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番外編2 君と僕の出会いの物語
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しおりを挟む扉をノックすると、いつもの元気な声が聞こえた。
「はーい」
「はいってもいい?」
「どうぞー」
扉を開けると、白いドレスを着たクラリスが僕を見て微笑む。
僕が贈った髪飾りで上品にまとめられたブラウンの柔らかそうな髪。少し潤んだコバルトブルーの瞳にほんのり色づいている頬。浅紅色の艷やかな唇を嬉しそうに緩ませた愛らしい笑顔。
その美しい姿に僕は見入ってしまう。
「へへー、セリナの腕は最高でしょ? 渾身の出来だって!」
子供の頃から変わらない明るい声でブルーの瞳をくりくりさせ、得意げに話すクラリス。専属侍女のセリナは満足げに微笑し、では……と部屋を出て行ってしまった。
クラリスと2人きりになって、急に恥ずかしくなった僕は視線を外してしまう。クラリスも照れてきたのか、頬をポポッと染め上げた。
「……すごく……すごく……えっと…………綺麗だよ」
「ありがと……」
2人とも何を話していいのかわからず、お互い顔を背けたまま沈黙が続く。気恥ずかしい雰囲気に耐えられなくなったのか、先に言葉を発したのはクラリスだった。
「ね、ねぇ……アルベルト様やジェスター様に言わなくて良かったのかな?」
「あーーーー」
急に現実に戻され、僕は遠くを見ながら意味もなく声を上げてしまった。
僕とクラリスの件は極秘に進めたかったけど、国王様への報告は貴族の義務であり……アルフォント家の者以外では国王様だけ僕達の事を把握している状況…………でも、たぶん2人は知ってる。きっと知ってる。絶対知ってる。
彼らはこの国に情報網を張り巡らせているし、もし逆の立場なら僕も情報を入手する自信があるもん。
なのに2人が大人しい理由は、ひとえに……本当にひとえにクラリスが僕を選んでくれたから。
親友達は、悔しくて眠れない夜を過ごしているだろうな……それでも、クラリスが僕を選んでくれた結果に彼らは何も言えない。
クラリスの気持ちを最優先するというのが、僕ら3人の暗黙のルールだから。
きっと心の奥では祝福してくれてるはず……してくれてるとは思う……けど、その一方で諦めてないような気も……する。クラリスの事を諦める2人の姿が全く想像できないんだけど。
2人のニヤリと笑った顔を思い浮かべ、げんなりした。
これからも騒がしい日々が待っていそうな予感がしてならない……
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