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最終章 婚礼の義
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【離宮の庭】
《レイ姫が一人物思う》
【秘密基地】
《キョロキョロと周りを見回すノホ王子》
あれ?
姉上が居ないぞ。
【離宮の庭園】
「「ちゃんと恋をして結婚してもらいたい」ですって…皆さんわたくしの事を心配してくれているのだわ」
【秘密基地】
ダン君は居るんだけど、お姉様が居ないぞ。
近茶
/焼肉定食ご飯大盛り/釣って来ます
/ミリ/お願いします
さあ、黒龍討伐が始まる。
ソウちんはガデだから、上の方に居る黒竜を捕まえに行ったんだ。
黒龍を釣って、他のもモンスター達に絡まれない所まで連れて来る。
とは言ってもここはとても危険で、どこに居ても絡まれるんだけどね。
それでもまあ、黒龍が居る場所よりはここの方が安全なんだ。
よっしゃ!釣り成功。
ソウちんは一度チン(戦闘不能)して、上からついて来たモンスター達を帰らせる。
半端なガデ(ガーディアン)なら途中でやられちゃうけど、ソウちんは強いからね。
脇のモンスターを帰らせたら、ソウちんを蘇生させるんだ。
その前に黒龍を叩いとかないと一緒に帰っちゃうから、僕が叩く。
良し、みんな一斉に叩き始めたぞ。
ソウちんの蘇生は同じパテ(パーティ)の…
「麗華さん、焼肉の蘇生宜しく」
「もう良いですか?」
「うん、お願い」
「はーい」
パテ茶
/焼肉定食ご飯大盛り/蘇生ありがとうです
/フローレンス/(ノ´∀`*)イエイエ
あれ?
ダン君が居ない。
あ…
/聖騎士/チ───(´-ω-`)───ン
/フローレンス/ヒール遅れてごめんなさい(┯_┯)
/聖騎士/蘇生蟻が十でしゅ(=^^=)
麗華さんはソウちんの蘇生をしてたんだもん、その間に僕がチンしてもしょうがないよ。
ビシ(ビショップ)さんは仲間がチンするの嫌なんだよね。
自分のせいだと責めたりするよな。
良し、半分削れたぞ。
火力全開で行く。
その分防御下がるけど、外ビシも居るからチンしても大丈夫。
麗華さんヒール忙しくなるけどね。
/聖騎士/回復蟻が十(=^^=)
「チャット出来ません」
「ごめんね~ビシさんはそうだよね」
麗華さんの薬無くならないうちに倒しちゃお。
/聖騎士/もう少し
/ミリ/うん、頑張ろ(^^)
/焼肉定食ご飯大盛り/はいな
スキル回復した。
行くぞ!
《ノホ王子の聖騎士は強烈なスキルを放つ。ドスーーーン!!!》
「ふぅ…」
終わった。
姉上はどこだろう?
《ノホ王子は部屋の中を見回す》
あ、チャットだ。
近茶
/ミリ/お疲れさまです (*´∀`)♪
/聖騎士/(*´∇`*)オツカレサマー
/ミリ/皆さんありがとうございました┏○ペコッ
パテ茶
/ミリ/皆さんフレ良いですか?
/聖騎士/どうぞ
/ミリ/ありがとう\(^^)/
/聖騎士/こちらこそ(=^^=)
こうやって、よその国の人とも仲良くなれるから楽しいよな。
地域戦では敵になっちゃうんだけどね。
/ミリ/来週は地域戦ね
/聖騎士/そうだね
/ミリ/負けないからね(^_-)-☆
/聖騎士/僕だって(=`ェ´=)
/焼肉定食ご飯大盛り/笑笑
《ノホ王子は離宮を出る》
【庭園】
姉上…
こんな所に居たんだ。
何だか元気が無いみたいだよな。
「ノホ」
《ノホ王子はレイ姫のそばに行く》
「わたくし好きでもない方の所へ嫁ぐのは嫌」
「うん、わかってる。他のお婿さん候補なんて、ダン君がみんな蹴散らしてくれるよ」
《数日後》
【サロン】
「し、失礼致します!」
あーあ、ダン君カチカチだ。
何だか変な歩き方だと思ったら、手と足が同じだよ。
こういうのナンバ歩きって言うんだっけ?
「えっ?えーーーっ!」
「大きな声を出さないの、はしたない」
「何でガミガミ夫人の事を?」
「まあ、貴方までわたくしをガミガミ夫人と呼ぶのですか!」
「失礼しましたガミ夫人」
「ガミ夫人ではありません、お母様とお呼びなさいと言ってるでしょう」
「はあ…何で…?」
《ダン大佐はわけがわからずシェリーの顔を見る》
「あの、シェリーさん」
「私の事はお姉様と呼ぶのよ、ふふふ」
「はい?」
「もう、いきなりそんな事言ったって、ダン君わかんなくて困ってるよ。ちゃんとわかるように説明してあげて」
「王子?」
《訳がわからずノホ王子の顔を見るダン》
「ダン大佐」
「は、はい!」
「貴方は我が伯爵家の養子になるのです」
「はあ、そうですか…って、えーーーっ?」
「大きな声を出すのはおやめなさいと言ったでしょう」
「いや、でも、ガミガミ夫人」
「お母様です!」
「お、お、お、お母様」
「しっかりなさい。来春にはレイ姫様との婚礼の義が執り行われるのですよ」
「はあ…えっ?」
また固まっちゃったよ。
「ダン君。あ、今から兄上と呼ぼうかな?」
「え?や、いやいや…」
「もう、しっかりしてよ。姉上の事嫌いなの?」
「まさか!」
好きなんだよね、やっぱり。
「伯爵家の養子になったわけだし、身分は申し分ないのぉ」
「へ、陛下」
「良い良い、そのように畏まらなくとも良い。今から父上と呼んでも良いぞ。フオッフオッフオ」
「(本当に俺なんかで良いんだろうか?姫様は俺なんかが婿で…)」
【バルコニー】
《レイ姫が手すりの所から外を眺めている》
「(ダンさんはわたくしの事をどう思っていらっしゃるのかしら?はっきりと口に出して言ってくださらないの)」
「ほら、早く行って」
《ノホ王子はダン大佐の背中を押す》
「おわっ、お、王子」
「もう、ダン君」
「は、はいっ」
「いつまで姉上を待たせるつもり?」
「いゃ、待たせるも何も、約束しているわけでは…」
「乙女心のわからない人だな」
「王子に言われたくないですが」
「姉上ね、最近ああやって一人て考え事してる事が良く有るんだ」
「何か悩み事でも有るのでしょうか?自分で力になれるなら何でもします!」
「朴念仁!貴方のような人を朴念仁と言うのです」
「ガ、ガミガミ夫人」
「お母様です!」
「はあ、お母…様」
「さっさと姫様のそばにお行きなさい」
「え?でも、自分なんかが行って何を?」
「話し相手になって差し上げれば良いのです。さあ!」
《ガミガミ夫人はドン!とダン大佐の背中を押す》
「わわっ」
「あ…ダンさん」
「ひ、姫様」
《ノホ達を気にする二人》
「お母様、行きましょう」
あ、そうだね。
邪魔しない、邪魔しない。
《数日後》
【秘密基地】
姉上とダン君の婚約が正式に発表された。
ダン君は他の士官達から祝福されたりからかわれたりしてる。
「兄上」
「王子、やめてくださいよ」
「敬語はおかしいですよ、兄上。敬語を使うのは僕の方です」
「やめてくださいって」
「ハハハ、でも、ダン君で良かった。他の人だったらきっと仲良くなるのに時間がかかると思うな。姉上を取られちゃうんだもん」
「あら、ダン君にらな取られても良いんですか?」
「取られるって気がしないんだ。だって、二人をくっつけたの僕だし」
「そうですよね、私も少しは手伝いましたけど」
「ハンナさんには感謝してるよ」
「感謝だなんて、大げさですよ」
「おい、皆んな!カンの国との戦争はもうやめだ。国王陛下の提案でな。ダンの先祖はカンの国から出ているわけだから姫様との婚姻で和解となったぞ」
良かった。
そして、あの海域は仲良く使う事になったんだ。
ゲームの方は、地域戦が無くなって世界中の皆んなが一緒にモンスターと戦うイベントに変わった。
でも、世界で戦争が無くなったわけじゃないけどね。
そうだ!
《ノホ王子はパソコンを開く》
あ、インしてる。
個茶
/聖騎士/チワワ~
/ミリ/あはは、こんにちは(´∇`)
/聖騎士/もう、僕達戦わなくて良いんだね。
これが実際の戦争だって知らないんだよな、軍人以外は。
どうやって国同士が戦っているのかわからないけど、戦争の勝敗で3ヶ月間あの海域に入れる事だけが国民に知らされる。
このゲームで地域戦に参加してた人達は、自分が実際に戦争してるって知らなかったんだ。
だからミリさんに詳しい事は言えないけど、でも、もう敵同士になる事は無いんだ。
いつでもパテで一緒に遊べる。
全茶
/ミリ/レイ姫様ダン大佐ご婚約おめでとうございます\(^o^)/
個茶
/聖騎士/わっ、全茶で |゚Д゚)))
/ミリ/だって嬉しくて
全茶
/乱子/ォメデ━ヽ(*゚ω゚*)八(*゚ω゚*)八(*゚ω゚*)八(*゚ω゚*)八(*゚ω゚*)ノ━隊!!!
/カッパヘア/おめでとうさん(≧∇≦*)
うわぁ、全茶が大変な事になってる。
「姉上、ダン君、見て」
「まあ」
「何だか恥ずかしいです」
「何だか嬉しいよ、僕は」
/凄いビールっ腹/おめでとうございます(≧∇≦)
/焼肉定食ご飯大盛り/おめでとうございます(^O^)
/フローラ/おめでとうございます!お幸せにヽ(*^^*)ノ
うわぁ、フローラさんまで。
「とっても嬉しいけれど、答えるわけにはいかないのね」
まあ、姉上がチャットしたところで信じてもらえないかもね。
「ここで身分を明かしてしまったら、もう、遊べなくなっちゃうでしょうね」
ハンナさんの言う通りだな。
その後も2人へのお祝いのチャットが続いた。
このゲームしてる人全員が書いてくれたんじゃないかというぐらいずっと続いた。
《そして春》
庭園の一部が開放されて国民が入れるようになってる。
今日は姉上とダン君の婚礼の日だ。
「沢山の国民がお祝いに足を運んでくれてますね。広い庭園ですけど、人が溢れています。ああ、ステキだわ」
「ハンナさん、自分の事みたいに嬉しそうだね」
「私だって女ですから」
女性にとって結婚て、一世一代の大行事なんだって。
「レイ姫様の花嫁姿、早く見たいわ」
「姉上もここに来たがってたんだけどね」
「お式までは新郎と会っちゃいけないのよね」
何だか今日のハンナさんいつもより綺麗だ。
《汗を拭き拭きイカリ大将軍が入って来る》
「ふぅ…どこも凄い人だな。ここへ来る途中の通りも人で埋め尽くされていたぞ」
「だって、伯爵家に向かう馬車が通る道だもの。嫁がれるレイ姫様の姿を人目見ようと昨日から場所を取ってる人も居るのよ」
イカリ大将軍はちょっと困惑気味に汗なんか拭いてるけど、麗華さんはやっぱり女性だね。
ハンナさんと嬉しそうに話してる。
沢山の人が姉上達の結婚を喜んでくれてるんだね。
「パパ、そろそろ行かないと」
「麗華、ここではそう呼ぶなと言っただろ」
「はいはい、大将軍。大聖堂に行きましょう、お式が始まりますよ」
「おお、そうだな」
イカリ大将軍は麗華さんに連れられて大聖堂に向かった。
僕も行かないと。
【大聖堂】
近しい者達が見守る中二人は神に永遠を違う。
姉上が入って来た。
「(皆さんありがとう。ありがとうございます)」
姉上、とっても綺麗だよ。
【庭園】
「王子、参りますぞ」
「はい、大将軍」
僕も軍人だって事すっかり忘れてた。
戦争がゲームになってからは、軍の練習とかなかったもんな。
今日はイカリ大将軍と一緒に馬に乗って姉上の馬車を先導するんだ。
ハンナさんや他の士官達は民衆が馬車の通る道に入って来たりしないか、それからテロなどに注意しながら警護する。
僕達は、ダン将軍が待つ伯爵家の屋敷に無事に姉上を送り届けるのが任務なんだ。
【メインストリート】
《レイ姫が乗る馬車を先導するノホ王子とイカリ大将軍》
「ノホ、けが人が出ないように気をつけてね」
「了解」
「姫様の馬車が見えて来たぞ!」
「わー、わー姫様!レイ姫様!
「おめでとうございます!」
「わー!わー!」
「皆さんありがとう、ありがとうございます」
「レイ姫様!お幸せに!レイ姫様!」
「わー!わー!」
【伯爵邸】
「もういらっしゃる頃ですよ。シャキッとなさい」
「は、はい、母上」
「ほほほ」
「お母様嬉しそうね」
「当たり前です!わが子のように慈しんでお育てした姫様が、我が伯爵家の嫁になるのですから」
「そうね。私だって、レイ姫様がよそに嫁ぐのは嫌だわ。今日から私の妹になるのね」
【伯爵家の門】
《レイ姫を乗せた馬車が入って来る。伯爵家の人々が迎える》
ダン君、絶対、ぜーったい姉上を幸せにしてよね。
泣かせたりしたら許さないからね。
大丈夫だよね?
兄上。
ーLa finー
《レイ姫が一人物思う》
【秘密基地】
《キョロキョロと周りを見回すノホ王子》
あれ?
姉上が居ないぞ。
【離宮の庭園】
「「ちゃんと恋をして結婚してもらいたい」ですって…皆さんわたくしの事を心配してくれているのだわ」
【秘密基地】
ダン君は居るんだけど、お姉様が居ないぞ。
近茶
/焼肉定食ご飯大盛り/釣って来ます
/ミリ/お願いします
さあ、黒龍討伐が始まる。
ソウちんはガデだから、上の方に居る黒竜を捕まえに行ったんだ。
黒龍を釣って、他のもモンスター達に絡まれない所まで連れて来る。
とは言ってもここはとても危険で、どこに居ても絡まれるんだけどね。
それでもまあ、黒龍が居る場所よりはここの方が安全なんだ。
よっしゃ!釣り成功。
ソウちんは一度チン(戦闘不能)して、上からついて来たモンスター達を帰らせる。
半端なガデ(ガーディアン)なら途中でやられちゃうけど、ソウちんは強いからね。
脇のモンスターを帰らせたら、ソウちんを蘇生させるんだ。
その前に黒龍を叩いとかないと一緒に帰っちゃうから、僕が叩く。
良し、みんな一斉に叩き始めたぞ。
ソウちんの蘇生は同じパテ(パーティ)の…
「麗華さん、焼肉の蘇生宜しく」
「もう良いですか?」
「うん、お願い」
「はーい」
パテ茶
/焼肉定食ご飯大盛り/蘇生ありがとうです
/フローレンス/(ノ´∀`*)イエイエ
あれ?
ダン君が居ない。
あ…
/聖騎士/チ───(´-ω-`)───ン
/フローレンス/ヒール遅れてごめんなさい(┯_┯)
/聖騎士/蘇生蟻が十でしゅ(=^^=)
麗華さんはソウちんの蘇生をしてたんだもん、その間に僕がチンしてもしょうがないよ。
ビシ(ビショップ)さんは仲間がチンするの嫌なんだよね。
自分のせいだと責めたりするよな。
良し、半分削れたぞ。
火力全開で行く。
その分防御下がるけど、外ビシも居るからチンしても大丈夫。
麗華さんヒール忙しくなるけどね。
/聖騎士/回復蟻が十(=^^=)
「チャット出来ません」
「ごめんね~ビシさんはそうだよね」
麗華さんの薬無くならないうちに倒しちゃお。
/聖騎士/もう少し
/ミリ/うん、頑張ろ(^^)
/焼肉定食ご飯大盛り/はいな
スキル回復した。
行くぞ!
《ノホ王子の聖騎士は強烈なスキルを放つ。ドスーーーン!!!》
「ふぅ…」
終わった。
姉上はどこだろう?
《ノホ王子は部屋の中を見回す》
あ、チャットだ。
近茶
/ミリ/お疲れさまです (*´∀`)♪
/聖騎士/(*´∇`*)オツカレサマー
/ミリ/皆さんありがとうございました┏○ペコッ
パテ茶
/ミリ/皆さんフレ良いですか?
/聖騎士/どうぞ
/ミリ/ありがとう\(^^)/
/聖騎士/こちらこそ(=^^=)
こうやって、よその国の人とも仲良くなれるから楽しいよな。
地域戦では敵になっちゃうんだけどね。
/ミリ/来週は地域戦ね
/聖騎士/そうだね
/ミリ/負けないからね(^_-)-☆
/聖騎士/僕だって(=`ェ´=)
/焼肉定食ご飯大盛り/笑笑
《ノホ王子は離宮を出る》
【庭園】
姉上…
こんな所に居たんだ。
何だか元気が無いみたいだよな。
「ノホ」
《ノホ王子はレイ姫のそばに行く》
「わたくし好きでもない方の所へ嫁ぐのは嫌」
「うん、わかってる。他のお婿さん候補なんて、ダン君がみんな蹴散らしてくれるよ」
《数日後》
【サロン】
「し、失礼致します!」
あーあ、ダン君カチカチだ。
何だか変な歩き方だと思ったら、手と足が同じだよ。
こういうのナンバ歩きって言うんだっけ?
「えっ?えーーーっ!」
「大きな声を出さないの、はしたない」
「何でガミガミ夫人の事を?」
「まあ、貴方までわたくしをガミガミ夫人と呼ぶのですか!」
「失礼しましたガミ夫人」
「ガミ夫人ではありません、お母様とお呼びなさいと言ってるでしょう」
「はあ…何で…?」
《ダン大佐はわけがわからずシェリーの顔を見る》
「あの、シェリーさん」
「私の事はお姉様と呼ぶのよ、ふふふ」
「はい?」
「もう、いきなりそんな事言ったって、ダン君わかんなくて困ってるよ。ちゃんとわかるように説明してあげて」
「王子?」
《訳がわからずノホ王子の顔を見るダン》
「ダン大佐」
「は、はい!」
「貴方は我が伯爵家の養子になるのです」
「はあ、そうですか…って、えーーーっ?」
「大きな声を出すのはおやめなさいと言ったでしょう」
「いや、でも、ガミガミ夫人」
「お母様です!」
「お、お、お、お母様」
「しっかりなさい。来春にはレイ姫様との婚礼の義が執り行われるのですよ」
「はあ…えっ?」
また固まっちゃったよ。
「ダン君。あ、今から兄上と呼ぼうかな?」
「え?や、いやいや…」
「もう、しっかりしてよ。姉上の事嫌いなの?」
「まさか!」
好きなんだよね、やっぱり。
「伯爵家の養子になったわけだし、身分は申し分ないのぉ」
「へ、陛下」
「良い良い、そのように畏まらなくとも良い。今から父上と呼んでも良いぞ。フオッフオッフオ」
「(本当に俺なんかで良いんだろうか?姫様は俺なんかが婿で…)」
【バルコニー】
《レイ姫が手すりの所から外を眺めている》
「(ダンさんはわたくしの事をどう思っていらっしゃるのかしら?はっきりと口に出して言ってくださらないの)」
「ほら、早く行って」
《ノホ王子はダン大佐の背中を押す》
「おわっ、お、王子」
「もう、ダン君」
「は、はいっ」
「いつまで姉上を待たせるつもり?」
「いゃ、待たせるも何も、約束しているわけでは…」
「乙女心のわからない人だな」
「王子に言われたくないですが」
「姉上ね、最近ああやって一人て考え事してる事が良く有るんだ」
「何か悩み事でも有るのでしょうか?自分で力になれるなら何でもします!」
「朴念仁!貴方のような人を朴念仁と言うのです」
「ガ、ガミガミ夫人」
「お母様です!」
「はあ、お母…様」
「さっさと姫様のそばにお行きなさい」
「え?でも、自分なんかが行って何を?」
「話し相手になって差し上げれば良いのです。さあ!」
《ガミガミ夫人はドン!とダン大佐の背中を押す》
「わわっ」
「あ…ダンさん」
「ひ、姫様」
《ノホ達を気にする二人》
「お母様、行きましょう」
あ、そうだね。
邪魔しない、邪魔しない。
《数日後》
【秘密基地】
姉上とダン君の婚約が正式に発表された。
ダン君は他の士官達から祝福されたりからかわれたりしてる。
「兄上」
「王子、やめてくださいよ」
「敬語はおかしいですよ、兄上。敬語を使うのは僕の方です」
「やめてくださいって」
「ハハハ、でも、ダン君で良かった。他の人だったらきっと仲良くなるのに時間がかかると思うな。姉上を取られちゃうんだもん」
「あら、ダン君にらな取られても良いんですか?」
「取られるって気がしないんだ。だって、二人をくっつけたの僕だし」
「そうですよね、私も少しは手伝いましたけど」
「ハンナさんには感謝してるよ」
「感謝だなんて、大げさですよ」
「おい、皆んな!カンの国との戦争はもうやめだ。国王陛下の提案でな。ダンの先祖はカンの国から出ているわけだから姫様との婚姻で和解となったぞ」
良かった。
そして、あの海域は仲良く使う事になったんだ。
ゲームの方は、地域戦が無くなって世界中の皆んなが一緒にモンスターと戦うイベントに変わった。
でも、世界で戦争が無くなったわけじゃないけどね。
そうだ!
《ノホ王子はパソコンを開く》
あ、インしてる。
個茶
/聖騎士/チワワ~
/ミリ/あはは、こんにちは(´∇`)
/聖騎士/もう、僕達戦わなくて良いんだね。
これが実際の戦争だって知らないんだよな、軍人以外は。
どうやって国同士が戦っているのかわからないけど、戦争の勝敗で3ヶ月間あの海域に入れる事だけが国民に知らされる。
このゲームで地域戦に参加してた人達は、自分が実際に戦争してるって知らなかったんだ。
だからミリさんに詳しい事は言えないけど、でも、もう敵同士になる事は無いんだ。
いつでもパテで一緒に遊べる。
全茶
/ミリ/レイ姫様ダン大佐ご婚約おめでとうございます\(^o^)/
個茶
/聖騎士/わっ、全茶で |゚Д゚)))
/ミリ/だって嬉しくて
全茶
/乱子/ォメデ━ヽ(*゚ω゚*)八(*゚ω゚*)八(*゚ω゚*)八(*゚ω゚*)八(*゚ω゚*)ノ━隊!!!
/カッパヘア/おめでとうさん(≧∇≦*)
うわぁ、全茶が大変な事になってる。
「姉上、ダン君、見て」
「まあ」
「何だか恥ずかしいです」
「何だか嬉しいよ、僕は」
/凄いビールっ腹/おめでとうございます(≧∇≦)
/焼肉定食ご飯大盛り/おめでとうございます(^O^)
/フローラ/おめでとうございます!お幸せにヽ(*^^*)ノ
うわぁ、フローラさんまで。
「とっても嬉しいけれど、答えるわけにはいかないのね」
まあ、姉上がチャットしたところで信じてもらえないかもね。
「ここで身分を明かしてしまったら、もう、遊べなくなっちゃうでしょうね」
ハンナさんの言う通りだな。
その後も2人へのお祝いのチャットが続いた。
このゲームしてる人全員が書いてくれたんじゃないかというぐらいずっと続いた。
《そして春》
庭園の一部が開放されて国民が入れるようになってる。
今日は姉上とダン君の婚礼の日だ。
「沢山の国民がお祝いに足を運んでくれてますね。広い庭園ですけど、人が溢れています。ああ、ステキだわ」
「ハンナさん、自分の事みたいに嬉しそうだね」
「私だって女ですから」
女性にとって結婚て、一世一代の大行事なんだって。
「レイ姫様の花嫁姿、早く見たいわ」
「姉上もここに来たがってたんだけどね」
「お式までは新郎と会っちゃいけないのよね」
何だか今日のハンナさんいつもより綺麗だ。
《汗を拭き拭きイカリ大将軍が入って来る》
「ふぅ…どこも凄い人だな。ここへ来る途中の通りも人で埋め尽くされていたぞ」
「だって、伯爵家に向かう馬車が通る道だもの。嫁がれるレイ姫様の姿を人目見ようと昨日から場所を取ってる人も居るのよ」
イカリ大将軍はちょっと困惑気味に汗なんか拭いてるけど、麗華さんはやっぱり女性だね。
ハンナさんと嬉しそうに話してる。
沢山の人が姉上達の結婚を喜んでくれてるんだね。
「パパ、そろそろ行かないと」
「麗華、ここではそう呼ぶなと言っただろ」
「はいはい、大将軍。大聖堂に行きましょう、お式が始まりますよ」
「おお、そうだな」
イカリ大将軍は麗華さんに連れられて大聖堂に向かった。
僕も行かないと。
【大聖堂】
近しい者達が見守る中二人は神に永遠を違う。
姉上が入って来た。
「(皆さんありがとう。ありがとうございます)」
姉上、とっても綺麗だよ。
【庭園】
「王子、参りますぞ」
「はい、大将軍」
僕も軍人だって事すっかり忘れてた。
戦争がゲームになってからは、軍の練習とかなかったもんな。
今日はイカリ大将軍と一緒に馬に乗って姉上の馬車を先導するんだ。
ハンナさんや他の士官達は民衆が馬車の通る道に入って来たりしないか、それからテロなどに注意しながら警護する。
僕達は、ダン将軍が待つ伯爵家の屋敷に無事に姉上を送り届けるのが任務なんだ。
【メインストリート】
《レイ姫が乗る馬車を先導するノホ王子とイカリ大将軍》
「ノホ、けが人が出ないように気をつけてね」
「了解」
「姫様の馬車が見えて来たぞ!」
「わー、わー姫様!レイ姫様!
「おめでとうございます!」
「わー!わー!」
「皆さんありがとう、ありがとうございます」
「レイ姫様!お幸せに!レイ姫様!」
「わー!わー!」
【伯爵邸】
「もういらっしゃる頃ですよ。シャキッとなさい」
「は、はい、母上」
「ほほほ」
「お母様嬉しそうね」
「当たり前です!わが子のように慈しんでお育てした姫様が、我が伯爵家の嫁になるのですから」
「そうね。私だって、レイ姫様がよそに嫁ぐのは嫌だわ。今日から私の妹になるのね」
【伯爵家の門】
《レイ姫を乗せた馬車が入って来る。伯爵家の人々が迎える》
ダン君、絶対、ぜーったい姉上を幸せにしてよね。
泣かせたりしたら許さないからね。
大丈夫だよね?
兄上。
ーLa finー
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2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
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――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
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