123 / 528
Part1
* Д.б 領内視察 *
しおりを挟む
執務室に通されたギルバートは、執務室の中央の机で仕事をしていたセシルに、まず挨拶をする。
「お早うございます、ヘルバート伯爵令嬢」
「おはようございます。皆様、ゆっくりとお休みになられましたか?」
「はい、ありがとうございます」
それに頷いたセシルが横に視線を移し、
「フィロ、席を外してね」
「わかりました、マスター」
見覚えのある、燕尾服を着たまだ少しだけ幼さの残る少年が、礼儀正しくお辞儀をし、書斎から立ち去っていく。
それと同時に、セシルが立ち上がり、机を回って、前に置かれている接客用の椅子に近づいてきた。
「どうぞ、お掛けになってください」
ギルバートは勧められたまま長椅子に腰を下ろし、セシルも同じように座っていく。
今朝は、残りの三人は、ギルバートのすぐ後ろで静かに待機していて、椅子には一緒に座ってこなかった。
昨夜、セシルと別れてから、ギルバート達は、あてがわれた客室で一夜を過ごした。
朝食は何時ごろがいいか、という質問に、普段と変わらぬ、七時頃でどうかとお願いしたら、その通り、朝食が用意されていた。
ギルバート達は邸の客人扱いのようで、客室から、食事から、世話まで、全部、邸の使用人やメイドに世話されている。
朝食の席にはセシルは顔を出さなかったが、朝食後、セシルが話があるとのことで、執務室に招かれたのだ。
「多忙、ということが、大変よく解りました」
回りくどい社交辞令をぶっ飛ばして、ギルバートが、まず、その話題を出していた。
昨日――偶然だったとしても、ギルバートは、セシルの視察回りに同行することができた。そして、その仕事ぶりを観察し、セシルの行動や態度を観察していたギルバートは、余計なお喋りなどぶっ飛ばしで、早速、本題に入っていた。
昨日のセシルを見る限りでも、彼女の行動、言動には――本当に、一切の無駄がなく、簡潔で、明確で、的確で、指示を出す時でも、あまりに整然としたほどに適切で、余計な時間を完全に省いている傾向にあるのは、見ているギルバートにもすぐに気が付いたことだった。
ギルバートも、くだらないおしゃべりや、意味のない社交辞令で時間を潰すのは、個人的には好きではない。
「ええ、そうです。今の時期は、少々、込み入っていまして、長距離の移動は不可能なのです」
「そうですね」
昨日の仕事ぶりを見ていたら、そして、その仕事をこなす量を見ていたら、セシルが多忙で――と口にした言葉は、ただの言い訳でもなんでもないことが、すぐに明らかになった。
「ここにやってくる時にも気づきましたが、なんだか、町中が賑わっているように見えましたが?」
「ええ、そうですね。この地では、十月初めに、毎年、豊穣祭が開かれています。今はその準備に追われ、領地内では、てんやわんやの状態でして」
「そうでしたか」
それなら、確かに、祭りの準備に取り掛かっているセシルは多忙で、王国を訪ねてくるだけの時間を取れないのも頷ける。
「王太子殿下には、晩餐会へ招待してくださったお心遣いに感謝しておりますが、こちらの都合で出席することがかなわず、大変、申し訳なく思っております。その謝罪を、どうか、お伝えしていただけませんでしょうか?」
「もちろんです」
「ありがとうございます」
一応は、波風立てずに話を終えることができて、ほっとするものだ。
「皆様は、今日、出立なされますか?」
「はい。この後、邸を発たせていただきます。昨夜は、こちらのお邸で、大変、お世話になりました」
「いいえ、遠方よりお越しくださったのですから、その程度のお世話をできずでは、会わせる顔もありませんわ」
誰に会わせる顔なのか――とは、口に出されないし、質問にも出されない。
「ですが、残念ですね」
「なにがでしょう?」
「せっかく、この地にお越しになっていらっしゃるのですから、豊穣祭に参加されたら、よろしかったのに」
「――――よろしいのですか?」
さすがに、赤の他人で、他国の使者なだけのギルバートに、領地内の大事な祭りに参加させてもらえるとは思わず、ギルバートは素直に質問していた。
セシルの方もその質問が不思議だったのか、きょとんとした顔をする。
「もちろんですわ。今年は、近年にない盛大な豊穣祭を計画しておりますので、参加されるのでしたら、きっと、皆様も楽しまれることだと思いますわ」
なんだか、魅力的なお誘いである。
「皆様のお仕事の都合や、お時間が取れるのであれば、是非、豊穣祭に参加なさってくださいね」
「豊穣祭は、確か――」
「今から八日後です」
八日――
今から八日も滞在して、豊穣祭を終えた後すぐに、王国に帰還するとしても、計十日。それに移動期間も入れて、かなりの日数になってしまう。
現実面としては、かなり無理な話ではあるが――
「こちらに滞在中、興味がおありでしたら、領地内の視察をなさっても、よろしいですよ」
「いいんですか?!」
「ええ、構いません」
さすがに、この提案は、ギルバートも驚いていた。
他国の、それも無関係の人間に、領地の統治方法を明かしてしまうなど、自分の手の内を明かしてしまうようなものではないのだろうか。
「領地の統治方法など、特別、隠していることでもありません。知っている者は、誰でも知っていますから、問題でもありませんよ」
ギルバートの口に出されない意図を悟って、セシルはなんでもないことのように、簡単に説明してくれた。
「そうですか――」
そうなると――豊穣祭参加のお誘いは、益々、魅力的なものになってくる。
ギルバートだって、セシルに会って以来――いや、会ったからこそ、伯爵令嬢のセシルは、一体、どんな人物なのかと、興味はあったのだ。
おまけに、兄からの報告によると、セシルは、この若さですでに「領主」 の地位に就任していて、一領地を治める女領主だったというのだから、驚かずにはいられないものだろう。
戦場にも、王宮にも、セシルに付き従ってきた、セシルの精鋭部隊――
その半数が子供という事実にも驚きで、それ以上に、子供なのに、大人以上の能力の優れた部隊を形成して、それを統率していたのが伯爵令嬢というのだから、その驚きに拍車をかけてしまったのは、言うまでもない。
だから、『ヘルバート伯爵令嬢、セシル・ヘルバート』 という人が一体どんな人物であるのか、そんな興味は、ギルバートもずっと持っていたのだ。
「――お言葉に甘えさせていただいても、ご迷惑にはならないでしょうか?」
「いいえ、そんなことはありません。ただ、領地内が、なにかと多忙なこともありまして、少々、うるさくなってしまうかもしれませんが」
「それは気にしておりません」
その程度の喧騒や賑わいは、王国でもよくあることである。
晩餐会程度ならまだ良いが、これが国の祝典やら、国を挙げての式典とまでなったら、王都中、王宮内、もう、どこもかしこも多忙を極めることは慣れている。
うーんと、少し考える様子を見せて、ギルバートもそこで決断していた。
「では――お言葉に甘えさせていただいても、よろしいでしょうか?」
「ええ。豊穣祭を、是非、楽しんで行ってください」
「ありがとうございます」
「お早うございます、ヘルバート伯爵令嬢」
「おはようございます。皆様、ゆっくりとお休みになられましたか?」
「はい、ありがとうございます」
それに頷いたセシルが横に視線を移し、
「フィロ、席を外してね」
「わかりました、マスター」
見覚えのある、燕尾服を着たまだ少しだけ幼さの残る少年が、礼儀正しくお辞儀をし、書斎から立ち去っていく。
それと同時に、セシルが立ち上がり、机を回って、前に置かれている接客用の椅子に近づいてきた。
「どうぞ、お掛けになってください」
ギルバートは勧められたまま長椅子に腰を下ろし、セシルも同じように座っていく。
今朝は、残りの三人は、ギルバートのすぐ後ろで静かに待機していて、椅子には一緒に座ってこなかった。
昨夜、セシルと別れてから、ギルバート達は、あてがわれた客室で一夜を過ごした。
朝食は何時ごろがいいか、という質問に、普段と変わらぬ、七時頃でどうかとお願いしたら、その通り、朝食が用意されていた。
ギルバート達は邸の客人扱いのようで、客室から、食事から、世話まで、全部、邸の使用人やメイドに世話されている。
朝食の席にはセシルは顔を出さなかったが、朝食後、セシルが話があるとのことで、執務室に招かれたのだ。
「多忙、ということが、大変よく解りました」
回りくどい社交辞令をぶっ飛ばして、ギルバートが、まず、その話題を出していた。
昨日――偶然だったとしても、ギルバートは、セシルの視察回りに同行することができた。そして、その仕事ぶりを観察し、セシルの行動や態度を観察していたギルバートは、余計なお喋りなどぶっ飛ばしで、早速、本題に入っていた。
昨日のセシルを見る限りでも、彼女の行動、言動には――本当に、一切の無駄がなく、簡潔で、明確で、的確で、指示を出す時でも、あまりに整然としたほどに適切で、余計な時間を完全に省いている傾向にあるのは、見ているギルバートにもすぐに気が付いたことだった。
ギルバートも、くだらないおしゃべりや、意味のない社交辞令で時間を潰すのは、個人的には好きではない。
「ええ、そうです。今の時期は、少々、込み入っていまして、長距離の移動は不可能なのです」
「そうですね」
昨日の仕事ぶりを見ていたら、そして、その仕事をこなす量を見ていたら、セシルが多忙で――と口にした言葉は、ただの言い訳でもなんでもないことが、すぐに明らかになった。
「ここにやってくる時にも気づきましたが、なんだか、町中が賑わっているように見えましたが?」
「ええ、そうですね。この地では、十月初めに、毎年、豊穣祭が開かれています。今はその準備に追われ、領地内では、てんやわんやの状態でして」
「そうでしたか」
それなら、確かに、祭りの準備に取り掛かっているセシルは多忙で、王国を訪ねてくるだけの時間を取れないのも頷ける。
「王太子殿下には、晩餐会へ招待してくださったお心遣いに感謝しておりますが、こちらの都合で出席することがかなわず、大変、申し訳なく思っております。その謝罪を、どうか、お伝えしていただけませんでしょうか?」
「もちろんです」
「ありがとうございます」
一応は、波風立てずに話を終えることができて、ほっとするものだ。
「皆様は、今日、出立なされますか?」
「はい。この後、邸を発たせていただきます。昨夜は、こちらのお邸で、大変、お世話になりました」
「いいえ、遠方よりお越しくださったのですから、その程度のお世話をできずでは、会わせる顔もありませんわ」
誰に会わせる顔なのか――とは、口に出されないし、質問にも出されない。
「ですが、残念ですね」
「なにがでしょう?」
「せっかく、この地にお越しになっていらっしゃるのですから、豊穣祭に参加されたら、よろしかったのに」
「――――よろしいのですか?」
さすがに、赤の他人で、他国の使者なだけのギルバートに、領地内の大事な祭りに参加させてもらえるとは思わず、ギルバートは素直に質問していた。
セシルの方もその質問が不思議だったのか、きょとんとした顔をする。
「もちろんですわ。今年は、近年にない盛大な豊穣祭を計画しておりますので、参加されるのでしたら、きっと、皆様も楽しまれることだと思いますわ」
なんだか、魅力的なお誘いである。
「皆様のお仕事の都合や、お時間が取れるのであれば、是非、豊穣祭に参加なさってくださいね」
「豊穣祭は、確か――」
「今から八日後です」
八日――
今から八日も滞在して、豊穣祭を終えた後すぐに、王国に帰還するとしても、計十日。それに移動期間も入れて、かなりの日数になってしまう。
現実面としては、かなり無理な話ではあるが――
「こちらに滞在中、興味がおありでしたら、領地内の視察をなさっても、よろしいですよ」
「いいんですか?!」
「ええ、構いません」
さすがに、この提案は、ギルバートも驚いていた。
他国の、それも無関係の人間に、領地の統治方法を明かしてしまうなど、自分の手の内を明かしてしまうようなものではないのだろうか。
「領地の統治方法など、特別、隠していることでもありません。知っている者は、誰でも知っていますから、問題でもありませんよ」
ギルバートの口に出されない意図を悟って、セシルはなんでもないことのように、簡単に説明してくれた。
「そうですか――」
そうなると――豊穣祭参加のお誘いは、益々、魅力的なものになってくる。
ギルバートだって、セシルに会って以来――いや、会ったからこそ、伯爵令嬢のセシルは、一体、どんな人物なのかと、興味はあったのだ。
おまけに、兄からの報告によると、セシルは、この若さですでに「領主」 の地位に就任していて、一領地を治める女領主だったというのだから、驚かずにはいられないものだろう。
戦場にも、王宮にも、セシルに付き従ってきた、セシルの精鋭部隊――
その半数が子供という事実にも驚きで、それ以上に、子供なのに、大人以上の能力の優れた部隊を形成して、それを統率していたのが伯爵令嬢というのだから、その驚きに拍車をかけてしまったのは、言うまでもない。
だから、『ヘルバート伯爵令嬢、セシル・ヘルバート』 という人が一体どんな人物であるのか、そんな興味は、ギルバートもずっと持っていたのだ。
「――お言葉に甘えさせていただいても、ご迷惑にはならないでしょうか?」
「いいえ、そんなことはありません。ただ、領地内が、なにかと多忙なこともありまして、少々、うるさくなってしまうかもしれませんが」
「それは気にしておりません」
その程度の喧騒や賑わいは、王国でもよくあることである。
晩餐会程度ならまだ良いが、これが国の祝典やら、国を挙げての式典とまでなったら、王都中、王宮内、もう、どこもかしこも多忙を極めることは慣れている。
うーんと、少し考える様子を見せて、ギルバートもそこで決断していた。
「では――お言葉に甘えさせていただいても、よろしいでしょうか?」
「ええ。豊穣祭を、是非、楽しんで行ってください」
「ありがとうございます」
1
お気に入りに追加
80
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
婚約破棄されたので貴族街で薬屋を始めました
マルローネ
恋愛
「お前の技術は盗めた。もう用なしだ、婚約破棄してもらおう」
子爵令嬢のアリッサは婚約者で侯爵令息のトトメスにこんなことを言われた。
自らの持つ調合技術を盗まれ、婚約破棄を言い渡されたのだ。
悲しみに暮れながら彼女だが、家族の支えもあり貴族街で小さな薬屋を始めることにした。
その薬屋は驚くほどの盛況となっていく傍ら、トトメスの方は盗めたと思っていた技術は陰りが見え始め……。
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
父の大事な家族は、再婚相手と異母妹のみで、私は元より家族ではなかったようです
珠宮さくら
恋愛
フィロマという国で、母の病を治そうとした1人の少女がいた。母のみならず、その病に苦しむ者は、年々増えていたが、治せる薬はなく、進行を遅らせる薬しかなかった。
その病を色んな本を読んで調べあげた彼女の名前は、ヴァリャ・チャンダ。だが、それで病に効く特効薬が出来上がることになったが、母を救うことは叶わなかった。
そんな彼女が、楽しみにしていたのは隣国のラジェスへの留学だったのだが、そのために必死に貯めていた資金も父に取り上げられ、義母と異母妹の散財のために金を稼げとまで言われてしまう。
そこにヴァリャにとって救世主のように現れた令嬢がいたことで、彼女の人生は一変していくのだが、彼女らしさが消えることはなかった。
婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
心の中にあなたはいない
ゆーぞー
恋愛
姉アリーのスペアとして誕生したアニー。姉に成り代われるようにと育てられるが、アリーは何もせずアニーに全て押し付けていた。アニーの功績は全てアリーの功績とされ、周囲の人間からアニーは役立たずと思われている。そんな中アリーは事故で亡くなり、アニーも命を落とす。しかしアニーは過去に戻ったため、家から逃げ出し別の人間として生きていくことを決意する。
一方アリーとアニーの死後に真実を知ったアリーの夫ブライアンも過去に戻りアニーに接触しようとするが・・・。
婚約者の浮気相手が子を授かったので
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ファンヌはリヴァス王国王太子クラウスの婚約者である。
ある日、クラウスが想いを寄せている女性――アデラが子を授かったと言う。
アデラと一緒になりたいクラウスは、ファンヌに婚約解消を迫る。
ファンヌはそれを受け入れ、さっさと手続きを済ませてしまった。
自由になった彼女は学校へと戻り、大好きな薬草や茶葉の『研究』に没頭する予定だった。
しかし、師であるエルランドが学校を辞めて自国へ戻ると言い出す。
彼は自然豊かな国ベロテニア王国の出身であった。
ベロテニア王国は、薬草や茶葉の生育に力を入れているし、何よりも獣人の血を引く者も数多くいるという魅力的な国である。
まだまだエルランドと共に茶葉や薬草の『研究』を続けたいファンヌは、エルランドと共にベロテニア王国へと向かうのだが――。
※表紙イラストはタイトルから「お絵描きばりぐっどくん」に作成してもらいました。
※完結しました
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる