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エドワードとザラと……〜クラリス視点〜

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 私は少し落ち着こうと深呼吸をして、話を元に……あれ? なんだっけ? 話があちこちしちゃったから……
 そもそも、なんで、私、呼ばれたんだっけ?
 んーー、あ、思い出した!

「ねぇ、雪兄。話を戻すけど、これからは、雪兄が鍛錬してくれるの?」
「そうだけど?」

 なにか文句でもありますか? と言わんばかりの目で私を見る。
 
 いえ……文句はないです……あっても、怖くて言えないデス……

「魔力制御装置を着けている今はBクラス程度の魔法しか使えないからね。魔法のコントロールと効率的な魔力の使い方をみっちりやる」

 うっ……厳しそう……だって、雪兄この人、アルベルト様とジェスター様の鍛錬の時、無表情で谷に突き落としたんだよ?

「まさか……私、氷漬けにされちゃったりとか……する?」

 おそるおそる聞いてみると、雪兄は驚いた顔をして「まさか!」と声を上げる。

 だよね? だよね? アルベルト様とジェスター様が少し誇張して話していただけだよね? 雪兄の事、悪魔って言ってたけど……まあ、それもきっと……

「氷漬けにするのは、王子とジェスターだけだ」

 ……悪魔だ。
 
「ほ、ほどほどにしてあげてね? ほどほどに」
「そういえば……」

 返事ーーーー!
 今、わざと無視したでしょう!!

「美咲、この世界に弟がいるんだろ?」
「ミカエルの事?」

 突然、雪兄がミカエルの名を出し、私は、ばっと顔を上げた。

 天兄はソファーから腰を上げ、雪兄の横に並び「どんな弟なんだ?」と少し複雑な表情で質問する。

「ミカエルっていうの。かわいくてね。明るめのブラウンヘアーにアイスブルーの瞳でね、本当にめちゃくちゃイケメンなの! しかもね、すっごく、すごぉぉぉく、優しいのよ」

 前世で末っ子だった私は、義弟の存在がかわいくて堪らない。ミカエルの事だったら、いくらでも話せちゃう。
 
 勢いよく話す私の様子に天兄と雪兄は少し眉根を寄せて、顔を見合わせた。

 なんだか、呆れ顔のお兄ちゃん達を見て、これ以上、話すのはまずいのかな……と思い、口をつぐむ。
 
 でも……私、変な事、言ったかなぁ?
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