1番近くて、1番遠い……僕は義姉に恋をする

桜乃

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忘却の……

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『大丈夫、大丈夫。わしゃ、あやつの能力をわかっておるでの。それよか、あの冷徹魔道士長の過保護ぶり……思わず笑ってしまったぞい』
「アーソウデスネー」

 あの兄弟の過保護……いや、溺愛ぶりは、圧力プレッシャーをかけられまくっている僕にとっては、まったく笑えない話である。圧力プレッシャーの数々を思い出しただけで、疲労感に襲われ、現実逃避に遠くを見つめてしまう。部屋の中だけど。

『まぁまぁ、そう気落ちするな。お主の事はそれなりに認めておるみたいじゃぞ』
「ザラ様が? 僕を? そんな風には……」

 昨日なんか、氷漬けにするとまで言われたんですけど。

『お主、男除けペンダントに攻撃されてないじゃろ?』
「……はい」

 急に話が変わり、当惑しつつ素直に答える。

 ザラが義姉さまに贈った青いペンダントまほうどうぐ……ダンスパートナーを決める場でカール・グロスターが攻撃されたのを目の当たりにしたが、実は他にも攻撃された男が何人かいて……っていうか、そんなに何人もの男が義姉さまに手を出そうとした事が不愉快極まりない。

 もちろん、どこの誰か調べ上げて、対策は打ったけどさ。

「あのペンダントの発動条件って何なんですか?」

 僕はずっと疑問だった事を聞いてみた。

 確実に人を選んで攻撃しているペンダント。
 僕はなぜ攻撃されないのか? 僕もいつか攻撃されるのか?
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