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クラリスの心配 〜クラリス視点〜

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 いたたまれない気持ちになった私は、2人から視線を外し、しどろもどろな口調で声をかける。

「あの……ミカエルとジェスター様が……その……あの……そんな関係……とは知らず……」

 なんかよくわからないけど、お邪魔しちゃって、ごめんなさい。

 しばし沈黙が流れ……2人の叫び声が同時に聞こえた。

「クラリス! 勘違いだ!」
「義姉さま! 何言ってるの!!」
「えっ?………えっと……2人は、想い合ってるのでは?」
「違うっっっっ!!」
「あら……」

 えっと……あれ? 違うの?

「先程、ミカエルは赤くなってましたし、ジェスター様も答えに窮していたようですし……」
「神に誓って、違う!」

 2人は再び口を揃えて叫ぶ。

「そう……なんですか……?」

 その台詞が重なっているところが、仲良しさんなんだけど。

 うーん、でも、照れて隠しているっていう風には見えないし……どころか、2人とも心底迷惑そうで……そっかぁ……勘違いかぁ……そっかぁ。

 私はミカエルをチラリと見ては、安堵する。

「そう……でしたか……私は、てっきり……」
「勘違いだ、クラリス」

 ジェスター様の穏やかな微笑みに、やっぱり勘違いであることに確信を強める。

 恋仲じゃないのかぁ……ミカエルとジェスター様は超イケメン……前世の友達が知ったら「尊い……」とつぶやきながら、鼻血出して、ぶっ倒れそうな組み合わせよね。

 勘違いとわかり、心に余裕ができた私は、不謹慎ながらもそんな事を考え、フフフと笑いが込み上げてきた。
 
「いけない、いけない」と気持ちを律し、思い出し笑いを誤魔化すため、ジェスター様に笑顔を返す。

 ああ、本当に良かった……でも……なんで、私、こんなにもホッとしたんだろう?
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