227 / 1,646
守護の願いと自由への渇望
しおりを挟む
シンの操縦するボード捌きは、グラン・ヴァーグでツバキに習っていた頃とは比べ物にならない上達ぶりだった。無論、まだ荒さは目立つが目標地点へ向かったり、ある程度の攻撃を避けるくらいのことなら、すっかりお手の物になっていた。
「面白れぇ乗りモンだなコレ。ただのガスエンジンでは無いようだが?」
つい先ほどまで気を失っていたのが嘘のようにボードを眺めている。荒々しい口調から何となく彼女の性格が伝わってくるようだった。こういった人種には覚えがある。
「俺にも原理はよく分からないんだ。ただ、操縦者の魔力やスキルによって性能が変わるそうだ。造船技師のウィリアムさんのところに居たツバキっていう技師が手掛けた乗り物なんだ」
造船技師のウィリアムという名前を出した途端に、シルヴィの表情が変わり目を輝かせていた。それ程、海を生業とする者達の間で彼の名は有名ということだろう。
「ウィリアムのじぃさんか!俺らの船も見繕ってもらったことがあるぜぇ!だがじぃさんのところに、ツバキなんて技師いたかぁ?まぁ何にしろ、流石じぃさんの工房だぜ!腕利きの弟子が育ってんだなぁ!?」
ウィリアムを知る人ですら、ツバキのことを知らないという事実。確かにこれでは知名度を上げるのに苦労しそうだ。何せゼロからのスタートになるのだから。
だがそれもきっと、同じ道を歩んで来た者だからこそ、職人の道の険しさを知るには早過ぎると思ったウィリアムの配慮なのだろう。だからツバキの船や乗り物を世間に出すことに抵抗があったのだ。
もしそれで死者でも出そうものなら、ツバキの将来を潰しかねない。それだけではなく、親役でもあり師匠でもあるウィリアムの名にも傷が付くだろう。しかし最も懸念すべきはそこではない。
自分のせいでウィリアムの造船技師としての仕事が無くなることを、負い目に感じてしまい心を病んでしまうのが何よりも怖かったのだろう。
自らが傷付くだけならまだ立ち上がれる。だが、育ての親で命の恩人で、ツバキに技術者としての道を教えてくれた人の人生を壊してしまったとあらば、とても背負い切れるものではないだろう。最悪の場合、自らの命を絶つかもしれない。
それでも、その気持ちを知ってか知らずかツバキは前へと歩み出した。檻の中で守られる、何一つ不自由のない安定した人生に、ツバキは不自由を感じていたのだろう。
守りたいウィリアムと、羽ばたいて生きたいツバキ。どちらの思いも正しく、至極真っ当な気持ちであることに変わりはない。正しくとも人の思いはすれ違い、ぶつかり合ってしまう。
今のシンならば、その矛盾に気づき考えることが出来る。人の思う正しさが、その数だけ正義を生み出し、一つにすることは出来ない。聖都での争いがそうであったように。
自分達の目的の為に、ツバキの自由を利用するようで気が引けるが、それでもシン達にはやらなければならない事がある。だからせめて、ツバキが羽ばたける後押しが出来たのなら・・・。
「そうさ・・・新しい芽は育ってるんだ、きっと誰もが驚く技師になる人だよ」
シルヴィにシンの言っている事の事情は分からない。だが彼女は、シンの言葉の裏にある感情を読み取ると、笑顔で彼に尋ねる。
「へぇ、そいつぁ良いことを聞いた。それで・・・その技師の名は?」
「ツバキって言うエンジニアさ!」
二人を乗せたボードが囮船に近づいて来たその時、まだ距離のある海上にまで響き渡る何かの衝撃波が発せられた。ダメージこそなかったものの、まるで突風でも吹いたかのような衝撃と波が二人を襲った。
あまりの衝撃波に操縦が出来なくなり、ふらふらとバランスを取るだけでも精一杯だった。落ち着きを取り戻した海上で一旦止まり、状況を確認するシンとシルヴィ。
「いッ・・・今のはッ!?」
「知るかッ!一体どこから・・・まッまさかッ!!」
衝撃波の発生源を探して周囲を見渡すと、波と風が来る方角がある一点からやって来ることに気がつく二人。直ぐにその方面へ顔を向けると、そこには二人の目指していた囮船があり、まだその衝撃のせいか船が大きく揺れているのが見えた。
「まさか・・・これほどの衝撃があの船から・・・?」
「早く行けッ!急げッ!!」
シルヴィの声で、急発進したボードの前方が大きく跳ね上がる。ボードの噴射の勢いにハンドルを振られるも、何とか体勢を持ち直し、衝撃波の発生源であろう囮船へと急行する。
操縦するシンの後ろで、ジャラジャラと何かを取り出しているかのような音が聞こえて来る。狭いボードの上で、シルヴィは器用にバランスを保ちながら、両端に手斧の付いた鎖を準備すると、それをまるで棍棒を回すかの如くグルグルと回転させる。
「誰か甲板に立っているぞッ!何かを掴んで燃やしている・・・?あ・・・あれはまさか・・・人かッ!?」
「お前は操縦に専念してろッ!やむを得ねぇ・・・こっから投擲するッ!」
鎖に手斧という道具を使って投擲するというシルヴィ。しかし、シンのWoFの知識にそんな道具を投擲するクラスの知識はなく、例えあったとしても、アサシンの投擲スキルでさえ届くかどうかという距離を果たして狙い撃てるのだろうか。
「アンタのクラスは遠距離から攻撃出来るクラスなのかッ!?」
波を立てて急行するボードの音に負けじと、大声でシルヴィのしようとしている事について尋ねると、彼女は海上戦に不慣れなシンに自分の戦い方を教授する。
「海上で狙い撃つモンってぇのは、何も砲弾や銃弾だけじゃねぇ・・・。よく見ておきなッ!ひよっ子ッ!!」
十分な回転と勢いを溜め込んだシルヴィが、移動するボードの上で思いっきりそれを投げ放つと、吹き荒ぶ潮風を切り裂きながら囮船へ飛んで行き、見事甲板に立つ一人の人物に当てて見せたのだ。
「面白れぇ乗りモンだなコレ。ただのガスエンジンでは無いようだが?」
つい先ほどまで気を失っていたのが嘘のようにボードを眺めている。荒々しい口調から何となく彼女の性格が伝わってくるようだった。こういった人種には覚えがある。
「俺にも原理はよく分からないんだ。ただ、操縦者の魔力やスキルによって性能が変わるそうだ。造船技師のウィリアムさんのところに居たツバキっていう技師が手掛けた乗り物なんだ」
造船技師のウィリアムという名前を出した途端に、シルヴィの表情が変わり目を輝かせていた。それ程、海を生業とする者達の間で彼の名は有名ということだろう。
「ウィリアムのじぃさんか!俺らの船も見繕ってもらったことがあるぜぇ!だがじぃさんのところに、ツバキなんて技師いたかぁ?まぁ何にしろ、流石じぃさんの工房だぜ!腕利きの弟子が育ってんだなぁ!?」
ウィリアムを知る人ですら、ツバキのことを知らないという事実。確かにこれでは知名度を上げるのに苦労しそうだ。何せゼロからのスタートになるのだから。
だがそれもきっと、同じ道を歩んで来た者だからこそ、職人の道の険しさを知るには早過ぎると思ったウィリアムの配慮なのだろう。だからツバキの船や乗り物を世間に出すことに抵抗があったのだ。
もしそれで死者でも出そうものなら、ツバキの将来を潰しかねない。それだけではなく、親役でもあり師匠でもあるウィリアムの名にも傷が付くだろう。しかし最も懸念すべきはそこではない。
自分のせいでウィリアムの造船技師としての仕事が無くなることを、負い目に感じてしまい心を病んでしまうのが何よりも怖かったのだろう。
自らが傷付くだけならまだ立ち上がれる。だが、育ての親で命の恩人で、ツバキに技術者としての道を教えてくれた人の人生を壊してしまったとあらば、とても背負い切れるものではないだろう。最悪の場合、自らの命を絶つかもしれない。
それでも、その気持ちを知ってか知らずかツバキは前へと歩み出した。檻の中で守られる、何一つ不自由のない安定した人生に、ツバキは不自由を感じていたのだろう。
守りたいウィリアムと、羽ばたいて生きたいツバキ。どちらの思いも正しく、至極真っ当な気持ちであることに変わりはない。正しくとも人の思いはすれ違い、ぶつかり合ってしまう。
今のシンならば、その矛盾に気づき考えることが出来る。人の思う正しさが、その数だけ正義を生み出し、一つにすることは出来ない。聖都での争いがそうであったように。
自分達の目的の為に、ツバキの自由を利用するようで気が引けるが、それでもシン達にはやらなければならない事がある。だからせめて、ツバキが羽ばたける後押しが出来たのなら・・・。
「そうさ・・・新しい芽は育ってるんだ、きっと誰もが驚く技師になる人だよ」
シルヴィにシンの言っている事の事情は分からない。だが彼女は、シンの言葉の裏にある感情を読み取ると、笑顔で彼に尋ねる。
「へぇ、そいつぁ良いことを聞いた。それで・・・その技師の名は?」
「ツバキって言うエンジニアさ!」
二人を乗せたボードが囮船に近づいて来たその時、まだ距離のある海上にまで響き渡る何かの衝撃波が発せられた。ダメージこそなかったものの、まるで突風でも吹いたかのような衝撃と波が二人を襲った。
あまりの衝撃波に操縦が出来なくなり、ふらふらとバランスを取るだけでも精一杯だった。落ち着きを取り戻した海上で一旦止まり、状況を確認するシンとシルヴィ。
「いッ・・・今のはッ!?」
「知るかッ!一体どこから・・・まッまさかッ!!」
衝撃波の発生源を探して周囲を見渡すと、波と風が来る方角がある一点からやって来ることに気がつく二人。直ぐにその方面へ顔を向けると、そこには二人の目指していた囮船があり、まだその衝撃のせいか船が大きく揺れているのが見えた。
「まさか・・・これほどの衝撃があの船から・・・?」
「早く行けッ!急げッ!!」
シルヴィの声で、急発進したボードの前方が大きく跳ね上がる。ボードの噴射の勢いにハンドルを振られるも、何とか体勢を持ち直し、衝撃波の発生源であろう囮船へと急行する。
操縦するシンの後ろで、ジャラジャラと何かを取り出しているかのような音が聞こえて来る。狭いボードの上で、シルヴィは器用にバランスを保ちながら、両端に手斧の付いた鎖を準備すると、それをまるで棍棒を回すかの如くグルグルと回転させる。
「誰か甲板に立っているぞッ!何かを掴んで燃やしている・・・?あ・・・あれはまさか・・・人かッ!?」
「お前は操縦に専念してろッ!やむを得ねぇ・・・こっから投擲するッ!」
鎖に手斧という道具を使って投擲するというシルヴィ。しかし、シンのWoFの知識にそんな道具を投擲するクラスの知識はなく、例えあったとしても、アサシンの投擲スキルでさえ届くかどうかという距離を果たして狙い撃てるのだろうか。
「アンタのクラスは遠距離から攻撃出来るクラスなのかッ!?」
波を立てて急行するボードの音に負けじと、大声でシルヴィのしようとしている事について尋ねると、彼女は海上戦に不慣れなシンに自分の戦い方を教授する。
「海上で狙い撃つモンってぇのは、何も砲弾や銃弾だけじゃねぇ・・・。よく見ておきなッ!ひよっ子ッ!!」
十分な回転と勢いを溜め込んだシルヴィが、移動するボードの上で思いっきりそれを投げ放つと、吹き荒ぶ潮風を切り裂きながら囮船へ飛んで行き、見事甲板に立つ一人の人物に当てて見せたのだ。
0
お気に入りに追加
295
あなたにおすすめの小説
re:birth 〜勇者じゃないと追放された最強職【何でも屋】は、異世界でチートスキル【DIY】で無双します~
華音 楓
ファンタジー
「役立たずの貴様は、この城から出ていけ!」
国王から殺気を含んだ声で告げられtた海人は頷く他なかった。
ある日、異世界に魔王討伐の為に主人公「石立海人」(いしだてかいと)は、勇者として召喚された。
その際に、判明したスキルは、誰にも理解されない【DIY】と【なんでも屋】という隠れ最強職であった。
だが、勇者職を有していなかった主人公は、誰にも理解されることなく勇者ではないという理由で王族を含む全ての城関係者から露骨な侮蔑を受ける事になる。
城に滞在したままでは、命の危険性があった海人は、城から半ば追放される形で王城から追放されることになる。 僅かな金銭で追放された海人は、生活費用を稼ぐ為に冒険者として登録し、生きていくことを余儀なくされた。
この物語は、多くの仲間と出会い、ダンジョンを攻略し、成りあがっていくストーリーである。
「自重知らずの異世界転生者-膨大な魔力を引っさげて異世界デビューしたら、規格外過ぎて自重を求められています-」
mitsuzoエンターテインメンツ
ファンタジー
ネットでみつけた『異世界に行ったかもしれないスレ』に書いてあった『異世界に転生する方法』をやってみたら本当に異世界に転生された。
チート能力で豊富な魔力を持っていた俺だったが、目立つのが嫌だったので周囲となんら変わらないよう生活していたが「目立ち過ぎだ!」とか「加減という言葉の意味をもっと勉強して!」と周囲からはなぜか自重を求められた。
なんだよ? それじゃあまるで、俺が自重をどっかに捨ててきたみたいじゃないか!
こうして俺の理不尽で前途多難?な異世界生活が始まりました。
※注:すべてわかった上で自重してません。
婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた
cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。
お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。
婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。
過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。
ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。
婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。
明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。
「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。
そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。
茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。
幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。
「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?!
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
余りモノ異世界人の自由生活~勇者じゃないので勝手にやらせてもらいます~
藤森フクロウ
ファンタジー
相良真一(サガラシンイチ)は社畜ブラックの企業戦士だった。
悪夢のような連勤を乗り越え、漸く帰れるとバスに乗り込んだらまさかの異世界転移。
そこには土下座する幼女女神がいた。
『ごめんなさあああい!!!』
最初っからギャン泣きクライマックス。
社畜が呼び出した国からサクッと逃げ出し、自由を求めて旅立ちます。
真一からシンに名前を改め、別の国に移り住みスローライフ……と思ったら馬鹿王子の世話をする羽目になったり、狩りや採取に精を出したり、馬鹿王子に暴言を吐いたり、冒険者ランクを上げたり、女神の愚痴を聞いたり、馬鹿王子を躾けたり、社会貢献したり……
そんなまったり異世界生活がはじまる――かも?
ブックマーク30000件突破ありがとうございます!!
第13回ファンタジー小説大賞にて、特別賞を頂き書籍化しております。
♦お知らせ♦
余りモノ異世界人の自由生活、コミックス3巻が発売しました!
漫画は村松麻由先生が担当してくださっています。
よかったらお手に取っていただければ幸いです。
書籍のイラストは万冬しま先生が担当してくださっています。
7巻は6月17日に発送です。地域によって異なりますが、早ければ当日夕方、遅くても2~3日後に書店にお届けになるかと思います。
今回は夏休み帰郷編、ちょっとバトル入りです。
コミカライズの連載は毎月第二水曜に更新となります。
漫画は村松麻由先生が担当してくださいます。
※基本予約投稿が多いです。
たまに失敗してトチ狂ったことになっています。
原稿作業中は、不規則になったり更新が遅れる可能性があります。
現在原稿作業と、私生活のいろいろで感想にはお返事しておりません。
王太子様には優秀な妹の方がお似合いですから、いつまでも私にこだわる必要なんてありませんよ?
木山楽斗
恋愛
公爵令嬢であるラルリアは、優秀な妹に比べて平凡な人間であった。
これといって秀でた点がない彼女は、いつも妹と比較されて、時には罵倒されていたのである。
しかしそんなラルリアはある時、王太子の婚約者に選ばれた。
それに誰よりも驚いたのは、彼女自身である。仮に公爵家と王家の婚約がなされるとしても、その対象となるのは妹だと思っていたからだ。
事実として、社交界ではその婚約は非難されていた。
妹の方を王家に嫁がせる方が有益であると、有力者達は考えていたのだ。
故にラルリアも、婚約者である王太子アドルヴに婚約を変更するように進言した。しかし彼は、頑なにラルリアとの婚約を望んでいた。どうやらこの婚約自体、彼が提案したものであるようなのだ。
愛されていないはずの婚約者に「貴方に愛されることなど望んでいませんわ」と申し上げたら溺愛されました
海咲雪
恋愛
「セレア、もう一度言う。私はセレアを愛している」
「どうやら、私の愛は伝わっていなかったらしい。これからは思う存分セレアを愛でることにしよう」
「他の男を愛することは婚約者の私が一切認めない。君が愛を注いでいいのも愛を注がれていいのも私だけだ」
貴方が愛しているのはあの男爵令嬢でしょう・・・?
何故、私を愛するふりをするのですか?
[登場人物]
セレア・シャルロット・・・伯爵令嬢。ノア・ヴィアーズの婚約者。ノアのことを建前ではなく本当に愛している。
×
ノア・ヴィアーズ・・・王族。セレア・シャルロットの婚約者。
リア・セルナード・・・男爵令嬢。ノア・ヴィアーズと恋仲であると噂が立っている。
アレン・シールベルト・・・伯爵家の一人息子。セレアとは幼い頃から仲が良い友達。実はセレアのことを・・・?
私異世界で成り上がる!! ~家出娘が異世界で極貧生活しながら虎視眈々と頂点を目指す~
春風一
ファンタジー
『いーわよ、そこまで言うならもう、親子の縁なんて切ってやる!! 絶対に成功するから、今に見てなさいよ!!』
如月風歌は、考えるより先に行動する脳筋少女。中学の卒業式の日に、親と大喧嘩し、その勢いで家出する。時空航行船のチケットを握りしめ、着の身着のまま&ほぼ無一文で、異世界に向かっていった。
同じ地球でありながら、魔法で発展した平行世界エレクトラ。この世界に来たのは『シルフィード』と呼ばれる、女性だけがなれる『超人気職業』に就くためだ。
上位階級のシルフィードは、トップアイドルのような存在。また、絶大な人気・知名度・影響力を持ち、誰からも尊敬される、人生の成功者。巨万の富を築いた者も、少なくはない。
だが、お金もない・人脈もない・知識もない。加えて、女子力ゼロで、女らしさの欠片もない。全てがゼロからの、あまりにも無謀すぎる挑戦。しかも、親から勘当を言い渡され、帰る場所すらない状態。
夢に燃えて、意気揚々と異世界に乗り込んだものの、待ち受けていのは、恐ろしく厳しい現実と、パンと水だけの極貧生活だった。
『夢さえ持っていれば、気合さえあれば、絶対に上手くいく!!』と信じて疑わない、脳筋でちょっとお馬鹿な少女。だが、チート並みのコミュ力(無自覚)で、人脈をどんどん広げて行く。
ほのぼの日常系。でも、脳筋主人公のため、トラブルが発生したり、たまにシリアスだったり、スポ根っぽい熱い展開も……。
裸一貫から成り上がる、異世界シンデレラストーリー。
私とお母さんとお好み焼き
white love it
経済・企業
義理の母と二人暮らしの垣谷操。貧しいと思っていたが、義母、京子の経営手腕はなかなかのものだった。
シングルマザーの織りなす経営方法とは?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる