊娠表現、性行為の描写を含みます。

ゲームの世界で美人すぎる兄が狙われているが

BL
 俺には大好きな兄がいる。3つ年上の高校生の兄。美人で優しいけどおっちょこちょいな可愛い兄だ。  ある日、そんな兄に話題のゲームを進めるとありえない事が起こった。 「あれ?ここってまさか……ゲームの中!?」  モンスターが闊歩する森の中で出会った警備隊に保護されたが、そいつは兄を狙っていたようで………?  重度のブラコン弟が兄を守ろうとしたり、壊れたブラコンの兄が一線越えちゃったりします。高確率でえろです。 ※近親相姦です。バッチリ血の繋がった兄弟です。 ※第三者×兄(弟)描写があります。 ※ヤンデレの闇属性でビッチです。 ※兄の方が優位です。 ※男性向けの表現を含みます。 ※左右非固定なのでコロコロ変わります。固定厨の方は推奨しません。

愛されなかった俺の転生先は激重執着ヤンデレ兄達のもと

糖 溺病
BL
目が覚めると、そこは異世界。 前世で何度も夢に見た異世界生活、今度こそエンジョイしてみせる!ってあれ?なんか俺、転生早々監禁されてね!? 「俺は異世界でエンジョイライフを送るんだぁー!」 激重執着ヤンデレ兄達にトロトロのベタベタに溺愛されるファンタジー物語。 注※微エロ、エロエロ ・初めはそんなエロくないです。 ・初心者注意 ・ちょいちょい細かな訂正入ります。

宰相閣下の執愛は、平民の俺だけに向いている

飛鷹
BL
旧題:平民のはずの俺が、規格外の獣人に絡め取られて番になるまでの話 アホな貴族の両親から生まれた『俺』。色々あって、俺の身分は平民だけど、まぁそんな人生も悪くない。 無事に成長して、仕事に就くこともできたのに。 ここ最近、夢に魘されている。もう一ヶ月もの間、毎晩毎晩………。 朝起きたときには忘れてしまっている夢に疲弊している平民『レイ』と、彼を手に入れたくてウズウズしている獣人のお話。 連載の形にしていますが、攻め視点もUPするためなので、多分全2〜3話で完結予定です。 ※6/20追記。 少しレイの過去と気持ちを追加したくて、『連載中』に戻しました。 今迄のお話で完結はしています。なので以降はレイの心情深堀の形となりますので、章を分けて表示します。 1話目はちょっと暗めですが………。 宜しかったらお付き合い下さいませ。 多分、10話前後で終わる予定。軽く読めるように、私としては1話ずつを短めにしております。 ストックが切れるまで、毎日更新予定です。

運悪く放課後に屯してる不良たちと一緒に転移に巻き込まれた俺、到底馴染めそうにないのでソロで無双する事に決めました。~なのに何故かついて来る…

こまの ととと
BL
『申し訳ございませんが、皆様には今からこちらへと来て頂きます。強制となってしまった事、改めて非礼申し上げます』  ある日、教室中に響いた声だ。  ……この言い方には語弊があった。  正確には、頭の中に響いた声だ。何故なら、耳から聞こえて来た感覚は無く、直接頭を揺らされたという感覚に襲われたからだ。  テレパシーというものが実際にあったなら、確かにこういうものなのかも知れない。  問題はいくつかあるが、最大の問題は……俺はただその教室近くの廊下を歩いていただけという事だ。 *当作品はカクヨム様でも掲載しております。

超絶美形な悪役として生まれ変わりました

みるきぃ
BL
転生したのは人気アニメの序盤で消える超絶美形の悪役でした。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。