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学園編 1年目

男爵家男孫と魔術教員 ×

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東部峡間に現れていた魔獣『 百群体ケントゥリア』が討伐されたと報告があった。

 百群体ケントゥリア
無数に集まる点で肉体を形作る魔獣を総括してそう呼ぶ。

つい先日、調査依頼にかこつけ生徒を連れて行き対峙させたあの魔獣だ。

"因って現場調査の依頼は取下げ、提供された核の調査及び鑑定水晶の制作を"

詳細はなく、依頼の変更の旨と、血素ちそ(核内部の血液の様なモノ)が抜かれた透明な球だけが送られて来た。
もう一度調査に行かなくてはと思っていたので肩透かしを食らった気分だ。

一応、連れて行った生徒にも伝えておくか。

.
.
.


「ロキ先生」

職員塔の廊下を歩いていたら、剣術の教師に呼び止められた。

ロキと変わらない身長の男だが、並ぶとロキの方が細身に見える。その鍛えた筋肉を誇示するかのようにいつも薄着で、左腰に帯刀までしている。
教員用のケープは、この男にとって公式の場でのみ着用するものらしい。

「何か、ゼル先生」

「いえね、最近ご無沙汰だなと思いまして。お急ぎですか?」

男は含みのある言い方をしながら、ロキの方へ無遠慮に近付いてくる。頬と頬を合わせるように耳元へと口を寄せて。

「今夜、魔力循環などいかがですか。私の魔力、お好きだと仰っていたでしょう」

手の甲をさりげなく撫でられる。微かに顰めた眉は不快感を表していた。許可のない接触は気持ちの良いものではないと思って。同時に触りたくなる感情も理解出来て、益々眉を寄せた。すっと手を退ける。

「好きだと言ったのでなく、魔力の相性が良いと言ったんだが…しましょうか、魔力循環。今夜と言わず」

夜にはジンとの特訓がある。その時間を削る気は更々なかった。
ロキの提案に男は少し驚いてから、四十路過ぎても有り余る性欲を滲ませた笑みを浮かべた。前は気にならなかったその笑みが、今は些か鼻につく。踵を返してロキは自分の教員室へと男を伴って入る。
背後から抱き締めてこようとする男の腕を容易く抜けて、執務机の前に立つと持っていた荷物を置く。

「さっさと始めよう」

言いながらロキは教員用のケープは外して、これも机の上に。長いローブはそのまま、裾を上げ中に着ていたズボンを下着諸共ずり下ろす。
足首から抜くのも面倒で、ロキは長い髪を右前へと集めて、裾を捲ったまま机に前のめりになる。恥ずかしげもなく晒す下半身。机の端にあった保湿用のローションを手に取り、自ら尾骨から臀部の割れ目へと垂らし、男に向かって差し出すように突き出した。

「どうぞ」

色気も何もない態度だが男は大いに興奮したようで、鼻息荒く剣をベルトから外し、ロキの後ろへとくっついた。臀部の割れ目に指を滑らせ、ローションで濡れた窄まりを弄る。太い指が入り込んで中を解す中、男は首筋にキスをしようとするがロキはタートルネックを着用していた。諦めて耳へ口付けるが、ロキの反応はない。

(最近、)

それどころか思考は別の所へいっていた。

(欲求不満だったからな。丁度良い)

モヤモヤするようなイライラするような、もどかしく発散出来ない熱を腹の底に溜めていた。
指が良い所へ当たって、ロキはピクリと眉を動かす。すぐに離れてしまったが魔力を流し込まれれば、身体は反応を示し出す。
ふと、机の端に黒革の手袋を見つけた。見つけたと言っても自分のだ。着ける理由になった生徒を思い出す。

教員の自分を、それも一回り以上違う年上を、欲するような言葉を繰り返すあの生徒を。

(…こう言う時すら顔を碌に思い出せない、お前は凄いな)

笑いそうになって口端を上げるだけにした。
無に等しいフェロモンのせいで、離れると本当に印象が残らない。フェロモンなんて誰しも持っていて、どうしたって香るものだと思っていたから、この影響の無さがロキには面白かった。

(思い付きもしなかった、フェロモンを弄るなんて)

フェロモンを隠せる事で有名なのは暗殺ギルドだ。これも噂でしかない。現実に、目の前に、それを体現してくる男がいたら、興味が引かれない訳がない。

流石にジンとは何度も会っているから、全然思い出せないわけじゃない。
魔力の感覚ならば、もっとはっきりと思い出せる。

これはロキにとって、人の顔を思い出すよりも重要でどれほど珍しい事か。きっとジンは知る由もない。

パンッと音がして、腰が跳ねた。気付けば男の根が中に入り込んでいる。

「…は、ロキ先生、いかがですか」

「…ああ、…っ、そのまま続けてくれ」

魔力を受け取っているから身体はきちんと反応している。揺さぶられる身の芯が熱くなり、呼吸も荒くなる。徐々に魔力による興奮と、接触による快感が織り混ざっていき、頭の芯がぼんやりしてきた。

「…あ、…あっ」

「ロキ先生っ、いいですね、少しっ、早めますね…っ」

「……ん、いや、そのまま…っ」

速度と乱暴さが上がった。
男の魔力の流し方にはムラがあり、ピストンが早まるほど魔力への意識が疎かになっていく。
ロキの身体は魔力が薄れると萎えてしまう。

(ただでさえ魔力差のせいで感じ難いんだ。俺が敏感だからマシだが…あんたが快感に集中する程、俺は魔力に集中する羽目になる。…そして最終的に勝手に果てて、俺は果てられずに終える。誘って来るのならば、いい加減学んでくれ)

イライラはするが、それでもこの男が今周囲にいる人々の中で1番マシに循環が出来る。
ロキが魔力を少しでも多めに流すと、大体の奴が動く前に勝手に果てるからだ。精神力の強さでこの男はマシだった。

少し熱っぽい呼吸でロキは溜息を吐き、諦めて自ら勃起した熱を握り込んで扱く。
薄れつつある魔力を何とか追いかけ、集中し、快感を掻き集め、男が果てる頃合いに同じく果てた。

(…これでは自慰と変わらない。まあ、もう慣れたが)

「ふーー…、ロキ先生は名器ですね。おかげさまで魔力も2倍は底上げされた気がします」

「…お役に立てて何よりだ。明日の準備があるので、いいだろうか」

魔力循環で2倍はありえない。相手も分かってて言ってるのも分かる。適当に合わせながら、ロキはローブを下ろして身体を隠し、洗浄魔法で身を清めた。

「偶にはロキ先生からお誘い下されば嬉しいんですけどねぇ。出会った頃のように」

「……明日の準備がある。そろそろ、よろしいか」

手を取ろうとする男を避け、冷たい目線を送る。どうにもこの男はピロートーク的なものを望んでくる。今は枕などないが。
甘い所を見せたら、恋人にでもなったつもりになりそうな危うさがあった。
出会った時の誘いも「魔力の相性が良い」と仄かに匂わせてみただけだ。もちろん、その時は願ったり叶ったりだったが。

(…こうも空気が読めないとは)

大人の関係を、距離感を、と何度も伝えたが次の日には覚えていないようだ。
引き時だとは思うが魔力を循環させたい時、相手をまた探し出すのは面倒だから手離すのも面倒で。
ロキ自身も中途半端な対応しか出来ないでいた。

「お忙しそうで残念です。ではまた、今度は先生の部屋にでも…」

「私は自室に誰も呼ぶ気はありません。ではまた」

痺れを切らしたロキは、立て掛けられていた男の剣を押し付け、指を鳴らす。
暗い部屋の中に青白い魔法陣が現れた。男が持っている転移装置ポータルの魔具が反応し、魔法陣が消えると共に男も消えた。強制転移で男の教員室へと送り付けたわけだ。

「はあ…」

折角の循環も気分が良くない。
前はこれでも良かった筈なのだが。

『先生も、俺と同じだろ』

顔よりも声の方が明瞭に思い出せる。
魔力と声は似ている気がする。

思い出しただけで腰が疼いた。

(…重症だな)

「先生」

(はー…ほら、またあいつの声を思い出してる)

自分の中にコントロール出来ない感情があるとは思わなかった。
左右にゆるゆると頭を振り、脳内から追い出そうとする。

「せーんせ」

耳元で、息が掛かるほど近くから声がした。
背後に立たれ、振り返ろうとしたが、背中を胸で押さえられた。

「お、お前…いつから」

本物だ。
本物の、ジン・ウォーリアが背後に立っている。

「いつって…2人が入って来た時から居たけど。いきなりおっ始まったから、どうすりゃ良いか分かんなくて、とりあえず息殺してた」

「なっ…お前、また勝手に部屋に…」

黙って見ていたのか、始まりから終わりまで。
恥ずかしがれば良いのか、呆れれば良いのか、気配の消し方の上手さを褒めてやればいいのか、分からない。
ロキも静かに混乱していた。

「いや先生に呼ばれてたから来たんだけど。え、まさか忘れた?朝、放課後になったら来いって言ったじゃん」

「………」

そうだった、本当にすっかり忘れていた。

「まあ、そんな事はもう良いんだけど。先生、全然気持ちよくなさそうだったな」

「……快感は二の次だ。魔力が循環する事が重要だからな」

「ふうん?魔力循環も大して出来てた気しないけど」

「……何が言いたいんだお前は」

肘でジンの腹を押して払おうとする。
いつもならば抵抗の意思を見せれば離れてくれたし、距離をきちんと保ってくれた。
だが今回は

「俺ならもっと上手に出来るよって言いたい」

ぐっと身体を押し付けられ、強く抱き締められた。
甘い香りが漂い出す。

「お前、フェロモンを…っ!!」

慌てて腕を振り払い、ジンを突き飛ばそうと振り向き様に両手を伸ばした。
その手首を掴まれ、唇を奪われる。少しだけ低いジンの視線。

「…ん…っ、お、おい、やめ」

後ろへと後退するが執務机へとぶつかり、それ以上下がれない。ジンは身体を密着させてきて、机との間に挟まれてしまう。
顔を振って避けるが、追い掛け角度を変えて何度も吸い付いてくる。眼鏡など物ともしない、慣れた口付け。
ちゅっと音がする度、ジインと下半身が疼いてしまう。

「…ジン・ウォーリア、やめろ」

唇が浮いた隙に強めに告げる。
瞼を伏せていたジンがその赤褐色の目を見せて来た。透明度が少し上がって見える、赤い瞳に射抜かれるようだった。

「こ、興奮してるのかお前」

「するだろ、ずっと欲しかった先生のセックスシーン見たら。興奮しない方が不健全だよ」

「…っ、落ち着け、俺達が関係を持つわけにはいかないんだよ。俺に教師を辞めさせる気か」

「まさか。先生にはまだ俺の先生して貰わなきゃ」

ごそりと、ローブの裾をたくし上げられる。
慌てて手を掴むが、キスされて意識を散らかされる。
舌で唇を舐められ、咄嗟に胸へと両手をついた。
意識すると分かる、予想以上に厚い胸板。しかもビクともしない。
自分よりも少し小さい男が、魔術では負けっ放しの生徒が、物理的な力では容易く自分に勝つ。
胸に込み上げたのは屈辱よりも期待感だ。
慌てて顔を逸らし、不謹慎な想いと一緒にジンの唇からも逃げた。

「……ぁ、…ッ!」

しかしローブの中で既に勃っていたペニスを握られて、口から濡れた吐息が漏れた。

「は、なんだ…先生も勃ってんじゃん」

「……っ、やめろ…触るなッ…!」

自分の唇を舐め上げるジンは、熱に浮かされたような目を細める。仕草や表情1つにゾクゾクしてしまう。

(甘い、匂いが…)

扱き出した手に抵抗しようと身を捻るが、強く身体を抱き締められているから、力が入らず身動きがし難い。
先程、発散しきれなかった熱がジンの手で再熱する。
すぐにくちゅくちゅと音がし始め、先走りが漏れた事を知る。

「は、もう濡れてる。すげぇ可愛い先生。あー…れたい」

「…ぁ、ん…ッ…馬鹿、やめろ…ッ…は、ぁ」

先端を親指でぐりぐりと弄られ、腰がビクつく。
押し返す為にジンの胸に置いていた両手は情けなく、シャツを握り締めるだけになっている。

(ああ…ッ、ダメだ、イキそうだ…イッたらこいつは調子に乗る…ダメだ、イクな、イクな、イ、ク……ッ♡)

「んッ…」

ジンの手の中へ射精した。あまりにも容易くイッてしまい、血の気が引く。
ジンの顔が見れない。

「かわい…」

ぼそりと呟かれる、口癖のような褒め言葉。
聞き慣れてるはずの単語に、カアと顔に熱が集まる。
自分の容易さを指摘された気がした。

「も、離せ、これ以上は本当に…、ッ!?」

尻から執務机へと抱き上げられた、足元に脱ぎ落としていた下衣を踏みつけ、無理矢理に剥ぎ取られて。
丸出しの下半身が、ジンの目の前に晒される。
出したばかりのペニスは、半分以上擡げ上がっていた。

「ーーッ!駄目だと言ってるだろ!」

「聞こえない」

「ジン!頼むから!」

ジンは制服の下衣から手早く自分の熱を取り出した。
ガチガチなのが見て取れる、赤黒い肉杭に、腹の奥が濡れるような痺れを感じた。
まだ10代の、自分よりも少しだけ小さな男のモノとは思えない。
ヒクヒクと空気を食む、広がったままの孔へと押し付けられる。物欲しげに窄まり、先端をちゅうちゅうと吸ってしまう。
惚けたように見つめていた。
自分が生娘にでもなったかに、心臓がうるさかった。

「は…あッッ♡」

ずんっ…!と腹の奥まで一気に押し込まれた。
顎先が跳ね上がり、しゃらりとグラスコードが鳴った。
そこで漸く、我に返る。
ゼルよりも大きな肉杭が、少し緩んでいた中をぱんぱんに満たし、押し広げて来る。

「あっ…駄目だ…ッ、抜け…!ジン…んんッ!」

「あー…先生の中、気持ち良い…、とろっとろなのに、ぎゅうぎゅう締め付けてくる…やべえ…なにこの、熟れてる感じ…」

ジンの腹を両手で押し返そうとするが、意にも介さずに腰を振る。
長い肉竿が窄まりを行き来する、内部を引き摺られて、擦り上げられ、奥をノックしてくる。
快感の度合いが先程の比ではなかった。

「ジン!やめろ…ッ…お前、教師にこんな…ッ、はッ…あ、んッッ…っ♡」

「生徒に犯されてヨがってる先生のがやばくねえ?」

「くッ…よ、よがってなど…ッ、あッ、…あッ!!くう…っっ♡」

膝裏を持ち上げられ、足を大きく開かされ、突かれる度に爪先に力が入った。
ジンの熱は荒っぽく、経験があるとは言え、あまり届くことのない奥を執拗に叩かれて、腰が抜けそうだ。

「あッ、だめだ、生徒と…ッ…こんな…ッ、あッ、あッ、イッ…く、ッ♡」

「はあー…かわい、先生。我慢しなくて良いよ。先生は悪くねぇから、悪い生徒に犯されて、イカされてるだけだからさ」

「あッ、お、犯さ…ッ…生徒に…だ、駄目だッ…やめ、っあッ…あ、あッッ♡…やめ、んんっ…!ぁ、ああッーーーッッッ♡」

がくがくと体が揺れる度、制御のきかないペニスから止めどなく先走りが散る。
ぎゅうううとジンのペニスを搾り上げながら、身体の深い所で絶頂して、霰もなく弓形に背をしならせ、止まらない射精に腰を震わす。

「これやば……ッく」

「……ぁ、…ぁっ…♡」

ジンの噛み殺すような声にさえ感じ、腹奥に熱が注がれる感覚に、追いかけるようにまた数度と身体が勝手にイッてしまう。

今までの性行でここまでの快感を感じたことはない。

何かがおかしいと思う。
いや、本当は気付いている。

「はーー…ッマジかよ、持ってかれんの久しぶり…」

笑う生徒を見上げる。
唇が近付いてくる。
応えるつもりはないのに、勝手に口が吸い返してしまう。
唇を鳴らし合って、ジンが恍惚にも似た目を細めた。

「……ほら、先生と俺の魔力、めちゃくちゃ相性いいじゃん」

「ん…、お、前…、やっぱり…魔力を、流し込んだ、な…」

「先生が欲しそうだったから」

「魔力循環を、強制的に行うのは、犯罪だぞ…」

「…強制? 違うだろ」

内部で再び怒張する彼の熱。
心臓が強く動き出す。

「先生、俺の事誘っておいてひどくない?」

「…ッ! いつ…」

「フェロモン垂れ流しながら、俺の手や頬を撫で回してたの誰?」

気付かれていた。
だが、寝ている隙に少しだけ触っただけだ。
確かに欲しがってはいたが。

「ちが…っ、…ぁ、あっ!」

彼の腰が、たんたんと小刻みに動く。
奥を優しく叩き、媚肉を擦る太い肉棒に、力をいれていやらしく締め上げてしまう自分がいる。

「…ッ…ふ、ッ…ん…ッあ…ッ♡」

「素直になれねえ先生のために、俺なりに頑張ってんだよ。分かる?」

「んあッ…あッ…♡」

優しいピストン、甘やかな突き上げ。

「あッあッ…わ、わかった…俺が悪かった…ッあ♡」

前立腺を的確に突き上げて、また奥へと入り込んでくる。
随分といやらしい腰使いをしてくる。
今は魔力をとめてくれているようで、頭の中がぼうとすることは無い。しかし気を抜くと、またあっさりと快楽に堕ちてしまいそうだ。
ただただ、彼との性行為による快楽に。

教師として、あってはならない

「も、もう、みだりに…触れたりしない…ッ…お、お前の魔力が、魅力的だったのも、認める…ッから…あッ…も、もうやめ、…ッあ、あッ♡」

「ふうん…」

「あ、ん…!お、俺たちは教師と生徒で…んッ…こんな事、許されないッ…から、ッあ♡ それッ…ダメ、駄目だ…ジンッ…!」

腰を強く押し付けられ、深まる結合。
奥の奥をノックするようなピストンで攻め立てられる。

「ふ、深いところを、そんなッ、そんな叩かれるとッ…ッッ♡イッ、イクッ…またイクッ…中で、イッ……ッ♡」

「魔力無しでメスイキしかけてるエロ教師のくせに」

「うッ…あッ…い、言わないでくれ…ッああッ♡ち、違う、違うんだッ、こ、こんなこと、俺も初めて、でッ…お、奥ッ、クるッ…くる…ッッ♡」

「先生、今更、ぶっても遅いよ」

「はッ…!だ、ダメッ、だめだッ♡これでイッたら俺は…ッ、おれ、はッ……ッ♡」

「先生が俺のちんぽ気持ち良いって認めるまで、絶対許さない」

「あ、ッ、あッ!あーーーーッッ♡♡♡」

飛ぶほどの射精と共に2度目の絶頂を迎えてしまった。
指先までジンジンするほどに強い快感。
魔力循環なしでイカされて、情けなさと恥ずかしさで死にたくなる。
そんな思考は止まらないピストンに弾き飛ばされた。

「はッ…はッ…あッ…ま、待て、な、なんでうご…ッ動く、なッ!イッ、イッた!イッたばか、りだ、から…ッあ、あッ♡」

「気持ちいいよね?先生。ほら、すげえぐちょぐちょ言ってるよ。聞こえてるだろ」

「あッ…やめッ!きこえ、聞こえてるッ…♡」

「やらしい先生、こんなにケツ濡らして」

「ああッ!違う、俺のせいじゃッ…あッあッ!またイク!ジン…やめッ…イクッ…イク、ッッッ♡♡」

「やらしい事も認めねえの?こんなすぐイクのに?」

「ああッ!待っ、…イッ、てるッ!イッてるから…ッ!止ま…ッて、く、やッ、あッあッ♡」

止まる事のないピストンに、最早力が入らない。
それでもなんとか止めようと、もう一度両手で彼の腹を押し返すが、意味はないだろう。
と思っていたのに、彼はぴたりと腰の動きを止めた。

「っ…!? …はー…はあ……」

だけど繰り返された絶頂の余韻で、中は勝手に彼のペニスへと吸い付いては、続きをねだってしまう。

「分かった、やめる」

「…ッ!!」

ずるりと抜けていくペニス。
引き止めたがる媚肉が引き摺られ、快楽で足先まで痺れた。

「う…ッ、…あッ…」

(どうするどうするどうする)

何をどうしたいのか、頭の中が喪失感と焦りでいっぱいになる。やめてほしかったのだから、これで良かったはずなのに。
離れていく彼に寂しさが募る。

「ーー待…ッ」

「なんつって♡」

「お゛ンッッッ!!!ッッ♡♡」

あと少しで抜け落ちるーーというところで、一気に奥まで突き上げられ、緩みかけていた最奥の媚肉がえぐられた。
普段ならば痛いとか、えづく不快感とかあったろうに、今はただ、激しく駆け上った刺激に絶頂した。

(イッ…イッた…こんな、ひどいピストンで…)

脳みそまで突き上げられたような快感。
震える手を伸ばして、彼の首を抱き寄せて、彼の唇を舐め上げる。

「はッ…はッ…ジン…ッ、みと、認めるッ、認める、から、ゆる、許してくれ…ッ」

「…何を認めてくれんの?」

言ってる事と、やってる事が伴っていないと分かってるのに止められない。
ちゅ、と唇をはみ返されて、ぶるりと体が震えた。

「んッ…き、気持ちいい、お前と、するの…お前の…、ッ、良すぎて、ば、ばかになる…から…も…ッ」

じわ、と触れ合う下肢が熱くなる。

「ッ!!ジン、だめだ、魔力は、ッ…!はあ…ッ♡ああ…ッ♡」

「今動いてないよ、魔力流し込まれてるだけで感じてんの?」

「あッッ♡…ッ…お、俺は元々…魔力に敏感だと…言ッ…お、お前とは、相性が良すぎて…余計、にッ…あー…だ、だめだ…♡」

「…はー…ちょっとまだ許してあげらんない」

「なッ、お前ッ……あッ♡なん、ッ♡う、動く、な、あッあッ♡」

再び動き出したジンの腰。ゆっくりとした動きなのに、突かれる度に先走りが情けなく噴き出す。

「だって、ばかになった先生見たいもん」

「あ……ッ、やッ……ああッ…!ジンッ…!ほんとに、もッ…♡」

「先生、眼鏡外そっか。えっちで良いけどキスの邪魔だし」

ジンの手が眼鏡を取った。
それだけの事で、理性が飛んだ気がした。

.
.
.

どの位経ったのか。

気付けば、裸に剥かれて後ろから奥を突かれている。両肘を掴まれて、逃げようもなく、乱れた長い髪が汗で張り付く。時々、ジンが髪の隙間から肌へ吸い付いてくる。

「はあッ…!あッあッ♡ジンッ♡」

「はー…裸の先生やば…職場だよ、分かってる?」

「は、ッ…イッ、イイッ♡もっと…ッ、あッ♡ああンッ♡」

「マジでばかになっちゃったね、せんせ♡」

「はッはッ♡ば、ばかに、な…♡…ッ…イクッ、イキたいッ、ジン…ッ♡」

腰をみっともなく揺すってねだり付ける。
目の前には明日の授業の資料があるのに、既に精液と汗と唾液で、ぐちゃぐちゃになってる。
魔力が止め度なく循環し合っていて、永久機関のように快感を押し付け合っていた。

「はあ…かわい、また中出ししてあげるね」

「あッッ♡ん、くれ…中にッ♡ 俺の中に、…あ、ッ♡」

「く……ッ♡」

「あッあッ!きてるッ…なかに…ッ♡…は、ッ…生徒とこんな…ッ、…気持ちい、事、ダメなのに…ッ…あッ、んんッ…ッッ♡♡」

もう何度目か分からない中出しをされて、腹の中は苦しいほどなのに、それがまた堪らなく良くて、何度も果ててしまう。
ジンの手が緩んで、机に倒れ込むように突っ伏した。

「はー…はあ…ッ♡」

「はー…先生すげぇ…俺の精子全部搾り取ろうとしてる…」

「…ん、もっと……ッ♡」

力のないジンのペニスを内部が無理矢理にでも勃起させたがる。応えるように中で育つ熱に尻を揺らす。
膝は既にガクガクしていて、腰も抜けているのに、まだ欲しい。なのに引き抜かれてしまい、孔から腹に溜めていた精液が漏れ出てしまう。

「ん、ジン…もっと…」

喪失感にみっともなく縋り付こうと頭を上げると、ジンにひっくり返された。
再び机の上に寝かされて、覆い被さるジンにキスされる。

「んっ…んっ…はあっ♡ ジン…はやく…♡」

その頬に手を添え、何度も吸い付き返し、舌を差し出す。彼の舌と絡め合いながら、触れ合う箇所全てから魔力を流し込む。
ジンは応えるように魔力を返してくれる。勝手に果てて終えたりしない、彼の熱が身体の中へ入り込んでくる。
立場も責務も忘れて、ねだるように腰へ力ない脚を絡めた。

「はー…ドラゴを大食いって言ってたけど、先生もだいぶ食いしん坊だな。おいしい?俺の」

深い口付け、深い挿入。
近くで見詰め合う赤い目のギラついた光に胸が熱くなる。その赤い目を離したくなくて、彼の首へ腕を回した。

「あ…ッ…ん、うま、い…足りない…もっと…くれ…♡」

「嬉しい。食って、俺の事、いっぱい。これからもさ。先生のエサにしてよ」

「んッ…♡」

唇を優しく、じれったく吸われて、蕩けそうになる。

「食ってくれる?」

「…ん、はあ…食う、食いたい、お前を……あッ♡あ♡」

ジンは若いからか、元々絶倫なのか、勢いが全然緩まない。
再び始まったピストンに、理性も思考も倫理さえ、突き上げられる度に零れ落ちていく。

極上のエサの味を知ったら前の味に戻れるのだろうか。

今まで満たされなかった分を貪るように求めて、初めて性行為直後に眠りに落ちた。床でブランケットに包まれ、ジンに抱えられるように寝ていた。

お前の方が少し小さいと言うのに。
身体は洗浄魔術で清められたのか。互いに綺麗だった。
何から何まで慣れている。

後悔や自責の念よりも早く、抱えられて寝ていたことへの不満が募った。

(餓鬼の癖に)

まだ眠かったせいだろう。
寝惚けながらに、大人としてのプライドを取り返そうと、ジンの首の下に腕を通し、胸に抱き寄せた。赤子にするように背を優しく叩き、寝顔を見下ろす。

あどけなく見える寝顔へ、こっそりキスをした。
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