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 あの人の元へいきたい。

 ……でも。

 エリナは自分のお腹に手を触れる。

「ビヨグル、早くお行きなさい。ここにいては殺される」

 悲しげな目で、真っ直ぐエリナを見つめていたビヨグルは、キィィとひと鳴きし、高く高く飛び去っていった。

 一人ぼっちになったエリナは、再び空を見続ける。

 空が真っ赤に染まっていく時間になった。

 刻々と明日は迫ってくる。

 私は明日、花嫁になってしまう……

 立ち上がり、フラフラとベッドにむかった時、カツンッと何かの音が響いた。

 窓辺に鋭く光る物が落ちている。

 エリナは目を見開き、慌てて窓から見上げると、大きな羽を広げた鷹が、遠くの空を飛んでいた。

 
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