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第三章「田沼の計らい」
第九話「大奥検め」
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大奥は将軍以外は男子禁制として広くその名を知られている。
警備の他、様々な雑務をこなす御広敷に勤める役人達は男であるが、これは大奥の一角の限定された場所にいるだけだ。それよりも先に進む事は御法度である。
だが、医師はその役柄入り込むことが出来るし、例外は幾つか存在する。
その例外の一つが留守居である。
留守居はその名が示す通り、本来城主たる将軍が不在の際、その留守を任される事になる。つまり天下人の城たる江戸城の最高責任者の代行なのである。
もっとも、この泰平の世では将軍が出陣するような事態には当然ならず、格は高いが名目ばかりの職となっているのが実態だ。そのため、奉行職などを終えた大身旗本が、就任する事が多い。
そして、その役目には、大奥の取り締まりも入っているのだ。
そういう事もあり、この日は留守居たる伊吹近江守は供を連れて大奥を点検して周っていた。点検とはいってもそれほど堅苦しいものではなく、挨拶周りも兼ねている。大奥は城中において大きな権力を持っている。大身旗本が就く留守居といえども、四角四面に大奥の規律を点検してはその身が危うい。ならば点検は適当にして、土産物でも配った方が円滑な仕事のためにはましと言うものである。
日頃の点検とは違う点がある。いつもは供回りの者に既に枯れた老人を連れているのだが、今回は何故か若い二人の男だった。そして片方の男は威儀を正した堂々たる振る舞いの少年で、大奥という非日常の環境においても整斉としているしかも容姿端麗だ。だが、もう一人の青年は違う。こちらの男はまずその服装が実にこなれていない。仕立ては十分立派で城勤めの若侍に相応しい出来なのだが、全く合っていない。着用したのは初めてではないかと思えるほどだ。面相は悪くはないのだが、もう片方の少年と比べると格段に落ちる。
ただ、こちらの男も大奥において何故か堂々と振舞っている。大身旗本ですら大奥を訪れると勝手が違うので委縮してしまうのに対し、謎の自信が溢れている。
頓着していないだけなのかもしれないが。
少年の方は、西の丸で次期将軍と目される家重に仕える小姓、田沼意次である。田沼は以前節分の際に大奥に来たことがあり、その折もその容貌と威儀を正した振る舞いで大奥勤めの女達の好評を博した。通常大奥を訪れた男は様々な嫌がらせをされるのだが、田沼はその立ち振る舞いと容貌だけで無事乗り切ったのである。
もう片方の青年は、言わずと知れた服部文蔵である。本来町奉行所の同心である文蔵が大奥に来るなど有り得ないのだが、この日は御留守居のお付きという身分を用意して入り込んだのだ。
「田沼殿、あまり辺りを見回すと怪しまれるぞ。ただでさえここは女の園なのだからな」
「ぬう、しかし手掛かりを見つけねばならんぞ」
文蔵は小声で田沼に注意を促す。田沼とてその辺りの事は理解しているので、目に見えて視線を動かしている訳ではない。だが、文蔵から見れば田沼が警戒してあちこちに視線を飛ばしているのは一目瞭然であった、文蔵は旅芸人として様々な見世物をしていた。そのため、観客の視線にも敏感であるし、自らの意図を視線によって悟られない様な経験を積んできたのだ。そして、大奥に入り込んでいる可能性がある曲者ならば、田沼の微妙な警戒に気付く可能性は高い。
ただでさえこの時期に臨時の点検である。まともな曲者なら警戒するに違いない。
「しかし田沼殿、随分と人気の様であるな。ほら、そこの娘達の熱い視線を見るがいい。全部お前を見ているぞ」
それはつまり、大奥の娘達は文蔵を見ていないと言う事でもある。女との付き合いは淡白な文蔵であるが、流石にこれは心に来るものがある。
「調査を開始してから、随分と大奥の女達にはばらまいたからな。そのおかげだろう。大した事ではない」
「ばらまく? しかし、あの娘達のほとんどは、おそらく下働きではないか」
「そう。地位のある者だけでなく、下働きの御末の様な者にも義理を欠かさぬ事が重要なのだ」
「なるほど、そんなものか」
つい先日まで付け届けなど汚いものだと思っていた少年の発言がこれである。ほんの少しの間で随分考えが変わったものだ。
組織の方向を定めているのは上位の者だが、雰囲気を作っているのは下位の者である。大奥も他の幕府の組織に漏れず上意下達が基本であるが、それだけではない。上位の者は周囲の空気を感じながら指示をせねば上手くいかない。そのため、下位の者を上手く操作して場の空気を有利な者にするのは極めて有効なのである。
ほとんどの者は上役に取り入る事しか考えないのであるが、それだけでは事を思い通りにする事は適わない。
総合的に考えて贈り物を贈る範囲を増やした田沼の作戦勝ちと言えるかもしれない。
田沼が大奥の空気を有利にしたためか、文蔵達は実に快適に大奥内で行動する事が出来た。御留守居の様に大奥内を点検する役職の者ですら普通は「腰巻が干してある」とか何のかんのと男が口出ししづらい理由をつけて行動範囲を限定してこようとするのだが、この日はどこでも好きな様に動く事が出来た。
美鈴が落ちたという井戸も確認できたし、大奥から正規の経路を通らずに脱出できないかも点検する事が出来た。
「異常は特にありませんな」
「そのようで」
しかし残念ながら大奥内で手掛かりを発見する事は出来なかった。
美鈴が落ちたという井戸は、大奥でも使用頻度の低い場所にある。数日間見つからなかったとしても頷け、疑うだけの根拠にはならない。しかもかなり深い井戸であり、助けを呼んでも相当近くにいなければ聞こえないだろう。
美鈴も直に会って話したが、特に異常は感じられなかった。多少は回復したようだが痩せ細っており、何日も水だけで過ごしたと言われればその通りだろう。大奥で飯に事欠く事は無い。ここまで痩せるのは、相当酷い病気か断食をせねば達成できまい。
途中で先に潜入していた朱音と接触する事が出来たが、特に情報は得られなかった。流石に場違いな大奥に潜入して有益な情報を得るのは難しかった様だ。旅芸人として見知らぬ者とも巧みに話す事が出来る朱音だが、その能力にも限界があった。
更に、文蔵が朱音と接触した時かなり目立ってしまった。
当然である。大奥は基本的に男子禁制だ。そこで若い男女が親しげに話しているのだから注目を集めない方がおかしい。また、朱音は御留守居の伊吹が後見人となって、伊吹の養女という扱いで大奥に奉公している。この様な形式で大奥に上がる町人はそれなりにいるので怪しくはない。大概その様な場合花嫁修業を目的としている。
これ等の事から、周囲の娘達は朱音は文蔵と結婚する前の箔付けとして大奥に奉公していると勘違いしたのであった。若い娘達はこういった話題に飢えているし、朱音の相手が文蔵と決まっていると言う事は将軍の側室を目指すうえでも障害にならない。そんな訳で興味を集めたのだ。
まあ、言ってみれば、体の良い娯楽である。
この様に娯楽の対象となる事は、普通の武士なら愚弄しているのかと怒る可能性がある。だが、長い間旅芸人として過ごしていた文蔵にとってはそれ程不快ではない。それは朱音も同じである。
朱音は田沼とも一応面識があるが、もしも田沼と親しげに話したのならこの様にはいかなかったであろう。
田沼はその容姿と、最近の贈り物攻勢で大奥の娘達に人気である。その田沼と抜け駆け的な接触は嫉妬を買うに違いない。また、田沼は最近少し柔軟な考えを身につけてきたが、足軽出身の父親に育てられたせいか一本気な武張った考えをしている。妙な注目を集めたら、怒りだしたかもしれない。
要は、致命的な失敗はしていないものの、貴重な大奥調査の機会を無駄に浪費した事に等しいのである。これでは何のために御留守にまで手をまわして入らせてもらったのか分からない。
結局大奥には奉公に上がった朱音を残し、持参した進物の入った大きな葛籠を置いて文蔵と田沼は引き上げるしかなかった。
警備の他、様々な雑務をこなす御広敷に勤める役人達は男であるが、これは大奥の一角の限定された場所にいるだけだ。それよりも先に進む事は御法度である。
だが、医師はその役柄入り込むことが出来るし、例外は幾つか存在する。
その例外の一つが留守居である。
留守居はその名が示す通り、本来城主たる将軍が不在の際、その留守を任される事になる。つまり天下人の城たる江戸城の最高責任者の代行なのである。
もっとも、この泰平の世では将軍が出陣するような事態には当然ならず、格は高いが名目ばかりの職となっているのが実態だ。そのため、奉行職などを終えた大身旗本が、就任する事が多い。
そして、その役目には、大奥の取り締まりも入っているのだ。
そういう事もあり、この日は留守居たる伊吹近江守は供を連れて大奥を点検して周っていた。点検とはいってもそれほど堅苦しいものではなく、挨拶周りも兼ねている。大奥は城中において大きな権力を持っている。大身旗本が就く留守居といえども、四角四面に大奥の規律を点検してはその身が危うい。ならば点検は適当にして、土産物でも配った方が円滑な仕事のためにはましと言うものである。
日頃の点検とは違う点がある。いつもは供回りの者に既に枯れた老人を連れているのだが、今回は何故か若い二人の男だった。そして片方の男は威儀を正した堂々たる振る舞いの少年で、大奥という非日常の環境においても整斉としているしかも容姿端麗だ。だが、もう一人の青年は違う。こちらの男はまずその服装が実にこなれていない。仕立ては十分立派で城勤めの若侍に相応しい出来なのだが、全く合っていない。着用したのは初めてではないかと思えるほどだ。面相は悪くはないのだが、もう片方の少年と比べると格段に落ちる。
ただ、こちらの男も大奥において何故か堂々と振舞っている。大身旗本ですら大奥を訪れると勝手が違うので委縮してしまうのに対し、謎の自信が溢れている。
頓着していないだけなのかもしれないが。
少年の方は、西の丸で次期将軍と目される家重に仕える小姓、田沼意次である。田沼は以前節分の際に大奥に来たことがあり、その折もその容貌と威儀を正した振る舞いで大奥勤めの女達の好評を博した。通常大奥を訪れた男は様々な嫌がらせをされるのだが、田沼はその立ち振る舞いと容貌だけで無事乗り切ったのである。
もう片方の青年は、言わずと知れた服部文蔵である。本来町奉行所の同心である文蔵が大奥に来るなど有り得ないのだが、この日は御留守居のお付きという身分を用意して入り込んだのだ。
「田沼殿、あまり辺りを見回すと怪しまれるぞ。ただでさえここは女の園なのだからな」
「ぬう、しかし手掛かりを見つけねばならんぞ」
文蔵は小声で田沼に注意を促す。田沼とてその辺りの事は理解しているので、目に見えて視線を動かしている訳ではない。だが、文蔵から見れば田沼が警戒してあちこちに視線を飛ばしているのは一目瞭然であった、文蔵は旅芸人として様々な見世物をしていた。そのため、観客の視線にも敏感であるし、自らの意図を視線によって悟られない様な経験を積んできたのだ。そして、大奥に入り込んでいる可能性がある曲者ならば、田沼の微妙な警戒に気付く可能性は高い。
ただでさえこの時期に臨時の点検である。まともな曲者なら警戒するに違いない。
「しかし田沼殿、随分と人気の様であるな。ほら、そこの娘達の熱い視線を見るがいい。全部お前を見ているぞ」
それはつまり、大奥の娘達は文蔵を見ていないと言う事でもある。女との付き合いは淡白な文蔵であるが、流石にこれは心に来るものがある。
「調査を開始してから、随分と大奥の女達にはばらまいたからな。そのおかげだろう。大した事ではない」
「ばらまく? しかし、あの娘達のほとんどは、おそらく下働きではないか」
「そう。地位のある者だけでなく、下働きの御末の様な者にも義理を欠かさぬ事が重要なのだ」
「なるほど、そんなものか」
つい先日まで付け届けなど汚いものだと思っていた少年の発言がこれである。ほんの少しの間で随分考えが変わったものだ。
組織の方向を定めているのは上位の者だが、雰囲気を作っているのは下位の者である。大奥も他の幕府の組織に漏れず上意下達が基本であるが、それだけではない。上位の者は周囲の空気を感じながら指示をせねば上手くいかない。そのため、下位の者を上手く操作して場の空気を有利な者にするのは極めて有効なのである。
ほとんどの者は上役に取り入る事しか考えないのであるが、それだけでは事を思い通りにする事は適わない。
総合的に考えて贈り物を贈る範囲を増やした田沼の作戦勝ちと言えるかもしれない。
田沼が大奥の空気を有利にしたためか、文蔵達は実に快適に大奥内で行動する事が出来た。御留守居の様に大奥内を点検する役職の者ですら普通は「腰巻が干してある」とか何のかんのと男が口出ししづらい理由をつけて行動範囲を限定してこようとするのだが、この日はどこでも好きな様に動く事が出来た。
美鈴が落ちたという井戸も確認できたし、大奥から正規の経路を通らずに脱出できないかも点検する事が出来た。
「異常は特にありませんな」
「そのようで」
しかし残念ながら大奥内で手掛かりを発見する事は出来なかった。
美鈴が落ちたという井戸は、大奥でも使用頻度の低い場所にある。数日間見つからなかったとしても頷け、疑うだけの根拠にはならない。しかもかなり深い井戸であり、助けを呼んでも相当近くにいなければ聞こえないだろう。
美鈴も直に会って話したが、特に異常は感じられなかった。多少は回復したようだが痩せ細っており、何日も水だけで過ごしたと言われればその通りだろう。大奥で飯に事欠く事は無い。ここまで痩せるのは、相当酷い病気か断食をせねば達成できまい。
途中で先に潜入していた朱音と接触する事が出来たが、特に情報は得られなかった。流石に場違いな大奥に潜入して有益な情報を得るのは難しかった様だ。旅芸人として見知らぬ者とも巧みに話す事が出来る朱音だが、その能力にも限界があった。
更に、文蔵が朱音と接触した時かなり目立ってしまった。
当然である。大奥は基本的に男子禁制だ。そこで若い男女が親しげに話しているのだから注目を集めない方がおかしい。また、朱音は御留守居の伊吹が後見人となって、伊吹の養女という扱いで大奥に奉公している。この様な形式で大奥に上がる町人はそれなりにいるので怪しくはない。大概その様な場合花嫁修業を目的としている。
これ等の事から、周囲の娘達は朱音は文蔵と結婚する前の箔付けとして大奥に奉公していると勘違いしたのであった。若い娘達はこういった話題に飢えているし、朱音の相手が文蔵と決まっていると言う事は将軍の側室を目指すうえでも障害にならない。そんな訳で興味を集めたのだ。
まあ、言ってみれば、体の良い娯楽である。
この様に娯楽の対象となる事は、普通の武士なら愚弄しているのかと怒る可能性がある。だが、長い間旅芸人として過ごしていた文蔵にとってはそれ程不快ではない。それは朱音も同じである。
朱音は田沼とも一応面識があるが、もしも田沼と親しげに話したのならこの様にはいかなかったであろう。
田沼はその容姿と、最近の贈り物攻勢で大奥の娘達に人気である。その田沼と抜け駆け的な接触は嫉妬を買うに違いない。また、田沼は最近少し柔軟な考えを身につけてきたが、足軽出身の父親に育てられたせいか一本気な武張った考えをしている。妙な注目を集めたら、怒りだしたかもしれない。
要は、致命的な失敗はしていないものの、貴重な大奥調査の機会を無駄に浪費した事に等しいのである。これでは何のために御留守にまで手をまわして入らせてもらったのか分からない。
結局大奥には奉公に上がった朱音を残し、持参した進物の入った大きな葛籠を置いて文蔵と田沼は引き上げるしかなかった。
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