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第2話・女子は意外と早めにトイレに行くみたいです。

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 1時間目の授業が始まり、教室が静かになる中、俺は自分の席より前に座っている女子の尻尾のようなもの――長くて面倒なので今後は「尻尾」と呼ぶことで統一しようと思う――を見ていた。

 ……どうやらうちのクラスの女子は朝起きてから1時間目の授業までにトイレを済ませている人がほとんどらしい。俺から見えている女子たちの尻尾は1人を除いて黄色い部分が半分にも達していなかった。

 しかし、ただ1人、俺の斜め前の席に、尻尾の大部分が黄色く染まっている女子がいた。その席に座っているのは小泉さんだ。彼女は普段から朝はギリギリの時間に教室に飛び込んでくるのが日常なのだが、今日は普段よりも焦っていたような気がする。それと彼女の尻尾の満たされ具合から推測するに、寝坊して朝から1度もトイレに行かないまま授業が始まってしまったというところだろう。俺はしばらく彼女のことを眺めることにした。

 授業の終わりが近づくにつれて、彼女の尻尾も黄色く満たされていく。それに比例して、彼女の脚がせわしなく動くその姿に、俺が興奮してしまったのは言うまでもない。

 やがてチャイムが鳴り、授業が終わると同時に小泉さんはトイレへと駆け出して行った。

 数分後、トイレから出てきた小泉さんの尻尾は空っぽになっていて、他にも同じくトイレに行った女子の尻尾が空っぽになっていた。

 続く2時間目は特に何も起こらず、目を引くほど尻尾が黄色く染まっている女子もいなかった。

 しかし続く3時間目、体育の授業が終わったタイミングで、数人の女子が小走りで体育館の外のトイレに走っていった。そして、その全員の尻尾が8割以上黄色く満たされていた。よく見たら尻尾の長さや太さはそれぞれ違うらしい。まあ膀胱の大きさと比例してるのだろう。

 そして、4時間目が始まってすぐに、今日1黄色く染まった尻尾が目に入った。俺の目の前の席に座っている星野さんの比較的短めの尻尾は、授業が始まった時点ですでに9割近く黄色く染まっていた。

 俺は真後ろにいるせいで前押さえをしているかはよく見えないが、小柄な彼女の小さなお尻が椅子の上でせわしなく動き、時々力を入れるように動きが止まる。

「大丈夫? 凄い顔色悪いけど……」

 小泉さんが小さな声で星野さんに話しかけた。

「……トイレ、ずっと我慢してて……。体育の前も後も、トイレ行けなかったから……」

 なるほど、体育の前後でトイレに行けないみたいな話は時々妹から聞くが、星野さんもそのパターンでおしっこ我慢を強いられているようだ。

 尻尾を見てみると、他の女子とは違って風船を膨らませたように張りとつやのある尻尾のほとんどが黄色く染まっていて、水面のように見える部分がゆらゆらと揺れ動いていた。

 星野さんが両手に力を込めて大事な部分を押さえるような仕草を見せるたび、彼女の尻尾もくねくねと動く。そして、一瞬星野さんの動きが止まると、ぴくりと尻尾が一瞬まっすぐ上に伸び、水面の高さが少し下がった。星野さんの顔を覗き込むと、顔は真っ赤に染まっていて、目には涙を浮かべていた。

 水面が下がったことも考えれば、彼女がおしっこをちびってしまったのは確実だろう。

 結局星野さんは小泉さんによってトイレに行かせてもらい、無事トイレを済ませることができた。教室に戻ってきた星野さんの尻尾はまっさらになっていた。

 とりあえず半日使ってみて分かったことがある。それは、女子はそれほどおしっこが溜まっていなくてもトイレに行くということだ。

 ……つまり、この能力はそんなに役に立たないということだ……。

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今回は以上です!
皆さんはこの能力が欲しいですか?
コメントで色々な意見を教えていただけると嬉しいです!
次回はかなり大事な回になりますのでお楽しみに!
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