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園芸師の復活と参戦
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突然の出来事に状況が飲み込めなくなるプラチドだったが、それがすぐにケイシーによる能力で生み出されたものである事を察し、一先ず機器的な状況は避けられたのだと安堵する。
「そうか。そういえばアイツは園芸師のクラスだったな・・・。それで植物だったって訳か」
「今更お前らなんか、相手になるかってのッ!」
ケイシーは自ら生み出した植物の蔦を掴み取ると、小人族の身体を活かし上空へと舞い上がると、植物をまるで乗り物のように使いこなし、高い位置から戦場を見下ろす。
「外じゃぁ不意打ちを喰らっちまったけど、もう同じ轍は踏まねぇ!それに今度は心置きなく戦闘に集中出来そうだかな・・・」
ケイシーが戦場となる宮殿入り口の広場を見渡したのは、主人であるアンドレイや護衛仲間のチャドとシアラが避難した事を確認する為でもあった。彼が瓦礫に埋もれている間に、戦況はだいぶ変化していた。
戦力的には、既にツクヨもプラチドもアンナの能力や戦闘方法について色々と体験し見てきている事から、何も知らぬ初見時の場面からしたらかなり充実している。
加えて周りには、宮殿の警備隊や教団の護衛の姿は見えない。これをどう見るかはその人物次第だろうが、少なくともケイシーは味方になり得る人物が少ないことに関しては、前向きな捉え方をしていたようだ。
「さて、素朴な質問だけどアンタ達は“アレ“の事をどこまで把握しているのかな?」
「アレって・・・あの歌手の事か?そりゃまぁ、今も尚まだ無事でいられる程度には戦えるって感じかな?」
「随分とまぁ抽象的だな。でもそれだけで十分わかるよ。彼女は“アンナ・マグダレーナ“。かの有名な音楽の父として知られる、あのバッハの後妻だよ」
「バッハ?あのクリスティアン・バッハか?」
ケイシーは聞き返してくるプラチドに、大きなため息を吐きながらやれやれと言った様子で、両手を上げて首を振る。その仕草は否定ではなく、音楽の世界に疎いとこうも説明で躓くものなのかと、普段アンドレイが周りに説明している時の苦労を垣間見たような気がしたからでた反応だった。
「他に誰がいるの。バッハの血族で“音楽の父“って呼ばれてるのは、後にも先にも彼だけだよ。・・・まぁ先にもっていうか、先はなかったみたいだけどね」
「・・・?」
彼が意味深な言葉を残してアンナの事について説明していると、その彼女を見張っていたツクヨが二人に身構えるよう合図を送る。
「楽しげなところ申し訳ないけど、向こうも戦力を整えて攻めてくるみたいだよ!」
ツクヨの声にプラチドとケイシーがアンナの方へ視線を向ける。すると彼女の周りには、再度呼び寄せたのか謎の人物が数人姿を表し、その手にアンナの歌声を増幅し拡散させたり一直線上に飛ばしたりするスピーカーが握られていた。
「何あれ・・・。何か物騒な物持ってるんだけど?」
「そういやアンタは寝てて知らなかったか。あれは“スピーカー“と言って・・・」
先程のお返しだというかのように、プラチドは皮肉を込めて謎の人物達が手にしている物についての説明を始めた。当然そんな事など知っているケイシーは、そんな説明よりもあれからどのような攻撃が飛び出すのかについて尋ねた。
「見ての通りだとも。あれで音の振動を飛ばしてくるのさ。あぁ、あともう一つ忠告しておくと、彼女自身への接近には気をつけた方がいい。あの歌声には俺らの身体の自由を奪う特異な能力がある・・・。それに彼女の近くには、音の振動を直接流し込む糸のようなものが舞っている」
「要は迂闊に近づくなって事ね?ご親切にどうも・・・ん?」
ケイシーはアンナの動きの小さな変化に気がつく。よく見ると彼女の手には何か紙のようなものが握られていた。遠目からではそれに何が書いてあるのかまではハッキリとは分からなかったが、アンナはそれを見ながら先程までの歌を一時中断し、別の歌を歌い始める。
「何だ?何か持っているようだが・・・」
「あれは・・・楽譜だ!彼女、楽譜を持ってる!え・・・でもどうして急にそんな物を?」
ツクヨの疑問も最もだった。それ程長くアンナと対峙している訳ではないが、彼女や取り巻きの謎の人物達が知性的な動きや戦略を披露してくる様子はなかった。
屋上のアンブロジウスや、司令室を襲撃したベルンハルトのように、ダメージによる呻き声こそあげはするものの、言葉を話すこともないのに楽譜とはいえ記号や書物を理解し読み解くことなど出来るのだろうか。
そんな彼らの疑問など関係ないというように、楽譜を目にしたアンナの歌声に連動するように、一斉に謎の人物達がツクヨ達を囲むように散らばり始める。
スピーカーという武器を手にしている事で、謎の人物達もこれまで以上に注意すべき対象へと昇格した。故に無視できぬ存在になった事で、分担を余儀なくされていた。
アンナに焦げきすることは出来ないが、彼女の厄介な能力の中で動けるのはツクヨしかいない。プラチドは彼にアンナの相手を任せ、ケイシーと共に周りの取り巻きの相手をする事となった。
「そうか。そういえばアイツは園芸師のクラスだったな・・・。それで植物だったって訳か」
「今更お前らなんか、相手になるかってのッ!」
ケイシーは自ら生み出した植物の蔦を掴み取ると、小人族の身体を活かし上空へと舞い上がると、植物をまるで乗り物のように使いこなし、高い位置から戦場を見下ろす。
「外じゃぁ不意打ちを喰らっちまったけど、もう同じ轍は踏まねぇ!それに今度は心置きなく戦闘に集中出来そうだかな・・・」
ケイシーが戦場となる宮殿入り口の広場を見渡したのは、主人であるアンドレイや護衛仲間のチャドとシアラが避難した事を確認する為でもあった。彼が瓦礫に埋もれている間に、戦況はだいぶ変化していた。
戦力的には、既にツクヨもプラチドもアンナの能力や戦闘方法について色々と体験し見てきている事から、何も知らぬ初見時の場面からしたらかなり充実している。
加えて周りには、宮殿の警備隊や教団の護衛の姿は見えない。これをどう見るかはその人物次第だろうが、少なくともケイシーは味方になり得る人物が少ないことに関しては、前向きな捉え方をしていたようだ。
「さて、素朴な質問だけどアンタ達は“アレ“の事をどこまで把握しているのかな?」
「アレって・・・あの歌手の事か?そりゃまぁ、今も尚まだ無事でいられる程度には戦えるって感じかな?」
「随分とまぁ抽象的だな。でもそれだけで十分わかるよ。彼女は“アンナ・マグダレーナ“。かの有名な音楽の父として知られる、あのバッハの後妻だよ」
「バッハ?あのクリスティアン・バッハか?」
ケイシーは聞き返してくるプラチドに、大きなため息を吐きながらやれやれと言った様子で、両手を上げて首を振る。その仕草は否定ではなく、音楽の世界に疎いとこうも説明で躓くものなのかと、普段アンドレイが周りに説明している時の苦労を垣間見たような気がしたからでた反応だった。
「他に誰がいるの。バッハの血族で“音楽の父“って呼ばれてるのは、後にも先にも彼だけだよ。・・・まぁ先にもっていうか、先はなかったみたいだけどね」
「・・・?」
彼が意味深な言葉を残してアンナの事について説明していると、その彼女を見張っていたツクヨが二人に身構えるよう合図を送る。
「楽しげなところ申し訳ないけど、向こうも戦力を整えて攻めてくるみたいだよ!」
ツクヨの声にプラチドとケイシーがアンナの方へ視線を向ける。すると彼女の周りには、再度呼び寄せたのか謎の人物が数人姿を表し、その手にアンナの歌声を増幅し拡散させたり一直線上に飛ばしたりするスピーカーが握られていた。
「何あれ・・・。何か物騒な物持ってるんだけど?」
「そういやアンタは寝てて知らなかったか。あれは“スピーカー“と言って・・・」
先程のお返しだというかのように、プラチドは皮肉を込めて謎の人物達が手にしている物についての説明を始めた。当然そんな事など知っているケイシーは、そんな説明よりもあれからどのような攻撃が飛び出すのかについて尋ねた。
「見ての通りだとも。あれで音の振動を飛ばしてくるのさ。あぁ、あともう一つ忠告しておくと、彼女自身への接近には気をつけた方がいい。あの歌声には俺らの身体の自由を奪う特異な能力がある・・・。それに彼女の近くには、音の振動を直接流し込む糸のようなものが舞っている」
「要は迂闊に近づくなって事ね?ご親切にどうも・・・ん?」
ケイシーはアンナの動きの小さな変化に気がつく。よく見ると彼女の手には何か紙のようなものが握られていた。遠目からではそれに何が書いてあるのかまではハッキリとは分からなかったが、アンナはそれを見ながら先程までの歌を一時中断し、別の歌を歌い始める。
「何だ?何か持っているようだが・・・」
「あれは・・・楽譜だ!彼女、楽譜を持ってる!え・・・でもどうして急にそんな物を?」
ツクヨの疑問も最もだった。それ程長くアンナと対峙している訳ではないが、彼女や取り巻きの謎の人物達が知性的な動きや戦略を披露してくる様子はなかった。
屋上のアンブロジウスや、司令室を襲撃したベルンハルトのように、ダメージによる呻き声こそあげはするものの、言葉を話すこともないのに楽譜とはいえ記号や書物を理解し読み解くことなど出来るのだろうか。
そんな彼らの疑問など関係ないというように、楽譜を目にしたアンナの歌声に連動するように、一斉に謎の人物達がツクヨ達を囲むように散らばり始める。
スピーカーという武器を手にしている事で、謎の人物達もこれまで以上に注意すべき対象へと昇格した。故に無視できぬ存在になった事で、分担を余儀なくされていた。
アンナに焦げきすることは出来ないが、彼女の厄介な能力の中で動けるのはツクヨしかいない。プラチドは彼にアンナの相手を任せ、ケイシーと共に周りの取り巻きの相手をする事となった。
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