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第五章 思いもよらない

第九話 彼女らの直感

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 女性の世界には井戸端会議というものがある。
 今まではそれをバカにしていた自分がいたけれど、そこには女性特有のアンテナがあったんだという事に最近は少しづつ気が付き始めている。

 私の数少ない知識の中の名言で、フランスの数学者ポアンカレが言っていた
「証明は論理によってなされるが、発見は直観によってなされる。」という言葉。

つまり「結果が数学的に正しい事は直観でわかるけど、
それを言語学的に正しいと証明するには説明するのが難し過ぎて、何時間もかけて理論をつみあげていく必要がある」という事だと自分勝手に解釈している言葉だ。

 
 難しい話を持ち出したが何を言いたかったかというと、女性が直観で話す話題の中には本人が意図していない本質が隠されているという事。
 数学的に正しい答えを女性は感知出来るのだけど、理論だてて説明しないので男性はそれをにわかに受け入れられない。

 女性は言語的な説明をすっ飛ばして直感的思考で答えを導き出すので、男はそれを憶測だと思い込んで信じられないのではないか。
 その事に不本意ながら気づいてしまったのである。

 そして私は、数々の自らの体験を通して受け入れていく。
 訳も分からずとも半信半疑であった彼女らのそれを試すことで、彼女らの直感は正しかったと思い知らされることとなる。

 だがもう一度だけ言っておくと、私達男性はいくら考えてもその根拠はわからないままなのだ。
 「ただその通りやってみると、そうなる」それだけなのだ。

 男性にとっては考えれば考えるほどミステリーなのである。






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