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第15章 学内コンクールピアノ部門
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【ピアノ科第2教室】
〈課題曲のハイドンのピアノソナタ第35番を弾く一条みやび。教授が怒鳴る〉
「そこは、そうじゃないと、何度言ったらわかるんだ!今迄何を勉強してきた!」
(何よ、どう弾けば良いのよ。怒鳴ってばっかりいないでお手本聞かせてよ)
【ピアノ科第1教室】
〈ベートーヴェンのピアノソナタ月光を弾く晴香。隣りに陽〉
「はい、ちょっと待って。ベートーヴェンのシンフォニーを聞くように言いましたけど、聞いてますか?」
「はい、聞きました」
「本は、読みましたか?」
「ベートーヴェンの本や歴史の本、先生の仰る通り、読んでみました」
「シンフォニーは、何度も何度も聞いて下さいね」
「はい」
「もう一度。10本の指が、オーケストラのそれぞれの楽器を奏でるように弾いてみて」
「はい」
【城咲家のリビング】
〈ソファで放心状態の星〉
伊藤先生の演奏会に行って来たんだ。
もう、どんなだったか、なんて、評論家みたいな事は言いたくない。
ただ、僕の魂は身体から離れて天に昇って行った。
演奏しているのは先生なのに、クララに見えたり、シューマンに見えたり…
確かにそこには、シューマンとクララが居た。
ああ…
今思い出しても、魂が身体から出て行きそうだ…
「ミャー」
「ニャー」
「ワンワーン」
猫の鳴き声で、現実に戻された。
ご飯が欲しいようだ。
ニコロは、甘えたり、ご機嫌の時は「ワンワーン」て鳴くんだ。
変な猫だよな。
【キッチン】
〈ご飯を食べるフレデリク、ニコロ、アマデウス〉
僕達の夕食は…
〈冷蔵庫から秋刀魚を出して焼く〉
秋刀魚の塩焼きと、大根の味噌汁と、きんぴらごぼうに揚げ出し豆腐。
【ピアノ科第1レッスン室】
〈1人でピアノに向かう晴香〉
(城咲先生は、どんなに難しい曲を持って行っても「難しいからまだ早い」とか、難しいからダメとは絶対に言わない、って上級生が言ってたな…)
(やる前から難しいって言われたら、今度その曲をやる時、難しいって、思い込んじゃうから言わないんだそうよ)
〈ベートーヴェンのピアノソナタ月光を弾き始める〉
(ベートーヴェンの気持ち…オケのそれぞれの楽器を奏でるように…)
【城咲家のダイニング】
〈夕食を食べる陽と星〉
「秋刀魚の美味しい季節ね~」
晴香は、どうしてるんだろう?
今日僕が、伊藤先生の演奏会に行った事も、姉上から聞かれなければ僕は話さないし、姉上の門下生の事も、僕からは聞かない。
芸術家はデリケートだ。
僕は、音楽の話しに口を出したくないんだ。
「あらあら、アッ君。テーブルの上に上がったらいけないわ~」
アマデウスが秋刀魚を狙っている。
「アッ君。猫みたいよ」
猫みたい、って…
猫だから。
デリケートな芸術家…?
ハハ…
【晴香の家】
〈時計は、22時15分〉
「ただいまー」
「おかえり。お姉ちゃん、今日も遅かったね」
「あーもう、くたくたー。防音室欲しいー」
「店は、俺が手伝うから、安心してピアノ弾いててよ」
「うー…コンクール終わったら手伝うから」
【晴香の部屋】
〈ベートーヴェンのシンフォニーのCDを並べる晴香〉
「うーん、今日は、どれから聞くかなー」
〈携帯の通知音〉
「あ、メール」
「橘さんからだ…「明日からコンクールだな。俺、応援してるからな」だって。うー…ありがとう」
【オルフェウス学院 カフェ】
〈ランチを食べる星と健人〉
今日から、学内コンクールピアノ部門が始まっている。
晴香の演奏は、明日だけど…
「星、早く食え」
健人が急かす。
「他の奴のも聞いとかないとな」
僕が最後の一口を口に入れると、健人は、僕の腕を引っ張って行った。
【大ホール】
ピアノ部門は、いつも観客が多いので、第一次予選から大ホールで行われる。
課題曲は、ハイドンのピアノソナタ第35番。
姉上が居る。
今演奏している3年生も、姉上の門下生だ。
演奏が終わった。
「感動した…物凄い拍手だな。俺も最近少しはわかってきた」
そして、一条さんの演奏。
彼女にも、頑張って残ってほしい。
【晴香の家】
〈ピアノを弾く晴香。曲は、ショパンのエチュードOp10第4番〉
(一条さん残ったかな?ライバルは、残っててくれないと…いけない、集中して弾かなきゃ)
〈曲は、第5番黒鍵のエチュード〉
【大ホール】
2日目の今日は、晴香が演奏する。
健人が落ち着かない。
【舞台袖】
〈晴香が控えている〉
(今日先生は、ニコニコしてるだけで、何も注意してくれなかった)
(他の先生は、今朝も門下生に怒ってる先生も居たけど…城咲先生は、ただニコニコしてるだけ…)
(でも、怒られるより、その方が気持ち良くステージに向かえる。良し!)
【客席】
「晴香の番だ…俺が緊張してきた」
晴香の演奏が始まった。
少しずつ指が温まってきたように、だんだんと歌い始めた。
【星の教室】
「星、早く行こうぜ」
健人と2人で走って教室を出る。
【大ホール】
第二次予選が始まっている。
晴香も一条さんも、通過したんだ。
一条さんの演奏だ。
第二次予選は、指定された曲の中から選んで演奏する。
一条さんが選んだのは、ベートーヴェンのピアノソナタ第17番テンペスト。
【ステージの上】
〈ピアノを弾く一条〉
(毎日毎日怒鳴られながら練習したのよ。絶対優勝してみせるんだから)
【舞台袖】
〈晴香が控えている〉
(今日も、先生は何も言わないでニコニコしてた)
(星さんにメールで聞いたら「やるだけの事はやったんだから、当日になってゴチャゴチャ言っても仕方ないでしょ?気持ち良く弾かせたいんじゃないかな?」って…)
(うん、そうだね!余計な事は考えないで、集中して弾いてこよ)
【観客席】
「健人、落ち着け」
「お、おう」
晴香の演奏が始まった。
晴香が選んだのはショパンのエチュードOp10。
曲が進むにつれて、指の動きがどんどん滑らかになっていく。
最後の革命のエチュードでは、一気に発散するように弾ききった。
【城咲家のレッスン室】
〈ピアノを弾く陽。曲は、ショパンの革命のエチュード〉
当たり前だけど、生徒の演奏とは全然違う。
でも、晴香の演奏、姉上に似てきたな…
明日は、セミファイナルだ。
【オルフェウス音楽院大ホール】
セミファイナルが始まっている。
残念ながら、一条さんは残れなかったけど…
【舞台袖】
〈舞台袖から3年生の演奏を見ている晴香。曲は、リストのピアノソナタロ短調〉
(凄い…この人も、城咲先生の門下生よね…次に弾くの嫌だな…)
3年生の演奏が終わった。
「物凄い拍手だな…鳴り止まないぞ」
「次は、晴香だよ」
「お、おう」
セミファイナルは、自由曲だ。
晴香が弾くのは、ベートーヴェンのピアノソナタ第14番月光。
〈袖から出てピアノに向かう晴香〉
???
どうしたんだ?
何だか硬いぞ。
曲が始まった。
硬い感じのまま演奏が始まってしまった。
そのまま最後まで終わってしまうのか?
【ステージ】
〈ピアノを弾く晴香〉
(ああ、ここまでは全然ダメ…ダメダメ…もう何も考えないで弾こう)
【観客席】
最後の方は、少し良くなってきたぞ。
と思っていたら、演奏が終わってしまった。
【オルフェウス学院並木道】
僕と健人が帰ろうと歩いていると…
「城咲君」
桜井さんだ。
「一緒に帰ろう」
健人は、校門を出たら反対方向だ。
僕は、桜井さんと一緒に帰った。
「明日は本選ね」
「桜井さんも弾くんだよね?」
「うん。城咲君のお友達…朝美さんは残れた?」
「残念だけど、残れなかった」
【オルフェウス音楽院大ホール】
今日は、ピアノ部門のファイナルだ。
ファイナルは、指定されたコンチェルトの中から選んで演奏する。
次は、セミファイナルで、リストのピアノソナタロ短調を弾いた人だ。
彼の選んだ曲は、チャイコフスキーのピアノコンチェルト第1番。
演奏が始まった。
鮮やかにピアノが入ってくる。
40分近い曲だけど、飽きる事なくあっという間に第3楽章まで終わってしまった。
コンクールが終了した。
優勝は、あのチャイコフスキーのピアノコンチェルト第1番を弾いた3年生。
僕の姉上の門下生だ。
晴香は残念だったけど、また来年頑張ってほしい。
〈課題曲のハイドンのピアノソナタ第35番を弾く一条みやび。教授が怒鳴る〉
「そこは、そうじゃないと、何度言ったらわかるんだ!今迄何を勉強してきた!」
(何よ、どう弾けば良いのよ。怒鳴ってばっかりいないでお手本聞かせてよ)
【ピアノ科第1教室】
〈ベートーヴェンのピアノソナタ月光を弾く晴香。隣りに陽〉
「はい、ちょっと待って。ベートーヴェンのシンフォニーを聞くように言いましたけど、聞いてますか?」
「はい、聞きました」
「本は、読みましたか?」
「ベートーヴェンの本や歴史の本、先生の仰る通り、読んでみました」
「シンフォニーは、何度も何度も聞いて下さいね」
「はい」
「もう一度。10本の指が、オーケストラのそれぞれの楽器を奏でるように弾いてみて」
「はい」
【城咲家のリビング】
〈ソファで放心状態の星〉
伊藤先生の演奏会に行って来たんだ。
もう、どんなだったか、なんて、評論家みたいな事は言いたくない。
ただ、僕の魂は身体から離れて天に昇って行った。
演奏しているのは先生なのに、クララに見えたり、シューマンに見えたり…
確かにそこには、シューマンとクララが居た。
ああ…
今思い出しても、魂が身体から出て行きそうだ…
「ミャー」
「ニャー」
「ワンワーン」
猫の鳴き声で、現実に戻された。
ご飯が欲しいようだ。
ニコロは、甘えたり、ご機嫌の時は「ワンワーン」て鳴くんだ。
変な猫だよな。
【キッチン】
〈ご飯を食べるフレデリク、ニコロ、アマデウス〉
僕達の夕食は…
〈冷蔵庫から秋刀魚を出して焼く〉
秋刀魚の塩焼きと、大根の味噌汁と、きんぴらごぼうに揚げ出し豆腐。
【ピアノ科第1レッスン室】
〈1人でピアノに向かう晴香〉
(城咲先生は、どんなに難しい曲を持って行っても「難しいからまだ早い」とか、難しいからダメとは絶対に言わない、って上級生が言ってたな…)
(やる前から難しいって言われたら、今度その曲をやる時、難しいって、思い込んじゃうから言わないんだそうよ)
〈ベートーヴェンのピアノソナタ月光を弾き始める〉
(ベートーヴェンの気持ち…オケのそれぞれの楽器を奏でるように…)
【城咲家のダイニング】
〈夕食を食べる陽と星〉
「秋刀魚の美味しい季節ね~」
晴香は、どうしてるんだろう?
今日僕が、伊藤先生の演奏会に行った事も、姉上から聞かれなければ僕は話さないし、姉上の門下生の事も、僕からは聞かない。
芸術家はデリケートだ。
僕は、音楽の話しに口を出したくないんだ。
「あらあら、アッ君。テーブルの上に上がったらいけないわ~」
アマデウスが秋刀魚を狙っている。
「アッ君。猫みたいよ」
猫みたい、って…
猫だから。
デリケートな芸術家…?
ハハ…
【晴香の家】
〈時計は、22時15分〉
「ただいまー」
「おかえり。お姉ちゃん、今日も遅かったね」
「あーもう、くたくたー。防音室欲しいー」
「店は、俺が手伝うから、安心してピアノ弾いててよ」
「うー…コンクール終わったら手伝うから」
【晴香の部屋】
〈ベートーヴェンのシンフォニーのCDを並べる晴香〉
「うーん、今日は、どれから聞くかなー」
〈携帯の通知音〉
「あ、メール」
「橘さんからだ…「明日からコンクールだな。俺、応援してるからな」だって。うー…ありがとう」
【オルフェウス学院 カフェ】
〈ランチを食べる星と健人〉
今日から、学内コンクールピアノ部門が始まっている。
晴香の演奏は、明日だけど…
「星、早く食え」
健人が急かす。
「他の奴のも聞いとかないとな」
僕が最後の一口を口に入れると、健人は、僕の腕を引っ張って行った。
【大ホール】
ピアノ部門は、いつも観客が多いので、第一次予選から大ホールで行われる。
課題曲は、ハイドンのピアノソナタ第35番。
姉上が居る。
今演奏している3年生も、姉上の門下生だ。
演奏が終わった。
「感動した…物凄い拍手だな。俺も最近少しはわかってきた」
そして、一条さんの演奏。
彼女にも、頑張って残ってほしい。
【晴香の家】
〈ピアノを弾く晴香。曲は、ショパンのエチュードOp10第4番〉
(一条さん残ったかな?ライバルは、残っててくれないと…いけない、集中して弾かなきゃ)
〈曲は、第5番黒鍵のエチュード〉
【大ホール】
2日目の今日は、晴香が演奏する。
健人が落ち着かない。
【舞台袖】
〈晴香が控えている〉
(今日先生は、ニコニコしてるだけで、何も注意してくれなかった)
(他の先生は、今朝も門下生に怒ってる先生も居たけど…城咲先生は、ただニコニコしてるだけ…)
(でも、怒られるより、その方が気持ち良くステージに向かえる。良し!)
【客席】
「晴香の番だ…俺が緊張してきた」
晴香の演奏が始まった。
少しずつ指が温まってきたように、だんだんと歌い始めた。
【星の教室】
「星、早く行こうぜ」
健人と2人で走って教室を出る。
【大ホール】
第二次予選が始まっている。
晴香も一条さんも、通過したんだ。
一条さんの演奏だ。
第二次予選は、指定された曲の中から選んで演奏する。
一条さんが選んだのは、ベートーヴェンのピアノソナタ第17番テンペスト。
【ステージの上】
〈ピアノを弾く一条〉
(毎日毎日怒鳴られながら練習したのよ。絶対優勝してみせるんだから)
【舞台袖】
〈晴香が控えている〉
(今日も、先生は何も言わないでニコニコしてた)
(星さんにメールで聞いたら「やるだけの事はやったんだから、当日になってゴチャゴチャ言っても仕方ないでしょ?気持ち良く弾かせたいんじゃないかな?」って…)
(うん、そうだね!余計な事は考えないで、集中して弾いてこよ)
【観客席】
「健人、落ち着け」
「お、おう」
晴香の演奏が始まった。
晴香が選んだのはショパンのエチュードOp10。
曲が進むにつれて、指の動きがどんどん滑らかになっていく。
最後の革命のエチュードでは、一気に発散するように弾ききった。
【城咲家のレッスン室】
〈ピアノを弾く陽。曲は、ショパンの革命のエチュード〉
当たり前だけど、生徒の演奏とは全然違う。
でも、晴香の演奏、姉上に似てきたな…
明日は、セミファイナルだ。
【オルフェウス音楽院大ホール】
セミファイナルが始まっている。
残念ながら、一条さんは残れなかったけど…
【舞台袖】
〈舞台袖から3年生の演奏を見ている晴香。曲は、リストのピアノソナタロ短調〉
(凄い…この人も、城咲先生の門下生よね…次に弾くの嫌だな…)
3年生の演奏が終わった。
「物凄い拍手だな…鳴り止まないぞ」
「次は、晴香だよ」
「お、おう」
セミファイナルは、自由曲だ。
晴香が弾くのは、ベートーヴェンのピアノソナタ第14番月光。
〈袖から出てピアノに向かう晴香〉
???
どうしたんだ?
何だか硬いぞ。
曲が始まった。
硬い感じのまま演奏が始まってしまった。
そのまま最後まで終わってしまうのか?
【ステージ】
〈ピアノを弾く晴香〉
(ああ、ここまでは全然ダメ…ダメダメ…もう何も考えないで弾こう)
【観客席】
最後の方は、少し良くなってきたぞ。
と思っていたら、演奏が終わってしまった。
【オルフェウス学院並木道】
僕と健人が帰ろうと歩いていると…
「城咲君」
桜井さんだ。
「一緒に帰ろう」
健人は、校門を出たら反対方向だ。
僕は、桜井さんと一緒に帰った。
「明日は本選ね」
「桜井さんも弾くんだよね?」
「うん。城咲君のお友達…朝美さんは残れた?」
「残念だけど、残れなかった」
【オルフェウス音楽院大ホール】
今日は、ピアノ部門のファイナルだ。
ファイナルは、指定されたコンチェルトの中から選んで演奏する。
次は、セミファイナルで、リストのピアノソナタロ短調を弾いた人だ。
彼の選んだ曲は、チャイコフスキーのピアノコンチェルト第1番。
演奏が始まった。
鮮やかにピアノが入ってくる。
40分近い曲だけど、飽きる事なくあっという間に第3楽章まで終わってしまった。
コンクールが終了した。
優勝は、あのチャイコフスキーのピアノコンチェルト第1番を弾いた3年生。
僕の姉上の門下生だ。
晴香は残念だったけど、また来年頑張ってほしい。
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