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第2章 成長
盗賊捜索
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ウェルズの隣村の南1.5km地点は街道の東側が林になっている。
俺達は隠れやすそうな東側の林に入っていった。
林に入って2時間、周囲を警戒しながら進むとロアが集団の嗅ぎ付けた。
「(ご主人様!たくさんの人の臭いがします。あっちの方です。)」
「(よくやった。ガルドはわかるか?)」
「むぅぅ……。儂にはまだ嗅ぎとれん。)」
ガルドは鼻をヒクつかせて空気中の臭いを嗅いで顔をしかめる。
「(ロアの方が、嗅覚強化スキルのレベルが高いからしょうがないさ。ガルドも臭いがわかったら教えてくれ。このままロアを連れて近づくと目立つからな。)」
いくら臭いで周囲を警戒していても高さが3mあるロアは目立つ。何かの拍子に見つかると面倒だ。
「(ガルドが臭いを嗅ぎとれたら案内はガルドに任せてロアはディメンジョンルームに入ってくれ。襲撃するときには出てもらうから。)」
「(わかりましたー!)」
それから500mほど進み、ガルドが臭いを嗅ぎ付けたところでロアにはディメンジョンルームに戻ってもらった。
そして、そこからさらに500m進むと林が切れ、その向こうに崖にできた洞窟を見つけた。
洞窟の入り口には見張りが2人立っている。
俺達は林の影に身を隠して見張りの様子を伺う。
「(う~ん。ちょっと距離があるな。俺のステータスだと魔法があそこまで届くか怪しいな。)」
「(一気に近づいて声をあげられる前に倒してしまえばいいのではないか?)」
ガルドは魔法より近づいて戦う方が好みみたいだ。
「(さすがにこれだけ距離があると難しいな。それに洞窟から出てこられると逃げられるかもしれない。仲間を呼ばせないで倒して洞窟内で戦う方が良い。)」
「(ふむ。そうか。)」
「(じゃあ、バラムがこっそり近づいて酸をかけるのは~?)」
バラムは体を伸ばして洞窟から離れた位置から崖を伝って洞窟上に向かうように指す。
「(それも良いけど叫び声をあげられるかもしれないな。)」
強酸を飲ませるとか一擊で喉を潰せれば良いんだか。
「(それと襲撃をかけるなら夜がいい。今は偵察に行ってる盗賊がいるかもしれない。)」
「(ならば一度ロア殿がいる空間で待機するのが良いだろ。あれは妻が中にいる状態で入り口を閉じても同じ位置に開けられるのだろう?)」
「(そうだな。一度中に隠れよう。)」
俺達は見つからないように小さめの穴を開けるとディメンジョンルームに入った。
「(ご主人様ー! 見つかりしたか?)」
入り口をくぐると直ぐにロアが尻尾を振り始めた。
「(あぁ、見つかった。洞窟をアジトにしているみたいだ。ただ、林が途切れてて近づくまでに見つかって仲間を呼ばれそうでな。どうしたもんかと。あと襲撃は夜にするからしばらくここで待機だ。)」
「(わかりました!)」
そこで俺達は作戦を話し合って決めた。
「(じゃあ、まずはバラムが崖沿いに洞窟の上に移動して石を落とすとかしてあえて見つかる。スライムだから向こうもそれほど警戒しないだろ。)」
「(わかった~♪)」
今は腕から離れて俺の膝の上で丸くなっているバラムがプルプル震えてやる気を見せる。
「(見張りの意識がバラムに向いたらディメンジョンルームの入り口を一気に広げるからロアが距離を詰めて見張りを倒してくれ。これは素早いロアが適任だからな。)」
「(任せてください!)」
ロアを見ると頼りにされるのは嬉しいのか尻尾が激しく振られている。
「(そのあとロアはディメンジョンルームに戻ってくれ。バラムが俺の腕に腕にしがみついたら、ガルドと突入だ。洞窟に入るときはガルドが先頭で俺は少し後ろをついていく。ガルドだけなら見つかってもオークが迷い混んだだけだと思うだろ。)」
「(うむ、任せよ。)」
「(盗賊が集まっている所を見つけたら。見つからないように隠れて待機だ。俺が合流してから近い敵は魔法でまず行動不能にさせる。それからガルドは遠い敵に向かってそこから倒してくれ。)」
こんなところか。あと考えられるパターンは。
「(もし、他に出入口がありそうなら先にそっちに回って退路を塞いでくれ。)」
「(うむ、それから我と妻で順次撃破だな。)」
「(あぁ。 盗賊が集まってる場所の広さによってはロアも出すからな。)」
「(はい!)」
取り敢えず決めておくことはこんなところか。
「(よし、じゃあ夜までこのまま待機だ。)」
そして、ちょうど昼時になったこともあり、俺達は保存食で昼食を取ってから夜に備えて寝ておくことにした。
寝るときはまだディメンジョンルームがそれほど広くないこともあり、横になったロアとガルドに挟まれて密着した川の字に横になった。バラムは仰向けになった俺の胸の上で丸くなって眠っている。
しばらくして目を覚まし、外を覗く程度の小さな入り口を開けて外を確認すると空がうっすら赤くなり、夕方にはいったところだった。床に下ろしたバラムはまだ寝ているがロアとガルドは起きていて、ガルドはロアの胴体に背を預けて胡座をかいている。
「(まだしばらく時間があるな。もう眠れないだろうからこのままゆっくりしておくか。)」
俺は膝に座って寄りかかり、時間が過ぎるのをゆっくり待つ。
「(むぅぅ。)」
「(ガルド、どうした?)」
「(すまぬ。 この後の戦闘のことを考えて気持ちが昂ってしまってな。違う方も昂ってきてしまった。)」
ガルドがクイっと腰を動かすと尻にガルドのモノが当たる。
「(戦闘に影響が無さそうなら相手をしてくれんか?)」
俺達は隠れやすそうな東側の林に入っていった。
林に入って2時間、周囲を警戒しながら進むとロアが集団の嗅ぎ付けた。
「(ご主人様!たくさんの人の臭いがします。あっちの方です。)」
「(よくやった。ガルドはわかるか?)」
「むぅぅ……。儂にはまだ嗅ぎとれん。)」
ガルドは鼻をヒクつかせて空気中の臭いを嗅いで顔をしかめる。
「(ロアの方が、嗅覚強化スキルのレベルが高いからしょうがないさ。ガルドも臭いがわかったら教えてくれ。このままロアを連れて近づくと目立つからな。)」
いくら臭いで周囲を警戒していても高さが3mあるロアは目立つ。何かの拍子に見つかると面倒だ。
「(ガルドが臭いを嗅ぎとれたら案内はガルドに任せてロアはディメンジョンルームに入ってくれ。襲撃するときには出てもらうから。)」
「(わかりましたー!)」
それから500mほど進み、ガルドが臭いを嗅ぎ付けたところでロアにはディメンジョンルームに戻ってもらった。
そして、そこからさらに500m進むと林が切れ、その向こうに崖にできた洞窟を見つけた。
洞窟の入り口には見張りが2人立っている。
俺達は林の影に身を隠して見張りの様子を伺う。
「(う~ん。ちょっと距離があるな。俺のステータスだと魔法があそこまで届くか怪しいな。)」
「(一気に近づいて声をあげられる前に倒してしまえばいいのではないか?)」
ガルドは魔法より近づいて戦う方が好みみたいだ。
「(さすがにこれだけ距離があると難しいな。それに洞窟から出てこられると逃げられるかもしれない。仲間を呼ばせないで倒して洞窟内で戦う方が良い。)」
「(ふむ。そうか。)」
「(じゃあ、バラムがこっそり近づいて酸をかけるのは~?)」
バラムは体を伸ばして洞窟から離れた位置から崖を伝って洞窟上に向かうように指す。
「(それも良いけど叫び声をあげられるかもしれないな。)」
強酸を飲ませるとか一擊で喉を潰せれば良いんだか。
「(それと襲撃をかけるなら夜がいい。今は偵察に行ってる盗賊がいるかもしれない。)」
「(ならば一度ロア殿がいる空間で待機するのが良いだろ。あれは妻が中にいる状態で入り口を閉じても同じ位置に開けられるのだろう?)」
「(そうだな。一度中に隠れよう。)」
俺達は見つからないように小さめの穴を開けるとディメンジョンルームに入った。
「(ご主人様ー! 見つかりしたか?)」
入り口をくぐると直ぐにロアが尻尾を振り始めた。
「(あぁ、見つかった。洞窟をアジトにしているみたいだ。ただ、林が途切れてて近づくまでに見つかって仲間を呼ばれそうでな。どうしたもんかと。あと襲撃は夜にするからしばらくここで待機だ。)」
「(わかりました!)」
そこで俺達は作戦を話し合って決めた。
「(じゃあ、まずはバラムが崖沿いに洞窟の上に移動して石を落とすとかしてあえて見つかる。スライムだから向こうもそれほど警戒しないだろ。)」
「(わかった~♪)」
今は腕から離れて俺の膝の上で丸くなっているバラムがプルプル震えてやる気を見せる。
「(見張りの意識がバラムに向いたらディメンジョンルームの入り口を一気に広げるからロアが距離を詰めて見張りを倒してくれ。これは素早いロアが適任だからな。)」
「(任せてください!)」
ロアを見ると頼りにされるのは嬉しいのか尻尾が激しく振られている。
「(そのあとロアはディメンジョンルームに戻ってくれ。バラムが俺の腕に腕にしがみついたら、ガルドと突入だ。洞窟に入るときはガルドが先頭で俺は少し後ろをついていく。ガルドだけなら見つかってもオークが迷い混んだだけだと思うだろ。)」
「(うむ、任せよ。)」
「(盗賊が集まっている所を見つけたら。見つからないように隠れて待機だ。俺が合流してから近い敵は魔法でまず行動不能にさせる。それからガルドは遠い敵に向かってそこから倒してくれ。)」
こんなところか。あと考えられるパターンは。
「(もし、他に出入口がありそうなら先にそっちに回って退路を塞いでくれ。)」
「(うむ、それから我と妻で順次撃破だな。)」
「(あぁ。 盗賊が集まってる場所の広さによってはロアも出すからな。)」
「(はい!)」
取り敢えず決めておくことはこんなところか。
「(よし、じゃあ夜までこのまま待機だ。)」
そして、ちょうど昼時になったこともあり、俺達は保存食で昼食を取ってから夜に備えて寝ておくことにした。
寝るときはまだディメンジョンルームがそれほど広くないこともあり、横になったロアとガルドに挟まれて密着した川の字に横になった。バラムは仰向けになった俺の胸の上で丸くなって眠っている。
しばらくして目を覚まし、外を覗く程度の小さな入り口を開けて外を確認すると空がうっすら赤くなり、夕方にはいったところだった。床に下ろしたバラムはまだ寝ているがロアとガルドは起きていて、ガルドはロアの胴体に背を預けて胡座をかいている。
「(まだしばらく時間があるな。もう眠れないだろうからこのままゆっくりしておくか。)」
俺は膝に座って寄りかかり、時間が過ぎるのをゆっくり待つ。
「(むぅぅ。)」
「(ガルド、どうした?)」
「(すまぬ。 この後の戦闘のことを考えて気持ちが昂ってしまってな。違う方も昂ってきてしまった。)」
ガルドがクイっと腰を動かすと尻にガルドのモノが当たる。
「(戦闘に影響が無さそうなら相手をしてくれんか?)」
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