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別宅にて……

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 僕とジェスターが……そんな関係? えっ? どんな関係? 親友であり、恋敵だけど……それ以外に……それ以外……にって…………まさか!!

「クラリス! 勘違いだ!」
「義姉さま! 何言ってるの!!」
「えっ?」

 えっ? じゃなーーーい!

 まさか、まさか、僕とジェスターが……こ、恋人だとか、思ってないよね!?

「えっと……2人は、想い合ってるのでは?」

 思ってたぁぁぁぁぁ!!!!

「違うっっっっ!!」

 僕とジェスターが同時に叫ぶと、義姉さまは「あら……」とつぶやく。

「先程、ミカエルは赤くなってましたし、ジェスター様も答えに窮していたようですし……」

 だからって、なんでそうなるの!
 
 口を揃えて悲痛の声を上げる、僕とジェスター。

「神に誓って、違う!」
「そう……なんですか……?」

 義姉さまはホッとような顔を一瞬見せ、にっこり笑った。

「そう……でしたか……私は、てっきり……」
「勘違いだ、クラリス」

 さすがのジェスターも義姉さまの発想に驚き、澄ました顔を崩していたけど、誤解が解け、いつも通りの穏やかさで義姉さまに笑いかける。
 そして、ジェスターに微笑み返す義姉さま。

 僕の胸がチクリと痛んだ。

 もしかして……本当にジェスターの事、意識しだしたの……?
 だから、さっき、ホッとしたの?

 どんどん暗い思考に落ちていく自分を奮い立たせ、言い聞かせるように首をぶんぶん横に振る。
 
 違う。そんなことない。大丈夫。ホッとした顔だって一瞬……そうだ、僕の見間違いだ、見間違いに違いない。

「ミカエル、屋敷に着いたけど……どうしたの?」

 止まった馬車に気がつかず、ずっと降りてこない僕を心配して、義姉さまが顔を覗き込む。

「だ、大丈夫。ごめん、すぐ降りるね」

 義姉さまの顔が目の前にあり、心の準備が出来てなかった僕は顔を背け、慌てて、馬車を降りた。
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