1,566 / 1,646
目的地の情報更新
しおりを挟む
暫くしてすっかり日が昇り、シン達の乗る馬車にも光が差し込む頃、アカリとツバキが目を覚ました。目的地であるハインドという街への到着は昼頃になる予定だ。
まだ到着まで暫く時間がかかる中で、ツバキはアルバで購入した部品などを使い新たな発明品の開発に勤しんでいる。といっても、腕や脚に取り付けるガジェットや、アンカーを撃ち出す小手のようなものではなく、更に小型な何かのようだ。
「何作ってるの?」
「ん?いや、今回は趣向を変えてだな・・・。新しい連絡ツールでも作ってみようと思ってな」
彼がお手本にしている物は、アルバでケヴィンから貰ったアークシティ産の蜘蛛型カメラだった。時折工具を取り出し、足の部分や胴体を少し分解しては構造を覗き込むように、日の光を当てながら観察している。
蜘蛛型カメラはカチカチと床で足音を鳴らしながら逃げようとしている。しかし胴体に繋がれたワイヤーが、まるで首輪のように蜘蛛の動きを制限している。
「ツ・・・ツバキ、これは?」
「これって?あぁ、繋いでおかなきゃ逃げちゃうだろ?」
「逃げるって・・・え?生きてるのコレェ!?」
色々と弄っているうちに、ツバキはこのカメラに操縦モードと生態モードがある事を発見したらしい。その中には蜘蛛の生態がインプットされており、自然な生物の動きを自動で行うものらしい。
そんな機能が果たしてどんな役に立つのかは分からないが、これも技術力の賜物なのだろうと、ツクヨは無理矢理納得する事にした。
「でも面白いね!機械に生物の生態をインプット出来るのか。っていう事は、この子に別の生き物の生態をインプットすることも出来るのかい?」
「出来るだろうけど、この機体に可能な動きしか出来ないだろ?寧ろ別の生物の生態を入れたら異常をきたしてクラッシュしちまうかも知れねぇぞ」
二人が機械の事について盛り上がっている間、シンとミアはアカリの薬の調合を手伝っていた。とはいっても、シンとミアは調合師のスキルを使える訳でもない為、簡単な物の調合しか出来なかった。
それでも状態異常を回復する薬や、効果量の少ない回復薬は上位の物を作り出す為の素材になる為、アカリの作業量を軽減するには十分な働きが出来る。補助系のアイテムはスキルなどと違い、使用さえ出来れば誰でも回復薬やサポートが可能になる。
ただアイテムだからといって、何でもかんでも使用できる訳ではない。アイテムにもランクや使用クラスの制限が掛けられており、例えば通常の回復薬ならば基本的に誰でもどのクラスでも使用可能だが、それに加えて全ての状態異常まで回復出来るとなると、薬剤の知識や特定のスキルが必要になって使用出来ないというアイテムになってしまう。
つまりシンとミアが今調合しているのは、ランクの低い誰でも使用出来るアイテムという事になる。その上で、彼らの作ったアイテムを素材として、アカリが別の薬草やハーブを使い、彼女だけが使える特殊で便利なアイテムへと昇格させているという状況だ。
「なんか内職みたいだな」
「給料は出ないけどな」
「内職?」
アカリにその知識がないのか、この世界にそういった内職が無いのか。WoFのゲームにおいて、果たして内職と呼べるものが存在していたかどうかは、シンもミアも定かではなかった。
大抵は街や国などで発生するクエストをこなしたり、モンスターを退治したドロップ品を売ったりすれば冒険者は金がある程度稼げる。
「まぁどこでも出来る稼ぎってところかな?」
「そんなものがあるのですか!私にピッタリかも知れませんね!」
「はは、そうだな」
あながち彼女の言葉は的外れでもなかった。安い調合素材や拾い物で薬を作り出し、街や村の商人達に売って稼ぎを得るという方法もあるくらいだ。アカリがリナムルの森で獣人族達から得た知識やスキルは、彼女にとって確実に内省的な力にもなっていた。
そこへ誰かのお腹が鳴る音が響き渡る。一行がキョロキョロと見渡していると、一人だけ他の者達とは違い、俯いている人物がいる。それはまだ起きたばかりで、眠そうに欠伸をしていたツバキだった。
「腹減った・・・。誰か何か買ってきてない?」
ツバキのリクエストで所持品を確認する一行。それぞれがアルバで最後に買ってきた物に目を通していく。
「悪い、俺は投擲ようの道具と戦闘用アイテムばかりだ・・・」
「私も戦闘用アイテムが殆どだね。っていうか、男性陣は同じところに行ったんだから分かるでしょ」
「御免なさい。私も薬草や薬品ばかりで食べ物は・・・」
「アタシは酒だな」
「・・・・・」
一行の目が細まり、酒瓶を手にするミアへと向けられる。言葉はなかったが、その鋭い視線がチクチクとミアへと突き刺さり、彼女も何が悪いといった様子でコソコソと酒瓶をしまった。
すると彼らの騒がしい会話が聞こえたのか、馬の手綱を引く馬車の主人が、お腹を空かせる一行に声を掛けてくれた。荷物の中に腹の足しになる物があると、それが置かれている場所を説明し、ツクヨが主人の言う通りの場所を調べると、芋で作ったであろうスナック菓子の袋が多く詰め込まれていた。
「見てよ!宝の山だッ!!」
「よっしゃーーーッ!ありがとよ!おっちゃん!」
空腹のあまり席を飛び出して菓子の元へ向かうツバキ。だが当然ながらタダでくれると言う訳ではなく、あくまで販売してやるという条件だった。
「まぁ、そりゃぁそうか。大丈夫!金なら持ってるぜ、おっちゃん!」
一行は海のレースで得た賞金を取り出すと、その膨れ上がった袋を馬車の主人に見せつける。見かけによらず大金を携えた一行に、大きく口を開けて豪快な笑いを見せる主人は、気分が良くなったのか、安い馬車に乗せてしまった詫びだといって、他の商品も売ってやると言ってくれた。
「まぁでも、他の買い物と言ってもなぁ・・・」
「確かに。前の街でガッツリ買い物は済ませて来たからね」
「食い物以外な?」
「あのね?ツバキ君、君は時々一言多いよ・・・」
「嘘じゃねぇだろ!?」
他の商品も勧められたが、あまり今必要な食べ物以外必要そうでない一行に、馬車の主人が目的地を問う。ツクヨが北の山へ向かうので麓のハインドという街に行くのだと伝えると、主人は北の山についての話をしてくれた。
「ハインドから北の山か・・・。なら、精神安定の薬を多めに買い込んでおいた方がいいよ」
「精神安定の薬?」
「やっぱり知らないで向かうつもりだったのか。あそこはな、特別な光脈が流れる不思議な土地でな。何も知らないで入ると、自我を失っちまっていつの間にか外に出られなくなっちまうっていう、危険な場所なんだよ」
ケヴィンの話にはなかった新たな情報が更新された。シン達が越えようとしている北の山というのは、人が迷い込んでは行方不明になり、見つけたとしてもその土地の光脈に長らく当てられてしまった者は、山から出ることすら出来なくなってしまうという、曰く付きの山だったようだ。
まだ到着まで暫く時間がかかる中で、ツバキはアルバで購入した部品などを使い新たな発明品の開発に勤しんでいる。といっても、腕や脚に取り付けるガジェットや、アンカーを撃ち出す小手のようなものではなく、更に小型な何かのようだ。
「何作ってるの?」
「ん?いや、今回は趣向を変えてだな・・・。新しい連絡ツールでも作ってみようと思ってな」
彼がお手本にしている物は、アルバでケヴィンから貰ったアークシティ産の蜘蛛型カメラだった。時折工具を取り出し、足の部分や胴体を少し分解しては構造を覗き込むように、日の光を当てながら観察している。
蜘蛛型カメラはカチカチと床で足音を鳴らしながら逃げようとしている。しかし胴体に繋がれたワイヤーが、まるで首輪のように蜘蛛の動きを制限している。
「ツ・・・ツバキ、これは?」
「これって?あぁ、繋いでおかなきゃ逃げちゃうだろ?」
「逃げるって・・・え?生きてるのコレェ!?」
色々と弄っているうちに、ツバキはこのカメラに操縦モードと生態モードがある事を発見したらしい。その中には蜘蛛の生態がインプットされており、自然な生物の動きを自動で行うものらしい。
そんな機能が果たしてどんな役に立つのかは分からないが、これも技術力の賜物なのだろうと、ツクヨは無理矢理納得する事にした。
「でも面白いね!機械に生物の生態をインプット出来るのか。っていう事は、この子に別の生き物の生態をインプットすることも出来るのかい?」
「出来るだろうけど、この機体に可能な動きしか出来ないだろ?寧ろ別の生物の生態を入れたら異常をきたしてクラッシュしちまうかも知れねぇぞ」
二人が機械の事について盛り上がっている間、シンとミアはアカリの薬の調合を手伝っていた。とはいっても、シンとミアは調合師のスキルを使える訳でもない為、簡単な物の調合しか出来なかった。
それでも状態異常を回復する薬や、効果量の少ない回復薬は上位の物を作り出す為の素材になる為、アカリの作業量を軽減するには十分な働きが出来る。補助系のアイテムはスキルなどと違い、使用さえ出来れば誰でも回復薬やサポートが可能になる。
ただアイテムだからといって、何でもかんでも使用できる訳ではない。アイテムにもランクや使用クラスの制限が掛けられており、例えば通常の回復薬ならば基本的に誰でもどのクラスでも使用可能だが、それに加えて全ての状態異常まで回復出来るとなると、薬剤の知識や特定のスキルが必要になって使用出来ないというアイテムになってしまう。
つまりシンとミアが今調合しているのは、ランクの低い誰でも使用出来るアイテムという事になる。その上で、彼らの作ったアイテムを素材として、アカリが別の薬草やハーブを使い、彼女だけが使える特殊で便利なアイテムへと昇格させているという状況だ。
「なんか内職みたいだな」
「給料は出ないけどな」
「内職?」
アカリにその知識がないのか、この世界にそういった内職が無いのか。WoFのゲームにおいて、果たして内職と呼べるものが存在していたかどうかは、シンもミアも定かではなかった。
大抵は街や国などで発生するクエストをこなしたり、モンスターを退治したドロップ品を売ったりすれば冒険者は金がある程度稼げる。
「まぁどこでも出来る稼ぎってところかな?」
「そんなものがあるのですか!私にピッタリかも知れませんね!」
「はは、そうだな」
あながち彼女の言葉は的外れでもなかった。安い調合素材や拾い物で薬を作り出し、街や村の商人達に売って稼ぎを得るという方法もあるくらいだ。アカリがリナムルの森で獣人族達から得た知識やスキルは、彼女にとって確実に内省的な力にもなっていた。
そこへ誰かのお腹が鳴る音が響き渡る。一行がキョロキョロと見渡していると、一人だけ他の者達とは違い、俯いている人物がいる。それはまだ起きたばかりで、眠そうに欠伸をしていたツバキだった。
「腹減った・・・。誰か何か買ってきてない?」
ツバキのリクエストで所持品を確認する一行。それぞれがアルバで最後に買ってきた物に目を通していく。
「悪い、俺は投擲ようの道具と戦闘用アイテムばかりだ・・・」
「私も戦闘用アイテムが殆どだね。っていうか、男性陣は同じところに行ったんだから分かるでしょ」
「御免なさい。私も薬草や薬品ばかりで食べ物は・・・」
「アタシは酒だな」
「・・・・・」
一行の目が細まり、酒瓶を手にするミアへと向けられる。言葉はなかったが、その鋭い視線がチクチクとミアへと突き刺さり、彼女も何が悪いといった様子でコソコソと酒瓶をしまった。
すると彼らの騒がしい会話が聞こえたのか、馬の手綱を引く馬車の主人が、お腹を空かせる一行に声を掛けてくれた。荷物の中に腹の足しになる物があると、それが置かれている場所を説明し、ツクヨが主人の言う通りの場所を調べると、芋で作ったであろうスナック菓子の袋が多く詰め込まれていた。
「見てよ!宝の山だッ!!」
「よっしゃーーーッ!ありがとよ!おっちゃん!」
空腹のあまり席を飛び出して菓子の元へ向かうツバキ。だが当然ながらタダでくれると言う訳ではなく、あくまで販売してやるという条件だった。
「まぁ、そりゃぁそうか。大丈夫!金なら持ってるぜ、おっちゃん!」
一行は海のレースで得た賞金を取り出すと、その膨れ上がった袋を馬車の主人に見せつける。見かけによらず大金を携えた一行に、大きく口を開けて豪快な笑いを見せる主人は、気分が良くなったのか、安い馬車に乗せてしまった詫びだといって、他の商品も売ってやると言ってくれた。
「まぁでも、他の買い物と言ってもなぁ・・・」
「確かに。前の街でガッツリ買い物は済ませて来たからね」
「食い物以外な?」
「あのね?ツバキ君、君は時々一言多いよ・・・」
「嘘じゃねぇだろ!?」
他の商品も勧められたが、あまり今必要な食べ物以外必要そうでない一行に、馬車の主人が目的地を問う。ツクヨが北の山へ向かうので麓のハインドという街に行くのだと伝えると、主人は北の山についての話をしてくれた。
「ハインドから北の山か・・・。なら、精神安定の薬を多めに買い込んでおいた方がいいよ」
「精神安定の薬?」
「やっぱり知らないで向かうつもりだったのか。あそこはな、特別な光脈が流れる不思議な土地でな。何も知らないで入ると、自我を失っちまっていつの間にか外に出られなくなっちまうっていう、危険な場所なんだよ」
ケヴィンの話にはなかった新たな情報が更新された。シン達が越えようとしている北の山というのは、人が迷い込んでは行方不明になり、見つけたとしてもその土地の光脈に長らく当てられてしまった者は、山から出ることすら出来なくなってしまうという、曰く付きの山だったようだ。
0
お気に入りに追加
295
あなたにおすすめの小説
【修正中】ハズレ勇者の鬼畜スキル 〜ハズレだからと問答無用で追い出されたが、実は規格外の歴代最強勇者だった?〜
水先 冬菜
ファンタジー
「こんなハズレ勇者など、即刻摘み出せ!!!」
某大学に通う俺、如月湊(きさらぎみなと)は漫画や小説とかで言う【勇者召喚】とやらで、異世界に召喚されたらしい。
お約束な感じに【勇者様】とか、【魔王を倒して欲しい】だとか、言われたが--------
ステータスを開いた瞬間、この国の王様っぽい奴がいきなり叫び出したかと思えば、いきなり王宮を摘み出され-------------魔物が多く生息する危険な森の中へと捨てられてしまった。
後で分かった事だが、どうやら俺は【生産系のスキル】を持った勇者らしく。
この世界では、最下級で役に立たないスキルらしい。
えっ? でも、このスキルって普通に最強じゃね?
試しに使ってみると、あまりにも規格外過ぎて、目立ってしまい-------------
いつしか、女神やら、王女やらに求婚されるようになっていき…………。
※前の作品の修正中のものです。
※下記リンクでも投稿中
アルファで見れない方など、宜しければ、そちらでご覧下さい。
https://ncode.syosetu.com/n1040gl/
月が導く異世界道中extra
あずみ 圭
ファンタジー
月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。
真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。
彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。
これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。
こちらは月が導く異世界道中番外編になります。
Anotherfantasia~もうひとつの幻想郷
くみたろう
ファンタジー
彼女の名前は東堂翠。
怒りに震えながら、両手に持つ固めの箱を歪ませるくらいに力を入れて歩く翠。
最高の一日が、たった数分で最悪な1日へと変わった。
その要因は手に持つ箱。
ゲーム、Anotherfantasia
体感出来る幻想郷とキャッチフレーズが付いた完全ダイブ型VRゲームが、彼女の幸せを壊したのだ。
「このゲームがなんぼのもんよ!!!」
怒り狂う翠は帰宅後ゲームを睨みつけて、興味なんか無いゲームを険しい表情で起動した。
「どれくらい面白いのか、試してやろうじゃない。」
ゲームを一切やらない翠が、初めての体感出来る幻想郷へと体を委ねた。
それは、翠の想像を上回った。
「これが………ゲーム………?」
現実離れした世界観。
でも、確かに感じるのは現実だった。
初めて続きの翠に、少しづつ増える仲間たち。
楽しさを見出した翠は、気付いたらトップランカーのクランで外せない大事な仲間になっていた。
【Anotherfantasia……今となっては、楽しくないなんて絶対言えないや】
翠は、柔らかく笑うのだった。
生産職から始まる初めてのVRMMO
結城楓
ファンタジー
最近流行りのVRMMO、興味がないわけではないが自分から手を出そうと思ってはいなかったふう。
そんな時、新しく発売された《アイディアル・オンライン》。
そしてその発売日、なぜかゲームに必要なハードとソフトを2つ抱えた高校の友達、彩華が家にいた。
そんなふうが彩華と半ば強制的にやることになったふうにとっては初めてのVRMMO。
最初のプレイヤー設定では『モンスターと戦うのが怖い』という理由から生産職などの能力を選択したところから物語は始まる。
最初はやらざるを得ない状況だったフウが、いつしか面白いと思うようになり自ら率先してゲームをするようになる。
そんなフウが贈るのんびりほのぼのと周りを巻き込み成長していく生産職から始まる初めてのVRMMOの物語。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第二章シャーカ王国編
【全話挿絵】発情✕転生 〜何あれ……誘ってるのかしら?〜【毎日更新】
墨笑
ファンタジー
『エロ×ギャグ×バトル+雑学』をテーマにした異世界ファンタジー小説です。
主人公はごく普通(?)の『むっつりすけべ』な女の子。
異世界転生に伴って召喚士としての才能を強化されたまでは良かったのですが、なぜか発情体質まで付与されていて……?
召喚士として様々な依頼をこなしながら、無駄にドキドキムラムラハァハァしてしまう日々を描きます。
明るく、楽しく読んでいただけることを目指して書きました。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~
鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!
詳細は近況ボードに載せていきます!
「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」
特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。
しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。
バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて――
こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる