1,382 / 1,646
光の糸とたった一度の衝撃
しおりを挟む
「何だ・・・この感覚はッ・・・?」
ブルースはツクヨに聞こえないような小さな声で心の声を漏らす。突然驚きの表情と共にツクヨとの距離を取るブルースに、助けに入ったツクヨも何事かと声を掛ける。
だが、感じた悪寒とは裏腹にツクヨの表情やその性格からも、悍ましい事をするような人間には思えなかったブルースは、自分の勘違いだと思い込むようにし、今はこの戦局を乗り越えることに尽力する。
「俺では奴にダメージを与えられなかった」
「魔力を帯びてもですか?」
「あぁ、奴は他の連中とは勝手が違うようだ。今度は俺が援護に回るから、アンタが攻撃してみてくれないか?」
初めは相手の音による攻撃を警戒し過ぎたせいで、ブルース一辺倒の戦闘を余儀なくされていたが、バッハの攻撃に注視し発動のタイミングでツクヨと入れ替わることが出来れば、致命傷を避けることが可能なのではないかと考えた。
「それは構わないけど、例の攻撃に関しては何か対策が?」
「奴は音を鳴らすことで攻撃をする。手の動きに注意しろ。鍵盤を出し、演奏を始めようとした時、何よりも先に奴の腕を叩け。俺も奴の動きには注目しておく。万が一の時は全力で下がれ、俺が身代わりに入る。俺の身体なら奴の攻撃は通用しない・・・筈だ」
彼が曖昧な回答をしたのには理由があった。これまでの戦闘の中で、明確にブルースを狙った音による攻撃を霊体のバッハは放ってきていなかった。
ゾルターンの時は勿論、先程の強化バフもブルースへ向けた攻撃というよりも、教会にいる人間全員を対象とした範囲攻撃であったと思われる。意図してブルースへの攻撃を控えているのか、或いはそれら以外の攻撃手段を持ち合わせていないのか。
バッハがブルースへ攻撃を仕掛ける際は、物理的に掴み掛かるような行動を取っていた。
先程の相手に強化バフをばら撒くという予想外の攻撃があったように、未だ未知の部分が多い相手にブルースは慎重になっていた。二人が入れ替わり作戦の変更を伝えていると、バッハはブルースの話にあった鍵盤を生み出す動きを見せる。
「あれだ!あの動きに注意しろ!」
ツクヨに注意するように声を掛けるのと同時にすぐさま動き出していたブルースは、近くに落ちていた瓦礫の一つを拾い上げ、バッハの腕ごと鍵盤を破壊せんとする勢いでそれを投げ放つ。
鍵盤を掻き消され恐ろしい表情でこちらを睨みつけるバッハ。成程と攻略法を目の当たりにしたツクヨは、次なるバッハの攻撃をブルースの見せてくれたお手本と同様に、バッハの腕を切り落とさんと刀を振るう。
素早くバッハの懐に飛び込んだツクヨは、再び演奏しようと鍵盤を出現させる動作をした腕に切り掛かる。すると、見事その腕は切断され、鍵盤と同様に切り離された腕も一緒に煙のように消滅していった。
しかしここで予想外の反応をバッハが見せた。
ツクヨの切り掛かった攻撃に対し、明らかにダメージを負ったと思われるリアクションをしたのだ。
「ギャァァァアアアッ!?!?」
悲痛な叫びと共に後退していくバッハ。これまでにない反応に、ブルースは勿論当人であるツクヨも驚きの表情を浮かべる。今こそ攻め時と、千載一遇のチャンスとばかりに次なる攻撃へと躍り出るツクヨ。
だが当然ながら、バッハも同じ攻撃は二度も喰らわぬと言わんばかりに、上空へと浮上していった。実体のあるもので不可能な動きでツクヨの攻撃を躱すと、一行の攻撃が届かぬところで新たな腕を生やしたバッハが鍵盤を展開する。
「しまった!上空でッ・・・!?」
「させるかッ・・・!」
謎の人物達の攻撃を掻い潜り、上空にいるバッハの真下へと飛び込んだブルース。彼の着地で巻き上がった瓦礫を、素早い足技で器用に上空へと打ち上げていく。
僅かに鍵盤を鳴らされるも、攻撃の発動までに何とか間に合ったようで演奏を中断させる事に成功する。複数の瓦礫がバッハの身体や腕を貫通していく。演奏の邪魔をするのであれば、攻撃に魔力が乗っていなくとも可能らしい。
その隙抜刀の構えを取っていたツクヨは、低い体勢から上空のバッハ目掛けて、鎌鼬のような斬撃の刃を放った。
「風刃一閃ふうじんいっせん!」
抜刀は常人の目では捉える事すらできなかった。気がついた時にはツクヨは既に刀を鞘に納め、カチンと音を立てて刃を納刀すると、上空のバッハの身体は真っ二つに割れていた。
再び叫び声を上げながら姿を消すバッハ。その様子からも大きなダメージが入っているのは伺える。しかし姿を消してしまったことで、次にどこから現れるのかが分からなくなってしまう。
「クソッ・・・!仕留め損ねた・・・!?」
「十分だ。奴とてこの教会から出て攻撃を仕掛けるのは不可能だろう。気配を探り、次の出現場所に注意を払ッ・・・!?」
姿を隠したバッハに、どこから現れてもいいように気配を感じ取れるように気を配るブルース。しかし次の瞬間、教会の床や壁、天井からもあらゆる場所から、光が反射するような煌めきが一斉に視界に入る。
それはブルースにのみ見えたものではなく、時を同じくして近くにいたツクヨや謎の人物達と戦うバルトロメオ。そして教会の端で隠れるようにゾルターンの回復や戦闘を行う仲間をサポートするアカリ達もまた、その視界の中に幾つもの煌めきを捉えていた。
「マズイッ・・・避けろッ!!」
何が来るのかなど想像もつかなかった。だがそれを目にした誰もが、良からぬことがこれから起こるのだということを悟っていた。ブルースの声で一斉にその煌めきの射線上から外れるように動き出す一行。
それは銃弾のように早く一行の身体を貫いた。
しかし、白い光のようなものに貫かれたところで痛みや違和感がある訳ではなかった。ただ単に、何やら光る糸のようなものが身体に繋がれただけだったのだ。
何をされたのか全くわからない一行は、繋がれた糸を外そうと試みるも触れることすら叶わない。バルトロメオが召喚した腕に触れさせるも、魔力を帯びた腕でもそれに触れることは出来なかった。
「んだよコレッ・・・!?」
「これも奴の攻撃なのか・・・?」
今度は生身の仲間達だけでなく、ブルースにもその糸は繋がれていた。音による攻撃ではないのだろうが、不気味なものが付与された事に変わりはない。何とかして解除の方法を探ろうとするも、手段が見つからない。
一行が戸惑っていると、姿を消していたバッハが教会の高い天井から上半身だけを生やして静かに現れる。そして地上にいる一行に向けて片腕をゆっくり伸ばすと、親指と中指を合わせパチンと指を鳴らした。
次の瞬間、謎の糸に繋がれた一行に強い衝撃が走る。まるで心臓を巨大な銅鑼が打ち鳴らされたかのような衝撃が、全身に響き渡る。その衝撃は全身を麻痺させ、呼吸すらままならなくさせた。
生身の肉体を持つ一行はその場に崩れ落ち、必死に息を吸おうともがき苦しむ。そして作り物の身体を持つブルースは、今の一撃により身体の機能を破壊され、苦しみこそないものの身動きが取れない状況に陥ってしまう。
床に倒れてしまい、一行の無事を確認できなくなってしまったブルースが声を掛けようとするも、発声の機能が破損してしまったようで声を上げることすら叶わない。
動かぬ身体で必死に瞳を動かし教会の様子を探ろうとするも、ブルースの位置からでは何も見つけることは出来なかった。
あれだけ暴れ回っていたバルトロメオの能力も消え、ゾルターンの作り出していた土人形も消滅してしまった。
教会に残された謎の人物達は戦闘体勢を解除し、その場で棒立ちの状態になる。
天井からその様子を眺めていたバッハは、それまでの悍ましい姿から人に近い姿へと戻ると、ゆっくりと床へと降り立ち、再び教会にあったオルガンの位置へ向かうと、そこでチェンバロと呼ばれる鍵盤楽器を召喚すると、何事もなかったかのように戦地で演奏を始めた。
ブルースはツクヨに聞こえないような小さな声で心の声を漏らす。突然驚きの表情と共にツクヨとの距離を取るブルースに、助けに入ったツクヨも何事かと声を掛ける。
だが、感じた悪寒とは裏腹にツクヨの表情やその性格からも、悍ましい事をするような人間には思えなかったブルースは、自分の勘違いだと思い込むようにし、今はこの戦局を乗り越えることに尽力する。
「俺では奴にダメージを与えられなかった」
「魔力を帯びてもですか?」
「あぁ、奴は他の連中とは勝手が違うようだ。今度は俺が援護に回るから、アンタが攻撃してみてくれないか?」
初めは相手の音による攻撃を警戒し過ぎたせいで、ブルース一辺倒の戦闘を余儀なくされていたが、バッハの攻撃に注視し発動のタイミングでツクヨと入れ替わることが出来れば、致命傷を避けることが可能なのではないかと考えた。
「それは構わないけど、例の攻撃に関しては何か対策が?」
「奴は音を鳴らすことで攻撃をする。手の動きに注意しろ。鍵盤を出し、演奏を始めようとした時、何よりも先に奴の腕を叩け。俺も奴の動きには注目しておく。万が一の時は全力で下がれ、俺が身代わりに入る。俺の身体なら奴の攻撃は通用しない・・・筈だ」
彼が曖昧な回答をしたのには理由があった。これまでの戦闘の中で、明確にブルースを狙った音による攻撃を霊体のバッハは放ってきていなかった。
ゾルターンの時は勿論、先程の強化バフもブルースへ向けた攻撃というよりも、教会にいる人間全員を対象とした範囲攻撃であったと思われる。意図してブルースへの攻撃を控えているのか、或いはそれら以外の攻撃手段を持ち合わせていないのか。
バッハがブルースへ攻撃を仕掛ける際は、物理的に掴み掛かるような行動を取っていた。
先程の相手に強化バフをばら撒くという予想外の攻撃があったように、未だ未知の部分が多い相手にブルースは慎重になっていた。二人が入れ替わり作戦の変更を伝えていると、バッハはブルースの話にあった鍵盤を生み出す動きを見せる。
「あれだ!あの動きに注意しろ!」
ツクヨに注意するように声を掛けるのと同時にすぐさま動き出していたブルースは、近くに落ちていた瓦礫の一つを拾い上げ、バッハの腕ごと鍵盤を破壊せんとする勢いでそれを投げ放つ。
鍵盤を掻き消され恐ろしい表情でこちらを睨みつけるバッハ。成程と攻略法を目の当たりにしたツクヨは、次なるバッハの攻撃をブルースの見せてくれたお手本と同様に、バッハの腕を切り落とさんと刀を振るう。
素早くバッハの懐に飛び込んだツクヨは、再び演奏しようと鍵盤を出現させる動作をした腕に切り掛かる。すると、見事その腕は切断され、鍵盤と同様に切り離された腕も一緒に煙のように消滅していった。
しかしここで予想外の反応をバッハが見せた。
ツクヨの切り掛かった攻撃に対し、明らかにダメージを負ったと思われるリアクションをしたのだ。
「ギャァァァアアアッ!?!?」
悲痛な叫びと共に後退していくバッハ。これまでにない反応に、ブルースは勿論当人であるツクヨも驚きの表情を浮かべる。今こそ攻め時と、千載一遇のチャンスとばかりに次なる攻撃へと躍り出るツクヨ。
だが当然ながら、バッハも同じ攻撃は二度も喰らわぬと言わんばかりに、上空へと浮上していった。実体のあるもので不可能な動きでツクヨの攻撃を躱すと、一行の攻撃が届かぬところで新たな腕を生やしたバッハが鍵盤を展開する。
「しまった!上空でッ・・・!?」
「させるかッ・・・!」
謎の人物達の攻撃を掻い潜り、上空にいるバッハの真下へと飛び込んだブルース。彼の着地で巻き上がった瓦礫を、素早い足技で器用に上空へと打ち上げていく。
僅かに鍵盤を鳴らされるも、攻撃の発動までに何とか間に合ったようで演奏を中断させる事に成功する。複数の瓦礫がバッハの身体や腕を貫通していく。演奏の邪魔をするのであれば、攻撃に魔力が乗っていなくとも可能らしい。
その隙抜刀の構えを取っていたツクヨは、低い体勢から上空のバッハ目掛けて、鎌鼬のような斬撃の刃を放った。
「風刃一閃ふうじんいっせん!」
抜刀は常人の目では捉える事すらできなかった。気がついた時にはツクヨは既に刀を鞘に納め、カチンと音を立てて刃を納刀すると、上空のバッハの身体は真っ二つに割れていた。
再び叫び声を上げながら姿を消すバッハ。その様子からも大きなダメージが入っているのは伺える。しかし姿を消してしまったことで、次にどこから現れるのかが分からなくなってしまう。
「クソッ・・・!仕留め損ねた・・・!?」
「十分だ。奴とてこの教会から出て攻撃を仕掛けるのは不可能だろう。気配を探り、次の出現場所に注意を払ッ・・・!?」
姿を隠したバッハに、どこから現れてもいいように気配を感じ取れるように気を配るブルース。しかし次の瞬間、教会の床や壁、天井からもあらゆる場所から、光が反射するような煌めきが一斉に視界に入る。
それはブルースにのみ見えたものではなく、時を同じくして近くにいたツクヨや謎の人物達と戦うバルトロメオ。そして教会の端で隠れるようにゾルターンの回復や戦闘を行う仲間をサポートするアカリ達もまた、その視界の中に幾つもの煌めきを捉えていた。
「マズイッ・・・避けろッ!!」
何が来るのかなど想像もつかなかった。だがそれを目にした誰もが、良からぬことがこれから起こるのだということを悟っていた。ブルースの声で一斉にその煌めきの射線上から外れるように動き出す一行。
それは銃弾のように早く一行の身体を貫いた。
しかし、白い光のようなものに貫かれたところで痛みや違和感がある訳ではなかった。ただ単に、何やら光る糸のようなものが身体に繋がれただけだったのだ。
何をされたのか全くわからない一行は、繋がれた糸を外そうと試みるも触れることすら叶わない。バルトロメオが召喚した腕に触れさせるも、魔力を帯びた腕でもそれに触れることは出来なかった。
「んだよコレッ・・・!?」
「これも奴の攻撃なのか・・・?」
今度は生身の仲間達だけでなく、ブルースにもその糸は繋がれていた。音による攻撃ではないのだろうが、不気味なものが付与された事に変わりはない。何とかして解除の方法を探ろうとするも、手段が見つからない。
一行が戸惑っていると、姿を消していたバッハが教会の高い天井から上半身だけを生やして静かに現れる。そして地上にいる一行に向けて片腕をゆっくり伸ばすと、親指と中指を合わせパチンと指を鳴らした。
次の瞬間、謎の糸に繋がれた一行に強い衝撃が走る。まるで心臓を巨大な銅鑼が打ち鳴らされたかのような衝撃が、全身に響き渡る。その衝撃は全身を麻痺させ、呼吸すらままならなくさせた。
生身の肉体を持つ一行はその場に崩れ落ち、必死に息を吸おうともがき苦しむ。そして作り物の身体を持つブルースは、今の一撃により身体の機能を破壊され、苦しみこそないものの身動きが取れない状況に陥ってしまう。
床に倒れてしまい、一行の無事を確認できなくなってしまったブルースが声を掛けようとするも、発声の機能が破損してしまったようで声を上げることすら叶わない。
動かぬ身体で必死に瞳を動かし教会の様子を探ろうとするも、ブルースの位置からでは何も見つけることは出来なかった。
あれだけ暴れ回っていたバルトロメオの能力も消え、ゾルターンの作り出していた土人形も消滅してしまった。
教会に残された謎の人物達は戦闘体勢を解除し、その場で棒立ちの状態になる。
天井からその様子を眺めていたバッハは、それまでの悍ましい姿から人に近い姿へと戻ると、ゆっくりと床へと降り立ち、再び教会にあったオルガンの位置へ向かうと、そこでチェンバロと呼ばれる鍵盤楽器を召喚すると、何事もなかったかのように戦地で演奏を始めた。
0
お気に入りに追加
295
あなたにおすすめの小説
re:birth 〜勇者じゃないと追放された最強職【何でも屋】は、異世界でチートスキル【DIY】で無双します~
華音 楓
ファンタジー
「役立たずの貴様は、この城から出ていけ!」
国王から殺気を含んだ声で告げられtた海人は頷く他なかった。
ある日、異世界に魔王討伐の為に主人公「石立海人」(いしだてかいと)は、勇者として召喚された。
その際に、判明したスキルは、誰にも理解されない【DIY】と【なんでも屋】という隠れ最強職であった。
だが、勇者職を有していなかった主人公は、誰にも理解されることなく勇者ではないという理由で王族を含む全ての城関係者から露骨な侮蔑を受ける事になる。
城に滞在したままでは、命の危険性があった海人は、城から半ば追放される形で王城から追放されることになる。 僅かな金銭で追放された海人は、生活費用を稼ぐ為に冒険者として登録し、生きていくことを余儀なくされた。
この物語は、多くの仲間と出会い、ダンジョンを攻略し、成りあがっていくストーリーである。
「自重知らずの異世界転生者-膨大な魔力を引っさげて異世界デビューしたら、規格外過ぎて自重を求められています-」
mitsuzoエンターテインメンツ
ファンタジー
ネットでみつけた『異世界に行ったかもしれないスレ』に書いてあった『異世界に転生する方法』をやってみたら本当に異世界に転生された。
チート能力で豊富な魔力を持っていた俺だったが、目立つのが嫌だったので周囲となんら変わらないよう生活していたが「目立ち過ぎだ!」とか「加減という言葉の意味をもっと勉強して!」と周囲からはなぜか自重を求められた。
なんだよ? それじゃあまるで、俺が自重をどっかに捨ててきたみたいじゃないか!
こうして俺の理不尽で前途多難?な異世界生活が始まりました。
※注:すべてわかった上で自重してません。
婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた
cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。
お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。
婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。
過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。
ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。
婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。
明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。
「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。
そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。
茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。
幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。
「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?!
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
余りモノ異世界人の自由生活~勇者じゃないので勝手にやらせてもらいます~
藤森フクロウ
ファンタジー
相良真一(サガラシンイチ)は社畜ブラックの企業戦士だった。
悪夢のような連勤を乗り越え、漸く帰れるとバスに乗り込んだらまさかの異世界転移。
そこには土下座する幼女女神がいた。
『ごめんなさあああい!!!』
最初っからギャン泣きクライマックス。
社畜が呼び出した国からサクッと逃げ出し、自由を求めて旅立ちます。
真一からシンに名前を改め、別の国に移り住みスローライフ……と思ったら馬鹿王子の世話をする羽目になったり、狩りや採取に精を出したり、馬鹿王子に暴言を吐いたり、冒険者ランクを上げたり、女神の愚痴を聞いたり、馬鹿王子を躾けたり、社会貢献したり……
そんなまったり異世界生活がはじまる――かも?
ブックマーク30000件突破ありがとうございます!!
第13回ファンタジー小説大賞にて、特別賞を頂き書籍化しております。
♦お知らせ♦
余りモノ異世界人の自由生活、コミックス3巻が発売しました!
漫画は村松麻由先生が担当してくださっています。
よかったらお手に取っていただければ幸いです。
書籍のイラストは万冬しま先生が担当してくださっています。
7巻は6月17日に発送です。地域によって異なりますが、早ければ当日夕方、遅くても2~3日後に書店にお届けになるかと思います。
今回は夏休み帰郷編、ちょっとバトル入りです。
コミカライズの連載は毎月第二水曜に更新となります。
漫画は村松麻由先生が担当してくださいます。
※基本予約投稿が多いです。
たまに失敗してトチ狂ったことになっています。
原稿作業中は、不規則になったり更新が遅れる可能性があります。
現在原稿作業と、私生活のいろいろで感想にはお返事しておりません。
王太子様には優秀な妹の方がお似合いですから、いつまでも私にこだわる必要なんてありませんよ?
木山楽斗
恋愛
公爵令嬢であるラルリアは、優秀な妹に比べて平凡な人間であった。
これといって秀でた点がない彼女は、いつも妹と比較されて、時には罵倒されていたのである。
しかしそんなラルリアはある時、王太子の婚約者に選ばれた。
それに誰よりも驚いたのは、彼女自身である。仮に公爵家と王家の婚約がなされるとしても、その対象となるのは妹だと思っていたからだ。
事実として、社交界ではその婚約は非難されていた。
妹の方を王家に嫁がせる方が有益であると、有力者達は考えていたのだ。
故にラルリアも、婚約者である王太子アドルヴに婚約を変更するように進言した。しかし彼は、頑なにラルリアとの婚約を望んでいた。どうやらこの婚約自体、彼が提案したものであるようなのだ。
愛されていないはずの婚約者に「貴方に愛されることなど望んでいませんわ」と申し上げたら溺愛されました
海咲雪
恋愛
「セレア、もう一度言う。私はセレアを愛している」
「どうやら、私の愛は伝わっていなかったらしい。これからは思う存分セレアを愛でることにしよう」
「他の男を愛することは婚約者の私が一切認めない。君が愛を注いでいいのも愛を注がれていいのも私だけだ」
貴方が愛しているのはあの男爵令嬢でしょう・・・?
何故、私を愛するふりをするのですか?
[登場人物]
セレア・シャルロット・・・伯爵令嬢。ノア・ヴィアーズの婚約者。ノアのことを建前ではなく本当に愛している。
×
ノア・ヴィアーズ・・・王族。セレア・シャルロットの婚約者。
リア・セルナード・・・男爵令嬢。ノア・ヴィアーズと恋仲であると噂が立っている。
アレン・シールベルト・・・伯爵家の一人息子。セレアとは幼い頃から仲が良い友達。実はセレアのことを・・・?
私異世界で成り上がる!! ~家出娘が異世界で極貧生活しながら虎視眈々と頂点を目指す~
春風一
ファンタジー
『いーわよ、そこまで言うならもう、親子の縁なんて切ってやる!! 絶対に成功するから、今に見てなさいよ!!』
如月風歌は、考えるより先に行動する脳筋少女。中学の卒業式の日に、親と大喧嘩し、その勢いで家出する。時空航行船のチケットを握りしめ、着の身着のまま&ほぼ無一文で、異世界に向かっていった。
同じ地球でありながら、魔法で発展した平行世界エレクトラ。この世界に来たのは『シルフィード』と呼ばれる、女性だけがなれる『超人気職業』に就くためだ。
上位階級のシルフィードは、トップアイドルのような存在。また、絶大な人気・知名度・影響力を持ち、誰からも尊敬される、人生の成功者。巨万の富を築いた者も、少なくはない。
だが、お金もない・人脈もない・知識もない。加えて、女子力ゼロで、女らしさの欠片もない。全てがゼロからの、あまりにも無謀すぎる挑戦。しかも、親から勘当を言い渡され、帰る場所すらない状態。
夢に燃えて、意気揚々と異世界に乗り込んだものの、待ち受けていのは、恐ろしく厳しい現実と、パンと水だけの極貧生活だった。
『夢さえ持っていれば、気合さえあれば、絶対に上手くいく!!』と信じて疑わない、脳筋でちょっとお馬鹿な少女。だが、チート並みのコミュ力(無自覚)で、人脈をどんどん広げて行く。
ほのぼの日常系。でも、脳筋主人公のため、トラブルが発生したり、たまにシリアスだったり、スポ根っぽい熱い展開も……。
裸一貫から成り上がる、異世界シンデレラストーリー。
私とお母さんとお好み焼き
white love it
経済・企業
義理の母と二人暮らしの垣谷操。貧しいと思っていたが、義母、京子の経営手腕はなかなかのものだった。
シングルマザーの織りなす経営方法とは?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる