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学園編 3年目
狼の歯噛み4-3 ×
しおりを挟むドンッと強い音が聞こえて、ロキは顔を上げた。
教員寮の自室、既に寝支度を済ませてベッドで本を読んでいる最中だった。扉の方を見詰めはしたが、無視して本へと顔を戻す。今度はトントンとノックの音へと変わった。
髪を掻き上げてベッドから降りた所で、気配の正体に気付き、少しばかり早足でドアへと向かった。開いたドアの向こうには、少し俯きがちのジンが立っている。
部屋の中に押し入られないよう、廊下へと出て、ドアは閉めた。
「…お前な、教員寮への許可なき侵入は規則違反だ。見つかっても庇い立てせんからな。もしドラゴとフィルを迎えに来たのなら、今夜は学園長と過ごしている。明日にしておけ」
「………せんせ、部屋では眼鏡してねぇんだ?」
「寝る前だったからな。それよりお前、そのフェロモ……ッ!」
両手で顔を掴まれ、唐突に唇を奪われる。あまりの早さに何の反応も出来なかった。両手で胸を押す。意味がない事は分かっているが、思わずやってしまう。
「んっ…!やめ…ッ」
口を開いた瞬間、舌が入り込み舐め回される。魔術で抵抗しようかと思ったが、寮に張り巡らされている結界が感知する可能性を考えると出来なかった。
自力での抵抗は無意味であり、とにかく部屋の中へ通した方が良さそうだと、後ろ手でドアノブを探る。
ロキがノブを掴むより早く、ジンがロキをドアへと押し付けた。口付けは音が出るほど激しくなっていて、フェロモンの匂いに反応してロキの身体も反応し出している。
(ま、まずい……!)
いつも以上に遠慮も節操もない。寝巻きの黒いローブを手繰り上げようとするジンの手の動き。更には遠めとは言え、隣に当たる部屋のドアの鍵が開く音がした。
「…ロキ先生?こんな時間に誰と………って、誰も居ない…」
男性教員が顔を出した時、廊下は無人だった。
ーーーードサッ
一瞬の浮遊後、ジンはソファの上に落下した。
ロキは咄嗟に『転移装置』を発動し、教員室へとジンごと移動したのだ。サッとジンから距離を取るように立ち上がったロキは腕を組んで、机に腰を凭れた。
「それで?何のつもりだ」
「………先生」
「こんな夜中に訪ねて来たと思ったら、フェロモンを馬鹿のように撒き散らかし、ケダモノのように人の身体を弄ろうとするとは」
ソファに両手をついて項垂れ、ジンは黙った。
「盛りがついた獣ですら、もう少し段階を踏むだろう。そもそもヤリたければ他の奴らとヤれ。教師である俺の所へ来るな」
教員寮で逢瀬していたなどバレれば、ジンへの処分が重くなる。そんな事態は避けたかった。だからこそ自分ではなく、生徒同士で仲良くやっていて欲しかった。きつい言い方だがジンには伝わっている。だが
「…もう一周したら、ホントにアイツら壊しちまうよ俺」
「………は?」
ジンはぐっと拳を握った。頭は更に項垂れてソファに額を擦り付け、何かを堪えるように拳は震えている。
「全然収まんねぇ…出すと少し落ち着くけど、すぐにムラムラして来て、気付いたらアイツらヘロヘロにしちゃってて…名残惜しいけど、マジで名残惜しいけど、何とか体力残ってる内に逃がすんだけど、結局身体が勝手に追いかけて……次はマジで、誰かを壊しそう」
「……どうした、お前。なんか妙だぞ」
「…俺、ホントにおかしくなったのかも。他に抱きたい奴、もう先生しか居ない。こんなんなっても、誰でも良いって思えない。抱きたいのはアイツらと、先生だけ。助けて先生」
顔を上げたジンは軋みそうな程に歯を噛み締めていた。苦痛にも絶望にも見える表情に、ロキは静かに瞠目する。こんな顔をしたジンを見るのは初めてだ。
「………今は少し落ち着いてるんだな」
「……うん、でもかなりギリ…すぐにでも先生に噛みつきたい」
「落ち着いてる内に何があったか話せるだけ話してみろ。抱く以外の解決策があるかもしれんだろ」
「…………抱きたい」
「お前の欲は二の次だ」
「……ヴァレリオと、最後だからと食事したんだ。気付いたらベッドの上で…起きたらアイツ、腕に媚薬を注射したって…」
「媚薬注射?……とんでもない皇子だな、お前も随分と厄介者に懐かれたもんだ。そんな奴と食事なんて、無事で済む訳がないだろ」
ロキは自業自得だと鼻で笑ったが、内心は面白くなどなかった。『気付いたらベッドの上』と言う事は、何らかの手段で意識を奪って媚薬を与えたのだろう。まんまとしてやられるジンの甘さにも腹が立つ。しかしふつふつと腹底に湧く怒りは、幼き皇子に向いていた。
気取られまいとロキは怒りを押し殺す。
「知らねぇよ…流石にこんな事されるなんて思わねぇじゃん……あいつ、俺を本気で好きなんだって、それなのにこんな事すんの、マジでこえーよ。一晩セックスしたくらいで手に入ると思ってんのもこえー。それともこれが本気の恋ってヤツ?」
「………俺も知らん、本気の恋なんぞ。だが、それがかなり歪んだ恋だと言う事だけは分かる。お前を手に入れる最初の一手として性行為を選んだんだろう。もしくは身体に絶対的な自信があったか。それで?ヤッたのか」
「だから、先生達以外抱く気ねぇって………抱く以外に、方法ありそう?」
その一言に胸がすく。ロキの満更ではない思いを、切迫しているジンは気付けない。
「……神官に解毒をして貰えば、効果はあるかもしれんが、正直分からん。媚薬の対処などした事ないからな」
そんな物なくとも魔力を流し込めば、同様の効果を得られるのだから。(ああ…此奴は油断したのではなく、思い付きもしなかったのだな)とロキは思い至った。
王国にも治療薬の類はあるが、回復薬を使う程でもない、また買えない、効かないなどの理由でもなければ使われない。媚薬に至っては、魔力もフェロモンも強いジンやロキのような人種には最も縁遠いものだ。そんな物よりも強く確実な方法を備えているから。
(媚薬は魔力の少ない帝国ならではだな…文化の違いは目に見え難い。成程、勉強になるな)
推測でしかないが解答が見えた気がし、ロキは1人感心した。おかげで怒りはどこへやら。今度はジンの毒耐性について思考を巡らしていたが、掠れた声に現実のジンへと意識は戻った。
「…………先生、抱かせて」
いよいよ限界が近いのだろう。呼吸が荒く、目が胡乱になってきている。まるで上限などないようにフェロモンが更に強く香り出す。ロキは指で唇を隠すように撫でて逡巡する。
「断る…………が、分かった。協力はしてやるから、大人しくしておけ」
「…協力?……っ!?」
その手で指を鳴らす。訝しげにしたジンの手に、淡い光を放つロープが現れた。一瞬で両手首を回り、縛り取られる。
「……これ…」
「『魔力綱』を扱えるのがお前だけとでも?抵抗はするなよ。『消失』も使うな、使ったらその時点で放置する」
「……っ」
「悪いようにはしない。だが、お前の良いようにもさせない。ほら、腕を上げろ」
近付いて来たロキを見上げながら、大人しく腕を上げるとソファに押し倒された。思いがけない事の連発に戸惑っていると、頭より高く上げた手首の縄が急激に重くなる。縄に重力系魔術を付加したのだろう。持ち上げられない程に重い。
「もうひとつ、これもしておけ」
ロキはそう言うと、ジンのネクタイを解いて目を覆った。突然の目隠しにジンは混乱する。
「せ、先生?協力って……何する…」
「大人しくしてろ」
ロキの手がズボンへと触れた。ベルトはイルラの時に部屋に捨てて来たので、ズボンを開けるのは簡単だったろう。何も見えない中、ジンは期待と不安で鼓動が速まった。
「…要は出せば良いんだろ」
(あくまでも只の緊急処置だ。性行為じゃない)
取り出す為に触れただけで、一気に聳り立つ屹立にロキの喉が鳴る。言い訳と自覚しつつも、自分を納得させながら絡み付ける指。熱く脈打つそれを撫で上げた。
「……は……っ……ぅ…」
握られ、扱かれ、腰が揺れる。丁寧でいやらしい動きは随分と手慣れていて、睾丸から先端までを強弱つけて刺激される。
まさか自分が目隠しをされて弄られる日が来るとは。ジンは目隠しの下で目を瞑り、駆け上る快感に身を委ねた。
「んっ……はあ、ッ…せんせ、見たい…目隠しだけでも、良いから、外して」
ロキの手がどのように動いていて、どんな顔をしてるのか見たかった。
「お前が要求出来る立場か?」
叱られるように先端を摘まれて、どぷりと先走りが零れ落ちた事が分かる。もどかしい。焦ったい。もっと激しく、もっと満遍なく包まれたい。ロキの手付きは良かったが、ジンは中々達せない事に欲求不満が募っていく。
かたや、ロキは手の中で太ったペニスを夢中で扱いていた。太い脈を打ってどろどろに先走りを垂らす様子に腰の疼きが深まる。
(ちっ…中々イかないな…元々早くない男だからな…手コキ程度じゃ簡単には終わらせてくれないか。…既に何度もヤッてコレなら、後一回イかせれば良いと言うものでもないのだろう。……仕方ない、これは処置、早く終わらせるのが互いの為だ)
ぐるぐると混濁していく思考。
そっと根元を掴み、顔を近付けて先端を舐めた。面白い程に腰が跳ねたジンの動きに、思わず口角が上がる。
「はっ…せ、先生、それ…う、…っ!」
「黙れ、お前はイク事だけ考えてろ」
「いや、それ、やば……あー、くそ……見てぇ…」
悔しげな声に優越感を刺激される。ねっとりと鬼頭を舐め回し、先端に口付ける。ちゅっちゅっと吸い付くと、息を詰まらせるジンに可愛げを感じて、あまり好きではないフェラに力が入る。舌先で先端から皮まで丹念に舐め、口の中へと納めた。ぢゅ、と強く吸いながら、頭を上下に動かすと、ジンが顎先を上げて唸るような声を漏らした。
「…う゛ぅーーーー」
(イケ、ほら、気持ち良いんだろ。出せ、俺の中に、出せ)
魔力を無意識に流し込んで、ジンの快感を煽りながら、喉奥まで咥え込んだ。喉輪で鬼頭を締めた瞬間、ジンは細く泣くような声を上げて腰を震わせ、口の中へと熱を吐き出す。味は薄く量もない割に中々止まらない射精。媚薬の強制力を思い知る。
(これは…成程、辛かろう)
ロキはゆっくりと口からペニスを抜く。達したばかりとは思えない程、反り立ったままのそれ。冷や汗に近いじっとりとした汗に濡れたジンの姿に眉を寄せる。
口の中に残った精液をベッと床に吐き捨て、再び扱く手は先程より優しい。
「…はあ、…う…ぁ…せんせ、さっきの、もっかい…して」
「………」
「ロキ先生…」
答えず無言で扱く。またとろとろと先走りを垂らす卑猥な棒に、ロキは同情と共にどんどん昂っていく身体を持て余し始める。
スッと手が離れた事にジンは眉を寄せた。見えないが気配は分かる。だが何をしてるかは分からない。
ただ何か、布の音がする。
「先生?…せんせ…っ」
「良いか、何も考えず、絶対に動くなよ……っ」
ロキはローブを巻き上げ、下着を脱ぎ捨ててジンの上に跨った。他の箇所は触れないように、窄まりへペニスの先端を当て、ゆっくりと体内へと招き入れる。例え不格好だろうが、どうせ見えていない。
「はッ…これ、あー……」
口ではない、熱くて柔らかいものに包まれていく。それが何か分からない訳がない。
中で先走りが溢れた。気付いたらしいジンが腰を揺らめかすので、動きを一度止める。
「っ…ジン、動かすならここまでだ」
「…う……」
悔しげに呻いて腰の動きを止めた。
「そう、良い子だ。……んっ」
素直なジンの態度に微笑み、止めていた動きを再開した。ズズ…と進入してくるペニスの太さに、簡単に広げただけの窄まりでは窮屈過ぎた。それなのにジンのフェロモンと流れ込んでくる魔力で痛みさえ快感へと変わる。
(……はあ…っ、お前は存在そのものが丸ごと媚薬のようだ)
繋がった部分以外は触れてもいないのに、服の下で乳首が尖り、肌はずっと粟立つ感覚を覚えている。媚肉を押し広げるペニスは背筋を震わせる。先端が行き止まりに触れたが、全部は入っていない。更に深く腰を落とす勇気はなく、少し浮いたままソファの背凭れを支えに掴む。
「……っ…はー…せんせ、早く…っ」
ねだって腰をうねらせるジンに、ロキは込み上げる喜悦を止められず微笑んでしまう。
「………本当に、どうしようもない男だな」
(俺は)
ぼそりと漏れた自嘲。
「な、に?せんせ…っ…あぐ…っ」
「っ…は、…とんでもない生徒だと言ったんだ…本当に、手の掛かる…っ…んっ…ほら、とっととイケ」
スクワットの要領で腰を上げ下げする。媚肉で締め上げて扱き出すと、ジンは喉を反って喜んだ。喘ぐような熱い吐息に、動くのを我慢しているからか、身を強張らせ震えている。膝や腰がビクビクと跳ね、動きそうになる度に自分で頭を振って耐えているようだ。
その姿にえも言われぬ思いが胸に込み上げる。
(…ああ、くそ…可愛い奴め)
去年の夏、何を誓ったのか。自分で忘れてしまいそうになる。
「……お前のせいだぞ。何もかも」
「ぁ…く…っ!」
「んッ……はあっ…ほら、出せ、ジン…っ」
「ん、はっ、出る、せんせッ……ッッ」
体内に止めどなく溢れる先走りで卑猥な音がする。脈動が伝わるほど強く、行き止まりで先端を潰すとジンは背中をしならせ果てた。釣られてイキそうになる身体を縮こめて耐える。快楽に沈まないように。
(…処置なんだ、これは、ただの)
言い聞かせる理性とは裏腹に、顔を腕で隠すように小さく喘ぐジンに身体が勝手に動く。両手でジンを挟むように手をついて、気持ち良さそうに反った喉の隆起に舌を這わす。ビクッと腕が跳ね、物欲しそうに腰が揺れて中を掻く動きに喘ぎそうになった。息を止めて声を耐え、ゆっくりと再び上下に腰を揺らす。
「……少しは好き勝手にされる側の気持ちが分かったか。ん?」
「…はっ……待っ…て、せんせ」
「お前も待った事などないだろ。……情けない姿だな、今のお前は」
いつもの余裕も、小癪さも垣間見えない。愉快な気持ちになるし、愛おしくもある。焦らすような腰の動きが堪らないのか、足が踠いている。そう言えば、靴を脱がしていないと今頃に気付いたが、どうでもいいとすぐに思考から消え去る。
「媚薬なんぞ早く吐き出してしまえ」
どんどん早める腰の動きにジンが唸る。再び反った喉を舐め上げ、顎先を噛んだ。その時、バチンッと激しい音と共に『魔力綱』へ供給していた魔力が切断された。
「…ジ……ああ゛ッッ!!」
名を呼び終わるより早く、腰を掴まれて、入り切れなかった長さを一気に押し込まれた。ビリビリと脳天を突き上げる快感と衝撃に、今度はロキの背中が弓形に反り、押し出されるようにびゅるびゅると真っ白な精液が飛んだ。
「ふー…ッ…ふーッ…」
ジンは獣のような息をしながら、目隠しをしたまま頭だけ浮かし、ロキの腰を無理矢理に上下に動かした。まるで玩具のように軽々と動く腰。媚肉を擦られて目の前がチカチカした。
「はっ…!ああッ!あっ!うッ!!ああッ♡♡」
止めようにも言葉にさえならない。ドチュドチュと先程の比にならない快感が腹の奥を突き上げて来る。
(こ、これはまずい…!こんな強さで犯され続けたら、こわ、壊れる…!)
頭の片隅でこうなる事をどこかで期待していた。だが、暴力的なほど強い律動に一瞬で焦りが浮いた。今更遅いだろう。それでも、ロキはジンの腹に手を置いて、上下運動を阻止しようとする。
「うごっ…動かすな…っ!ああッ♡大人しくしてろと、…あっ♡あっ♡やめッ…ああ゛!!」
話など聞こえてない様子で身を起こしたジンが、今度はロキを腹の下へと引き倒した。その勢いのまま、顎の下へ口元を埋め、大きく開いた口でロキの首へと噛み付く。
「はっ!ぐうっ……ッッ♡♡♡」
皮膚が歯で破られた瞬間、盛大に絶頂する身体。噛み付かれたまま続く激しい抽送に、ロキの理性と思考は形を失い雲散していった。
.
.
.
ーーーコンコン
ドアがノックされた。
「ロキ先生?いらっしゃいますか?朝礼が始まりますよ」
補助教員の声だ。気怠く重い身体を引き摺り、教員用のローブを寝巻きの上に羽織った。どうせいつも黒い服しか着ないので、寝巻きかどうかなど判別付かないだろう。
洗浄魔術を掛け、乱れに乱れた髪を掻き上げてドアを少し開けた。
「…あ、ロキ先生…」
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「そ、それは、はい、大丈夫ですが…ロキ先生こそ大丈夫ですか?」
魔塔からの緊急依頼でもない限り滅多に休む事のないロキの言葉に補助教員は驚いた。ドアから見える顔色は確かに良くない。心配の声にロキは首を振る。
「……今日は帰って休ませて貰う。急な事で申し訳ないと伝えておいてくれ。……ああ、それと、私のクラスのジン・ウォーリアも、本日は欠席だそうだ。それも合わせて代理の先生に伝えてくれ」
「ジン・ウォーリア…ああ、はい、彼ですね。かしこまりました」
頷く補助教員へ浅い会釈を見せた後、ロキはドアを閉めた。その後ろからジンの手が伸びて、腕を掴まれ引き寄せられる。
「…お前、まだ」
「ん……まだムラムラする」
「…ちっ、こんな事で、何本回復薬を無駄にしてると」
理性が戻ったように見えるだけのジンに、言葉の途中でキスされて、空の瓶が転がる床に押し倒される。抗うには疲労感が募り過ぎて、昨夜の自分の浅はかさを後悔していた。
(自業自得は俺の方だな)
緊急事態に便乗した自覚があり、いつもより強気に抵抗出来ない。
「媚薬が切れるまでだからな」
ジンにも、自分にも言い聞かせて、ロキは初めて仕事をサボった。
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