421 / 520
Part 3
В.в 豊穣祭 - 05
しおりを挟む
騎士達に護衛されながら、他の観光客にならい、全員が公園を後にして大通りの方に進む。
観光情報館に向けて進んでいく中でも、通りにはすでにたくさんの出店や露店がズラリと並んでいる。
領民達は、豊穣祭の開会式が終わると同時に、猛ダッシュ並みで公園を後にし、自分達のお店へと駆けつけていったのだ。
食事処の露店では、昨夜から仕込んでおいたたくさんの料理が準備されていて、早速、すでに料理が始まっている。
大通りを歩いていくだけでも、食欲をそそる匂いが立ち上がり、それぞれの鼻に届く。
「……こんなに、たくさんですか、セシルじょう?」
「ええ、そうです。ここは、宿場町の大通りになりまして、この通りに、ズラリと露店が並びますのよ。食事だけではなく、日常品やお役立ちグッズ、飾り物や家具、お花や植物もあり、イベントとしてゲームなども用意してありますの」
セシルの説明はとても丁寧なものだったが、はっきり言って、説明の中にでてきた単語が意味不明で、オスミンの丸い瞳が更に丸くなっている。
「今日は、全部のお店をたくさん回りますのよ」
「……ほんとう、ですかっ?」
「ええ、そうです。ですから、オスミン様も、なにか面白いものや、興味の引かれるものがあったら、教えてくださいね」
「ぼくも、かっても、いいのですか?」
「もちろんです」
その一言で、うわあぁ……と感激してしまったオスミンの顔が最高潮に緩んでいる。
「レイフ様も、リドウィナ様も、どうぞ、色々なものを試してみてくださいね」
「ええ、もちろんです」
「……あっ、あの、えーと……ありがとうございます」
もちろん、レイフなど最初からやる気満々、見る気満々なので、セシルがわざわざ勧めなくても、レイフの興味は誰にも止められない。
長年、その兄の行動を経験しているギルバートは、無言でその話を持ち出さないが、今日は、兄のレイフがセシルに迷惑をかけるまえに、自分がしっかりと兄を押さえておかないといけないだろうな、と心に刻む。
レイフを止められる者は誰もいないのだが、コトレア領にやって来てまで、セシルに迷惑をかけたくはない……。
対するリドウィナと言えば、すでに、ものすごい数の露店に圧倒されて、その通りを歩いている観光客に圧倒されて、珍しく、慎ましやかな令嬢の行動も忘れ、キョロキョロと通り過ぎていく光景を凝視している。
その瞳が真ん丸である。
観光情報館の手前にはテントが張られ、豊穣祭用の観光登録手続きが済ませるように、スタッフが全員外に出ている状態だ。
昨夜にコトレア領に到着した観光客は、係員達から勧められて、大抵は観光の登録手続きを済ませていることが多い。
それでも、観光情報館の前には、すでにかなりの数の行列ができ始めていた。
「やはり、観光情報館が込み始めていましたね。全員でこの行列に並んでいては、護衛にも差し支えてしまうでしょう?」
「ええ、まあ……」
深くは言わないが、行列や団体に囲まれてしまうのは、ギルバート達としても避けたいのだ。
護衛達で周囲を囲ったとしても、団体に押されたりすれば、行列が乱れ、その間に隙ができてしまう。
「ユーリカ、ここは、皆様の登録を先に済ませてしまいましょう。行列を離れ、テントの横端で済ませてしまえば、団体に囲まれなくて済むと思いますの」
「わかりました」
セシルやユーリカ達も、ある程度の混雑を予想していたので、普段は貴族だけの優先順位を優遇しない領地ではあるが、今日は特別である。
スタッフの一人を連れて戻ってきたユーリカと共にテントの横に移動し、今回のゲスト達は豊穣祭の説明を聞き、注意事項も説明され、観光登録を一応済ませることができたのだった。
「では、露店回りを始めましょう」
「はいっ!」
* * *
大通りに並ぶ露店はたくさんあり、目移りするものばかりだ。
その上、区画、区画毎に、なにかのイベントが始まっていて、ゲストを含めたセシル達一行は、イベントを覗いては、次の露店を覗き込み、それから次へと、混雑した通りでそれぞれの体を寄せ合いながら、露店回りを満喫している。
レイフなど、(ギルバートの予想通り) “豊穣祭のしおり”に記載されている内容をすでに読み終わり、簡単に記憶しているだけに、イベント回りに余念がない。
次から次へと、
「さあ、次のイベントを見に行こう」
などと、立ち寄っている露店からさっさと離れて、イベント側に向かってしまうのである。
本来なら、通りに沿って片方の露店側を見て回り、通りの最後でUターンをして、反対側の通りの露店を見て回る方法が効率的だ。
でも、レイフの要望で、あっちに行ったり、こっちに行ったりと、ジグザグ並みの移動をさせられて、そのレイフに付き添っている全員は大変な目に遭っている……。
幸い、豊穣祭に興奮して喜んでいるオスミンは、歩き疲れた様子を見せず、しっかりと、張り切り過ぎているレイフについて回っている。
この様子だと、オスミンは、もう、これは……絶対に、夜までもたず、バタンキューだろうな……と、セシルとギルバートの独白は口に出されなかった。
だが、二人の視線が交わされ、互いの考えていることを口に出さなくても、しっかりとお互いのことを理解している二人だった。
歩き回っている一行でも、もうそろそろ、正午にかかる時間になり、そこでレイフはセシルに止められていた。
「今日一番の見世物がありますので、今から、パパっと移動しましょう。いい場所を取らなければ、少々、見るのも難しくなってしまうでしょうから」
などと、意味深なことを口に出すものだから、レイフとオスミンの興味が更に膨れ上がってしまう。
今朝、観光登録の為に連れてこられた観光情報館に戻って来て、まだも同じ場所にいる自分自身に、オスミンは不思議そうである。
豊穣祭にやってくる観光客全員が、領地の「時計塔」 を楽しみにしているだけに、セシル達だけではなく、早くからいい場所を陣取っている観光客で、その場は溢れかえっていた。
観光情報館のテントは、館の真ん前に設置はしていない。「時計塔」の邪魔になってしまうからだ。
正確に言えば、館の向かい隣にテントが設置されている状態だ。
今は、観光登録を済ます観光客がほとんどいないせいか、その場はスタッフだけで、かなり空き場がある。
セシルの姿を目にすると、スタッフが二人駆け寄って来て、セシルと何かを話している。
さすがに、王子殿下が豊穣祭に参加しているので、セシルはスタッフに言いつけて、初めからゲストの分の場所は確保させておいたのだ。
~・~・~・~・~・~・~・~・
読んでいただき、ありがとうございます。
Hvala što ste pročitali ovaj roman.
~・~・~・~・~・~・~・~・
観光情報館に向けて進んでいく中でも、通りにはすでにたくさんの出店や露店がズラリと並んでいる。
領民達は、豊穣祭の開会式が終わると同時に、猛ダッシュ並みで公園を後にし、自分達のお店へと駆けつけていったのだ。
食事処の露店では、昨夜から仕込んでおいたたくさんの料理が準備されていて、早速、すでに料理が始まっている。
大通りを歩いていくだけでも、食欲をそそる匂いが立ち上がり、それぞれの鼻に届く。
「……こんなに、たくさんですか、セシルじょう?」
「ええ、そうです。ここは、宿場町の大通りになりまして、この通りに、ズラリと露店が並びますのよ。食事だけではなく、日常品やお役立ちグッズ、飾り物や家具、お花や植物もあり、イベントとしてゲームなども用意してありますの」
セシルの説明はとても丁寧なものだったが、はっきり言って、説明の中にでてきた単語が意味不明で、オスミンの丸い瞳が更に丸くなっている。
「今日は、全部のお店をたくさん回りますのよ」
「……ほんとう、ですかっ?」
「ええ、そうです。ですから、オスミン様も、なにか面白いものや、興味の引かれるものがあったら、教えてくださいね」
「ぼくも、かっても、いいのですか?」
「もちろんです」
その一言で、うわあぁ……と感激してしまったオスミンの顔が最高潮に緩んでいる。
「レイフ様も、リドウィナ様も、どうぞ、色々なものを試してみてくださいね」
「ええ、もちろんです」
「……あっ、あの、えーと……ありがとうございます」
もちろん、レイフなど最初からやる気満々、見る気満々なので、セシルがわざわざ勧めなくても、レイフの興味は誰にも止められない。
長年、その兄の行動を経験しているギルバートは、無言でその話を持ち出さないが、今日は、兄のレイフがセシルに迷惑をかけるまえに、自分がしっかりと兄を押さえておかないといけないだろうな、と心に刻む。
レイフを止められる者は誰もいないのだが、コトレア領にやって来てまで、セシルに迷惑をかけたくはない……。
対するリドウィナと言えば、すでに、ものすごい数の露店に圧倒されて、その通りを歩いている観光客に圧倒されて、珍しく、慎ましやかな令嬢の行動も忘れ、キョロキョロと通り過ぎていく光景を凝視している。
その瞳が真ん丸である。
観光情報館の手前にはテントが張られ、豊穣祭用の観光登録手続きが済ませるように、スタッフが全員外に出ている状態だ。
昨夜にコトレア領に到着した観光客は、係員達から勧められて、大抵は観光の登録手続きを済ませていることが多い。
それでも、観光情報館の前には、すでにかなりの数の行列ができ始めていた。
「やはり、観光情報館が込み始めていましたね。全員でこの行列に並んでいては、護衛にも差し支えてしまうでしょう?」
「ええ、まあ……」
深くは言わないが、行列や団体に囲まれてしまうのは、ギルバート達としても避けたいのだ。
護衛達で周囲を囲ったとしても、団体に押されたりすれば、行列が乱れ、その間に隙ができてしまう。
「ユーリカ、ここは、皆様の登録を先に済ませてしまいましょう。行列を離れ、テントの横端で済ませてしまえば、団体に囲まれなくて済むと思いますの」
「わかりました」
セシルやユーリカ達も、ある程度の混雑を予想していたので、普段は貴族だけの優先順位を優遇しない領地ではあるが、今日は特別である。
スタッフの一人を連れて戻ってきたユーリカと共にテントの横に移動し、今回のゲスト達は豊穣祭の説明を聞き、注意事項も説明され、観光登録を一応済ませることができたのだった。
「では、露店回りを始めましょう」
「はいっ!」
* * *
大通りに並ぶ露店はたくさんあり、目移りするものばかりだ。
その上、区画、区画毎に、なにかのイベントが始まっていて、ゲストを含めたセシル達一行は、イベントを覗いては、次の露店を覗き込み、それから次へと、混雑した通りでそれぞれの体を寄せ合いながら、露店回りを満喫している。
レイフなど、(ギルバートの予想通り) “豊穣祭のしおり”に記載されている内容をすでに読み終わり、簡単に記憶しているだけに、イベント回りに余念がない。
次から次へと、
「さあ、次のイベントを見に行こう」
などと、立ち寄っている露店からさっさと離れて、イベント側に向かってしまうのである。
本来なら、通りに沿って片方の露店側を見て回り、通りの最後でUターンをして、反対側の通りの露店を見て回る方法が効率的だ。
でも、レイフの要望で、あっちに行ったり、こっちに行ったりと、ジグザグ並みの移動をさせられて、そのレイフに付き添っている全員は大変な目に遭っている……。
幸い、豊穣祭に興奮して喜んでいるオスミンは、歩き疲れた様子を見せず、しっかりと、張り切り過ぎているレイフについて回っている。
この様子だと、オスミンは、もう、これは……絶対に、夜までもたず、バタンキューだろうな……と、セシルとギルバートの独白は口に出されなかった。
だが、二人の視線が交わされ、互いの考えていることを口に出さなくても、しっかりとお互いのことを理解している二人だった。
歩き回っている一行でも、もうそろそろ、正午にかかる時間になり、そこでレイフはセシルに止められていた。
「今日一番の見世物がありますので、今から、パパっと移動しましょう。いい場所を取らなければ、少々、見るのも難しくなってしまうでしょうから」
などと、意味深なことを口に出すものだから、レイフとオスミンの興味が更に膨れ上がってしまう。
今朝、観光登録の為に連れてこられた観光情報館に戻って来て、まだも同じ場所にいる自分自身に、オスミンは不思議そうである。
豊穣祭にやってくる観光客全員が、領地の「時計塔」 を楽しみにしているだけに、セシル達だけではなく、早くからいい場所を陣取っている観光客で、その場は溢れかえっていた。
観光情報館のテントは、館の真ん前に設置はしていない。「時計塔」の邪魔になってしまうからだ。
正確に言えば、館の向かい隣にテントが設置されている状態だ。
今は、観光登録を済ます観光客がほとんどいないせいか、その場はスタッフだけで、かなり空き場がある。
セシルの姿を目にすると、スタッフが二人駆け寄って来て、セシルと何かを話している。
さすがに、王子殿下が豊穣祭に参加しているので、セシルはスタッフに言いつけて、初めからゲストの分の場所は確保させておいたのだ。
~・~・~・~・~・~・~・~・
読んでいただき、ありがとうございます。
Hvala što ste pročitali ovaj roman.
~・~・~・~・~・~・~・~・
0
お気に入りに追加
77
あなたにおすすめの小説
【R18】らぶえっち短編集
おうぎまちこ(あきたこまち)
恋愛
調べたら残り2作品ありました、本日投稿しますので、お待ちくださいませ(3/31)
R18執筆1年目の時に書いた短編完結作品23本のうち商業作品をのぞく約20作品を短編集としてまとめることにしました。
※R18に※
※毎日投稿21時~24時頃、1作品ずつ。
※R18短編3作品目「追放されし奴隷の聖女は、王位簒奪者に溺愛される」からの投稿になります。
※処女作「清廉なる巫女は、竜の欲望の贄となる」2作品目「堕ちていく竜の聖女は、年下皇太子に奪われる」は商業化したため、読みたい場合はムーンライトノベルズにどうぞよろしくお願いいたします。
※これまでに投稿してきた短編は非公開になりますので、どうぞご了承くださいませ。
もしも○○だったら~らぶえっちシリーズ
中村 心響
恋愛
もしもシリーズと題しまして、オリジナル作品の二次創作。ファンサービスで書いた"もしも、あのキャラとこのキャラがこうだったら~"など、本編では有り得ない夢の妄想短編ストーリーの総集編となっております。
※ 作品
「男装バレてイケメンに~」
「灼熱の砂丘」
「イケメンはずんどうぽっちゃり…」
こちらの作品を先にお読みください。
各、作品のファン様へ。
こちらの作品は、ノリと悪ふざけで作者が書き散らした、らぶえっちだらけの物語りとなっております。
故に、本作品のイメージが崩れた!とか。
あのキャラにこんなことさせないで!とか。
その他諸々の苦情は一切受け付けておりません。(。ᵕᴗᵕ。)
皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。
箱入り悪役令息は兄達から激重執着されている事に気づいていません!
なつさ
BL
『悪役令息に転生したので死なないよう立ち回り始めたが何故か攻略対象達に執着されるように』の続編シリーズ
今回は前作エヴァの息子達が主人公に!
エヴァの息子として生まれたユキは、兄達に蝶よ花よと持て囃されたせいで正真正銘わがまま悪役令息に。
しかし、世間知らずなせいでド天然なユキは、ユキに恋情を抱くヤンデレ兄達から激重執着を抱かれてることに気づかず・・・
「僕は完璧だから皆から崇め称えられて当然なんだ!ん?どうしたの兄さん。えっどうしてそんなとこ触るの?んっ・・・僕が可愛いから?あっ…♡ん…そっかぁ・・・それなら仕方ないのかぁ・・・」
自称ヒロインに「あなたはモブよ!」と言われましたが、私はモブで構いません!!
ゆずこしょう
恋愛
ティアナ・ノヴァ(15)には1人の変わった友人がいる。
ニーナ・ルルー同じ年で小さい頃からわたしの後ろばかり追ってくる、少しめんどくさい赤毛の少女だ。
そしていつも去り際に一言。
「私はヒロインなの!あなたはモブよ!」
ティアナは思う。
別に物語じゃないのだし、モブでいいのではないだろうか…
そんな一言を言われるのにも飽きてきたので私は学院生活の3年間ニーナから隠れ切ることに決めた。
モブだった私、今日からヒロインです!
まぁ
恋愛
かもなく不可もない人生を歩んで二十八年。周りが次々と結婚していく中、彼氏いない歴が長い陽菜は焦って……はいなかった。
このまま人生静かに流れるならそれでもいいかな。
そう思っていた時、突然目の前に金髪碧眼のイケメン外国人アレンが…… アレンは陽菜を気に入り迫る。
だがイケメンなだけのアレンには金持ち、有名会社CEOなど、とんでもないセレブ様。まるで少女漫画のような付属品がいっぱいのアレン……
モブ人生街道まっしぐらな自分がどうして?
※モブ止まりの私がヒロインになる?の完全R指定付きの姉妹ものですが、単品で全然お召し上がりになれます。
※印はR部分になります。
茶番には付き合っていられません
わらびもち
恋愛
私の婚約者の隣には何故かいつも同じ女性がいる。
婚約者の交流茶会にも彼女を同席させ仲睦まじく過ごす。
これではまるで私の方が邪魔者だ。
苦言を呈しようものなら彼は目を吊り上げて罵倒する。
どうして婚約者同士の交流にわざわざ部外者を連れてくるのか。
彼が何をしたいのかさっぱり分からない。
もうこんな茶番に付き合っていられない。
そんなにその女性を傍に置きたいのなら好きにすればいいわ。
【本編完結】至高のオメガに転生したのに、最強ヤンデレアルファの番に攻められまくっています
松原硝子
BL
安村誠司、27歳。職業、実家暮らしの社畜サラリーマン。
これまでの人生も今までの人生も、モブとして地味に生きていく予定だったーー。
ところがある日、異世界に生きる”シュプリーム”と呼ばれる至高のオメガ・若柳飛鳥(わかやなぎあすか)に転生してしまう。
飛鳥にはすでに銀髪にアクアマリンの瞳を持つ最強の”アルティメット”アルファの番がいる。けれどその番はヒートの時以外、飛鳥の前には現れることがなく、名前も教えてくれないなど、秘密と謎が多い存在だ。
また自宅には血の繋がらない弟・金成(かんなり)が同居していた。
金成は「インフェリア」と呼ばれる劣等アルファで、口を聞くことができない。
転生前の飛鳥は「番がヒートの時期しか来てくれないのは、他のアルファ、つまり弟が同居しているせいだ」と思い込み、ネグレクトと虐待を繰り返していた。
最初は環境の変化に戸惑う誠司だったが、次第に弟と仲良くなっていく。しかし仲良くなればなるほど、ヒートの時期しか姿を見せないはずの番が夜な夜な部屋へ現れるようになる。
正体を明かさない最強アルファの番と口の聞けない劣等アルファの弟に囲まれて、平凡に生きたいはずの人生はどんどん思う方向とは違う道へ進んでしまう。
そして誠司は番に隠されたある秘密を知ってしまい……!?
ヤンデレ溺愛最強アルファから逃げられない美人オメガがハッピーエンドを目指して奮闘する物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる