390 / 1,646
魔物と人の力
しおりを挟む
頃合いを伺い、決定打を与えるチャンスを作るつもりだったツクヨ。しかし、状況はそんな流暢な事を言っていられるほど、甘いものでは無くなってしまった。ロロネーの隙を突く算段は諦め、今は最大戦力であるハオランの救出を試みるしかない。
彼と同じく、ロロネーに剣で貫かれた傷口から出血し、激痛が走る。だが動けない訳じゃない。甲板の上でうつ伏せになると、腕を前にだし身体を前進させる。匍匐前進の要領で、ハオランに剣を突き立てるロロネーの元へ近づく。
この場から向かったのでは、ロロネーに攻撃を加える前に気付かれ、亡霊を差し向けられてしまう。それではハオランを助けることはおろか、自分の身も危険に晒してしまう。
それでロロネーのハオランに対する気が逸れるのなら、それも選択肢の内の一つになり得るのだが、亡霊を従えてしまった以上、ハオランを倒すまでロロネーの注意が削がれることはないだろう。
「ッ・・・少しでも近くに・・・。凌いでくれよ・・・」
しかし、ツクヨの願いも虚しく、ロロネーの剣はハオランを床えと沈め、剣先を僅かに食い込ませる。針のような細いものならまだしも、剣のように広く幅もあるものが身体にゆっくりと刺さっていく痛みなど、想像も出来ない。
悲痛な呻き声と共に、腕の力が限界を迎えたのか小刻みに震えているのが見える。苦悶の表情に歪むその顔が、見ている者にまでその激痛を伝えているようだ。
もうこれ以上ハオランは耐えられない。今からでも立ち上がり、ロロネーに向かって行けば多少気を逸らすことくらいは出来るかもしれない。頭であれこれと考える余裕などなく、ツクヨはすぐに実行へ移そうとした。
だがツクヨよりも先に、ロロネーの気を逸らすものが現れた。それは何処からかロロネーに向けた放たれた、一本のナイフだった。当然、その殺気に気付かぬロロネーではない。
飛んで来たナイフを、ハオランに剣を突き立てている腕とは逆の手で弾き飛ばす。そしてナイフの飛んで来た先を辿るように視線を送ると、そこには意識を取り戻したシンが、何やら術のようなものを構えながらこちらを見ていた。
「・・・邪魔が入るのは想定済みだ。まずはこの男を始末し、その後でお前らも皆殺しだ」
まるで怒りを逆撫でしてしまったかのように、決着をつけようと剣を握る手に残りの力を全て注ぎ込み始めるロロネー。血走っているかのように眼孔を開き、体重を乗せるように身を乗り出そうとする。
シンが作り出したこの一瞬の間は、チャンスか否か。しかし、動き出すと決めたツクヨの身体はもう止まらない。幸いにも、シンのいる位置がツクヨとは反対方面となっていた為、ロロネーはまだツクヨが動けることを認識していない。
そこへ、ロロネーにとって予想だにしないことが起こる。全身の力を腕に込め、身体はハオランを剣で串刺しにせんと前のめりになっている。だが、男の腕はそれ以上ハオランの身体へ剣を突き立てることが出来ず、それどころかロロネーの意思とは関係なく、彼に突き立てていた剣を引き抜き始めたのだ。
「ッ・・・!?なッ何だ、どうなっている!?腕が勝手にッ・・・!」
剣先がハオランの肩口から完全に抜けると、剣身を握っていた彼は力を入れずともロロネーが剣を持ち上げているのを察し、一二回大きく呼吸をすると痛みと心の動揺を整える。
そして後方へ一歩下がると、まだ痛みで力の入らぬ腕をだらりとぶら下げ、その場で低い体勢に入りながら回転すると、下から突き上げるアッパーカットのような回し蹴りをロロネーの胸に打ち放つ。
ハオランの蹴りは、ロロネーの身体を吹き飛ばすことなくその場に止め、その余りにも強力な威力は衝撃波となってロロネーの背中から突き抜けていった。後方の壁や瓦礫が、爆風に巻き込まれたかのように吹き飛んでいく。
男は大量の血を吐きながら顔を天へと跳ね上げる。喉から顔にかけての血管が太くなり皮膚を盛り上げている。今にも血管が破裂しそうな異様な光景。流石のロロネーも意識が飛んだのか、白目を向いて動かない。
渾身の一撃を打ち込んだハオランは、後方へ数歩だけ下がり間合いを整えると、ロロネーの状態を確認し、開いた手のひらを何度か握っては開き握っては開きを繰り返す。
指先にまでちゃんと神経が通っていることを確かめ、もう一度拳を振るということを確信する。怪物のようにタフだったロロネーが、気を失ったということは何よりの好機。ここで致命打を与え、アドバンテージを得なけえばこの先の戦闘に大きく響く。
そして何より、ここで終わらせられることに越したことはない。持てる力を拳に込め、再びロロネーを貫いた技を繰り出そうと構える。先程のものとは比べ物にならない程の魔力と光がハオランの拳に集約し、大気が吸い込まれていくような風が起こり始める。
「ここまでだッ・・・!フランソワ・ロロネーッ!!」
彼のその言葉に、歯を食い縛り強引に身体を前屈みにし、まるで死際の獣のような咆哮と共に威嚇するロロネー。依然、白目を向いている状態からロロネーの意識とは関係なく、まさに悪魔のようなモンスターとなってハオランの一撃を、全身全霊を持って迎え撃とうとしている。
極限状態の二人。そしてハオランから放たれた拳は、ロロネーの心臓へ向けて放たれる。両腕を広げて立ちはだかるロロネーの胸部が、霧となって風穴を空ける。意識がない状態であっても、ここまでピンポイントに能力を扱うこの男は、まさに人間を超越していた。
空振りに終わるハオランの腕を、ロロネーの悍しい程に逞しい腕が鷲掴みにする。このまま腕をへし折られてしまうかのような絶望的な状況。ハオランに腕を戻す程の猶予と余力はない。
しかし、何故か彼の腕は解放されたのだ。ロロネーの背後から鮮血が吹き上がる。その身体に隠れていたのは、二人の元へ走り出していたツクヨだった。
その手には布都御魂剣が握られており、一人でロロネーと戦っていた時と同様、両の眼を閉じ瞼の向こうの創造の世界へと入り、男の放つ悪しき気配を斬り裂いた。
彼と同じく、ロロネーに剣で貫かれた傷口から出血し、激痛が走る。だが動けない訳じゃない。甲板の上でうつ伏せになると、腕を前にだし身体を前進させる。匍匐前進の要領で、ハオランに剣を突き立てるロロネーの元へ近づく。
この場から向かったのでは、ロロネーに攻撃を加える前に気付かれ、亡霊を差し向けられてしまう。それではハオランを助けることはおろか、自分の身も危険に晒してしまう。
それでロロネーのハオランに対する気が逸れるのなら、それも選択肢の内の一つになり得るのだが、亡霊を従えてしまった以上、ハオランを倒すまでロロネーの注意が削がれることはないだろう。
「ッ・・・少しでも近くに・・・。凌いでくれよ・・・」
しかし、ツクヨの願いも虚しく、ロロネーの剣はハオランを床えと沈め、剣先を僅かに食い込ませる。針のような細いものならまだしも、剣のように広く幅もあるものが身体にゆっくりと刺さっていく痛みなど、想像も出来ない。
悲痛な呻き声と共に、腕の力が限界を迎えたのか小刻みに震えているのが見える。苦悶の表情に歪むその顔が、見ている者にまでその激痛を伝えているようだ。
もうこれ以上ハオランは耐えられない。今からでも立ち上がり、ロロネーに向かって行けば多少気を逸らすことくらいは出来るかもしれない。頭であれこれと考える余裕などなく、ツクヨはすぐに実行へ移そうとした。
だがツクヨよりも先に、ロロネーの気を逸らすものが現れた。それは何処からかロロネーに向けた放たれた、一本のナイフだった。当然、その殺気に気付かぬロロネーではない。
飛んで来たナイフを、ハオランに剣を突き立てている腕とは逆の手で弾き飛ばす。そしてナイフの飛んで来た先を辿るように視線を送ると、そこには意識を取り戻したシンが、何やら術のようなものを構えながらこちらを見ていた。
「・・・邪魔が入るのは想定済みだ。まずはこの男を始末し、その後でお前らも皆殺しだ」
まるで怒りを逆撫でしてしまったかのように、決着をつけようと剣を握る手に残りの力を全て注ぎ込み始めるロロネー。血走っているかのように眼孔を開き、体重を乗せるように身を乗り出そうとする。
シンが作り出したこの一瞬の間は、チャンスか否か。しかし、動き出すと決めたツクヨの身体はもう止まらない。幸いにも、シンのいる位置がツクヨとは反対方面となっていた為、ロロネーはまだツクヨが動けることを認識していない。
そこへ、ロロネーにとって予想だにしないことが起こる。全身の力を腕に込め、身体はハオランを剣で串刺しにせんと前のめりになっている。だが、男の腕はそれ以上ハオランの身体へ剣を突き立てることが出来ず、それどころかロロネーの意思とは関係なく、彼に突き立てていた剣を引き抜き始めたのだ。
「ッ・・・!?なッ何だ、どうなっている!?腕が勝手にッ・・・!」
剣先がハオランの肩口から完全に抜けると、剣身を握っていた彼は力を入れずともロロネーが剣を持ち上げているのを察し、一二回大きく呼吸をすると痛みと心の動揺を整える。
そして後方へ一歩下がると、まだ痛みで力の入らぬ腕をだらりとぶら下げ、その場で低い体勢に入りながら回転すると、下から突き上げるアッパーカットのような回し蹴りをロロネーの胸に打ち放つ。
ハオランの蹴りは、ロロネーの身体を吹き飛ばすことなくその場に止め、その余りにも強力な威力は衝撃波となってロロネーの背中から突き抜けていった。後方の壁や瓦礫が、爆風に巻き込まれたかのように吹き飛んでいく。
男は大量の血を吐きながら顔を天へと跳ね上げる。喉から顔にかけての血管が太くなり皮膚を盛り上げている。今にも血管が破裂しそうな異様な光景。流石のロロネーも意識が飛んだのか、白目を向いて動かない。
渾身の一撃を打ち込んだハオランは、後方へ数歩だけ下がり間合いを整えると、ロロネーの状態を確認し、開いた手のひらを何度か握っては開き握っては開きを繰り返す。
指先にまでちゃんと神経が通っていることを確かめ、もう一度拳を振るということを確信する。怪物のようにタフだったロロネーが、気を失ったということは何よりの好機。ここで致命打を与え、アドバンテージを得なけえばこの先の戦闘に大きく響く。
そして何より、ここで終わらせられることに越したことはない。持てる力を拳に込め、再びロロネーを貫いた技を繰り出そうと構える。先程のものとは比べ物にならない程の魔力と光がハオランの拳に集約し、大気が吸い込まれていくような風が起こり始める。
「ここまでだッ・・・!フランソワ・ロロネーッ!!」
彼のその言葉に、歯を食い縛り強引に身体を前屈みにし、まるで死際の獣のような咆哮と共に威嚇するロロネー。依然、白目を向いている状態からロロネーの意識とは関係なく、まさに悪魔のようなモンスターとなってハオランの一撃を、全身全霊を持って迎え撃とうとしている。
極限状態の二人。そしてハオランから放たれた拳は、ロロネーの心臓へ向けて放たれる。両腕を広げて立ちはだかるロロネーの胸部が、霧となって風穴を空ける。意識がない状態であっても、ここまでピンポイントに能力を扱うこの男は、まさに人間を超越していた。
空振りに終わるハオランの腕を、ロロネーの悍しい程に逞しい腕が鷲掴みにする。このまま腕をへし折られてしまうかのような絶望的な状況。ハオランに腕を戻す程の猶予と余力はない。
しかし、何故か彼の腕は解放されたのだ。ロロネーの背後から鮮血が吹き上がる。その身体に隠れていたのは、二人の元へ走り出していたツクヨだった。
その手には布都御魂剣が握られており、一人でロロネーと戦っていた時と同様、両の眼を閉じ瞼の向こうの創造の世界へと入り、男の放つ悪しき気配を斬り裂いた。
0
お気に入りに追加
297
あなたにおすすめの小説
【完結】おじいちゃんは元勇者
三園 七詩
ファンタジー
元勇者のおじいさんに拾われた子供の話…
親に捨てられ、周りからも見放され生きる事をあきらめた子供の前に国から追放された元勇者のおじいさんが現れる。
エイトを息子のように可愛がり…いつしか子供は強くなり過ぎてしまっていた…
私のスローライフはどこに消えた?? 神様に異世界に勝手に連れて来られてたけど途中攫われてからがめんどくさっ!
魔悠璃
ファンタジー
タイトル変更しました。
なんか旅のお供が増え・・・。
一人でゆっくりと若返った身体で楽しく暮らそうとしていたのに・・・。
どんどん違う方向へ行っている主人公ユキヤ。
R県R市のR大学病院の個室
ベットの年配の女性はたくさんの管に繋がれて酸素吸入もされている。
ピッピッとなるのは機械音とすすり泣く声
私:[苦しい・・・息が出来ない・・・]
息子A「おふくろ頑張れ・・・」
息子B「おばあちゃん・・・」
息子B嫁「おばあちゃん・・お義母さんっ・・・」
孫3人「いやだぁ~」「おばぁ☆☆☆彡っぐ・・・」「おばあちゃ~ん泣」
ピーーーーー
医師「午後14時23分ご臨終です。」
私:[これでやっと楽になれる・・・。]
私:桐原悠稀椰64歳の生涯が終わってゆっくりと永遠の眠りにつけるはず?だったのに・・・!!
なぜか異世界の女神様に召喚されたのに、
なぜか攫われて・・・
色々な面倒に巻き込まれたり、巻き込んだり
事の発端は・・・お前だ!駄女神めぇ~!!!!
R15は保険です。
Archaic Almanac 群雄流星群
しゅーげつ
ファンタジー
【Remarks】
人々の歴史を残したいと、漠然と心に秘めた思いを初めて人に打ち明けた――あの日、
私はまだ若く、様々な可能性に満ち溢れていた。
職を辞し各地を巡り、そして自身のルーツに辿り着き、河畔の草庵で羽筆を手に取るまでの幾年月、
数多の人と出会い、別れ、交わり、違えて、やがて祖国は無くなった。
人との関わりを極限まで減らし、多くの部下を扱う立場にありながら、
まるで小鳥のように流れていく積日を傍らから景色として眺めていた、
あの未熟でちっぽけだった私の後の人生を、
強く儚く淡く濃く、輝く星々は眩むほどに魅了し、決定付けた。
王国の興亡を、史書では無く物語として綴る決心をしたのは、
ひとえにその輝きが放つ熱に当てられたからだが、中心にこの人を置いた理由は今でも分からない。
その人は《リコ》といった。
旧王都フランシアの南に広がるレインフォール大森林の奥地で生を受けたという彼の人物は、
大瀑布から供給される清水、肥沃する大地と大樹の守護に抱かれ、
自然を朋輩に、動物たちを先達に幼少期を過ごしたという。
森の奥、名も無き湖に鎮座する石柱を――ただ見守る日々を。
全てを遡り縁を紐解くと、緩やかに死んでいく生を打ち破った、あの時に帰結するのだろう。
数多の群星が輝きを増し、命を燃やし、互いに心を削り合う、騒乱の時代が幕を開けた初夏。
だからこそ私は、この人を物語の冒頭に据えた。
リコ・ヴァレンティ、後のミッドランド初代皇帝、その人である。
【Notes】
異世界やゲーム物、転生でも転移でもありません。
クロスオーバーに挑戦し数多のキャラクターが活躍する
そんなリアルファンタジーを目指しているので、あくまで現世の延長線上の物語です。
以前キャラ文芸として応募した物の続編更新ですが、ファンタジーカテゴリに変更してます。
※更新は不定期ですが半年から1年の間に1章進むペースで書いてます。
※5000文字で統一しています。およそ5ページです。
※文字数を揃えていますので、表示は(小)を推奨します。
※挿絵にAI画像を使い始めましたが、あくまでイメージ画像としてです。
-読み方-
Archaic Almanac (アルカイクxアルマナク) ぐんゆうりゅうせいぐん
鑑定能力で恩を返す
KBT
ファンタジー
どこにでもいる普通のサラリーマンの蔵田悟。
彼ははある日、上司の悪態を吐きながら深酒をし、目が覚めると見知らぬ世界にいた。
そこは剣と魔法、人間、獣人、亜人、魔物が跋扈する異世界フォートルードだった。
この世界には稀に異世界から《迷い人》が転移しており、悟もその1人だった。
帰る方法もなく、途方に暮れていた悟だったが、通りすがりの商人ロンメルに命を救われる。
そして稀少な能力である鑑定能力が自身にある事がわかり、ブロディア王国の公都ハメルンの裏通りにあるロンメルの店で働かせてもらう事になった。
そして、ロンメルから店の番頭を任された悟は《サト》と名前を変え、命の恩人であるロンメルへの恩返しのため、商店を大きくしようと鑑定能力を駆使して、海千山千の商人達や荒くれ者の冒険者達を相手に日夜奮闘するのだった。
Another Of Life Game~僕のもう一つの物語~
神城弥生
ファンタジー
なろう小説サイトにて「HJ文庫2018」一次審査突破しました!!
皆様のおかげでなろうサイトで120万pv達成しました!
ありがとうございます!
VRMMOを造った山下グループの最高傑作「Another Of Life Game」。
山下哲二が、死ぬ間際に完成させたこのゲームに込めた思いとは・・・?
それでは皆様、AOLの世界をお楽しみ下さい!
毎週土曜日更新(偶に休み)
Anotherfantasia~もうひとつの幻想郷
くみたろう
ファンタジー
彼女の名前は東堂翠。
怒りに震えながら、両手に持つ固めの箱を歪ませるくらいに力を入れて歩く翠。
最高の一日が、たった数分で最悪な1日へと変わった。
その要因は手に持つ箱。
ゲーム、Anotherfantasia
体感出来る幻想郷とキャッチフレーズが付いた完全ダイブ型VRゲームが、彼女の幸せを壊したのだ。
「このゲームがなんぼのもんよ!!!」
怒り狂う翠は帰宅後ゲームを睨みつけて、興味なんか無いゲームを険しい表情で起動した。
「どれくらい面白いのか、試してやろうじゃない。」
ゲームを一切やらない翠が、初めての体感出来る幻想郷へと体を委ねた。
それは、翠の想像を上回った。
「これが………ゲーム………?」
現実離れした世界観。
でも、確かに感じるのは現実だった。
初めて続きの翠に、少しづつ増える仲間たち。
楽しさを見出した翠は、気付いたらトップランカーのクランで外せない大事な仲間になっていた。
【Anotherfantasia……今となっては、楽しくないなんて絶対言えないや】
翠は、柔らかく笑うのだった。
虐げられた武闘派伯爵令嬢は辺境伯と憧れのスローライフ目指して魔獣狩りに勤しみます!~実家から追放されましたが、今最高に幸せです!~
雲井咲穂(くもいさほ)
ファンタジー
「戦う」伯爵令嬢はお好きですか――?
私は、継母が作った借金のせいで、売られる形でこれから辺境伯に嫁ぐことになったそうです。
「お前の居場所なんてない」と継母に実家を追放された伯爵令嬢コーデリア。
多額の借金の肩代わりをしてくれた「魔獣」と怖れられている辺境伯カイルに身売り同然で嫁ぐことに。実母の死、実父の病によって継母と義妹に虐げられて育った彼女には、とある秘密があった。
そんなコーデリアに待ち受けていたのは、聖女に見捨てられた荒廃した領地と魔獣の脅威、そして最凶と恐れられる夫との悲惨な生活――、ではなく。
「今日もひと狩り行こうぜ」的なノリで親しく話しかけてくる朗らかな領民と、彼らに慕われるたくましくも心優しい「旦那様」で??
――義母が放置してくれたおかげで伸び伸びこっそりひっそり、自分で剣と魔法の腕を磨いていてよかったです。
騎士団も唸る腕前を見せる「武闘派」伯爵元令嬢は、辺境伯夫人として、夫婦二人で仲良く楽しく魔獣を狩りながら領地開拓!今日も楽しく脅威を退けながら、スローライフをまったり楽しみま…す?
ーーーーーーーーーーーー
1/13 HOT 42位 ありがとうございました!
なろう370000PV感謝! 遍歴の雇われ勇者は日々旅にして旅を住処とす
大森天呑
ファンタジー
〜 報酬は未定・リスクは不明? のんきな雇われ勇者は旅の日々を送る 〜
魔獣や魔物を討伐する専門のハンター『破邪』として遍歴修行の旅を続けていた青年、ライノ・クライスは、ある日ふたりの大精霊と出会った。
大精霊は、この世界を支える力の源泉であり、止まること無く世界を巡り続けている『魔力の奔流』が徐々に乱れつつあることを彼に教え、同時に、そのバランスを補正すべく『勇者』の役割を請け負うよう求める。
それも破邪の役目の延長と考え、気軽に『勇者の仕事』を引き受けたライノは、エルフの少女として顕現した大精霊の一人と共に魔力の乱れの原因を辿って旅を続けていくうちに、そこに思いも寄らぬ背景が潜んでいることに気づく・・・
ひょんなことから勇者になった青年の、ちょっと冒険っぽい旅の日々。
< 小説家になろう・カクヨム・エブリスタでも同名義、同タイトルで連載中です >
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる