1,631 / 1,646
山の生態系の仕組み
しおりを挟む
今の話で問題なかったかと、シンに確認の視線を送るツクヨ。彼の説明はシンには考えられないくらいにまとまった内容だった。だがやはり、ミネの身を第一に心配していたカガリは、それならミネは一体今何処で何をしているのかと口にする。
「待ってくれよ、それならミネさんは今何処にいるんだ?」
「えっ・・・?えっと」
完璧だと思っていたところに、思わぬ指摘を受けて頭が真っ白になってしまうツクヨ。シンに助けを求めるような視線を送ると、今度は彼がカガリを納得させる返しをする。
「ミネは今、アクセル達の依頼の人物の救出に向かってる。湖の近くで彼女の気配を見つけたらしい。知っていながら見殺しには出来ないと駆けて行ったよ」
「そうか・・・。確かにミネさんらしいと言えばらしいな・・・」
一瞬、曇った表情を浮かべたカガリに言葉選びを間違えたかと不安になるも、上手くミネの性格を捉えていたようでカガリを納得させることに成功した。
しかし、危険であるのを知りながら自分の命よりも人助けを優先するミネの決断に感化されたのか、カガリも足を止めて彼の手伝いに向かうと言い出したのだ。
「そうだよ、調査隊は人を助ける為の組織でもあるんだ。それはミネさんから学んだ事。なら俺もそれに従わないとっ・・・!」
「馬鹿を言うんじゃねぇよ、カガリ!」
戻ろうとする彼を止めたのは、ハインドの街で同じく暮らしていたアクセルだった。彼もまた、ギルドの依頼をこなしながらそこに暮らす人々の為に尽くしてきた身。
同じ志しを持つ同志として、余りにも無茶なことをしようとしているカガリを止めてくれたのだ。
「お前が死んだとなりゃぁ、それこそミネは支えを失う。それにお前の事を任せたシン達に、その怒りの矛先が向かわねぇとも限らない。今お前がすべき事は、無事に街まで戻り、ミネの帰りを待つ事だろ」
「それはッ・・・」
後を押すようにカガリの肩に手を添えたのは、アクセルの相棒ケネトだった。ミネなら大丈夫、きっと戻って来ると彼を励ましその歩みを街の方へと向き直させた。
山を下る途中、様々なモンスターや動物達を目にした一行。その動物達の目は虚な目をしており、一心不乱に森の中を駆け抜けて、山のヌシであるミネの元へと向かっている。
「しっかしすげぇな、本当に山の生き物という生き物が、山のヌシの元へと向かってるんだな」
「あぁ、だがこれだけ多くの命が一度に失われて、ここら一帯の生態系は大丈夫なのか?」
アクセルとケネトの会話を、一行は黙って聞いていた。その殆どがケネトの疑問と同じ考えを持っていた。山の神が神饌を行わなければ、回帰の山とその周辺のみならず、この大陸にまで影響を及ぼしかねない精気が溢れ出す。
しかし、このまま神饌が行われれば沢山の命が山の神に喰われ天へと昇る。そうなればそもそも、回帰の山に住まう生き物の殆どは失われ、生態系そのものが崩壊してしまう。
そんな彼らの疑問に、ミネから話を聞いたシンとツクヨも答える事は出来なかった。ミネもあの場で話さなくてはならない事が多過ぎた故に、必要な情報だけを掻い摘んで二人に真実を話した。彼が神饌の後のことを語らなかったという事は、恐らく大きな問題にはならないという事だろう。
だが意外なことに、ケネトの疑問に答える者がいた。それはミネと同じ調査隊のカガリだった。長い間彼と過ごしていたカガリは、それらしい話を酔っ払ったミネから聞いた事があるのだという。
「それは多分大丈夫だ。みんなも知ってる通り、光脈の精気には命の源とも言える生命を育む力がある。以前にミネさんが酔っ払った時にその話をしていたのをよく覚えてる」
「しかし、その生命を育む力とやらも生き残りの生物がいなければそもそも数は増えない。この状況から見て、回帰の山の動物達は殆ど精気を纏ってしまっている。根本が失われた状態で、どうやって嘗ての山の姿を取り戻すと?」
「光脈に精気は、今ある命を育むだけじゃないってミネさんは言ってた。俺もどういう意味か分からなかったけど、二人の話を聞いてミネさんの言っていた事が分かった気がするんだ」
「つまりどういう事だ?」
「その神饌で多くの精気と命を喰らった山の神は、食事により身に宿した力で新たな生命をいくつか生み出すんだ。その生物達を中心に、様々な種族の動物や魔物へと変化させる精気で、再び山を潤していくって言ってた」
「なるほど、光脈の精気には姿形さえ変わってしまう程の力がある。それは種族の壁を越えるほどの変化をもたらす。神饌の後の、何もなくなった回帰の山に、新たな生命体を産み落とし、再び光脈の精気でその数を増やしていく。謂わばその生命体は、回帰の山の“アダムとイブ“って訳だ」
カガリの聞いたというミネの話を理解した一行は、余りにも現実離れした神話の世界のような話に、信じられないといった表情を浮かべる。しかし回帰の山の生命体が殆ど居なくなったとなれば、ミネの言っていた明日には安全に山を越えられるという話も現実味を帯びてくる。
「待ってくれよ、それならミネさんは今何処にいるんだ?」
「えっ・・・?えっと」
完璧だと思っていたところに、思わぬ指摘を受けて頭が真っ白になってしまうツクヨ。シンに助けを求めるような視線を送ると、今度は彼がカガリを納得させる返しをする。
「ミネは今、アクセル達の依頼の人物の救出に向かってる。湖の近くで彼女の気配を見つけたらしい。知っていながら見殺しには出来ないと駆けて行ったよ」
「そうか・・・。確かにミネさんらしいと言えばらしいな・・・」
一瞬、曇った表情を浮かべたカガリに言葉選びを間違えたかと不安になるも、上手くミネの性格を捉えていたようでカガリを納得させることに成功した。
しかし、危険であるのを知りながら自分の命よりも人助けを優先するミネの決断に感化されたのか、カガリも足を止めて彼の手伝いに向かうと言い出したのだ。
「そうだよ、調査隊は人を助ける為の組織でもあるんだ。それはミネさんから学んだ事。なら俺もそれに従わないとっ・・・!」
「馬鹿を言うんじゃねぇよ、カガリ!」
戻ろうとする彼を止めたのは、ハインドの街で同じく暮らしていたアクセルだった。彼もまた、ギルドの依頼をこなしながらそこに暮らす人々の為に尽くしてきた身。
同じ志しを持つ同志として、余りにも無茶なことをしようとしているカガリを止めてくれたのだ。
「お前が死んだとなりゃぁ、それこそミネは支えを失う。それにお前の事を任せたシン達に、その怒りの矛先が向かわねぇとも限らない。今お前がすべき事は、無事に街まで戻り、ミネの帰りを待つ事だろ」
「それはッ・・・」
後を押すようにカガリの肩に手を添えたのは、アクセルの相棒ケネトだった。ミネなら大丈夫、きっと戻って来ると彼を励ましその歩みを街の方へと向き直させた。
山を下る途中、様々なモンスターや動物達を目にした一行。その動物達の目は虚な目をしており、一心不乱に森の中を駆け抜けて、山のヌシであるミネの元へと向かっている。
「しっかしすげぇな、本当に山の生き物という生き物が、山のヌシの元へと向かってるんだな」
「あぁ、だがこれだけ多くの命が一度に失われて、ここら一帯の生態系は大丈夫なのか?」
アクセルとケネトの会話を、一行は黙って聞いていた。その殆どがケネトの疑問と同じ考えを持っていた。山の神が神饌を行わなければ、回帰の山とその周辺のみならず、この大陸にまで影響を及ぼしかねない精気が溢れ出す。
しかし、このまま神饌が行われれば沢山の命が山の神に喰われ天へと昇る。そうなればそもそも、回帰の山に住まう生き物の殆どは失われ、生態系そのものが崩壊してしまう。
そんな彼らの疑問に、ミネから話を聞いたシンとツクヨも答える事は出来なかった。ミネもあの場で話さなくてはならない事が多過ぎた故に、必要な情報だけを掻い摘んで二人に真実を話した。彼が神饌の後のことを語らなかったという事は、恐らく大きな問題にはならないという事だろう。
だが意外なことに、ケネトの疑問に答える者がいた。それはミネと同じ調査隊のカガリだった。長い間彼と過ごしていたカガリは、それらしい話を酔っ払ったミネから聞いた事があるのだという。
「それは多分大丈夫だ。みんなも知ってる通り、光脈の精気には命の源とも言える生命を育む力がある。以前にミネさんが酔っ払った時にその話をしていたのをよく覚えてる」
「しかし、その生命を育む力とやらも生き残りの生物がいなければそもそも数は増えない。この状況から見て、回帰の山の動物達は殆ど精気を纏ってしまっている。根本が失われた状態で、どうやって嘗ての山の姿を取り戻すと?」
「光脈に精気は、今ある命を育むだけじゃないってミネさんは言ってた。俺もどういう意味か分からなかったけど、二人の話を聞いてミネさんの言っていた事が分かった気がするんだ」
「つまりどういう事だ?」
「その神饌で多くの精気と命を喰らった山の神は、食事により身に宿した力で新たな生命をいくつか生み出すんだ。その生物達を中心に、様々な種族の動物や魔物へと変化させる精気で、再び山を潤していくって言ってた」
「なるほど、光脈の精気には姿形さえ変わってしまう程の力がある。それは種族の壁を越えるほどの変化をもたらす。神饌の後の、何もなくなった回帰の山に、新たな生命体を産み落とし、再び光脈の精気でその数を増やしていく。謂わばその生命体は、回帰の山の“アダムとイブ“って訳だ」
カガリの聞いたというミネの話を理解した一行は、余りにも現実離れした神話の世界のような話に、信じられないといった表情を浮かべる。しかし回帰の山の生命体が殆ど居なくなったとなれば、ミネの言っていた明日には安全に山を越えられるという話も現実味を帯びてくる。
0
お気に入りに追加
295
あなたにおすすめの小説
re:birth 〜勇者じゃないと追放された最強職【何でも屋】は、異世界でチートスキル【DIY】で無双します~
華音 楓
ファンタジー
「役立たずの貴様は、この城から出ていけ!」
国王から殺気を含んだ声で告げられtた海人は頷く他なかった。
ある日、異世界に魔王討伐の為に主人公「石立海人」(いしだてかいと)は、勇者として召喚された。
その際に、判明したスキルは、誰にも理解されない【DIY】と【なんでも屋】という隠れ最強職であった。
だが、勇者職を有していなかった主人公は、誰にも理解されることなく勇者ではないという理由で王族を含む全ての城関係者から露骨な侮蔑を受ける事になる。
城に滞在したままでは、命の危険性があった海人は、城から半ば追放される形で王城から追放されることになる。 僅かな金銭で追放された海人は、生活費用を稼ぐ為に冒険者として登録し、生きていくことを余儀なくされた。
この物語は、多くの仲間と出会い、ダンジョンを攻略し、成りあがっていくストーリーである。
「自重知らずの異世界転生者-膨大な魔力を引っさげて異世界デビューしたら、規格外過ぎて自重を求められています-」
mitsuzoエンターテインメンツ
ファンタジー
ネットでみつけた『異世界に行ったかもしれないスレ』に書いてあった『異世界に転生する方法』をやってみたら本当に異世界に転生された。
チート能力で豊富な魔力を持っていた俺だったが、目立つのが嫌だったので周囲となんら変わらないよう生活していたが「目立ち過ぎだ!」とか「加減という言葉の意味をもっと勉強して!」と周囲からはなぜか自重を求められた。
なんだよ? それじゃあまるで、俺が自重をどっかに捨ててきたみたいじゃないか!
こうして俺の理不尽で前途多難?な異世界生活が始まりました。
※注:すべてわかった上で自重してません。
婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた
cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。
お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。
婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。
過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。
ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。
婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。
明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。
「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。
そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。
茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。
幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。
「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?!
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
余りモノ異世界人の自由生活~勇者じゃないので勝手にやらせてもらいます~
藤森フクロウ
ファンタジー
相良真一(サガラシンイチ)は社畜ブラックの企業戦士だった。
悪夢のような連勤を乗り越え、漸く帰れるとバスに乗り込んだらまさかの異世界転移。
そこには土下座する幼女女神がいた。
『ごめんなさあああい!!!』
最初っからギャン泣きクライマックス。
社畜が呼び出した国からサクッと逃げ出し、自由を求めて旅立ちます。
真一からシンに名前を改め、別の国に移り住みスローライフ……と思ったら馬鹿王子の世話をする羽目になったり、狩りや採取に精を出したり、馬鹿王子に暴言を吐いたり、冒険者ランクを上げたり、女神の愚痴を聞いたり、馬鹿王子を躾けたり、社会貢献したり……
そんなまったり異世界生活がはじまる――かも?
ブックマーク30000件突破ありがとうございます!!
第13回ファンタジー小説大賞にて、特別賞を頂き書籍化しております。
♦お知らせ♦
余りモノ異世界人の自由生活、コミックス3巻が発売しました!
漫画は村松麻由先生が担当してくださっています。
よかったらお手に取っていただければ幸いです。
書籍のイラストは万冬しま先生が担当してくださっています。
7巻は6月17日に発送です。地域によって異なりますが、早ければ当日夕方、遅くても2~3日後に書店にお届けになるかと思います。
今回は夏休み帰郷編、ちょっとバトル入りです。
コミカライズの連載は毎月第二水曜に更新となります。
漫画は村松麻由先生が担当してくださいます。
※基本予約投稿が多いです。
たまに失敗してトチ狂ったことになっています。
原稿作業中は、不規則になったり更新が遅れる可能性があります。
現在原稿作業と、私生活のいろいろで感想にはお返事しておりません。
王太子様には優秀な妹の方がお似合いですから、いつまでも私にこだわる必要なんてありませんよ?
木山楽斗
恋愛
公爵令嬢であるラルリアは、優秀な妹に比べて平凡な人間であった。
これといって秀でた点がない彼女は、いつも妹と比較されて、時には罵倒されていたのである。
しかしそんなラルリアはある時、王太子の婚約者に選ばれた。
それに誰よりも驚いたのは、彼女自身である。仮に公爵家と王家の婚約がなされるとしても、その対象となるのは妹だと思っていたからだ。
事実として、社交界ではその婚約は非難されていた。
妹の方を王家に嫁がせる方が有益であると、有力者達は考えていたのだ。
故にラルリアも、婚約者である王太子アドルヴに婚約を変更するように進言した。しかし彼は、頑なにラルリアとの婚約を望んでいた。どうやらこの婚約自体、彼が提案したものであるようなのだ。
愛されていないはずの婚約者に「貴方に愛されることなど望んでいませんわ」と申し上げたら溺愛されました
海咲雪
恋愛
「セレア、もう一度言う。私はセレアを愛している」
「どうやら、私の愛は伝わっていなかったらしい。これからは思う存分セレアを愛でることにしよう」
「他の男を愛することは婚約者の私が一切認めない。君が愛を注いでいいのも愛を注がれていいのも私だけだ」
貴方が愛しているのはあの男爵令嬢でしょう・・・?
何故、私を愛するふりをするのですか?
[登場人物]
セレア・シャルロット・・・伯爵令嬢。ノア・ヴィアーズの婚約者。ノアのことを建前ではなく本当に愛している。
×
ノア・ヴィアーズ・・・王族。セレア・シャルロットの婚約者。
リア・セルナード・・・男爵令嬢。ノア・ヴィアーズと恋仲であると噂が立っている。
アレン・シールベルト・・・伯爵家の一人息子。セレアとは幼い頃から仲が良い友達。実はセレアのことを・・・?
私異世界で成り上がる!! ~家出娘が異世界で極貧生活しながら虎視眈々と頂点を目指す~
春風一
ファンタジー
『いーわよ、そこまで言うならもう、親子の縁なんて切ってやる!! 絶対に成功するから、今に見てなさいよ!!』
如月風歌は、考えるより先に行動する脳筋少女。中学の卒業式の日に、親と大喧嘩し、その勢いで家出する。時空航行船のチケットを握りしめ、着の身着のまま&ほぼ無一文で、異世界に向かっていった。
同じ地球でありながら、魔法で発展した平行世界エレクトラ。この世界に来たのは『シルフィード』と呼ばれる、女性だけがなれる『超人気職業』に就くためだ。
上位階級のシルフィードは、トップアイドルのような存在。また、絶大な人気・知名度・影響力を持ち、誰からも尊敬される、人生の成功者。巨万の富を築いた者も、少なくはない。
だが、お金もない・人脈もない・知識もない。加えて、女子力ゼロで、女らしさの欠片もない。全てがゼロからの、あまりにも無謀すぎる挑戦。しかも、親から勘当を言い渡され、帰る場所すらない状態。
夢に燃えて、意気揚々と異世界に乗り込んだものの、待ち受けていのは、恐ろしく厳しい現実と、パンと水だけの極貧生活だった。
『夢さえ持っていれば、気合さえあれば、絶対に上手くいく!!』と信じて疑わない、脳筋でちょっとお馬鹿な少女。だが、チート並みのコミュ力(無自覚)で、人脈をどんどん広げて行く。
ほのぼの日常系。でも、脳筋主人公のため、トラブルが発生したり、たまにシリアスだったり、スポ根っぽい熱い展開も……。
裸一貫から成り上がる、異世界シンデレラストーリー。
私とお母さんとお好み焼き
white love it
経済・企業
義理の母と二人暮らしの垣谷操。貧しいと思っていたが、義母、京子の経営手腕はなかなかのものだった。
シングルマザーの織りなす経営方法とは?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる