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突然の再会
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ツクヨはこちらの世界に来てから、妻や子供の蜜月がどうなってしまったのか、あまり深く考えないようにしていた。それは二人の身を案じていなかったからではない。
あの時、自宅からWoFの世界に転移してから、自身の身に起きたあり得ない出来事に二人も巻き込まれたのだと思い込むようになった。
だが現実の世界では、二人はツクヨの留守中に何者かによって殺害されている。これは警察に事件として取り上げられている為、ツクヨ自身の勘違いや思い込みではない。
幾人もの人間が事実として認識している現実の出来事なのだ。しかし、ツクヨはその時のショックで当時の記憶を失っており、生きる屍のようになってしまった彼が巻き込まれたこの“異変“に、一つの可能性を見出そうとしていた。
そうしなければ彼は立ち上がれなかった。二人も自分のように異世界に転移したものだと思わなければ、彼は駄目だったのかもしれない。いつしかそれは、現実世界での出来事を凌駕し真実を塗り替えていた。
二人はWoFの世界で生きている。それが今のツクヨにある全てだった。
だが今まで、こちらの世界で二人に関する情報は一切見つかっていない。二人の名を知る者も姿が目撃されたと言う情報も。或いは異世界から来た者がいるという情報すらない。
しかしそれは彼の為にもなっていた。下手に真実や手掛かりを掴んでしまうと、どんなに気を紛らわせようとしてもそれが脳裏に過ぎるようになってしまう。
そうなればツクヨは今までのツクヨでは無くなってしまう。シン達と共に二人を探す旅をしていても、どこか上の空になってしまったり、判断が鈍り決断を誤るかもしれない。
無意識の内に彼は、二人に関する情報を遠ざけていたのかもしれない。だが、そんな彼の歩みも長くは続かない。
運命がツクヨの目を覚まさせようとしているかのように、それは突然彼の眼前現れた。予期せぬタイミングと姿でツクヨの目に入ってきた情報は、今の彼が置かれている状況や立場を忘れさせる程の衝撃を与えた。
「なっ何故・・・?本当に十六夜なのか・・・?」
覚束ない足取りで研究員の机に置かれた写真に手を伸ばすツクヨ。すると、周囲には研究員の姿はなかった筈なのに、突如として彼に声を掛ける者が現れた。
それは男の声ではなかった。更に付け加えるのなら、ツクヨはその声に聞き覚えがあったのだ。大人びた冷静な声でありながらも、何処か温かみのあるような優しい言葉が、彼の脳裏で十六夜のビジョンで再生されていた。
「その写真に何かありまして?」
「ッ・・・!」
突然声をかけられたことに何よりも驚いたツクヨは、咄嗟にその場から離れ相手の姿を確認する。その声に嫌な予感を感じていたツクヨの目に入って来たのは、とても信じられないような人物の姿だった。
それは白衣を着た十六夜の姿をした人物だったのだ。
思わぬ再会に言葉を失うツクヨ。眼前に現れたのは探し求めていた最愛の妻の姿。いつかは再会を望んでいたが、こんなにも早く再開できると思ってもみなかったツクヨの思考は完全に停止してしまっていた。
あんぐりと開いた口をワナワナと震わせながら、一歩二歩と後退りしていると、彼女は更にツクヨを驚かせる発言をする。
「何をそんなに驚いているのよ。やっと会えたって言うのに・・・。久しぶりね、元気そうで何よりだわ」
「なッ・・・本当に君なのか?本当にこっちに来ていたのか・・・?」
「そんなに驚かなくてもいいじゃない。もっと喜んでくれるものだと思ったわ」
「そりゃぁ無事でいてくれたことは嬉しいが・・・。まだこれが本当のことなのか信じられない・・・」
唖然とするツクヨに、彼女をため息をついた後に優しい表情を浮かべると、ゆっくりと確かめ合うように歩み寄り抱きしめる。
「会えて嬉しいわ・・・」
「・・・・・」
触れたことで感じた彼女の体温に、目の前にいる十六夜が幻ではないことを確信するツクヨ。現実の世界で目にした凄惨な光景。そしてその時感じた二人の体温は、とても人のものとは思えないほど冷え切っており、彼を絶望の淵へと突き落とした。
しかし、今その身体に伝わるのは紛れもなく生きた人間の体温だった。再びこの感覚を味わうことが出来たという感覚に、ツクヨは涙を堪え切ることが出来なかった。
何に対する涙なのか。彼自身はっきりとは理解できなかった。例えこれが夢であっても、ずっと暗闇の中で探し求め、時には目を背けようともした淡い期待という望んだ光景と感触に、ツクヨは今だけはと身を任せて彼女を抱きしめた。
「本当に・・・本当によかった。生きていてくれて・・・」
「もう、さっきからそればっかり。でもよかった・・・。私も不安だったの。貴方が無事かどうか・・・。でもきっと迎えに来てくれるって信じてた」
「そうだ、蜜月はどこだ?あの子もこっちに?」
十六夜とは再開することが出来た。しかし、愛娘である蜜月の姿は見当たらない。先程の写真にも子供の姿は写っていなかった。
彼女がこちらの世界に来ていたというのであれば、蜜月もこちらにやって来ている筈。ツクヨはてっきり十六夜と共にいるものだとばかりに思っていた。しかし、どうやら十六夜も蜜月の所在については分かっていないようだった。
「ごめんなさい。ここにいるのは私だけなの。あの子が今どうしているのかは分からないわ・・・」
「そうか・・・。それで何故君はここに?あまり良い噂を聞かない場所のようだが・・・」
すると彼女は、ツクヨの質問に後ろめたいことでもあるのか、視線を逸らしながら申し訳なさそうに、この研究所に身を置いていた理由を話し出す。
「仕方がなかったの・・・。転移したらここに出て・・・。でもここで研究員として手伝っている内に、大きな組織の研究所だと分かって、彼らの力を借りられれば貴方やあの子を探し出せると思ったの・・・だから・・・」
十六夜が転移のことについて知っていることに驚いたが、施設で働いていれば転移の魔法や装置がある事も目にするだろうと、ツクヨは深く考えることはなかった。
何より、アークシティと繋がりのある組織に身を置くことで、WoFの世界からたった二人の人間を見つけるという、途方もない事を成し遂げようとしていた彼女の判断と覚悟に、ツクヨは彼女の心の強さを感じていた。
「そうか。でももう大丈夫だよ。一緒に行こう、十六夜。ここの組織は何やら良くない事をしているようなんだ。あまり深く関わっていては、君にも危険があるかもしれない・・・。それに今、俺は信頼できる仲間と一緒にいるんだ。彼らも俺らのようにこっちに・・・」
漸く再開することのできたツクヨは、彼女をシン達のパーティに加えようと考えていた。もう二度と離れない為に。そして愛娘の蜜月を一緒に探す為にと。
だが、十六夜は彼のその提案を断ってしまう。彼女はまだ、彼女の属している組織の力を使い、蜜月の居場所を特定する事を諦めてはいなかったのだ。
あの時、自宅からWoFの世界に転移してから、自身の身に起きたあり得ない出来事に二人も巻き込まれたのだと思い込むようになった。
だが現実の世界では、二人はツクヨの留守中に何者かによって殺害されている。これは警察に事件として取り上げられている為、ツクヨ自身の勘違いや思い込みではない。
幾人もの人間が事実として認識している現実の出来事なのだ。しかし、ツクヨはその時のショックで当時の記憶を失っており、生きる屍のようになってしまった彼が巻き込まれたこの“異変“に、一つの可能性を見出そうとしていた。
そうしなければ彼は立ち上がれなかった。二人も自分のように異世界に転移したものだと思わなければ、彼は駄目だったのかもしれない。いつしかそれは、現実世界での出来事を凌駕し真実を塗り替えていた。
二人はWoFの世界で生きている。それが今のツクヨにある全てだった。
だが今まで、こちらの世界で二人に関する情報は一切見つかっていない。二人の名を知る者も姿が目撃されたと言う情報も。或いは異世界から来た者がいるという情報すらない。
しかしそれは彼の為にもなっていた。下手に真実や手掛かりを掴んでしまうと、どんなに気を紛らわせようとしてもそれが脳裏に過ぎるようになってしまう。
そうなればツクヨは今までのツクヨでは無くなってしまう。シン達と共に二人を探す旅をしていても、どこか上の空になってしまったり、判断が鈍り決断を誤るかもしれない。
無意識の内に彼は、二人に関する情報を遠ざけていたのかもしれない。だが、そんな彼の歩みも長くは続かない。
運命がツクヨの目を覚まさせようとしているかのように、それは突然彼の眼前現れた。予期せぬタイミングと姿でツクヨの目に入ってきた情報は、今の彼が置かれている状況や立場を忘れさせる程の衝撃を与えた。
「なっ何故・・・?本当に十六夜なのか・・・?」
覚束ない足取りで研究員の机に置かれた写真に手を伸ばすツクヨ。すると、周囲には研究員の姿はなかった筈なのに、突如として彼に声を掛ける者が現れた。
それは男の声ではなかった。更に付け加えるのなら、ツクヨはその声に聞き覚えがあったのだ。大人びた冷静な声でありながらも、何処か温かみのあるような優しい言葉が、彼の脳裏で十六夜のビジョンで再生されていた。
「その写真に何かありまして?」
「ッ・・・!」
突然声をかけられたことに何よりも驚いたツクヨは、咄嗟にその場から離れ相手の姿を確認する。その声に嫌な予感を感じていたツクヨの目に入って来たのは、とても信じられないような人物の姿だった。
それは白衣を着た十六夜の姿をした人物だったのだ。
思わぬ再会に言葉を失うツクヨ。眼前に現れたのは探し求めていた最愛の妻の姿。いつかは再会を望んでいたが、こんなにも早く再開できると思ってもみなかったツクヨの思考は完全に停止してしまっていた。
あんぐりと開いた口をワナワナと震わせながら、一歩二歩と後退りしていると、彼女は更にツクヨを驚かせる発言をする。
「何をそんなに驚いているのよ。やっと会えたって言うのに・・・。久しぶりね、元気そうで何よりだわ」
「なッ・・・本当に君なのか?本当にこっちに来ていたのか・・・?」
「そんなに驚かなくてもいいじゃない。もっと喜んでくれるものだと思ったわ」
「そりゃぁ無事でいてくれたことは嬉しいが・・・。まだこれが本当のことなのか信じられない・・・」
唖然とするツクヨに、彼女をため息をついた後に優しい表情を浮かべると、ゆっくりと確かめ合うように歩み寄り抱きしめる。
「会えて嬉しいわ・・・」
「・・・・・」
触れたことで感じた彼女の体温に、目の前にいる十六夜が幻ではないことを確信するツクヨ。現実の世界で目にした凄惨な光景。そしてその時感じた二人の体温は、とても人のものとは思えないほど冷え切っており、彼を絶望の淵へと突き落とした。
しかし、今その身体に伝わるのは紛れもなく生きた人間の体温だった。再びこの感覚を味わうことが出来たという感覚に、ツクヨは涙を堪え切ることが出来なかった。
何に対する涙なのか。彼自身はっきりとは理解できなかった。例えこれが夢であっても、ずっと暗闇の中で探し求め、時には目を背けようともした淡い期待という望んだ光景と感触に、ツクヨは今だけはと身を任せて彼女を抱きしめた。
「本当に・・・本当によかった。生きていてくれて・・・」
「もう、さっきからそればっかり。でもよかった・・・。私も不安だったの。貴方が無事かどうか・・・。でもきっと迎えに来てくれるって信じてた」
「そうだ、蜜月はどこだ?あの子もこっちに?」
十六夜とは再開することが出来た。しかし、愛娘である蜜月の姿は見当たらない。先程の写真にも子供の姿は写っていなかった。
彼女がこちらの世界に来ていたというのであれば、蜜月もこちらにやって来ている筈。ツクヨはてっきり十六夜と共にいるものだとばかりに思っていた。しかし、どうやら十六夜も蜜月の所在については分かっていないようだった。
「ごめんなさい。ここにいるのは私だけなの。あの子が今どうしているのかは分からないわ・・・」
「そうか・・・。それで何故君はここに?あまり良い噂を聞かない場所のようだが・・・」
すると彼女は、ツクヨの質問に後ろめたいことでもあるのか、視線を逸らしながら申し訳なさそうに、この研究所に身を置いていた理由を話し出す。
「仕方がなかったの・・・。転移したらここに出て・・・。でもここで研究員として手伝っている内に、大きな組織の研究所だと分かって、彼らの力を借りられれば貴方やあの子を探し出せると思ったの・・・だから・・・」
十六夜が転移のことについて知っていることに驚いたが、施設で働いていれば転移の魔法や装置がある事も目にするだろうと、ツクヨは深く考えることはなかった。
何より、アークシティと繋がりのある組織に身を置くことで、WoFの世界からたった二人の人間を見つけるという、途方もない事を成し遂げようとしていた彼女の判断と覚悟に、ツクヨは彼女の心の強さを感じていた。
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