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窓際親父はスーパーヒーロー
22.告白
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ザーザー...
波の音だけがテラスに響く...
「今日ね、彼が旅立ったの」
「えっ?彼?」
「はい、付き合ってた彼」
「そうなんですね」
そうやろね、彼氏くらいいるよね...でも旅立った?
「彼は野心家で、プライドも高くて、エリートで、私にはもったいないくらいの人でね、ニューヨークに一緒に来てくれって言われてました」
「そうなんや」
「本当は明日出発する予定だったから、山本さんに相談しようとしてたのだけれど...今日出発してしまって」
「あーだから遅れたんやね」
「はい。でも決められなかった」
明らかに後悔の色が見える...
「いくこさん、人生しないで後悔するより、やって後悔するべきやないかな?」
「えっ?」
「どうしてもダメやったら戻って来ればいい。そうしたら彼氏のことは全部忘れてまた新しい恋愛ができる。そうでないとずっと彼への思いを持ったままじゃないかな?」
もしかしたら心にもない事を俺は言ってるのかもしれない...目の前の人には自分を見てもらいたいのにね...
「後悔先に立たずか...」
「もし、昨日僕と話してたらいくこさんはどうしてますか?」
「彼に...彼について行く...そう思います...」
あかん、相当つらい...これはつらい...ちょっとだけ未練が出る...いやかなりや..
.
「だけどね、逆もそう!もし、もしね、ダメなら...すぐに帰って来ないとあかんよ」
「ふふふ、もう行けないですよ。連絡もないと思うから」
「いやそんなことはない、ミラクルは起こるもんやから!」
「そうなんですかね...ミラクルか...」
あーつらい、かなりつらい選択をしようとしている。
たまらず席をはずした三蔵であった。
洗面所で見た自分の顔は未練の塊だった。
顔を洗っていつもの表情にもどるまで珍しく時間がかかる...
「お待たせしました。今日はこの後何かご用はあるんですか?」
「はい、髪を切ろうかと..」
「その長い髪の毛を?」
「ええ、ロングの髪も彼の好みでしたから...」
「そうなんですね」
この後どこへも行かないほうが良かったのかもしれない。
こんなつらい気持ちは経験ないかもしれない...
ガネーシャ様ー今回はミラクルなしじゃないですかー
「あっ、熱ー!なんやねん、アイスコーヒーにホットがなみなみに!りんりーん」
「ぐふふ」
波の音だけがテラスに響く...
「今日ね、彼が旅立ったの」
「えっ?彼?」
「はい、付き合ってた彼」
「そうなんですね」
そうやろね、彼氏くらいいるよね...でも旅立った?
「彼は野心家で、プライドも高くて、エリートで、私にはもったいないくらいの人でね、ニューヨークに一緒に来てくれって言われてました」
「そうなんや」
「本当は明日出発する予定だったから、山本さんに相談しようとしてたのだけれど...今日出発してしまって」
「あーだから遅れたんやね」
「はい。でも決められなかった」
明らかに後悔の色が見える...
「いくこさん、人生しないで後悔するより、やって後悔するべきやないかな?」
「えっ?」
「どうしてもダメやったら戻って来ればいい。そうしたら彼氏のことは全部忘れてまた新しい恋愛ができる。そうでないとずっと彼への思いを持ったままじゃないかな?」
もしかしたら心にもない事を俺は言ってるのかもしれない...目の前の人には自分を見てもらいたいのにね...
「後悔先に立たずか...」
「もし、昨日僕と話してたらいくこさんはどうしてますか?」
「彼に...彼について行く...そう思います...」
あかん、相当つらい...これはつらい...ちょっとだけ未練が出る...いやかなりや..
.
「だけどね、逆もそう!もし、もしね、ダメなら...すぐに帰って来ないとあかんよ」
「ふふふ、もう行けないですよ。連絡もないと思うから」
「いやそんなことはない、ミラクルは起こるもんやから!」
「そうなんですかね...ミラクルか...」
あーつらい、かなりつらい選択をしようとしている。
たまらず席をはずした三蔵であった。
洗面所で見た自分の顔は未練の塊だった。
顔を洗っていつもの表情にもどるまで珍しく時間がかかる...
「お待たせしました。今日はこの後何かご用はあるんですか?」
「はい、髪を切ろうかと..」
「その長い髪の毛を?」
「ええ、ロングの髪も彼の好みでしたから...」
「そうなんですね」
この後どこへも行かないほうが良かったのかもしれない。
こんなつらい気持ちは経験ないかもしれない...
ガネーシャ様ー今回はミラクルなしじゃないですかー
「あっ、熱ー!なんやねん、アイスコーヒーにホットがなみなみに!りんりーん」
「ぐふふ」
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