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忍び寄る影
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「何かしら・・・?」
「近隣からではないようだけどね。ケイシー、ここに誰かの反応はある?」
「いや、反応はない。やっぱり誰もいないんじゃないかな?」
遠くで聞こえる物音を、一行は動きを止めて暫くの間聞いていた。それが収まると同時に口を開く一行は、ケイシーの生物反応を探るスキルによって博物館に誰も生存者がいないことを確かめると、そこからは誰もいないものとして博物館内部の捜索に入った。
大概の物は綺麗な状態で展示されており、特に怪しい様子もなかったが裏口の方に近づくと、展示物が移動されている途中かのような光景が目に入る。ショーケースが開けられており、中身が無くなっている状態で放置されている。
この時に恐らく、ジルを庇ったカタリナが宮殿の警備隊に連れて行かれたのだろう。この部屋にアンドレイがやって来てからというものの、他の部屋にはなかった多くの足跡が残されていた。
「どうかされましたか?アンドレイ様」
「この部屋だけ妙に足跡が残ってる・・・。それこそ鑑識の人達みたいに専用の薬品とか機材、スキルなんて使わなくても肉眼で確認できる程にね」
慌ただしかったのか、片付ける時間もなかったのか、床には僅かに靴の裏についたと思われる砂利まで残されていた。アンドレイが自らの懐から取り出したペンの持ち手に内蔵されたライトで床を照らし、その痕跡の跡を追う。
するとその足跡は裏口の方へと続いていたのだ。
「裏口から?大きさ的に大人のものと子供のもののように見えるけど・・・。どうして子供?」
アンドレイが足跡の痕跡について考察していると、博物館の内部から物音がした。それも彼らのいる部屋のすぐ近くからだ。ケイシーによる生物反応を探るスキルには何も反応はなかった。
チャドやシアラが何か音を立てたのかと彼らの姿を探すと、物音が聞こえた方とは逆の方に彼らはいた。
「今の・・・」
「いえ、我々ではありませ
身内が建てた音でないことは確実。ならば何者かがこの博物館の内部にいる。すぐにアンドレイはシアラに指示を飛ばし、音のした方へと向かわせる。
ショーケースの上を滑るように乗り越えたシアラは、素早い身のこなしで障害物を超えていくと、一行のいる部屋を離れ音のした隣の部屋へと向かう。そこで彼女は、逃げようとする何者かの影を見つける。
「誰ッ!?」
手にしていたライトでその影を照らすと、そこには身を屈めた少女の姿があった。しかし、シアラはその少女の服装に見覚えがあったのだ。直接面識はなかったものの、アンドレイから音楽学校の優等生の話を聞かされていたシアラは、パーティーの会場で彼女の姿を目にしていた。
「貴方は・・・ジルヴィア?」
少女がこちらへ顔を向けると同時に、シアラに向かって別のところから何かが飛んで来る。すぐにそれを察して避けた彼女に、素早く近づいて来た別の何者かが棒状のもので殴りかかって来た。
だが、その直線的な攻撃は戦闘慣れしているシアラには全く通用しなかった。何なくその攻撃を躱したシアラは、殴り掛かってきた何者かの手を叩き武器を落とさせると、その何者かの腕を背中へと持っていき床に倒して拘束する。
「いてててッ!」
「カルロス!すみません!私達は怪しいものではありません!どうか命だけはッ・・・」
争うような物音に物音に駆けつけたアンドレイらが、シアラが取り押さえる人物と命乞いをする少女を目にして、すぐに解放してあげるようにと指示を出す。
事前に調査をしていたアンドレイには、その場にいた者達が何者なのかすぐに分かったようだった。
「シアラ、大丈夫。その子達は敵ではないよ。離してあげて」
「アンドレイ様がそうおっしゃるなら・・・。しかし彼は攻撃を仕掛けて来ましたよ?」
シアラは拘束していた彼の上から離れると、締め上げられていた腕を振りながら痛がる彼は、何故シアラに攻撃を仕掛けたのかを語る。
「俺達もアンタらが急に入って来て、敵かと思ったんだよ。街にはまともな人間なんかいやしなかったんだからよぉ・・・」
「大丈夫?カルロス」
「あぁ、何とかな・・・」
「ごめんなさい、私のせいで・・・」
驚きを隠せなかったのは、ケイシーの方だった。彼は生物の反応を探るスキルを使用し、博物館に誰もいないことを確認していた。それにも関わらず、今彼らの目の前には、特別な能力や力など持ち合わせていなさそうな学生らがいたからだ。
「どうして・・・確かに反応はなかった筈なのに」
「確かに妙だけど、今はそれ以上に彼らに聞きたいことが山ほどある。安心してくれ、私達は君達の敵ではない。先日のパーティーにもお呼ばれしていたんだけど、この顔に見覚えはないかな?」
アンドレイはチャドに明かりを近づけるよう指示すると、彼の上半身がよく見えるように照らされる。その姿を見て、音楽を学んでいる彼らなら知らない筈がない人物の姿が姿を現した。
「あッ!アンタはッ・・・」
「ア、アンドレイ・ネルソンスさん!?貴方が何故ここに?いえ、確か宮殿にいらっしゃる筈では?」
「色々聞きたいことがあるのは君達も同じようだね。丁度いい、外は変なのがうろちょろしてるし、ここで話を整理しようじゃないか。私達もずっと宮殿にいて街がどうなっているのか分からなかったんだ」
お互いに漸く見つける事ができたまともな人間。そしてお互いにそれぞれの場所で何があったのかを全く知らない。これは互いに貴重な情報を得るチャンスだった。
しかしそこへ招かれざる客がやって来る。
一行が話をしようと部屋の蝋燭に火をつけようとした時、戦闘や気配を探る能力に長けているアンドレイらが、廊下を横切る何者かの影を視界に捉える。
「ッ!?」
「・・・?どうかしました?」
ジルとカルロスにはその気配を感じることは出来なかった。それもその筈。その影は移動しているにも関わらず、足音ひとつ立てることなく廊下を横切ったからだ。事前にそこへ視線を向けてでもないかぎり、一般人には気がつける筈もなかった。
「初めにひとつ聞いておきたいんだけど、君達の他に誰かここにいるのかい?」
「いえ、私達は二人でここへ来ましたが・・・」
「他に仲間もいたけど、ここへ来る途中で二手に別れたんだ。宮殿へ向かう奴と俺達で・・・え?何でそんな事を」
アンドレイはシアラとチャドに指示を出し、戦闘態勢に入ったまま静かに配置につかせる。そしてすぐにケイシーが生物反応を確かめるも、やはり博物館内部に反応は無かった。
小人族であるケイシーの探知能力は、通常の人間の探知スキルよりもより鮮明で小さい生き物、それこそ虫の反応すら探知できる程だ。その生物の反応を探知できる能力に引っ掛からないということは、一行が廊下を横切るところを目にした何者かは“生物“ではないことになる。
すぐにケイシーは生物探知から、精霊や魂などの気配を探るスキルへと切り替えると、一気に彼らの周辺に反応が返ってくる。
「近くにいる!」
一行の他に博物館に入り込んでいる何者かは、外にいる謎の人物達と同じように実体を持つ生き物では無かったのだ。
「近隣からではないようだけどね。ケイシー、ここに誰かの反応はある?」
「いや、反応はない。やっぱり誰もいないんじゃないかな?」
遠くで聞こえる物音を、一行は動きを止めて暫くの間聞いていた。それが収まると同時に口を開く一行は、ケイシーの生物反応を探るスキルによって博物館に誰も生存者がいないことを確かめると、そこからは誰もいないものとして博物館内部の捜索に入った。
大概の物は綺麗な状態で展示されており、特に怪しい様子もなかったが裏口の方に近づくと、展示物が移動されている途中かのような光景が目に入る。ショーケースが開けられており、中身が無くなっている状態で放置されている。
この時に恐らく、ジルを庇ったカタリナが宮殿の警備隊に連れて行かれたのだろう。この部屋にアンドレイがやって来てからというものの、他の部屋にはなかった多くの足跡が残されていた。
「どうかされましたか?アンドレイ様」
「この部屋だけ妙に足跡が残ってる・・・。それこそ鑑識の人達みたいに専用の薬品とか機材、スキルなんて使わなくても肉眼で確認できる程にね」
慌ただしかったのか、片付ける時間もなかったのか、床には僅かに靴の裏についたと思われる砂利まで残されていた。アンドレイが自らの懐から取り出したペンの持ち手に内蔵されたライトで床を照らし、その痕跡の跡を追う。
するとその足跡は裏口の方へと続いていたのだ。
「裏口から?大きさ的に大人のものと子供のもののように見えるけど・・・。どうして子供?」
アンドレイが足跡の痕跡について考察していると、博物館の内部から物音がした。それも彼らのいる部屋のすぐ近くからだ。ケイシーによる生物反応を探るスキルには何も反応はなかった。
チャドやシアラが何か音を立てたのかと彼らの姿を探すと、物音が聞こえた方とは逆の方に彼らはいた。
「今の・・・」
「いえ、我々ではありませ
身内が建てた音でないことは確実。ならば何者かがこの博物館の内部にいる。すぐにアンドレイはシアラに指示を飛ばし、音のした方へと向かわせる。
ショーケースの上を滑るように乗り越えたシアラは、素早い身のこなしで障害物を超えていくと、一行のいる部屋を離れ音のした隣の部屋へと向かう。そこで彼女は、逃げようとする何者かの影を見つける。
「誰ッ!?」
手にしていたライトでその影を照らすと、そこには身を屈めた少女の姿があった。しかし、シアラはその少女の服装に見覚えがあったのだ。直接面識はなかったものの、アンドレイから音楽学校の優等生の話を聞かされていたシアラは、パーティーの会場で彼女の姿を目にしていた。
「貴方は・・・ジルヴィア?」
少女がこちらへ顔を向けると同時に、シアラに向かって別のところから何かが飛んで来る。すぐにそれを察して避けた彼女に、素早く近づいて来た別の何者かが棒状のもので殴りかかって来た。
だが、その直線的な攻撃は戦闘慣れしているシアラには全く通用しなかった。何なくその攻撃を躱したシアラは、殴り掛かってきた何者かの手を叩き武器を落とさせると、その何者かの腕を背中へと持っていき床に倒して拘束する。
「いてててッ!」
「カルロス!すみません!私達は怪しいものではありません!どうか命だけはッ・・・」
争うような物音に物音に駆けつけたアンドレイらが、シアラが取り押さえる人物と命乞いをする少女を目にして、すぐに解放してあげるようにと指示を出す。
事前に調査をしていたアンドレイには、その場にいた者達が何者なのかすぐに分かったようだった。
「シアラ、大丈夫。その子達は敵ではないよ。離してあげて」
「アンドレイ様がそうおっしゃるなら・・・。しかし彼は攻撃を仕掛けて来ましたよ?」
シアラは拘束していた彼の上から離れると、締め上げられていた腕を振りながら痛がる彼は、何故シアラに攻撃を仕掛けたのかを語る。
「俺達もアンタらが急に入って来て、敵かと思ったんだよ。街にはまともな人間なんかいやしなかったんだからよぉ・・・」
「大丈夫?カルロス」
「あぁ、何とかな・・・」
「ごめんなさい、私のせいで・・・」
驚きを隠せなかったのは、ケイシーの方だった。彼は生物の反応を探るスキルを使用し、博物館に誰もいないことを確認していた。それにも関わらず、今彼らの目の前には、特別な能力や力など持ち合わせていなさそうな学生らがいたからだ。
「どうして・・・確かに反応はなかった筈なのに」
「確かに妙だけど、今はそれ以上に彼らに聞きたいことが山ほどある。安心してくれ、私達は君達の敵ではない。先日のパーティーにもお呼ばれしていたんだけど、この顔に見覚えはないかな?」
アンドレイはチャドに明かりを近づけるよう指示すると、彼の上半身がよく見えるように照らされる。その姿を見て、音楽を学んでいる彼らなら知らない筈がない人物の姿が姿を現した。
「あッ!アンタはッ・・・」
「ア、アンドレイ・ネルソンスさん!?貴方が何故ここに?いえ、確か宮殿にいらっしゃる筈では?」
「色々聞きたいことがあるのは君達も同じようだね。丁度いい、外は変なのがうろちょろしてるし、ここで話を整理しようじゃないか。私達もずっと宮殿にいて街がどうなっているのか分からなかったんだ」
お互いに漸く見つける事ができたまともな人間。そしてお互いにそれぞれの場所で何があったのかを全く知らない。これは互いに貴重な情報を得るチャンスだった。
しかしそこへ招かれざる客がやって来る。
一行が話をしようと部屋の蝋燭に火をつけようとした時、戦闘や気配を探る能力に長けているアンドレイらが、廊下を横切る何者かの影を視界に捉える。
「ッ!?」
「・・・?どうかしました?」
ジルとカルロスにはその気配を感じることは出来なかった。それもその筈。その影は移動しているにも関わらず、足音ひとつ立てることなく廊下を横切ったからだ。事前にそこへ視線を向けてでもないかぎり、一般人には気がつける筈もなかった。
「初めにひとつ聞いておきたいんだけど、君達の他に誰かここにいるのかい?」
「いえ、私達は二人でここへ来ましたが・・・」
「他に仲間もいたけど、ここへ来る途中で二手に別れたんだ。宮殿へ向かう奴と俺達で・・・え?何でそんな事を」
アンドレイはシアラとチャドに指示を出し、戦闘態勢に入ったまま静かに配置につかせる。そしてすぐにケイシーが生物反応を確かめるも、やはり博物館内部に反応は無かった。
小人族であるケイシーの探知能力は、通常の人間の探知スキルよりもより鮮明で小さい生き物、それこそ虫の反応すら探知できる程だ。その生物の反応を探知できる能力に引っ掛からないということは、一行が廊下を横切るところを目にした何者かは“生物“ではないことになる。
すぐにケイシーは生物探知から、精霊や魂などの気配を探るスキルへと切り替えると、一気に彼らの周辺に反応が返ってくる。
「近くにいる!」
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