341 / 528
Part2
Е.д これからは - 05
しおりを挟む
「他には?」
「なんでも、領地の騎士団の訓練施設を建設する為、その資金繰りがやっと決まり、これから、大々的な建設作業にとりかかるそうです」
「訓練施設? なぜ?」
「今までは、騎士団の設立と、騎士としての基本的な任務がこなせるように、との訓練を徹底していらっしゃったようです。今は、大分、人数も落ち着き、騎士団としての役割も決まって来たそうですから、次の段階へ、ステップアップなさるそうです」
「ステップアップ? それは?」
「なんでも、基礎体力、持久力を上げる新たな訓練方法を導入し、その訓練ができる施設の建設をなさるとか。かなり、大々的な施設の建設をお考えになっていらっしゃるようでして、数年は軽くかかってしまうかもしれない、とのこと」
「ほう。あんな小さな町なのに、そのような本格的な訓練施設の建設とは、面白い」
「小さな町ですが、ご令嬢は、これからも、領地の人口増加を考えていらっしゃるようです。たかが八年足らずで、人口が倍以上に増加したのですから、これからも、人口が増え続けていくであろうことは、疑いようもありません」
「そうだろうな。それで、本格的な騎士団の訓練施設」
ふむ、とレイフの口元が、ほんの微かにだけ上がっている。
この顔をする時は、決まって、レイフが何かの興味を引かれている時の顔だった。
それで、面白そうな予感が止められないのか、レイフの好奇心に火がついて、うずうずと、探り当てたくて仕方がない状態になる前兆である。
「それから、豊穣祭で、また、新たな料理やデザートが増えていました。そのどれも、とてもおいしいものでした」
あの領地では、毎回、ギルバートの知らない、聞いたこともないような料理やデザートが出てくる。そのどれもおいしくて、結構、病みつきになってしまうものが多い。
だから、今年の豊穣祭でも、去年、食べた料理などが食べられるのかなぁ、と期待していたギルバートとクリストフの前に、その期待以上の料理やデザートが出ていて、今年も楽しんだものだ。
「今年にできたばかりの“パン屋”という店にも、帰りがてら、立ち寄ってみました」
「パンを売る店なのだろう?」
王宮にいる王子サマにとって、食事にパンが出てくるのは、あまりに日課と化していて、疑問に思ったことさえもない。
だから、パンを専門として売るお店を建てるなど、考えもしたことがなかったのだ。普通は、ただ食卓に出てくる食事の一つではないのか、程度の関心だったのだ。
「そうです。食卓で食べるような大きなパンがたくさん売られていまして、それと同時に、軽食やランチなどに適したサンドイッチや、チーズの挟まれたパンなど、そういった一人分のパンなどもたくさんあって、その横に、一人用のデザートとなる焼き菓子や――ああ、そう言えば、「マフィン」 というものも食べました」
「マフィン? それは?」
「ケーキのようなものなのですが、手で持てるくらいの大きさで焼いた、少し硬めの焼き菓子? ――でしょうか。普段は、ナッツが入っていたものや、チーズマフィンといったものが主流なのですが、季節によって、出てくるものもあるそうです。例えば、ブルベリーマフィンなどは、夏のブルーベリーの収穫の後になど」
「ほう。チーズを入れて。それは、甘い菓子ではないのだな」
「それは、食事となる(Savoury)マフィンだそうです。チーズとか、ハムがあれば、そういったものを入れるそうです。もう少し硬めに焼くと、「スコーン」 というらしいです。お店の従業員の話では、たぶん、食事となるマフィンは、「スコーン」 として売り出していくことになるだろう、と言っていました。今は、まだ新しい商品が出たばかりで、お客が名前を憶えていないので、全部を「マフィン」 としているんだそうです」
「ほう。それはいい。たった数日でも、今回も、随分、色々なことを、学んできたではないか」
「あそこの領民は、観光客にとても親切ですので、質問をすると、全員が丁寧に教えてくれるのです。それに、今回も、豊穣祭の案内役をシリル殿がしてくれましたから」
「ああ、ご令嬢の弟君。かなり若いと言っていたではないか」
「ええ。聞くところによると、5歳、年が離れているそうです」
「なるほど。本当に、興味深いものだなあ」
「領地では、豊穣祭を終えたばかりなのですが、もう、領民達は、来年の豊穣祭に向けて、張り切っているようです」
「今から? まだ、一年もあるではないか」
「そうですね。ですが、来年は、ご令嬢が領地にお越しになられてから、十年になるそうです。ですから、十周年を祝って、盛大な豊穣祭が予定されているとのこと。それで、領民全員が、今から張り切っているのでしょう」
「ほう、益々、興味深いなあ。では、ギルバート、お前はさっさと婚約したまえ」
「――――えっ? なんですか、突然?」
この突拍子もない話の転換。
一体、どこからその話題がでてきたのか?
「今年は、何度か会う機会があり、かの令嬢とも赤の他人ではなく、ある程度、知り合いにはなれた。だが、未だに、ただの知り合いだ」
分かっています……。
そんなことをはっきりと指摘しなくても――
「だから、大義名分がなければ会うこともできないし、そうなると、来年の豊穣祭も、招待されることはないだろう」
そんなことは、言われなくても、ギルバートだって自覚しています……。
「だから、さっさと婚約してしまえば、来年は、婚約者として、豊穣祭に招待されることだろう」
ギルバートは、なにも、豊穣祭に参加したいが為に、セシルを望んでいるのではありません……。
「時間は限られている。有効に使わなければ、ダメではないか」
それも――ギルバートが一番良く分かっていることです……。
「さっさと婚約してしまいたまえ、ギルバート」
それができたら、ギルバートだって、こんなにも苦労はしていないのです……。
全く助言にもなっていない兄の助言で、更に落ち込みを激しくするギルバートだった。
「なんでも、領地の騎士団の訓練施設を建設する為、その資金繰りがやっと決まり、これから、大々的な建設作業にとりかかるそうです」
「訓練施設? なぜ?」
「今までは、騎士団の設立と、騎士としての基本的な任務がこなせるように、との訓練を徹底していらっしゃったようです。今は、大分、人数も落ち着き、騎士団としての役割も決まって来たそうですから、次の段階へ、ステップアップなさるそうです」
「ステップアップ? それは?」
「なんでも、基礎体力、持久力を上げる新たな訓練方法を導入し、その訓練ができる施設の建設をなさるとか。かなり、大々的な施設の建設をお考えになっていらっしゃるようでして、数年は軽くかかってしまうかもしれない、とのこと」
「ほう。あんな小さな町なのに、そのような本格的な訓練施設の建設とは、面白い」
「小さな町ですが、ご令嬢は、これからも、領地の人口増加を考えていらっしゃるようです。たかが八年足らずで、人口が倍以上に増加したのですから、これからも、人口が増え続けていくであろうことは、疑いようもありません」
「そうだろうな。それで、本格的な騎士団の訓練施設」
ふむ、とレイフの口元が、ほんの微かにだけ上がっている。
この顔をする時は、決まって、レイフが何かの興味を引かれている時の顔だった。
それで、面白そうな予感が止められないのか、レイフの好奇心に火がついて、うずうずと、探り当てたくて仕方がない状態になる前兆である。
「それから、豊穣祭で、また、新たな料理やデザートが増えていました。そのどれも、とてもおいしいものでした」
あの領地では、毎回、ギルバートの知らない、聞いたこともないような料理やデザートが出てくる。そのどれもおいしくて、結構、病みつきになってしまうものが多い。
だから、今年の豊穣祭でも、去年、食べた料理などが食べられるのかなぁ、と期待していたギルバートとクリストフの前に、その期待以上の料理やデザートが出ていて、今年も楽しんだものだ。
「今年にできたばかりの“パン屋”という店にも、帰りがてら、立ち寄ってみました」
「パンを売る店なのだろう?」
王宮にいる王子サマにとって、食事にパンが出てくるのは、あまりに日課と化していて、疑問に思ったことさえもない。
だから、パンを専門として売るお店を建てるなど、考えもしたことがなかったのだ。普通は、ただ食卓に出てくる食事の一つではないのか、程度の関心だったのだ。
「そうです。食卓で食べるような大きなパンがたくさん売られていまして、それと同時に、軽食やランチなどに適したサンドイッチや、チーズの挟まれたパンなど、そういった一人分のパンなどもたくさんあって、その横に、一人用のデザートとなる焼き菓子や――ああ、そう言えば、「マフィン」 というものも食べました」
「マフィン? それは?」
「ケーキのようなものなのですが、手で持てるくらいの大きさで焼いた、少し硬めの焼き菓子? ――でしょうか。普段は、ナッツが入っていたものや、チーズマフィンといったものが主流なのですが、季節によって、出てくるものもあるそうです。例えば、ブルベリーマフィンなどは、夏のブルーベリーの収穫の後になど」
「ほう。チーズを入れて。それは、甘い菓子ではないのだな」
「それは、食事となる(Savoury)マフィンだそうです。チーズとか、ハムがあれば、そういったものを入れるそうです。もう少し硬めに焼くと、「スコーン」 というらしいです。お店の従業員の話では、たぶん、食事となるマフィンは、「スコーン」 として売り出していくことになるだろう、と言っていました。今は、まだ新しい商品が出たばかりで、お客が名前を憶えていないので、全部を「マフィン」 としているんだそうです」
「ほう。それはいい。たった数日でも、今回も、随分、色々なことを、学んできたではないか」
「あそこの領民は、観光客にとても親切ですので、質問をすると、全員が丁寧に教えてくれるのです。それに、今回も、豊穣祭の案内役をシリル殿がしてくれましたから」
「ああ、ご令嬢の弟君。かなり若いと言っていたではないか」
「ええ。聞くところによると、5歳、年が離れているそうです」
「なるほど。本当に、興味深いものだなあ」
「領地では、豊穣祭を終えたばかりなのですが、もう、領民達は、来年の豊穣祭に向けて、張り切っているようです」
「今から? まだ、一年もあるではないか」
「そうですね。ですが、来年は、ご令嬢が領地にお越しになられてから、十年になるそうです。ですから、十周年を祝って、盛大な豊穣祭が予定されているとのこと。それで、領民全員が、今から張り切っているのでしょう」
「ほう、益々、興味深いなあ。では、ギルバート、お前はさっさと婚約したまえ」
「――――えっ? なんですか、突然?」
この突拍子もない話の転換。
一体、どこからその話題がでてきたのか?
「今年は、何度か会う機会があり、かの令嬢とも赤の他人ではなく、ある程度、知り合いにはなれた。だが、未だに、ただの知り合いだ」
分かっています……。
そんなことをはっきりと指摘しなくても――
「だから、大義名分がなければ会うこともできないし、そうなると、来年の豊穣祭も、招待されることはないだろう」
そんなことは、言われなくても、ギルバートだって自覚しています……。
「だから、さっさと婚約してしまえば、来年は、婚約者として、豊穣祭に招待されることだろう」
ギルバートは、なにも、豊穣祭に参加したいが為に、セシルを望んでいるのではありません……。
「時間は限られている。有効に使わなければ、ダメではないか」
それも――ギルバートが一番良く分かっていることです……。
「さっさと婚約してしまいたまえ、ギルバート」
それができたら、ギルバートだって、こんなにも苦労はしていないのです……。
全く助言にもなっていない兄の助言で、更に落ち込みを激しくするギルバートだった。
0
お気に入りに追加
80
あなたにおすすめの小説
半妖の狐耳付きあやかし令嬢の婚約事情 ~いずれ王子(最強魔法使い)に婚約破棄をつきつけます!~
百門一新
恋愛
大妖怪の妖狐「オウカ姫」と、人間の伯爵のもとに生まれた一人娘「リリア」。頭には狐耳、ふわふわと宙を飛ぶ。性格は少々やんちゃで、まだまだ成長期の仔狐なのでくしゃみで放電するのもしばしば。そんな中、王子とのお見合い話が…嫌々ながらの初対面で、喧嘩勃発!? ゆくゆく婚約破棄で、最悪な相性なのに婚約することに。
※「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。
※ベリーズカフェに修正版を掲載、2021/8/31こちらの文章も修正版へと修正しました!
全裸で異世界に呼び出しておいて、国外追放って、そりゃあんまりじゃないの!?
猿喰 森繁
恋愛
私の名前は、琴葉 桜(ことのは さくら)30歳。会社員。
風呂に入ろうと、全裸になったら異世界から聖女として召喚(という名の無理やり誘拐された被害者)された自分で言うのもなんだけど、可哀そうな女である。
日本に帰すことは出来ないと言われ、渋々大人しく、言うことを聞いていたら、ある日、国外追放を宣告された可哀そうな女である。
「―――サクラ・コトノハ。今日をもって、お前を国外追放とする」
その言葉には一切の迷いもなく、情けも見えなかった。
自分たちが正義なんだと、これが正しいことなのだと疑わないその顔を見て、私はムクムクと怒りがわいてきた。
ずっと抑えてきたのに。我慢してきたのに。こんな理不尽なことはない。
日本から無理やり聖女だなんだと、無理やり呼んだくせに、今度は国外追放?
ふざけるのもいい加減にしろ。
温厚で優柔不断と言われ、ノーと言えない日本人だから何をしてもいいと思っているのか。日本人をなめるな。
「私だって好き好んでこんなところに来たわけじゃないんですよ!分かりますか?無理やり私をこの世界に呼んだのは、あなたたちのほうです。それなのにおかしくないですか?どうして、その女の子の言うことだけを信じて、守って、私は無視ですか?私の言葉もまともに聞くおつもりがないのも知ってますが、あなたがたのような人間が国の未来を背負っていくなんて寒気がしますね!そんな国を守る義務もないですし、私を国外追放するなら、どうぞ勝手になさるといいです。
ええ。
被害者はこっちだっつーの!
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
長い眠りのその後で
maruko
恋愛
伯爵令嬢のアディルは王宮魔術師団の副団長サンディル・メイナードと結婚しました。
でも婚約してから婚姻まで一度も会えず、婚姻式でも、新居に向かう馬車の中でも目も合わせない旦那様。
いくら政略結婚でも幸せになりたいって思ってもいいでしょう?
このまま幸せになれるのかしらと思ってたら⋯⋯アレッ?旦那様が2人!!
どうして旦那様はずっと眠ってるの?
唖然としたけど強制的に旦那様の為に動かないと行けないみたい。
しょうがないアディル頑張りまーす!!
複雑な家庭環境で育って、醒めた目で世間を見ているアディルが幸せになるまでの物語です
全50話(2話分は登場人物と時系列の整理含む)
※他サイトでも投稿しております
ご都合主義、誤字脱字、未熟者ですが優しい目線で読んで頂けますと幸いです
乙女ゲーのモブデブ令嬢に転生したので平和に過ごしたい
ゆの
恋愛
私は日比谷夏那、18歳。特に優れた所もなく平々凡々で、波風立てずに過ごしたかった私は、特に興味のない乙女ゲームを友人に強引に薦められるがままにプレイした。
だが、その乙女ゲームの各ルートをクリアした翌日に事故にあって亡くなってしまった。
気がつくと、乙女ゲームに1度だけ登場したモブデブ令嬢に転生していた!!特にゲームの影響がない人に転生したことに安堵した私は、ヒロインや攻略対象に関わらず平和に過ごしたいと思います。
だけど、肉やお菓子より断然大好きなフルーツばっかりを食べていたらいつの間にか痩せて、絶世の美女に…?!
平和に過ごしたい令嬢とそれを放って置かない攻略対象達の平和だったり平和じゃなかったりする日々が始まる。
過労死した聖女は死に戻った先で安らぎを手に入れる~私を利用し続けた王家や婚約者はもう不要です~
砂礫レキ
恋愛
男爵令嬢エリスティア・フィリル。
女神ラーヴァの愛し子である彼女は癒しの力が使えた。
それを聞きつけた王室により十歳の頃に四歳上の第二王子アキムと婚約させられる。
しかしそれを理由に王宮暮らしになったが最後、エリスティアは王族の体の不調をひたすら治療させられる生活になった。
王子との婚約は囮で実際はエリスティアを王宮に隔離し飼い殺しの治癒奴隷にする為連れてきたのだ。
アキムとは婚約者らしいことは全くせず朝から晩まで一人で治癒力を使い続けるエリスティア。
ある日王妃セイノの腰痛の治療後、とうとう過労死してしまう。
すると女神ラーヴァがあらわれ謝罪された上でエリスティアは十年前の世界に戻されることになった。
今度は絶対アキムと婚約せず王家の奴隷にはならないと固く誓いながら。
乙女ゲームで唯一悲惨な過去を持つモブ令嬢に転生しました
雨夜 零
恋愛
ある日...スファルニア公爵家で大事件が起きた
スファルニア公爵家長女のシエル・スファルニア(0歳)が何者かに誘拐されたのだ
この事は、王都でも話題となり公爵家が賞金を賭け大捜索が行われたが一向に見つからなかった...
その12年後彼女は......転生した記憶を取り戻しゆったりスローライフをしていた!?
たまたまその光景を見た兄に連れていかれ学園に入ったことで気づく
ここが...
乙女ゲームの世界だと
これは、乙女ゲームに転生したモブ令嬢と彼女に恋した攻略対象の話
影の王宮
朱里 麗華(reika2854)
恋愛
王立学園の卒業式で公爵令嬢のシェリルは、王太子であり婚約者であるギデオンに婚約破棄を言い渡される。
ギデオンには学園で知り合った恋人の男爵令嬢ミーシャがいるのだ。
幼い頃からギデオンを想っていたシェリルだったが、ギデオンの覚悟を知って身を引こうと考える。
両親の愛情を受けられずに育ったギデオンは、人一倍愛情を求めているのだ。
だけどミーシャはシェリルが思っていたような人物ではないようで……。
タグにも入れましたが、主人公カップル(本当に主人公かも怪しい)は元サヤです。
すっごく暗い話になりそうなので、プロローグに救いを入れました。
一章からの話でなぜそうなったのか過程を書いていきます。
メインになるのは親世代かと。
※子どもに関するセンシティブな内容が含まれます。
苦手な方はご自衛ください。
※タイトルが途中で変わる可能性があります<(_ _)>
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる