1,626 / 1,646
神饌の為の装置
しおりを挟む
カガリがトミとユリアの子である事を知り、驚きを隠せないといった様子のシンとツクヨ。しかしツクヨには引っ掛かる点が一つあった。それはトミが捜索依頼を出しているのは妻であるユリアだけだった。
自身も家族を持つ身であるからこそ、我が子の捜索を出さないのはおかしい。ミネの話にはまだ続きがあるようだ。ツクヨは何故トミが我が子の捜索依頼を出していないのかと問う。
するとそこには、儀式の最中に贄として捧げた我が子を取り戻しに行ったことで、予想外の出来事が彼らのみに降りかかっていた事を知る。
「俺はカガリに、お前の両親はもういないと伝えた。それはトミもユリアも、当時の記憶を失っていたからだった。大事にしていた我が子であるカガリのこともな・・・」
「そんな・・・記憶を?」
「あぁ、だが命があっただけでも本来は奇跡だと言ってもいい。俺と彼らはあの時・・・山の神に喰われた」
「ッ!?」
ミネが真っ暗な空間で二つの光りと話していた時、既に彼らはその山の神とやらの食べられていたのだ。その時には既に、トミとユリアの肉体と魂は分離されており、魂と意識だけが光りとなって我が子の元へと向かっていた。
まだ身体を保っていたミネは、光りとなった二人と再会し赤子のカガリを救出すると約束した。だがミネには脱出の案などなかった。それでも今にも消えそうな二人の魂の前で、ミネは二人を不安にさせるような言葉や態度を示すわけにはいかなかった。
二つに光がミネの前から消えようとしたその時、山の神に喰われたミネの身体にも異変が起こっていた。まるで全身に力が漲るように精気が流れ込み続け、自分の身体ではないように制御が効かなくなる。
そして込み上げる熱量が限界を迎えた時、ミネは赤子を抱えたまま意識を失ってしまう。そして次に目を覚ました時には回帰の山の中に戻っており、同時に山のヌシにされていたという訳だ。
ミネが山のヌシにされた事により、無意識に助けようとしていたカガリや、肉体と魂を失った筈のトミとユリアも、山の神の体内から救い出し森の何処かへと送り出していたのだ。
何が起きたのか分からぬまま、ミネはその胸に抱える赤子と共にハインドの街へと降りて行った。それから暫くしてトミとユリアも街へと降り、運命的な出会いをした二人は、嘗て夫婦であった記憶を失ったまま再び夫婦となる。
その後はシン達も知る通り、ユリアはミネがハインドの街に入り浸る事で流れ出した鉱脈の精気に当てられ、回帰の山で行方不明になる。成長したカガリを弟子にして山の調査を行っていたミネは、次第に精気の流れの真実に気付き始め、街からも距離をとる。
「俺が自分のことを山のヌシなんじゃないかって思い始めたのは、つい最近だ。それまでは漠然とだが、俺が街に居ることで何か悪影響が出ているんじゃないかって程度だった」
「おかしいと思った時に、街からも山からも離れようとは思わなかったのか?」
山や街に居ることで精気の流れを乱し、そこに住まう生き物達に悪影響を与えてしまうのなら、そこから離れて仕舞えばいい。実に簡単なことだが、無論それを試そうとしなかった訳でもないようだった。
「そりゃぁ思ったさ。だが、離れられないんだ・・・。山のヌシになってから次第に思考まで支配されてくるんだ。山の神の為に、多くの生物に光脈の精気を浸透させて半ば中毒状態にさせる。その為にある程度山から外へは離れられるが、俺自身の身体がそれを拒み、思考を奪われ山の方へと帰される」
山を離れられないんだ理由の他に、ミネは自身が山を離れると山のヌシを失った回帰の山がどうなってしまうのかを想像すると、二度とそのような危ない真似はしなくなったのだと語る。
生物に精気を纏わせる為の装置となったミネが、勝手にその主人である山の神の元を離れられない。ミネ達が山の神の体内から脱出できた代償と彼は考え、自分の身一つで許されるのなら甘んじて受け入れる覚悟をした。
「だからこそ、せっかく助かったカガリやトミ、ユリアを巻き込む訳には行かないんだ。トミは街に居るからいいが、ユリアは精気に当てられて回帰の山の中にいる。彼女は俺が責任を持って街へ送り返して見せる。だからカガリを・・・」
「そういう事なら俺達は一向に構わない。ただ一つ聞きたい、俺達はこの山の向こう側へ行きたい。出来れば安全にだ、子供もいる。それは可能か?」
カガリの救出に関しては断る理由などなかった。だがこれから起こるであろう出来事のせいで山を越えられなくなる方が、シン達にとっては致命的だった。
「安心しろ。“事”が済めば明日にでも山は越えられる」
「事が済めば・・・一体何をする気ですか?ミネさん」
ミネの様子がおかしい事を察したツクヨは、同じ子を持つ親として彼のしようとしている事が、カガリにどんな影響を残してしまうのかを心配したのだ。
「いずれその時は来るんだ。それが今夜だってだけだった。俺は精気を纏った生物を集めて山の神を鎮める為、神饌の贄となる。それで俺の役割は終わりだ・・」
「終わりじゃない!カガリ君は貴方を心配して、危険と知りながら山へ探しに来ていました。彼にとっては貴方が親なんです。また彼を一人にするつもりですか?」
「分かったような口を聞くじゃねぇか・・・。ならどうしようってんだ?身も心も自由の利かない操り人形の俺にどうしろと?」
珍しくミネに突っ掛かるツクヨの気迫に、仲間のシンまで思わず言葉を失ってしまった。ツクヨは全てを受け入れ、役割を全うするだけの文字通り操り人形になっているミネが気に入らなかったのだ。
自身も家族を持つ身であるからこそ、我が子の捜索を出さないのはおかしい。ミネの話にはまだ続きがあるようだ。ツクヨは何故トミが我が子の捜索依頼を出していないのかと問う。
するとそこには、儀式の最中に贄として捧げた我が子を取り戻しに行ったことで、予想外の出来事が彼らのみに降りかかっていた事を知る。
「俺はカガリに、お前の両親はもういないと伝えた。それはトミもユリアも、当時の記憶を失っていたからだった。大事にしていた我が子であるカガリのこともな・・・」
「そんな・・・記憶を?」
「あぁ、だが命があっただけでも本来は奇跡だと言ってもいい。俺と彼らはあの時・・・山の神に喰われた」
「ッ!?」
ミネが真っ暗な空間で二つの光りと話していた時、既に彼らはその山の神とやらの食べられていたのだ。その時には既に、トミとユリアの肉体と魂は分離されており、魂と意識だけが光りとなって我が子の元へと向かっていた。
まだ身体を保っていたミネは、光りとなった二人と再会し赤子のカガリを救出すると約束した。だがミネには脱出の案などなかった。それでも今にも消えそうな二人の魂の前で、ミネは二人を不安にさせるような言葉や態度を示すわけにはいかなかった。
二つに光がミネの前から消えようとしたその時、山の神に喰われたミネの身体にも異変が起こっていた。まるで全身に力が漲るように精気が流れ込み続け、自分の身体ではないように制御が効かなくなる。
そして込み上げる熱量が限界を迎えた時、ミネは赤子を抱えたまま意識を失ってしまう。そして次に目を覚ました時には回帰の山の中に戻っており、同時に山のヌシにされていたという訳だ。
ミネが山のヌシにされた事により、無意識に助けようとしていたカガリや、肉体と魂を失った筈のトミとユリアも、山の神の体内から救い出し森の何処かへと送り出していたのだ。
何が起きたのか分からぬまま、ミネはその胸に抱える赤子と共にハインドの街へと降りて行った。それから暫くしてトミとユリアも街へと降り、運命的な出会いをした二人は、嘗て夫婦であった記憶を失ったまま再び夫婦となる。
その後はシン達も知る通り、ユリアはミネがハインドの街に入り浸る事で流れ出した鉱脈の精気に当てられ、回帰の山で行方不明になる。成長したカガリを弟子にして山の調査を行っていたミネは、次第に精気の流れの真実に気付き始め、街からも距離をとる。
「俺が自分のことを山のヌシなんじゃないかって思い始めたのは、つい最近だ。それまでは漠然とだが、俺が街に居ることで何か悪影響が出ているんじゃないかって程度だった」
「おかしいと思った時に、街からも山からも離れようとは思わなかったのか?」
山や街に居ることで精気の流れを乱し、そこに住まう生き物達に悪影響を与えてしまうのなら、そこから離れて仕舞えばいい。実に簡単なことだが、無論それを試そうとしなかった訳でもないようだった。
「そりゃぁ思ったさ。だが、離れられないんだ・・・。山のヌシになってから次第に思考まで支配されてくるんだ。山の神の為に、多くの生物に光脈の精気を浸透させて半ば中毒状態にさせる。その為にある程度山から外へは離れられるが、俺自身の身体がそれを拒み、思考を奪われ山の方へと帰される」
山を離れられないんだ理由の他に、ミネは自身が山を離れると山のヌシを失った回帰の山がどうなってしまうのかを想像すると、二度とそのような危ない真似はしなくなったのだと語る。
生物に精気を纏わせる為の装置となったミネが、勝手にその主人である山の神の元を離れられない。ミネ達が山の神の体内から脱出できた代償と彼は考え、自分の身一つで許されるのなら甘んじて受け入れる覚悟をした。
「だからこそ、せっかく助かったカガリやトミ、ユリアを巻き込む訳には行かないんだ。トミは街に居るからいいが、ユリアは精気に当てられて回帰の山の中にいる。彼女は俺が責任を持って街へ送り返して見せる。だからカガリを・・・」
「そういう事なら俺達は一向に構わない。ただ一つ聞きたい、俺達はこの山の向こう側へ行きたい。出来れば安全にだ、子供もいる。それは可能か?」
カガリの救出に関しては断る理由などなかった。だがこれから起こるであろう出来事のせいで山を越えられなくなる方が、シン達にとっては致命的だった。
「安心しろ。“事”が済めば明日にでも山は越えられる」
「事が済めば・・・一体何をする気ですか?ミネさん」
ミネの様子がおかしい事を察したツクヨは、同じ子を持つ親として彼のしようとしている事が、カガリにどんな影響を残してしまうのかを心配したのだ。
「いずれその時は来るんだ。それが今夜だってだけだった。俺は精気を纏った生物を集めて山の神を鎮める為、神饌の贄となる。それで俺の役割は終わりだ・・」
「終わりじゃない!カガリ君は貴方を心配して、危険と知りながら山へ探しに来ていました。彼にとっては貴方が親なんです。また彼を一人にするつもりですか?」
「分かったような口を聞くじゃねぇか・・・。ならどうしようってんだ?身も心も自由の利かない操り人形の俺にどうしろと?」
珍しくミネに突っ掛かるツクヨの気迫に、仲間のシンまで思わず言葉を失ってしまった。ツクヨは全てを受け入れ、役割を全うするだけの文字通り操り人形になっているミネが気に入らなかったのだ。
0
お気に入りに追加
295
あなたにおすすめの小説
re:birth 〜勇者じゃないと追放された最強職【何でも屋】は、異世界でチートスキル【DIY】で無双します~
華音 楓
ファンタジー
「役立たずの貴様は、この城から出ていけ!」
国王から殺気を含んだ声で告げられtた海人は頷く他なかった。
ある日、異世界に魔王討伐の為に主人公「石立海人」(いしだてかいと)は、勇者として召喚された。
その際に、判明したスキルは、誰にも理解されない【DIY】と【なんでも屋】という隠れ最強職であった。
だが、勇者職を有していなかった主人公は、誰にも理解されることなく勇者ではないという理由で王族を含む全ての城関係者から露骨な侮蔑を受ける事になる。
城に滞在したままでは、命の危険性があった海人は、城から半ば追放される形で王城から追放されることになる。 僅かな金銭で追放された海人は、生活費用を稼ぐ為に冒険者として登録し、生きていくことを余儀なくされた。
この物語は、多くの仲間と出会い、ダンジョンを攻略し、成りあがっていくストーリーである。
「自重知らずの異世界転生者-膨大な魔力を引っさげて異世界デビューしたら、規格外過ぎて自重を求められています-」
mitsuzoエンターテインメンツ
ファンタジー
ネットでみつけた『異世界に行ったかもしれないスレ』に書いてあった『異世界に転生する方法』をやってみたら本当に異世界に転生された。
チート能力で豊富な魔力を持っていた俺だったが、目立つのが嫌だったので周囲となんら変わらないよう生活していたが「目立ち過ぎだ!」とか「加減という言葉の意味をもっと勉強して!」と周囲からはなぜか自重を求められた。
なんだよ? それじゃあまるで、俺が自重をどっかに捨ててきたみたいじゃないか!
こうして俺の理不尽で前途多難?な異世界生活が始まりました。
※注:すべてわかった上で自重してません。
婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた
cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。
お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。
婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。
過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。
ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。
婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。
明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。
「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。
そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。
茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。
幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。
「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?!
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
余りモノ異世界人の自由生活~勇者じゃないので勝手にやらせてもらいます~
藤森フクロウ
ファンタジー
相良真一(サガラシンイチ)は社畜ブラックの企業戦士だった。
悪夢のような連勤を乗り越え、漸く帰れるとバスに乗り込んだらまさかの異世界転移。
そこには土下座する幼女女神がいた。
『ごめんなさあああい!!!』
最初っからギャン泣きクライマックス。
社畜が呼び出した国からサクッと逃げ出し、自由を求めて旅立ちます。
真一からシンに名前を改め、別の国に移り住みスローライフ……と思ったら馬鹿王子の世話をする羽目になったり、狩りや採取に精を出したり、馬鹿王子に暴言を吐いたり、冒険者ランクを上げたり、女神の愚痴を聞いたり、馬鹿王子を躾けたり、社会貢献したり……
そんなまったり異世界生活がはじまる――かも?
ブックマーク30000件突破ありがとうございます!!
第13回ファンタジー小説大賞にて、特別賞を頂き書籍化しております。
♦お知らせ♦
余りモノ異世界人の自由生活、コミックス3巻が発売しました!
漫画は村松麻由先生が担当してくださっています。
よかったらお手に取っていただければ幸いです。
書籍のイラストは万冬しま先生が担当してくださっています。
7巻は6月17日に発送です。地域によって異なりますが、早ければ当日夕方、遅くても2~3日後に書店にお届けになるかと思います。
今回は夏休み帰郷編、ちょっとバトル入りです。
コミカライズの連載は毎月第二水曜に更新となります。
漫画は村松麻由先生が担当してくださいます。
※基本予約投稿が多いです。
たまに失敗してトチ狂ったことになっています。
原稿作業中は、不規則になったり更新が遅れる可能性があります。
現在原稿作業と、私生活のいろいろで感想にはお返事しておりません。
王太子様には優秀な妹の方がお似合いですから、いつまでも私にこだわる必要なんてありませんよ?
木山楽斗
恋愛
公爵令嬢であるラルリアは、優秀な妹に比べて平凡な人間であった。
これといって秀でた点がない彼女は、いつも妹と比較されて、時には罵倒されていたのである。
しかしそんなラルリアはある時、王太子の婚約者に選ばれた。
それに誰よりも驚いたのは、彼女自身である。仮に公爵家と王家の婚約がなされるとしても、その対象となるのは妹だと思っていたからだ。
事実として、社交界ではその婚約は非難されていた。
妹の方を王家に嫁がせる方が有益であると、有力者達は考えていたのだ。
故にラルリアも、婚約者である王太子アドルヴに婚約を変更するように進言した。しかし彼は、頑なにラルリアとの婚約を望んでいた。どうやらこの婚約自体、彼が提案したものであるようなのだ。
愛されていないはずの婚約者に「貴方に愛されることなど望んでいませんわ」と申し上げたら溺愛されました
海咲雪
恋愛
「セレア、もう一度言う。私はセレアを愛している」
「どうやら、私の愛は伝わっていなかったらしい。これからは思う存分セレアを愛でることにしよう」
「他の男を愛することは婚約者の私が一切認めない。君が愛を注いでいいのも愛を注がれていいのも私だけだ」
貴方が愛しているのはあの男爵令嬢でしょう・・・?
何故、私を愛するふりをするのですか?
[登場人物]
セレア・シャルロット・・・伯爵令嬢。ノア・ヴィアーズの婚約者。ノアのことを建前ではなく本当に愛している。
×
ノア・ヴィアーズ・・・王族。セレア・シャルロットの婚約者。
リア・セルナード・・・男爵令嬢。ノア・ヴィアーズと恋仲であると噂が立っている。
アレン・シールベルト・・・伯爵家の一人息子。セレアとは幼い頃から仲が良い友達。実はセレアのことを・・・?
私異世界で成り上がる!! ~家出娘が異世界で極貧生活しながら虎視眈々と頂点を目指す~
春風一
ファンタジー
『いーわよ、そこまで言うならもう、親子の縁なんて切ってやる!! 絶対に成功するから、今に見てなさいよ!!』
如月風歌は、考えるより先に行動する脳筋少女。中学の卒業式の日に、親と大喧嘩し、その勢いで家出する。時空航行船のチケットを握りしめ、着の身着のまま&ほぼ無一文で、異世界に向かっていった。
同じ地球でありながら、魔法で発展した平行世界エレクトラ。この世界に来たのは『シルフィード』と呼ばれる、女性だけがなれる『超人気職業』に就くためだ。
上位階級のシルフィードは、トップアイドルのような存在。また、絶大な人気・知名度・影響力を持ち、誰からも尊敬される、人生の成功者。巨万の富を築いた者も、少なくはない。
だが、お金もない・人脈もない・知識もない。加えて、女子力ゼロで、女らしさの欠片もない。全てがゼロからの、あまりにも無謀すぎる挑戦。しかも、親から勘当を言い渡され、帰る場所すらない状態。
夢に燃えて、意気揚々と異世界に乗り込んだものの、待ち受けていのは、恐ろしく厳しい現実と、パンと水だけの極貧生活だった。
『夢さえ持っていれば、気合さえあれば、絶対に上手くいく!!』と信じて疑わない、脳筋でちょっとお馬鹿な少女。だが、チート並みのコミュ力(無自覚)で、人脈をどんどん広げて行く。
ほのぼの日常系。でも、脳筋主人公のため、トラブルが発生したり、たまにシリアスだったり、スポ根っぽい熱い展開も……。
裸一貫から成り上がる、異世界シンデレラストーリー。
私とお母さんとお好み焼き
white love it
経済・企業
義理の母と二人暮らしの垣谷操。貧しいと思っていたが、義母、京子の経営手腕はなかなかのものだった。
シングルマザーの織りなす経営方法とは?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる