892 / 1,646
オルレラ二日目
しおりを挟む
一方、オルレラでの二日目の朝を迎えたミアとツクヨは、前日と変わらぬ朝を迎えていた。
ただ、一日目と違い先に起きたのはミアの方だった。
カーテンの隙間から差し込む陽の光に目を覚まし、隣で寝ているツバキを起こさぬ様ベッドから出る。寝起きでまだ覚束ない意識の中、外の様子を見ようとカーテンの隙間から窓の外を見る。
街には既に人の往来があり、他の街や村からやって来る行商人だろうか、多くの馬車も見受けられた。
ミアはカーテンが二重になっていることに気づくと、内側の厚めのカーテンを音を立てないようにゆっくりと開け、部屋に優しい陽の光と暖かさが入ってくる。
まだツバキが起きる様子はない。その内起きるだろうと、ミアはツクヨのいるリビングへと向かう。
こちらでもカーテンが閉まっており、折角の気持ちの良い陽の光が遮られてしまっていた。ミアは寝室と同じように、内側のカーテンを開けるとその段階で、ソファーで横になっていたツクヨが目を覚ました。
「起しちゃったか?」
「ん・・・いや、大丈夫だよ。おはよう、ミア」
起きてしまったのであれば構わないと、ミアは陽の光を遮っていたカーテンを手際良く開けていく。ツクヨとはその後、前日にどんなことをして過ごしていたのかや、街で暮らす人々の話などを整理した。
ツクヨの行っていた冒険者ギルドでの依頼や、ギルドマスターのちょっとした手伝いなどで、オルレラの街周辺のモンスター事情や、外国からの輸入輸出の代物の話などを行商人から聞いたのだという。
その中には、彼らが次の目的地と定めていたアークシティからの商品もあったそうだ。
反対にミアは、オルレラの街の中で錬金術のクラスを活かした調合や、道具の修理などの仕事を手伝いながら、オルレラの街の事や関連している街や村、国のことなどの情報を集めていたのだという。
オルレラの街には、特定のクラス限定のギルドは存在せず、共通のクエストや時々珍しいもので、一部のクラスの力を必要とするものもあり、その時は近くの街や村にも冒険者の募集をかけているそうだ。
ミアが情報収集をした中で興味深いものとして、オルレラの街の一角にアークシティから仕入れている物を使い、近代化に向けた技術の研究を行っている施設があるそうだ。
「アタシは今日、その施設に行ってみようと思う。何かアークシティに関わる情報を得られるかも知れないしな」
「私も行こうか?」
「いや、一人で十分だ。どうやらこの街には危険もなさそうだしな。そんなに急ぐこともないし、お互いやりたいようにやろう」
ミアの提案を受け入れ、二人はツバキを部屋に残し一階へと降りて行く。
初日にエディやその妻と共に食事をした食堂には、既に二人の姿があり、ミア達の朝食の用意もされていた。
「おはよう、二人とも」
「おはようございます、エディさん。・・・すみません、まだあの子は起きてなくて・・・」
「ははは、構わないよ。お腹が空いたらいつでもおいでと、彼に伝えておいてくれないかい?」
「ありがとうございます」
二人は食卓につき、ローヴェン夫妻と共に朝食を摂る。その中でエディは、二人にこれまでの旅で、思い出に残る話を聞く。
それほど長い旅ではなかったが、思い返せば印象深いものばかりだった。そして勿論、楽しいことばかりではなく、寧ろ苦労した事や辛かった事の方が多かった。
それでも、一つの街に留まり暮らしていたエディにとっては、新鮮な話ばかりでとても楽しそうに聞いてくれた。
彼もどうやら、若い頃は冒険というものに憧れ、モンスター退治など、ギルドにある依頼を受けていた頃があった様だが、残念ながら戦闘の才能がなかったらしく、いつも仲間達に助けられてばかりだったのだという。
歳月が経つにつれ、人には向き不向きがあることを身をもって知ることになり、当時の仲間達とは別々の道を歩むことになっていったのだと、彼は少し寂しそうに語った。
しかし、そのおかげで妻であるパウラと出会い、夫婦になることが出来たのだと、細やかで微笑ましい惚気話も聞かされた。
現にエディは、このオルレラの街で役人になるくらいに出世を果たし、豪華な暮らしが出来ている。自分に何が向いていて、何が得意なのかを見つけて実行に移し、成功を収めているのも本人の夢とは別として、十分に恵まれた境遇だったのだと言えるだろう。
やりたい事だけをするのが人生ではない。身の丈にあった選択肢を、着実に積み重ねていくことで見えてくる人生もあるのかも知れないと、エディは語った。
「そういえば、ギルド長の“ルーカス“がまたツクヨ君の力を借りたいと言っていたよ?随分と気に入られたみたいだね」
「本当ですか?それは良かった。エディさんの顔に泥を塗るわけにはいけませんからね」
「そんな事気にしなくていいのよ?貴方達は本来、客人なのだから。寧ろ私達が助けられているんだもの。断りたかったら遠慮しないでね?」
優しい笑顔と声でツクヨ達の心配をしてくれるパウラ。彼女はそう言ってくれているが、宿代がタダになっている上に、食事まで出してもらっている状況で、厚意に甘えきるほど堕落はしていなかった。
それにこれは、彼らの目的にも間接的に関わってくる事なのだ。ただ何事もなくこのWoFの世界を周るのは、異変に巻き込まれている彼らにとって、自分の身を危険に晒しかねない行為になる。
それはグラン・ヴァーグの酒場で出会ったキングが、シン達が聖都の事件の関係者であることに感づいていたように、彼らの行動や行いを調べる者も何所かにいるということだ。
情報は身を守る為の力だということを、ミア達はよく心得ている。
一向は食事を終えると、それぞれの行動へと移り始める。ツクヨは先程エディからも言われた、ギルドマスターでもあるルーカスという人物の元へ向かい、依頼を受ける。
そしてミアの方は、前日に集めた情報の中にあった研究施設について、エディに尋ねる。すると、彼から意外な言葉が返ってきたのだ。
彼の話によると、研究施設は今は稼働していないようで、電子機器の再利用や新たな部品の調達をするといったジャンク屋となっているらしい。
何故街の者が詳しく把握していなかったのかは分からないが、関係者でないと分からない部分もあるのだろうと、ミアはそこまで気にすることもなかった。
「ジャンク屋か・・・。それなら何か、力になれるかもな」
施設について教えてくれたエディにお礼を言うと、ミアは早速そのジャンク屋へと向かった。
しかしそこは、施設と言われている割には整備が行き届いておらず、少し錆びれた様子が見受けられる廃墟のような場所となっていた。本当にこんなところで商売をしている人間がいるのだろうか。
ミアは一抹の不安を抱きながらも、施設の敷地内へと足を踏み入れる。
ただ、一日目と違い先に起きたのはミアの方だった。
カーテンの隙間から差し込む陽の光に目を覚まし、隣で寝ているツバキを起こさぬ様ベッドから出る。寝起きでまだ覚束ない意識の中、外の様子を見ようとカーテンの隙間から窓の外を見る。
街には既に人の往来があり、他の街や村からやって来る行商人だろうか、多くの馬車も見受けられた。
ミアはカーテンが二重になっていることに気づくと、内側の厚めのカーテンを音を立てないようにゆっくりと開け、部屋に優しい陽の光と暖かさが入ってくる。
まだツバキが起きる様子はない。その内起きるだろうと、ミアはツクヨのいるリビングへと向かう。
こちらでもカーテンが閉まっており、折角の気持ちの良い陽の光が遮られてしまっていた。ミアは寝室と同じように、内側のカーテンを開けるとその段階で、ソファーで横になっていたツクヨが目を覚ました。
「起しちゃったか?」
「ん・・・いや、大丈夫だよ。おはよう、ミア」
起きてしまったのであれば構わないと、ミアは陽の光を遮っていたカーテンを手際良く開けていく。ツクヨとはその後、前日にどんなことをして過ごしていたのかや、街で暮らす人々の話などを整理した。
ツクヨの行っていた冒険者ギルドでの依頼や、ギルドマスターのちょっとした手伝いなどで、オルレラの街周辺のモンスター事情や、外国からの輸入輸出の代物の話などを行商人から聞いたのだという。
その中には、彼らが次の目的地と定めていたアークシティからの商品もあったそうだ。
反対にミアは、オルレラの街の中で錬金術のクラスを活かした調合や、道具の修理などの仕事を手伝いながら、オルレラの街の事や関連している街や村、国のことなどの情報を集めていたのだという。
オルレラの街には、特定のクラス限定のギルドは存在せず、共通のクエストや時々珍しいもので、一部のクラスの力を必要とするものもあり、その時は近くの街や村にも冒険者の募集をかけているそうだ。
ミアが情報収集をした中で興味深いものとして、オルレラの街の一角にアークシティから仕入れている物を使い、近代化に向けた技術の研究を行っている施設があるそうだ。
「アタシは今日、その施設に行ってみようと思う。何かアークシティに関わる情報を得られるかも知れないしな」
「私も行こうか?」
「いや、一人で十分だ。どうやらこの街には危険もなさそうだしな。そんなに急ぐこともないし、お互いやりたいようにやろう」
ミアの提案を受け入れ、二人はツバキを部屋に残し一階へと降りて行く。
初日にエディやその妻と共に食事をした食堂には、既に二人の姿があり、ミア達の朝食の用意もされていた。
「おはよう、二人とも」
「おはようございます、エディさん。・・・すみません、まだあの子は起きてなくて・・・」
「ははは、構わないよ。お腹が空いたらいつでもおいでと、彼に伝えておいてくれないかい?」
「ありがとうございます」
二人は食卓につき、ローヴェン夫妻と共に朝食を摂る。その中でエディは、二人にこれまでの旅で、思い出に残る話を聞く。
それほど長い旅ではなかったが、思い返せば印象深いものばかりだった。そして勿論、楽しいことばかりではなく、寧ろ苦労した事や辛かった事の方が多かった。
それでも、一つの街に留まり暮らしていたエディにとっては、新鮮な話ばかりでとても楽しそうに聞いてくれた。
彼もどうやら、若い頃は冒険というものに憧れ、モンスター退治など、ギルドにある依頼を受けていた頃があった様だが、残念ながら戦闘の才能がなかったらしく、いつも仲間達に助けられてばかりだったのだという。
歳月が経つにつれ、人には向き不向きがあることを身をもって知ることになり、当時の仲間達とは別々の道を歩むことになっていったのだと、彼は少し寂しそうに語った。
しかし、そのおかげで妻であるパウラと出会い、夫婦になることが出来たのだと、細やかで微笑ましい惚気話も聞かされた。
現にエディは、このオルレラの街で役人になるくらいに出世を果たし、豪華な暮らしが出来ている。自分に何が向いていて、何が得意なのかを見つけて実行に移し、成功を収めているのも本人の夢とは別として、十分に恵まれた境遇だったのだと言えるだろう。
やりたい事だけをするのが人生ではない。身の丈にあった選択肢を、着実に積み重ねていくことで見えてくる人生もあるのかも知れないと、エディは語った。
「そういえば、ギルド長の“ルーカス“がまたツクヨ君の力を借りたいと言っていたよ?随分と気に入られたみたいだね」
「本当ですか?それは良かった。エディさんの顔に泥を塗るわけにはいけませんからね」
「そんな事気にしなくていいのよ?貴方達は本来、客人なのだから。寧ろ私達が助けられているんだもの。断りたかったら遠慮しないでね?」
優しい笑顔と声でツクヨ達の心配をしてくれるパウラ。彼女はそう言ってくれているが、宿代がタダになっている上に、食事まで出してもらっている状況で、厚意に甘えきるほど堕落はしていなかった。
それにこれは、彼らの目的にも間接的に関わってくる事なのだ。ただ何事もなくこのWoFの世界を周るのは、異変に巻き込まれている彼らにとって、自分の身を危険に晒しかねない行為になる。
それはグラン・ヴァーグの酒場で出会ったキングが、シン達が聖都の事件の関係者であることに感づいていたように、彼らの行動や行いを調べる者も何所かにいるということだ。
情報は身を守る為の力だということを、ミア達はよく心得ている。
一向は食事を終えると、それぞれの行動へと移り始める。ツクヨは先程エディからも言われた、ギルドマスターでもあるルーカスという人物の元へ向かい、依頼を受ける。
そしてミアの方は、前日に集めた情報の中にあった研究施設について、エディに尋ねる。すると、彼から意外な言葉が返ってきたのだ。
彼の話によると、研究施設は今は稼働していないようで、電子機器の再利用や新たな部品の調達をするといったジャンク屋となっているらしい。
何故街の者が詳しく把握していなかったのかは分からないが、関係者でないと分からない部分もあるのだろうと、ミアはそこまで気にすることもなかった。
「ジャンク屋か・・・。それなら何か、力になれるかもな」
施設について教えてくれたエディにお礼を言うと、ミアは早速そのジャンク屋へと向かった。
しかしそこは、施設と言われている割には整備が行き届いておらず、少し錆びれた様子が見受けられる廃墟のような場所となっていた。本当にこんなところで商売をしている人間がいるのだろうか。
ミアは一抹の不安を抱きながらも、施設の敷地内へと足を踏み入れる。
0
お気に入りに追加
297
あなたにおすすめの小説
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
全校転移!異能で異世界を巡る!?
小説愛好家
ファンタジー
全校集会中に地震に襲われ、魔法陣が出現し、眩い光が体育館全体を呑み込み俺は気絶した。
目覚めるとそこは大聖堂みたいな場所。
周りを見渡すとほとんどの人がまだ気絶をしていてる。
取り敢えず異世界転移だと仮定してステータスを開こうと試みる。
「ステータスオープン」と唱えるとステータスが表示された。「『異能』?なにこれ?まぁいいか」
取り敢えず異世界に転移したってことで間違いなさそうだな、テンプレ通り行くなら魔王討伐やらなんやらでめんどくさそうだし早々にここを出たいけどまぁ成り行きでなんとかなるだろ。
そんな感じで異世界転移を果たした主人公が圧倒的力『異能』を使いながら世界を旅する物語。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
エラーから始まる異世界生活
KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。
本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。
高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。
冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。
その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。
某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。
実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。
勇者として活躍するのかしないのか?
能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。
多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。
初めての作品にお付き合い下さい。
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
超リアルなVRMMOのNPCに転生して年中無休働いていたら、社畜NPCと呼ばれていました
k-ing ★書籍発売中
ファンタジー
★お気に入り登録ポチリお願いします!
2024/3/4 男性向けホトラン1位獲得
難病で動くこともできず、食事も食べられない俺はただ死を待つだけだった。
次に生まれ変わったら元気な体に生まれ変わりたい。
そんな希望を持った俺は知らない世界の子どもの体に転生した。
見た目は浮浪者みたいだが、ある飲食店の店舗前で倒れていたおかげで、店主であるバビットが助けてくれた。
そんなバビットの店の手伝いを始めながら、住み込みでの生活が始まった。
元気に走れる体。
食事を摂取できる体。
前世ではできなかったことを俺は堪能する。
そんな俺に対して、周囲の人達は優しかった。
みんなが俺を多才だと褒めてくれる。
その結果、俺を弟子にしたいと言ってくれるようにもなった。
何でも弟子としてギルドに登録させると、お互いに特典があって一石二鳥らしい。
ただ、俺は決められた仕事をするのではなく、たくさんの職業体験をしてから仕事を決めたかった。
そんな俺にはデイリークエストという謎の特典が付いていた。
それをクリアするとステータスポイントがもらえるらしい。
ステータスポイントを振り分けると、効率よく動けることがわかった。
よし、たくさん職業体験をしよう!
世界で爆発的に売れたVRMMO。
一般職、戦闘職、生産職の中から二つの職業を選べるシステム。
様々なスキルで冒険をするのもよし!
まったりスローライフをするのもよし!
できなかったお仕事ライフをするのもよし!
自由度が高いそのゲームはすぐに大ヒットとなった。
一方、職業体験で様々な職業別デイリークエストをクリアして最強になっていく主人公。
そんな主人公は爆発的にヒットしたVRMMOのNPCだった。
なぜかNPCなのにプレイヤーだし、めちゃくちゃ強い。
あいつは何だと話題にならないはずがない。
当の本人はただただ職場体験をして、将来を悩むただの若者だった。
そんなことを知らない主人公の妹は、友達の勧めでゲームを始める。
最強で元気になった兄と前世の妹が繰り広げるファンタジー作品。
※スローライフベースの作品になっています。
※カクヨムで先行投稿してます。
文字数の関係上、タイトルが短くなっています。
元のタイトル
超リアルなVRMMOのNPCに転生してデイリークエストをクリアしまくったら、いつの間にか最強になってました~年中無休働いていたら、社畜NPCと呼ばれています〜
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる