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二の槍
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予想外の出来事に困惑するも、任された以上ここで仕留め損ねる訳にはいかないと、朱影は立て続けにもう一発の、新たな槍を手にして投げ放つ。
二発目の攻撃は命中するものの、手応えが無い。矛先は大型モンスターに突き刺さってはいるが、これまでよりも明らかに浅い。
不発に終わったかと、舌打ちする朱影。彼の予想通り、槍の突き刺さった部位が内側からボコボコと蠢き出し、中から先程の硬い外殻を持った小型モンスターが、肉壁を破り外へと飛び出した。
身体を突き破られた大型モンスターの外皮はみるみる治癒していき、あっという間に血のような液体を溢していた穴は塞がった。
朱影の起こした高音により飛び出したモンスターは、再び水面へと落ちていき、水飛沫を立てて水中へと潜っていった。
「逃げやがってッ・・・。また直ぐに引き摺り出してやるからよぉ・・・!」
通路に着地した朱影は周囲を見渡し、ある物を探していた。通路を少し進み、脇道に逸れたところに探していた物を見つけると、槍を取り出し素早い手の振りでその探していた物を切断した。
通路に響く金属音。大型モンスターを引き摺り出すほどの大きな音ではないが、彼の探していたものはシンが事前に用意してくれていた物と同じ、通路を塞いでいた鉄柵だった。
シンの拵えた鉄柵は、切断面があまかったり長さがまばらだったが、そこは流石の朱影。巧みな槍捌きで綺麗に長さを揃えると、壁に突き刺しやすいように、切断面もやや斜めにし鋭利に仕上げていた。
通路に散らばった鉄柵を拾い上げ、脇に抱えたまま水路の方へ向かう。そして暫く水面を眺め、大型モンスターが泳いだことで生じる波を伺う。
大体の位置を見つけるのは容易なことだった。だがこのまま槍を放り込んでも、水中という相手の独壇場では、こちらの攻撃は真面に入らない。避けられてしまうこともあるが、そもそも水中に入った時点で槍の勢いは幾らか殺されてしまっている。
やはり一度、水の中から引きずり出さなければならない。そうでなければ有効打は与えられない。朱影は再び高音を響き渡らせるための、前準備を始める。
あまり遠くへ行かせない為に、そのまま水路を進んで大型モンスターが離れてしまいそうになると、槍を侵攻方向の数メートル先に投げ、向きを反転させながら、切り取った鉄柵を壁に突き刺していく。
「アイツのは雑だったが、今度はもっといい音奏でてやるからよぉ。覚悟しとけよな・・・」
そして一通り鉄柵を壁に突き刺すと、彼は満を持して槍を手にし、もう一度大型モンスターの位置を確認する。遠くへ逃げていないことを確かめると、彼は勢いよく鉄柵を槍で殴った。
下水道に響き渡る高音。最初の時と同じ展開、光景が広がる。脳にまで響き渡りそうな高音に、堪らず水中から飛び出す大型のモンスター。
今度はさっきよりも力を込める時間があった。これで仕留めると言わんばかりに、全身全霊の力を込めた一撃を放つ。
しかし、展開は最初の時の映像をフラッシュバックしたかのように、全く同じ運びとなる。
朱影の放った強烈な一撃を、大型モンスターの外皮を突き破り現れた新種の小型モンスターが、身体を張って受け止める。だが、今度は槍が撃ち落とされることはなかったが、向きを逸らされてしまい大型モンスターに命中することはなくなってしまった。
かと思われたが、朱影の投げた槍の後ろから、もう一本の槍が影に隠れるようにして、同じ軌道を辿っていたのだ。
「俺に二度も同じ作戦は通用しねぇ・・・よッ!」
二本目の槍を妨げるものは何もない。大型モンスターの身体からも、立て続けに肉壁となる小型モンスターは現れず、漸く朱影の攻撃が命中する。
「ギィャァァァーーーッ!!」
人の声にも似た悲鳴をあげながら苦しむように悶える大型モンスター。すかさず朱影が指を弾く。
「トドメだ、クソ野郎・・・!」
すると、大型モンスターの身体から無数の槍が外皮を貫き飛び出してきた。これは、高層道路での襲撃の際に、追手の機械獣に放った大技だった。
二発目の攻撃は命中するものの、手応えが無い。矛先は大型モンスターに突き刺さってはいるが、これまでよりも明らかに浅い。
不発に終わったかと、舌打ちする朱影。彼の予想通り、槍の突き刺さった部位が内側からボコボコと蠢き出し、中から先程の硬い外殻を持った小型モンスターが、肉壁を破り外へと飛び出した。
身体を突き破られた大型モンスターの外皮はみるみる治癒していき、あっという間に血のような液体を溢していた穴は塞がった。
朱影の起こした高音により飛び出したモンスターは、再び水面へと落ちていき、水飛沫を立てて水中へと潜っていった。
「逃げやがってッ・・・。また直ぐに引き摺り出してやるからよぉ・・・!」
通路に着地した朱影は周囲を見渡し、ある物を探していた。通路を少し進み、脇道に逸れたところに探していた物を見つけると、槍を取り出し素早い手の振りでその探していた物を切断した。
通路に響く金属音。大型モンスターを引き摺り出すほどの大きな音ではないが、彼の探していたものはシンが事前に用意してくれていた物と同じ、通路を塞いでいた鉄柵だった。
シンの拵えた鉄柵は、切断面があまかったり長さがまばらだったが、そこは流石の朱影。巧みな槍捌きで綺麗に長さを揃えると、壁に突き刺しやすいように、切断面もやや斜めにし鋭利に仕上げていた。
通路に散らばった鉄柵を拾い上げ、脇に抱えたまま水路の方へ向かう。そして暫く水面を眺め、大型モンスターが泳いだことで生じる波を伺う。
大体の位置を見つけるのは容易なことだった。だがこのまま槍を放り込んでも、水中という相手の独壇場では、こちらの攻撃は真面に入らない。避けられてしまうこともあるが、そもそも水中に入った時点で槍の勢いは幾らか殺されてしまっている。
やはり一度、水の中から引きずり出さなければならない。そうでなければ有効打は与えられない。朱影は再び高音を響き渡らせるための、前準備を始める。
あまり遠くへ行かせない為に、そのまま水路を進んで大型モンスターが離れてしまいそうになると、槍を侵攻方向の数メートル先に投げ、向きを反転させながら、切り取った鉄柵を壁に突き刺していく。
「アイツのは雑だったが、今度はもっといい音奏でてやるからよぉ。覚悟しとけよな・・・」
そして一通り鉄柵を壁に突き刺すと、彼は満を持して槍を手にし、もう一度大型モンスターの位置を確認する。遠くへ逃げていないことを確かめると、彼は勢いよく鉄柵を槍で殴った。
下水道に響き渡る高音。最初の時と同じ展開、光景が広がる。脳にまで響き渡りそうな高音に、堪らず水中から飛び出す大型のモンスター。
今度はさっきよりも力を込める時間があった。これで仕留めると言わんばかりに、全身全霊の力を込めた一撃を放つ。
しかし、展開は最初の時の映像をフラッシュバックしたかのように、全く同じ運びとなる。
朱影の放った強烈な一撃を、大型モンスターの外皮を突き破り現れた新種の小型モンスターが、身体を張って受け止める。だが、今度は槍が撃ち落とされることはなかったが、向きを逸らされてしまい大型モンスターに命中することはなくなってしまった。
かと思われたが、朱影の投げた槍の後ろから、もう一本の槍が影に隠れるようにして、同じ軌道を辿っていたのだ。
「俺に二度も同じ作戦は通用しねぇ・・・よッ!」
二本目の槍を妨げるものは何もない。大型モンスターの身体からも、立て続けに肉壁となる小型モンスターは現れず、漸く朱影の攻撃が命中する。
「ギィャァァァーーーッ!!」
人の声にも似た悲鳴をあげながら苦しむように悶える大型モンスター。すかさず朱影が指を弾く。
「トドメだ、クソ野郎・・・!」
すると、大型モンスターの身体から無数の槍が外皮を貫き飛び出してきた。これは、高層道路での襲撃の際に、追手の機械獣に放った大技だった。
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